トピックス

2011.03.31|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(3月31日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年3月31日(木)16時02分~16時27分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110331okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
***********************************************************
■冒頭発言
○国会審議について
○被災地視察について
○政治改革推進本部役員会について

■質疑
○1人別枠方式の廃止について
○特例公債法案、子ども手当法案について
○各党・政府震災対策実務者会合について
○自民党の緊急提言について
○大連立構想について
○統一地方選挙について
○ガソリンの暫定税率について
***********************************************************

■冒頭発言

○国会審議について

【幹事長】今日は衆議院、参議院で本会議が開催され、予算関連法案の年度内での決
着といいますか、見通しがついた、あるいはつきつつあることは非常に喜ばしいこと
だと考えております。子ども手当のつなぎ法案が参議院において可決されるかどうか
ということがありますが、是非そうなることを期待しているところであります。「3
分の2」条項もありますが、なるべくそういうものを使わずに参議院で可決されれば
望ましいことだと考えております。
 年度が変わると、まずは来年度予算の予備費の使用などで当面の対策を進めてまい
りますが、補正予算の編成、あるいは特例公債法案の扱いなどがまず当面の課題であ
ると考えております。こういった問題について、野党の皆さんともよく議論しなが
ら、しっかり進めていきたいと考えているところであります。

○被災地視察について

 この週末に茨城、福島を訪れることにしております。茨城においては先般、水戸市
長がお見えになり、水戸市における被災の状況で、市役所なども使えなくなっている
と伺いました。また農業の風評被害の問題などを視察してきたいと思います。福島で
は知事や関係団体の皆さんのお話も聞く。そして、いわき市、郡山市の避難所、特別
養護老人ホームの訪問などを考えているところであります。
 党ではボランティアチームとして議員が被災地に入っております。現在までのとこ
ろ、ほとんど民主党あるいは国会議員であることを名乗らずに入っており、主として
住宅の泥やいろいろなものの撤去などに汗を流しているところであります。現場に
入って自分の目で見ることは非常に意味のあることでもありますので、自己完結型を
前提にどんどん入ってもらっているところであります。

○政治改革推進本部役員会について

 今日、政治改革推進本部の役員会を開催いたしました。まず、先般出ました最高裁
判決では、今や1人別枠方式は合理性がないということを明確に言っております。一
人別枠方式の廃止について、われわれもそのことはきちんと受け止めなければならな
いことを確認いたしました。もう1点は衆議院における比例の80削減ということ
で、これはマニフェストに書いていることであります。この2点を改めて確認して、
今後、各党とも議論していこうということになったところであります。
ただ、1人別枠方式を廃止することには、例えば東京は6つ増えるとか、神奈川は3
つ増える、他方で多くの都道府県において定数が減ることになり、議員の身分にかか
わることでありますので、党での丁寧な議論が求められると考えております。
 現時点では、この大災害の対応に個々の議員も党も追われているさなかであります
ので、もう少し時間を見て、党内でしっかりと説明・議論をしていきたいと考えてい
るところであります。

■質疑

○1人別枠方式の廃止について

【読売新聞・中島記者】一人別枠方式の廃止について、党内の議論のスケジュールの
めどはあるか、今国会中にまとめるお考えか。

【幹事長】具体的に今日そこまで確認したわけではありません。ただ、1人別枠方式
について区割り審(衆議院議員選挙区画定審議会)が議論をスタートしたところです
が、事実上止まっていると聞いております。これは法律を変えないと1人別枠方式を
やめるということにはなりませんので、区割り法を変えるという手続き、そして、そ
のうえで区割り審が動いて新たな区割りをつくると。基本的に、そういった法律が変
わってから1年近く時間がかかるというのが今までの経験でありますので、あまり
ゆっくりはできない問題だと思います。やはり選挙区が大きく変わってすぐ選挙とい
うのもなかなかつらいものがありますので、ある程度の準備期間も必要だということ
を考えると、あまり先送りはできないという問題で、党内も、それから各党の皆さん
とも、どこかの段階でしっかり話し合いをしなければいけないと考えています。

○特例公債法案、子ども手当法案について

【毎日新聞・野口記者】予算関連法案はある程度のめどがついたが、特例公債法案の
めどが立っていない。年度を越えても特例公債法案が通っていないことで今後経済に
どういった影響が出るのか、また今後の成立の見通しについていかがか。

