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2011.01.17|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(1月17日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年1月17日(月)16時00分~16時56分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110117okada.asx

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■冒頭発言
○党執行部の新陣容について
■質疑
○仙谷代表代行との役割分担について
○次期通常国会の運営、与謝野大臣について
○地域政党について
○小沢元代表の政倫審出席について
○名古屋市長選・愛知知事選への党の関与
○会談のオープン化、会見録の記者名公表について
○自治体主催行事への参加
○消費税・TPP、社会保障制度改革と財源
○直近の支持率調査について
○朝鮮王朝儀軌の引き渡しについて
○「平成の開国」について
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■冒頭発言

○党執行部の新陣容について

【幹事長】先週、一連の党大会関連の会議を経まして、党大会でこちら側の提案が
承認され、新しいスタートを切ることができました。あわせて閣僚も決まりましたの
で、現在、党務関係の若干の人事異動について作業中であります。今の予定では
新しいメンバーで水曜日に役員会・常任幹事会を開催したいと考えております。そ
して国会が始まるまでにどこかの段階で両院議員総会も開いて、そこで党関係の
人事について、菅代表に一任されていたこととはいえ、ご報告することになると思
っております。ということで、仙谷代表代行にも来ていただきました。しっかり力を
合わせて党を引っ張っていきたいと思っております。

なお、今日、党本部の私の部屋を移動いたしまして、枝野さんが入っていた部屋
に私が移動して、仙谷さんに私の部屋に入っていただこうと思っております。私の
部屋のほうが若干広いということもありますが、枝野さんが入っていた部屋のほう
が事務局に近いものですから便利だと。「おーい」と言わないとなかなか声が聞こ
えないというのもいかがなものかと思って、先ほど引っ越しを完了したところであり
ます。

私からは以上です。今日はちょっと資料を持ってくるのを忘れましたので、特に
あまり細かいことを言われますとわかりませんので、ご容赦をいただきたいと思い
ます。

■質疑

○仙谷代表代行との役割分担について

【記者】仙谷代表代行が党のほうに来られることになったが、幹事長との役割
分担、どういう仕事を仙谷さんに期待されているのか。

【幹事長】2人で、あるいは総理も入って相談していますが、まあ、例えば仙谷さん
に政調のもとで、藤井先生が務めておられた社会保障と財源のPT(プロジェクトチ
ーム)、それを担当していただこうと思っておりますし、それから成長戦略について
それを実行するための本部を党に設けようと考えております。まだ具体的に詰ま
っておりませんが、それを仙谷さんにやっていただこうとか、いくつか2人で相談し
ておりますので、役割分担はかなりはっきりしているということです。

 もちろんそういう役割分担を超えて、野党とのやり取りとか、いろいろな国会のバ
ックアップとか、そういうことも代行にはお願いしようと考えています。

【記者】これまでは代表代行がいない中で、代表はおられたが、党の実質的なトッ
プは幹事長ということで物事を決めてきた。これからも党の実務的なものは幹事長
がトップとして決めていくのか。仙谷さんはあくまでも代表代行ということで、組織
論として縦のラインの中で上に行くとか、入ってこないということか。

【幹事長】幹事長が自分で勝手に決めてきたわけではないんですね。決裁などで
「幾ら以上は幹事長決裁」というのはあるのですが、それは私になってから復活さ
せたものがあるのですが、それ以外は大体役員会で決めることになっています。
もちろん、役員会には代表代行もお入りいただくことにしておりますので、そこは
従来と変わらない。私が勝手に決めてきたわけではないし、これからも勝手に決
めるわけではないということです。

【記者】仙谷さんに社会保障の関係とか成長戦略をやっていただくということだが、
マニフェストの見直しを夏ぐらいまでにやることになっていると思うが、そこの関連
というか、どういう役割を。

【幹事長】これはまだ決めておりません。今日も幹事長代理予定者と筆頭副幹事長
と先ほど相談していたのですが、少し彼らに案をつくってもらって、政調ともこれは
すり合わせなければいけませんので、少し先になります。先に、というのは、1日2
日では決まらないということだと思います。

