トピックス

2012.01.20|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年1月20日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年1月20日
(平成24年1月20日(金) 15:04~15:34  於:合同庁舎4号館4階408会議室)

1.発言要旨
 私から2点。第1点は今日の閣議でも報告されたわけですが、昨日この場で御説明をいたしました「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」について、総理からも閣議の場で御発言をいただきました。私の発言もございましたが、まずは総理から、これから盛り込まれた措置を着実に実施していく段階にあると、各大臣は国民から信頼される新たな制度及び組織の構築に向けて積極的に改革に取り組んでもらいたいと、こういう御発言がございました。私からも、同趣旨のことについて、各大臣に協力を要請したところでございます。
 なお、私のほうからは、行政刷新会議による提言型政策仕分けのフォローアップについても、発言をさせていただきました。特に今後、各府省において、行政刷新会議事務局と調整を図りながら、取組状況、今後の取組予定、方法などについて公表してください。そして、内容を随時更新して説明責任を果たしてください、ということを申し上げたところでございます。
 併せて、私のほうから、これは閣僚懇の場で、これで特会、独法について、一つの区切りを付けたので、今後は党でも検討してもらっている行革推進のための立法作業に本格的に着手したいと。法形式については、閣法か、あるいは議員立法かということについては、まだ決めていないが、いずれにしろ党で一体となって、しっかりとしたものを作りたいので、各大臣におかれては、よく御協力をいただきたいということを申し上げました。
 同趣旨は、今日昼、昼食時に総理が各省政務官をお集めになって昼食会が開かれましたが、その場でも私のほうから同じことを申し上げておいたところでございます。それが1点です。
 もう1点は、お手元に資料をお配りさせていただいていると思いますが、社会保障・税一体改革の5大臣会合を開きまして、基本的な基本方針といいますか、説明のしぶりといいますか、そのことについて、これでこれから今後進めていくということを合意したところでございます。
 2枚目のところ以下に具体的に書いてありますが、社会保障の充実で2.7兆円、安定化、つまり今の社会保障制度を持続可能にする、守るという観点で10.8兆円と、それぞれ消費税収でいくと1%、4%ということでございます。
 充実のほうは新しい話でありまして、子ども・子育て、これで7,000億、医療・介護、それから年金制度、縦横になりますのは貧困・格差対策やその強化ということで2.7兆円であります。ここのところも具体的中身をより詳しくしっかり説明していく必要があるというふうに考えております。
 10.8兆のほうは、今御案内の年金国庫負担2分の1、これは年金交付国債の償還費用も含めて、詳細はまだ何年で返すかということの決定はまだしておりませんが、その償還も含めて2.9兆円、そして毎年、毎年社会保障費の支出が1兆円ずつ増えていくということ、それから今赤字国債で賄っている部分について置きかえる部分、そういったことをひっくるめて7兆円、それから消費税を上げれば物価が上がりますので、社会保障の支出も増えるということで0.8兆円ということで整理をいたしました。
 なお、この国・地方ということで分けると、今回引き上げ5%の配分については、社会保障4経費に則った範囲の社会保障給付における国と地方の役割分担に応じまして、国が3.46%、地方が1.54%ということになるわけでございます。そして、増税分は全額社会保障財源化し、国民に還元すると、官の肥大化には使わないということも併せて確認をしたところでございます。
 この基本方針に沿って、今後資料の作成など進め、財務省では各地での説明会など、具体的に予定されておりますが、全省庁的なこの広報につきましては、私のところで一元化して、今後総理も含めて、各政務三役が手分けをして、いろいろな場で御説明をするということをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)朝日新聞の伊藤と申します。
 この新しい社会保障改革のポイントの説明で、ちょっとまず基本的なことを確認したいんですが、これまで機能強化3%、機能維持1%、それから物価上昇の分1%という分けた説明がこの新しい説明だとどういうふうに組み換えたのか、それはなぜ組み換えたのかというところをまず御説明いただけますでしょうか。
(答)まず、充実のところは1ということで基本的に変わってないというふうに思います。残りの4の説明の仕方、その中で特に消費税を上げることで、当然増的に増えてしまう分ということで1%と、従来は説明していたと思いますが、党の中の議論でも出たんですが、その中にどこまで含めるのかと、つまり社会保障費、例えば年金の給付が物価が上がることによって、消費税導入に伴って物価が上がり、年金給付が上がると、そういうものはいいにしても、物価が上がることによって、いろいろな政府が購入する物品の価格も上がると、そういうものまで含めると、それは社会保障に使っているとは言いにくいのではないかと、こういう御指摘がございました。
 それはそれでそのとおりでありますので、そういうものは除くと、それは他の消費税の5%増分以外のところで賄うことにし、5%分については、これは社会保障費だけに使うということを明確化した問題です。
 それに伴って、項目三つにしたのを二つに統合したわけですが、金額としては0.8兆円、ですから0.3%ぐらいですかね1%の分が社会保障費だけに限ったということで、ということになりました。額も小さくなりましたので、2の中に入れ込んだということでございます。