【幹事長】資金繰り的にはしばらく回るわけですけれども、やはりそう時間を置かな
いで成立させたほうが望ましいことは間違いありません。今度、補正をつくるとき
に、そういった建設国債以外の国債の発行がなくて補正が組めるのかどうかという問
題もあります。
よく誤解されるのですが、特例公債法案というのは発行する特例債の金額が書いてあ
るわけではありません。政治家でも誤解している人がずいぶんいるのですが、特例債
を発行することができるというだけですから、今の予算の中で特例債なしで予算が組
めると考えている方はいらっしゃらないと思いますので、これをいつまでもブロック
する根拠といいますか、合理性は私はあまり理解できないわけで、よくお話をして野
党のご理解を得て、法案の成立をさせたいと考えています。

【時事通信・近藤記者】本日つなぎ法案が成立する見通しとなって、子ども手当の本
格的な議論が始まることになる。公明党が児童手当の拡充案を示しているが、今後の
議論はそれをベースにしていかれる予定か。

【幹事長】何度かこの場でお話ししておりますが、まず、子ども手当そのものを廃止
する、全廃するという議論には、私は合理性がないと思います。つまり、年少扶養控
除の廃止は既に決まっておりまして、その分については子育て世代に対して増税に
なっておりますので、一方で増税をしながら、子ども手当ないし児童手当の増額をし
ないということは、そういった子育て世代に突然重い税負担を強いるということで、
私は、それは合理性がないと思います。メディアの中にも、子ども手当廃止とか、そ
う言われる方、社説で書かれる方いらっしゃいますが、よくそこの現実を説明したう
えで論を張っていただきたいと思います。
 そのうえで、それでは子ども手当ないし児童手当の拡充を具体的にどうするかにつ
いて、公明党さんの案は中学生にも新たに支給すると。ここはわれわれと共通であり
ます。1万3000円と1万円の違いはあります。それから所得制限を入れるかどう
かの違いもあります。そういうことについてお互いの距離を埋めるための議論はこれ
から行っていきたいと思います。私は、それは埋められない差ではないと思っており
ます。大事なことは、子育て世代に対して一定の経済的な支援をすることであります
ので、そこの基本的考え方は全く共通だと考えています。

【朝日新聞・南記者】幹事長としては、できれば次の復興のための1次補正を組む段
階で特例公債法案については決着をつけたいというお考えか。

【幹事長】これは早ければ早いほどいいと思っております。ただ、相手のあることで
すから、法案は過半数ないと成立いたしませんので、よく話し合いをしていきたいと
思います。ただ先ほど言いましたように、これを認めないという理由は、私はないと
思っています。

○各党・政府震災対策実務者会合について

【読売新聞・中島記者】震災対策の政府・各党の連絡会議(実務者会合)だが、幹事
長は毎日出席しているが、始まる際にいずれは与野党で補正予算なども協議する場に
していきたいとおっしゃっていたが、これまでの議論を見て、そういう場になり得る
とお考えか。

【幹事長】実務者会合は、かなり実りあるものだと私は思います。非常に前向きなご
提言をいただいていると、おおむねそう思っております。できれば今まで出てきたも
のを集約して、提言のような形で来週ぐらいにおまとめいただけないかと考えてお
り、どこかで親委員会、各党・政府震災対策合同会議、幹事長クラスの会議ですが、
それを開催して、その提言案を議論してもらって、政府に提出することを考えたいと
思います。これは第一歩であって、その後さまざまな補正もありますし、法案もあり
ますし、さまざまなことを議論する場として機能していけばいいのではないかと思っ
ております。

【TBS・細谷記者】今日の実務者会合で、藤井(裕久)総理補佐官が、菅総理が原
子力について各党党首クラスの会談に前向きだ、という話があったが、これについて
幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】その後、藤井補佐官ともお話をいたしました。一区切りついたところで、
そういったことはあっていいかなと思いますが、具体的なタイミングについてはよく
相談をしようということになりました。

○自民党の緊急提言について

【世界日報・山本記者】昨日、自民党の震災(復興)の緊急提言が出た。その中で、
大きく分ければ特命相の設置、被災者支援のための思いやり基金、地方行政を正常化
するために活かせる交付金の設置等々が挙げられている。その中でも幹事長は何が一
番喫緊なものだと思われるか。