○次期通常国会の運営、与謝野大臣について

【記者】きのう菅総理が勉強会の中で、「野党側も法案の拒否権を持っている以上
は国民に対しても一定の責任を負うべき立場にある」という趣旨の発言をされた。
前国会では問責決議案が出て可決されるようなこともあった。ねじれ国会の中で
たくさんの審議時間も費やしたり、今までと違う国会運営になったが、通常国会、
菅総理が発言したことなども踏まえたうえで、野党側が負う責任について幹事長
はどう考えられるか。

【幹事長】国民に対しては一人ひとり国会議員として法案を審議し、よりよいものを
つくる責任は共有していると思います。ですから、まずは国民の視点に立って国会
運営も考えていただきたいと思っております。「熟議の国会」と菅総理は以前おっし
ゃったわけですが、まさしくそのことが実現できるかどうかが問われる通常国会だ
と思っています。

 なお、国会のそういう運営についての議論が必要だと思っていますので、そうい
うことについて昨年ちょっと申し上げた、あるいは党大会で申し上げたわけです
が、タイミングを見て野党の皆さんに問題提起したいと思っています。そして、しっ
かりと与野党で議論してみたらどうかと考えています。問責決議の問題とか両院
協議会の扱いとか、あるいは国会の質問を出すタイミング、これは議員間で合意
したものがあるわけで、「2日前の12時」となっているわけですが、そういうことを
きちんと守ることとか、そういうことについてもう少し与野党で、お互い与党になっ
たり野党になったりという前提で議論すべきではないかと思っております。

【記者】(野党は)次の国会で、新しく閣僚になった与謝野さんに対する問責を出す
のも辞さない構えだが、またしても国会で問責の話が飛び出す野党の対応につい
て、いかがお考えか。

【幹事長】今はいろいろなことをいろいろな方が言っていますが、別に正式に言っ
ているわけではありませんので、それについていちいちコメントすることはありま
せん。

 ただ、問責があったから仙谷さん・馬淵さんが辞めたわけではありません。そこ
は内閣改造の一環として人事を代えたということであって、問責とは直接的には関
係しているものではない。その考え方は変わっておりません。問責に法的効果が
あるわけではないということです。ただ、院としての意思が示されたということであ
れば、それは重く受け止めなければいけない、そういうふうに考えているところで
す。

【記者】民主党の経済政策を批判してきた与謝野さんが入閣して、国会答弁してい
くわけだが、幹事長としては与謝野さんに何を期待されるか。どういった国会答弁
で国民に対してメッセージを伝えるべきだとお考えか。

【幹事長】ちょっと質問が難しくて、どう答えるべきかよくわからないのですが、民主
党政権の一員となられたわけですから、もちろん民主党の考え方も十分踏まえて
ご答弁いただきたい。当然のことですがそういうふうに思っています。

 ただ、われわれもある程度幅を持って考えておりますので、例えば社会保障と財
源の問題なども民主党の考え方に強くこだわりますと与野党の話し合いもできな
いわけで、ある程度幅を持って議論することは、これは与謝野さんだけでなくて、
民主党の答弁者・閣僚として心がけるべきだと考えております。入り口で閉ざして
しまう必要はないわけで、議論に入ったうえで、いろいろわが党の主張もすれば
いいわけですから。

【記者】国会運営のルール作りについて野党に呼びかけるタイミングだが、通常国
会開会前に行うのか、それとも国会の審議をしながら様子を見てやっていくのか、
考え方について伺いたい。

【幹事長】考え方を示すのはそう時間をかける必要はないのだろうと思います。た
だ、それは問題提起ですので、それを受け止めて、どういう形でどういうタイミング
でそれを議論するのかは与野党で話し合えばいいということです。

○地域政党について

【記者】今日、名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票が告示されたが、減税とい
う主張を通すために市議会を解散するという手法について、幹事長としてどのよう
にお考えになるか。また、大阪の橋下知事や名古屋の河村市長のように、首長が
地域政党を立ち上げる形で議員を増やすやり方について、二大政党の側からどの
ようにお考えか。