(問)ただ、今までのこの3、1、1の説明から変わったということで、かえって分かり難くなっている面もあるかなという気もするのですけれども、そこら辺はどういうふうに、今までのつまり説明が間違っていたのか、その方針を変えたのか、そこら辺どのような御説明ですか。
(答)説明の仕方を変えたということです。ですから、よく勉強されておられる方は3、1、1でもよかったのかもしれませんが、私にはそういう説明は分かりませんので、もう少し分かりやすく再整理をして、これからきちっとこれで広報していくということです。

(問)1点だけなんですが、前回の会見のときには地方の分ももう少し内訳を出されるような説明をされていたように思うんですが、今回地方のところが実際どうなのか分からないというか、交付税の分も含めると、なかなか本当に全部社会保障に使うのかというのは分からないと思うんですけれども、そこら辺どういうふうに。
(答)ここは先程言いましたように3.46と1.54ということです。1.54が果たして社会保障全額なのかということは、言い方が難しいんですよね。社会保障だというふうに言い切ると、地方自治の本旨といいますか、それを決めるのは地方だろうと、こういう話も出てきますので、ここに掲げたような表現にしてあります。
 ただ、地方においても社会保障費のウエイトというのは圧倒的に高いので、そのために使われるということは、確保されるというふうに考えております。

(問)フリーランス記者の上出と申します。
 これは直接会見で岡田副総理から聞いたのではなくて、報道によるものなので、事実関係で間違いがあったらお許しください。
 いわゆる政党助成金のことについて、ここにも国民に分かり易く説明する上でも、政治の責任として、こういう税金を使って政党活動していくという、本来の政党とカネの問題でもあるし、税金の問題からいっても、岡田副総理がこの問題を取り上げられたということは大変いいことだなと私は思っているんですが、ただ現実に今までこの問題を熱心にしたのは、私の理解では共産党ぐらいでして、なかなかきちんとした議論になってなかったように思うんですが、この問題の優先順位、それからあと法案提出の前提にするまでいくのかどうか、党内でどのぐらいこれが支持されているのか、僭越な言い方ですが、岡田副総理自身の決意の程をどうなんだろうかという辺りをお示しいただけませんか。
(答)これは基本的には政党の話なんですね。ですから、政府の一員である、閣僚である私があまり口を出さないほうがいいというふうには思っております。各党間で御議論いただく話ではないかというふうに考えております。
 民主党は議員の人数も多いですし、削ってもそう困ることはないんですが、それは各党それぞれ事情もありますから、あまり突出しないほうがいいというふうに私自身は考えております。

(問)追加なんですけれども、それで私が実際に目にしたのはNHKのニュースなんですけれども、かなり最初のほうで取り上げていたので、実際なかったのですが、これを取り上げたというお気持ち、背景などの意義というのは、今の説明とちょっと食い違う私の印象としては感じがしたんですが。
(答)実は幹事長ではもうなかったんですが、幹事長から副総理に替る移行期において出た発言だというふうに理解していただきたいと思います。

(問)副総理の発言ではないということですか。
(答)副総理として発言しておりますので、そういうふうに逃げるつもりはありませんが、基本的にはそれは党に委ねるべき問題だというふうに考えています。

(問)毎日新聞の野口ですが、同じく政治改革の関連でなんですけれども、閣議決定した一体改革の素案の中では、議員定数の削減や公務員の人件費削減など、自ら身を削る改革を実施した上で、消費税の引き上げを実施すべきであるというので、具体的に議員定数削減や国家公務員の削減の法案の成立というのを挙げているんですけれども、今回先程移行期の発言だとおっしゃいましたけれども、議員の歳費の削減と政党助成金の削減についても、これもやはり同じように消費税引き上げまでに実施するべき、同じような条件に入るのでしょうか。
(答)先程お答えしたと思いますが、基本的にそれは政党間で協議されるべき問題であるというふうに考えております。