【幹事長】自民党のご提案の今おっしゃった話は、少し中長期的な色彩が強いと思い
ます。まずは、やはり被災された皆さんがまだ非常に不自由な生活をしておられます
ので、そこにしっかりと生活していくうえで必要なものが少なくとも届くようにする
こと。そして、これは被災された方々に限りませんが、被災地にガソリンはじめ燃料
油、灯油とか軽油、重油も届いていないということで、それをきちっと実現するこ
と、そういうことが急がれることだと思います。
 いずれにしても年度が変わりますので、補正予算の編成、それからやはり4月中に
特に急いでなされなければいけない立法作業。これも政府で出すものと議員立法で行
うものがありますが、そこの整理。つまりやらなければいけないことは膨大にあるわ
けですが、その中でも特に急ぐもの、何が急ぐのかということ、それをきちんと判断
しなければいけないということだと思います。
 補正については、補正をつくることになれば、歳出のところは当面の対策が中心に
なると思いますが、がれきの撤去とか、仮設住宅の建設とか、そういった当面の対策
を中心にしながら、それに見合った歳入をどう確保していくのかということを、今、
議論しているところであります。
 いろいろ新聞にかなり古い情報など、民主党がこう考えているというものが、1週
間2週間ずれて各紙の特ダネのように報じられておりますが、実際はもう少し事態は
先に進んでおりまして、何でもかんでもということではなくて、ある程度選別して、
急ぐものをしっかり選び出さなければいけないということだと思います。
 それから、基本法的なものをどういう構成でつくるのか。これも中身を盛りだくさ
んにすれば時間もかかります。いつまでにそういうものをつくるのかということを、
めどを立てて逆算して、どのぐらいの中身をそこに盛り込んでいくのかと。最低限何
が必要なのかということを判断していかなければいけないということです。
 政権与党として、政府との調整もありますし、野党各党との議論もあるわけで、そ
ういうことを踏まえながら、党の中で、いつ何をすべきかを、今少し交通整理をして
いるところです。

○大連立構想について

【朝日新聞・南記者】震災を機に与野党の協調ムードが高まっていて、自民党の中で
も大連立という形で入閣して政府に協力すべきではないかという意見が出ているが、
この震災を機にした大連立について幹事長としてはどのようにお考えか。

【幹事長】大連立の定義いかんということでもあります。こういう日本始まって以来
の大きな出来事、これは地震、津波の話と、原発(事故)の話と、いずれも戦後経験
したことのないような大きな事態に直面しておりますので、やはり政治が何ができる
かということが問われていると。そこはやはり党派を超えて協力していただく必要が
あると思っております。党派を超えて協力していただく形の中でどういう形が望まし
いのか。与党に多くの党に入っていただいてやっていくことも、1つの選択肢である
と私は思います。

○統一地方選挙について

【共同通信・中久木記者】今日、国民新党の亀井代表が会見で、郵政に関する特別委
員会を今年度中に設置できなかったことに反発して、統一地方選で民主党候補の推薦
を一部取り消すとおっしゃった。その受け止めと、統一地方選への影響をどのように
お考えか。

【幹事長】まず、特別委員会の設置については、我々ももちろん努力したわけです
が、今日というタイミングは非常に難しかったということであります。それは大変申
し訳ないことですが、しかし同時に、野党各党とも協議しながらこういうものは決め
なければなりませんので、そこはやはり与党としてご理解いただきたかったと、非常
に残念な思いであります。
 推薦を取り消すと言われたのは与党として非常に残念なことだと思いますが、しか
しその影響が出ないように努力しなければいけないと思います。候補者の皆さんに
は、国民新党推薦がなくなったとしても、今まで培った地域の特定局長さんたち、そ
の関係をしっかり維持して、引き続き応援してもらえるように努力をしてください
と、考えております。

【Response・中島記者】愛知6区は都知事選に続いて不戦敗となりそうだが、所見を
お伺いしたい。

【幹事長】都知事選は、自民党も党本部として推薦とか支持を出しているわけではあ
りませんので、そこと同じ次元の問題だと思っております。それを「不戦敗」と言う
かどうかは、それは判断の問題だと思います。6区に関してはなお努力中です。

【レスポンス・中島記者】候補者を出す予定は。

【幹事長】努力中です。

○ガソリンの暫定税率について

【朝日新聞・南記者】ガソリン価格がかなり高騰してきている。民主党政権になって
暫定税率を廃止したときに、(1リットル)160円が3ヵ月続いた場合は25円の
旧暫定税率を還元する仕組みを設けた。この制度を廃止することを政府・与党内で検
討しているという報道があるが、民主党としてはどのようにお考えか。

【幹事長】まだ議論中です。もちろん、われわれ法案を提出して成立させたというこ
とで、当然、重要な政策だと思っておりますが、同時に少しでも財源が必要で全体を
見直しているときに、突然大きな減収になるという条項ですので、そのことが今のこ
の大震災(の復旧・復興)のための財源を必要としている事態に直面しているときに
適切なのかどうかということを、党の中で議論を行わなければならないと思っており
ます。




TOP