【幹事長】地域政党そのものは否定されるべきではないと思います。まさしく民主
主義ですから、それぞれどういう形で民意を反映していくかと。私は二大政党論者
では必ずしもなくて、政権交代可能な政治ということで、大きな政党が、政権を担い
得る政党が、2つは必要であると考えていますが、2つでなければいけないとか少
数政党は必要ないと申し上げたことはないんです。それから地域のことは地域
で、いろいろな政党があるということも、そのことは否定されるべきでないと思いま
す。

 今回のことは、間もなく統一地方選挙もあるわけで、はたして今やる必要が非常
に高かったのかどうかは、それも選挙の中で一つの論点だろうと思います。ただ、
現実にもう選挙になってしまいましたので、そういう手法についても様々な議論が
なされると思います。

 減税そのものについては、私、常に街頭演説などでも申し上げておりますが、大
きな借金がある中で、受益する人も実はみんなが受益するわけではない。所得の
比較的多い人が受益するという減税がはたして適切なのかどうかというところも、
市民が判断すべき論点の一つではないかと思っています。みんなが減税になるよ
うに誤解されているとすれば、それはそうではないわけであります。大きな借金が
ある中で、そういった減税をすることが、むしろそれだけの財源があればもう少し
弱い立場にある人たちに手当てをすべきではないか。そういう議論は当然あるの
だと思います。

○小沢元代表の政倫審出席について

【記者】幹事長は先週小沢さんに対して、14日までに政倫審への出席の正規の申
し出手続きをするよう要請された。小沢さんはそれに対して、まずは審査日を設定
したら申し出をするというような文書を提出してきたかと思う。これを正式な申し立
てとみなすのかどうか。今後の対処方針についていかがお考えか。

【幹事長】政倫審に定める正式な申し出とは言えないと思います。しかし、ご自身
がやはり申し出られたほうがいいと私は変わらず考えておりますので、そのこと
は引き続き主張していきたいと思いますが、とはいえ、役員会の決定は、国会が
始まる前に申し出がなければ議決するということですので、国会が始まる前という
ことは、要するに今週中に議決をするということで、そういった準備は並行して進
めなければならなくなってきたということです。詳細は、政倫審の筆頭幹事が横光
克彦さんですので、ご相談しながらタイミングをはかっていきたいと思っています。

【記者】今日午後に横光さんが公明の東順治さんと自民の菅義偉さんのところに行
って、明日の幹事懇(政倫審の幹事懇談会)の開催を要請したが、両者から断られ
た。幹事長のところにまた、明日そういった幹事懇を開くのか、もしくは開いた場合
に委員の差し替えをするのかというボールが投げ返されたと思う。明日、幹事懇を
開く指示をされるのかどうか。

【幹事長】まだご相談は受けていませんので、判断しておりません。国対の意見も
聞かなければいけません。幹事懇と言ったって、野党が出てこないことが明確で
あると、政倫審の幹事懇になるのかどうかですね。あるいは党の会議になるの
か。その辺も相談はこれからです。

【記者】政倫審に自民党、公明党、野党側が出席しない場合、民主党単独でも議決
するお考えか。

【幹事長】基本的に役員会では、今週中に議決することを決めております。

【記者】民主党単独で議決した場合、野党に対してのハレーションが起きて、国会
での円滑な審議が難しくなるのではという懸念があるが、その点についていかが
お考えか。

【幹事長】野党の皆さんがどういうお考えかはわかりませんが、政倫審で説明すべ
きだということに対してそれを決めることがなぜハレーションを起こすのか、ちょっ
と私は理解に苦しむわけですが。

【記者】これまで幹事長は「政治家は、国民に疑惑を持たれたら国会で説明するこ
とが必要だ」とおっしゃっていた。その趣旨からいうと政倫審は公開でないと意味
がないと思う。公開で開くことを党側から政倫審や小沢さんに対して求めるお考え
はあるか。

【幹事長】まだ小沢先生が出るとは言っておられないので、そういう状況の中でさら
に先の話をするのはどうかと思いますが。そういうことは政倫審の幹事会の中で
議論されることではないかと思います。ただ、ご本人が最終的には公開を拒めば
それはできない仕組みに規程上なっていると、私は理解しておりますが。