(問)読売新聞の小野田といいます。
 先程質問に出ました地方への配分の件で、国分の3.46%は、これは社会保障目的税化するというふうに素案に書かれておりまして、地方分の1.54%、これを社会保障財源とするということで、ややちょっとそこは概念的にあいまいになるかと思うんですけれども、そこをちゃんと社会保障に充てるというふうに担保するには、これは自治体というか、地方側がそれぞれがちゃんと使っていると示していくのか、あるいは国としてきちんと国民に分かる形で充てているというふうに説明するのか、その辺をどう整理されていますでしょうか。
(答)これは国が強制はできない性格のものなんですね。交付税も一部含まれますし、地方自治の根幹に触れる部分でもありますので、そういう微妙な中での表現になっているということです。もちろん国民の皆さんにお願いをして、消費税の御負担を追加的に5%させていただくわけですから、それを真摯に地方も受け止めて、きちんと社会保障の充実のために使ってもらうと、こういうことだと思います。

(問)朝日新聞の野上です。お疲れさまです。
 一部報道で、行政刷新会議を廃止しまして、今後さらにテーマを深めて取り組む行政構造改革実行本部を立ち上げていくという報道がありますけれども、今後もそうした組織をつくっていかれるお考えがあるのか、お聞かせください。
(答)行政刷新会議を廃止するということは、全くそういうことは考えておりません。今、先程言いましたように、新たな法律を作るということで、その内容をどうするかということを議論しておりますが、党は党でいろいろ御検討かと思いますが、すり合わせはまだなされておりません。

(問)党の側にそういった考えがあるということでしょうか。
(答)私は承知していません。何を根拠に報道されたのか、一々報道について詮索しないことにしておりますので、むしろ書かれたところから御説明いただいたほうがいいかもしれません。

(問)西日本新聞の吉武といいますが、先程の歳費削減の話、副総理に就任なさった当初、テレビの番組でも行うべきだという力強いメッセージがあったわけなんですが、昨日か今日か、昨日の夜のテレビ番組辺りから、政党間でやることだとか、ちょっとトーンダウンしたような印象を受けるんですけれども、これは何かあったんですか。
(答)私の個人としてはという、私としてはというふうに言ったと思うんですね、歳費の削減についての私が申し上げたときに。ですから、私としてはというのは、私個人としてはという意味で申し上げたわけですが、一方で閣僚、副総理という、そういう立場もありますから、あまり個人の意見をこれ以上言わないほうがいいと、一回言えば考え方ははっきりしますので、それを取り消したり否定するものではないんですが、何回も繰り返して言う必要はないというふうに考えております。

(問)テレビ朝日の平元です。
 歳費のカットについて、先週の日曜日から発言されていることについて、今日議運の臨時懇が開かれて、立法府マターに行政府の者が発言するのは越権行為だということで、議運の委員長が週明けにも副総理に注意することが決定されたようなんですけれども、これについて副総理の受け止めと、またこのことが今後この歳費削減、身を切ることについて、副総理の発言や考え方が変わることはあるんでしょうか。
(答)個人としての考え方は変わりません。議運には議運のお考えがあると思いますから、何か御発言あるなら、お会いするということは喜んでお会いしたいというふうに思います。

(問)毎日新聞の赤間です。
 社会福祉法改革のポイントの関連なんですが、先程の御説明で、当初成案段階で、消費増税に伴う物価増分1%としていたもののうち、社会保障と関係のないものを除いたという御説明だったんですが、そうするとこの浮いた分の0.7%分は、一体これは何の財源として使われることになるのでしょうか。
(答)浮いた分という言い方はよく分かりませんが、その部分というのは社会保障費に使うということです。ですから、社会保障に関係ない分はそれは他の一般会計の歳入で賄うと、こういうことです。

(問)成案のときのフレーム自体があのような1、3、1の積み上げのもとで10%必要だという10%の根拠の一つにもなっていたかと思うんですが、それを変更する理由をもう一度くどいようですが、改めてその当時の成案段階の10%の根拠が崩れることになりかねないかと思うんですが。
(答)全くそういうことはないと思います。10%に上げたとしても、なお赤字国債に依存している部分というのは残るわけですから、その御指摘は私は当たらないと思います。