【記者】政倫審で民主党だけで議決する場合、民主党の委員の中には小沢さんを
支持する議員もいらっしゃる。その際に委員の差し替えという手続が必要になるか
と思うが、それはお考えか。

【幹事長】まだどうなるか決めておりませんので、先の先の議論をするつもりはあ
りません。ただ、党としては役員会で正式に、国会が始まるまでに議決することは
決めております。役員会は、国会(対策)における最高の意思決定機関です。

【記者】先週末行われた各社の世論調査で、小沢元代表について離党や議員辞職
を求める声が多かったが、政倫審である程度の説明を果たせば、小沢元代表の
「政治とカネ」にまつわる問題は終結というか、一定の区切りになるとお考えか。

【幹事長】それはやったうえで国民の皆さんがどう受け止めるかもあると思いま
す。それから説明の内容ですね。やるかやらないかよりも、どういう説明をされる
かということにかかわってくると思っています。

【記者】小沢さん側に対して、幹事長は「先週末までに申し出をするように」と伝えて
いると思う。先ほど「並行して」とおっしゃったが、期限を過ぎて再び小沢さん側に
アプローチする考えはおありか。

【幹事長】私が直接はやっておりませんが、事務局を通じて、ご本人が出たほうが
いいという私の思いは伝わっていると思います。

【記者】「まだ小沢先生が出ると言っておられない」と幹事長は先ほど言われたが、
期限を過ぎているこの時点で、出る出ないという判断をまだ最終確定させないで、
議決するかどうかという方針を今週中にいつやるかを決められないでいるのは、
ちゅうちょしているようにも見えるが、まだ待つということでよろしいのか。

【幹事長】いや、一定の与野党の手続とかそういうものが必要ですから。一方で自
らご説明いただくことを期待しながら、手続としては進めていくということです。

【記者】小沢さんの政倫審の議決に関しては、輿石参議院議員会長がかねてから
慎重な姿勢を示していたかと思う。(幹事長は)先ほど輿石さんともお会いになった
かと思うが、輿石さんの理解は得られているのか。

【幹事長】党の中の話をするつもりはありません。ただ、先ほどから繰り返していま
すように、役員会において、国会が始まるまでに議決をすると。ご本人の申し出が
ない場合にはですね、ということは確認されております。

【記者】西岡武夫参院議長が月刊誌の「文藝春秋」で、幹事長が小沢邸の前にテン
トでも張って説得をすべきだ、というような寄稿をされたが、こういう意見が党内に
あることについてどうお考えか。

【幹事長】いろいろな意見はあってもいいんだと思いますけれども、まあ、この寒い
中でテントを張るのはなかなか厳しいとは思いますが(笑)。私としては直接お話し
できればということは申し上げておりますし、残念ながらそういうふうにはなってお
りませんけれども、事務局ベースでの意思疎通はある程度はできていると思って
います。

【記者】先ほど幹事長は、この政倫審が一定の区切りになるかという質問に対
して、「それは国民がどのように受け止めるかだ」とお答えになった。国民の受け
止めをどのように幹事長がはかられて、必要だった場合に次のステップに進むの
か。どういった基準を設けているか。

【幹事長】説明がなされる予定があるかどうかもわかりませんので、あまり仮定の
議論をして先の可能性を狭めるようなことは、私、申し上げたくないんです。ただ、
やはり国民も賢明ですから、これである程度納得したと、そういう説明がなされれ
ば世論も変わってくると思います。

【記者】小沢さんは強制起訴がかなり近いとも言われている。この強制起訴と今回
の議決の問題とは切り離してお考えになっているのか。もし起訴が先になった
場合、議決しないことはあり得るのか。

【幹事長】それは違う話です。ずっと違う話として議論してきています。

【司会】ほかに、関連の質問ありますか。

【幹事長】もうそろそろいいんじゃないかと僕は思いますけれども。あまり細かいこ
とを聞かれても仮定の議論ですから。もう少し、新年ですから前向きの、国民にと
って希望が見えるようなご質問をいただけるとありがたい。