(問)ブルームバーグニュースの廣川と申します。
 昨日、TBSの番組で副総理は一体改革の与野党協議に関して、野党の意見も6割、7割取り入れて、必要なことは変えていくこともあるというような趣旨の発言をされていたと思うんですが、例えば消費税の問題については野党の中でもいろいろな意見があると思うんですが、上げ幅の10%と引き上げの時期についても、場合によっては野党の意見を聞いて変更することもあり得るんでしょうか。
(答)話合いをする前から、具体的な中身についてお話ししないほうがいいというふうに思います。
 それから、10というのは、これは最大野党である自民党も時期も含めて2015年、10ということを言っておられるわけですから、マニフェストの中で書かれているわけですから、そういうことは申し添えておきたいと思います。

(問)毎日新聞の小倉と申します。
 一体改革の説明のところなのですけれども、財務省は明日から全国行脚ということですが、政府としての全体としての説明、現時点でいつごろから始められるのかということと、財務省は経済団体中心に説明されていますけれども、一般向けの例えばタウンミーティングのようなものを予定されているのか、現時点でどのように考えておられるのか、教えてください。
(答)経済団体だけではだめだと思いますね。消費税を引き上げることについて、疑問を感じておられる、必ずしも納得されていない、そういうところも含めて説明をしていかなければいけないというふうに思います。
 タイミングは、これから国会が本格化しますので、予算委員会での基本的な質疑などもありますから、そういうのを見つつ、2月の然るべきタイミングでというふうに思っております。

(問)毎日新聞の山本と申します。
 先程1、3、1の説明のところで、ちょっとくどいんですけれども、おっしゃるように消費税収を社会保障に使うという観点で言うと、この説明で分かると思うんですが、ただこうなると逆に財政健全化であるとか、プライマリーバランスの赤字改善という観点で言うと、ちょっと分かり難くなっていると思うんですね。
 というのは、今までの説明だと、5%増税してもそのうち1%は政府支出の増加分で消えちゃうんだから、実際の増税効果というのは4%なんだよというのが非常に分かり易かったと思うんですよ。でも、今回のだと、社会保障分の税収増分は反映されているんですけれども、残りの0.7%分が実際には一般歳出というか、政策経費のほうの増加分で負荷がかかっちゃうと思うんですよね。
 その辺りがこれからの財政健全化というふうな観点で言うと、どういうふうになるんだというその辺の効果が非常に分かり難くなっていて、消費税収を社会保障に充てるんだ、だから増税に理解願いますというふうな、そういう説明にこの資料を使うのは分かるんですが、これまでの説明と敢えて違って、こういうふうに変えてくる意図がちょっと嫌らしいんじゃないかという気がするんですけれども、その辺り如何でしょうか。
(答)嫌らしいということの意味は分かりませんが、きちんと国民に伝わるように説明するということです。全体の金額は変わりませんので、何かそれは財政再建に影響があるとか、そういうことはありません。

(問)共同通信の蒔田ですが、先程広報の今後の仕方なんですが、例えば去年行った一体改革シンポジウムのようなものを2月以降に再開するような形なのか、例えば5都市でしか行ってないですけれども、全都道府県で行うとか、あるいは総理も行くとか、岡田大臣も行くとか、どういった方が行かれる予定なのかとか、今決まっている時点のことをお伺いします。
(答)それは決まった上でお話ししたいと思います。ただ、先程申し上げましたように、総理も含めて行うということは申し上げたところです。

(問)もう1点、今回社会保障改革のポイントでは、言葉としても充実と安定化ということで、これまでは機能強化と機能維持という言葉で、言葉の使い方も変わったかなと思うんですが、この辺のねらいもお伺いします。
(答)機能維持というのは、具体的に何言っているのか、ぴんと来ませんよね。ですから、持続可能性というか、今回使ったこの社会保障制度を守るという、そういう表現のほうが分かりやすいと、一般の国民から見て分かりやすいというふうに思います。

(問)日本海新聞大阪本社の深田と申します。
 地域的な話を聞いて恐縮です。
 昨日、民主党のワーキングチームが大都市制度について、橋下市長率いる維新の会の幹部を招いてヒアリングを始めたんですけれども、岡田副総理はかねがね幹事長時代にいろいろ都構想については、中身はどうなのかという疑問点を持っておられました。
 今現段階、昨年11月のダブル選を経ての今現在の大阪都構想に対する御認識を伺えたらと思います。
(答)その質問は前々回出て、私は答えております。選挙の結果、一つの民意が示されましたので、そのことは十分踏まえながら、どういう制度がいいのかという議論を真摯に行っていくべきだというふうに思います。

(問)日経新聞、中島と申します。
 細かい質問で恐縮なんですけれども、先程の社会保障の安定化の4%の中身の話で、従来3%がプライマリーバランスの改善に効くと言われていた部分が、ここで言う後代への負担、つけ回しの軽減7兆円程度という形になっているということでよろしいでしょうか。
(答)プライマリーバランスの改善に資するという意味では、これは全体ですよね。全体がプライマリーバランスの対象経費ですから。

(問)自然増で社会保障経費が伸びるのに追っつけると、行って来いになりますよね。今赤字になっている部分を埋めるという意味での改善という意味で言うと、どうなるんでしょうか。
(答)今の赤字を埋めるという意味では、この10.8兆の中で毎年増える、これは毎年、毎年増えていきますので、それをどう数えるかというところもあるんですけれども、1兆、それから0.8兆、一番下に書いてあるということですね。ここが増えてる、増える金額ですから、それを差っ引いたもの、それがプライマリー、赤字を減らすことにつながると、こういうふうにお考えいただいていいと思います。

(問)朝日新聞の伊藤です。
 先程もお答えいただいたんですけれども、私にも分からない説明だったと今までおっしゃられていたものは、昨年の6月に成案が決まったときから半年それで通してきていたわけですけれども、分からない説明がなぜそのままほっておかれて、それで国民に理解を得ようと思ってきたのか、そこの原因というのはどういうふうにお考えなんでしょうか。
(答)どうなんでしょうね。皆さん分かっていたんですかね。分かり難い説明であったことは事実ですね。私はずっとそう思ってまいりました。ただ、プロの人から見ると、何でこんなの分からないのかということもあるのかもしれませんが、閣外にいた者の目でもう一度見て、なるべく伝わり易くしたほうがいいと、現にみんな分からないといいますか、ここの説明が分からないという、10%に消費税をすることは分かるけれども、それがなぜそうなのか分からない、社会保障費の中身は分からないというのは、多くの国民がそういうふうに感じているわけですから、分かり易い説明ということが求められているというふうに思います。

(問)8%にしたときの使い道について、今日、安住大臣が「そのうちの1%分は年金に」というような御発言もされているようですけれども、実際8%にしたときに優先的に充てるべき使い道というのについてお考えをお願いいたします。
(答)年金のどこですか。

(問)恐らく国庫負担の2分の1の分、交付国債で賄っている分という意味だと思うんですけれども、岡田さんとしては何からまず充てていくべきだとお考えなんでしょうか。
(答)ちょっとそれは言いぶりを合わせたほうがいいと思いますが、先程言いましたように、交付国債の償還を何年間でやっていくかということは、まだ決めておりませんので、それによっても額は変わってくるというふうに御理解いただきたいと思います。そういったことも含めて、きちんとばらばらではなくて、統一してお話をしたほうがいいと思います。したがって、今の段階で私は申し上げないほうがいいと思います。

(問)西日本新聞の吉武といいます。
 一体改革を巡る与野党協議についてなんですが、野党は社会保障の全体像を示せということを特に公明党は言ってますけれども、最低保障年金を含めた社会保障の全体像というのをお示しになるというお考えはございますか。
(答)この10%への引き上げに対応する社会保障の中身というのは、ここに全部書いてあるわけで、年金の抜本改革というのはそれには含まれていないということです。その更に先、つまり10%の更に先の問題として、年金の抜本改革に伴う、特に最低保障年金を賄う財源という意味で、さらなる消費税の議論が出てくるということです。その辺をどこまで数字できちっとお示しできるのかどうか、そういったことは、これからよく検討していきたいというふうに思います。
 ただ、公明党が年金について、抜本改革の姿について、もう少しちゃんと説明すべきだと、そう言っておられることについては、真摯に受け止めなきゃいけないというふうに思っています。

(問)それと、確認なんですけれども、一体改革という切り口で言うと、最低保障年金をひっくるめた部分をセットで社会保障改革の全体像として野党に示した場合は、消費税の更なる上積みというか、5%の使い道が決まっていて足らないわけだから、さらに全体像を示した場合は、歳入改革のほうでもまた新たな提案をしていくと、そういうことになるのですか。
(答)年金の抜本改革は、直ぐに新たな歳入が必要になる訳ではないんですね。それが制度が成熟して支出が本格的に始まるというのは、それは時間がかかるわけですから。したがって年金の抜本改革について、制度が固まったからといって、この2015年の段階での消費税のさらなるアップとか、そういうことにはなりません。この2015年、10%の次のステップの話として、そういうものが議論され得るということです。

(以上)




TOP