【記者】小沢さんの関連だが(笑)、小沢さんは先日テレビ番組の中で「野党も私の
問題で審議がどうこうと考えてはいない。優先すべきは予算のほうだ。予算審議
の後でなら出る」というような発言をされた。この発言についてどう受け止めたか
教えてください。

【幹事長】野党のご意見ははっきり現時点ではわかりませんが、先の国会でも幹事
長会談を2回やりましたけれども、そこでこの問題について、証人喚問だとかある
いは政倫審だとか、まあ党によって違うのですけれども、そういったことをたびた
び主張されたことは事実ですね。

○名古屋市長選挙・愛知県知事選挙への党の関与

【記者】先ほど名古屋市議会のところで質問しそびれたが、2月6日に名古屋市長
選挙と愛知県知事選挙があるが、先日の両院議員総会で幹事長は国会議員の皆
さんに、全員が1回でも名古屋に入るようにしてくださいとおっしゃっていた。この
二つの選挙に、どれくらい党として関与されて、どういう態勢を組んで勝利を目指
すのか。

【幹事長】もちろん愛知県連が中心になってはおりますけれども、党としても全力を
挙げてこの選挙のサポートをしているところです。

【記者】もう少し詳しく。

【幹事長】いや、「全力」と言えば全力です。

○会談のオープン化、会見録の記者名公表について

【記者】先日幹事長が沖縄訪問された際、首長さんたちの会談がフルオープンでは
なかった。なぜそういう形をとられたのか理由を伺いたい。党本部からそういう要
望をしたのか、あるいは県のほうから要望があったのか。閉鎖的なイメージがあ
ったもので。

【幹事長】それはいろいろなやり方はあると思いますけれども、会談すべてをオー
プンにするのは政府の中ではあまりないことですね。それはお互いしっかりと将
来のこともにらんで率直に話をするということであればフルオープンにしないこと
はある。皆さんの会社だって社の役員会議とか編集方針とか、フルオープンで必
ずしもやっておられるわけではないと思うんですね。場合によってフルオープンに
することもあるし、しないこともある。特に少人数で議論するときは、突っ込んだや
り取りをしようということであれば、すぐには出せないようなそういうことはあるとい
うことだと思います。それが「オープンでない」とは私は思っておりません。

【記者】岡田幹事長はこれまでの会見でもかなりオープンにいろいろとお答えにな
っているが、この会見の仕切りとしては最初に名前を言って質問する方式になって
いる。その一方で、ホームページでは「記者」としか出ていない。このあたりの整
合性はどうとらえておられるか。

【幹事長】そうですか。ちょっと私、ホームページ見ておりませんので、まあ、これ
は放映されているのですから。最近あまりニコ動(ニコニコ動画)さんとか来られて
いないようですが、ああ、おられましたね。全部放映されているわけですから、名
前を出さないことの意味はないですよね。私は出したほうがいいのではないかと
思っていますが。

【記者】先ほどの質問の確認だが、(沖縄での会談を)フルオープンにしなかったの
は党本部からそういう形にしたいと。

【幹事長】ちょっと私、承知しておりません。でも普通は全部オープンにするという
のは、私ならそれは限られた場合にしかやらないと思います。

【記者】「率直なことを話すにはオープンにしないこともある」ということだったので、
その場で率直な意見の交換はどういったものがあったのか。

【幹事長】ですからそれは、全部オープンにする必要はないと思うんですね。

○自治体主催行事への参加

【記者】1月14日は石垣市が制定した「尖閣の日」だったが、報道によると自民党
などの関係者が出席していた。民主党関係者の名前は出ていなかったように思う
が、どなたか出席されたのか。または党からメッセージは出されたのか。

【幹事長】私は承知しておりません。私のところにはそういう話は上がってきており
ませんので。

【記者】2月22日は島根県が主催の「竹島の日」。これは毎年少なくとも外務省に
は出席とかメッセージの要請があったかと思うが、幹事長が外相時代は「県のこと
なので」ということで何も出されなかったと聞いている。もし島根県から民主党にメ
ッセージないしは代表者のあいさつの要請があった場合、お出しになる予定はあ
るか。

【幹事長】外務省のときは、メッセージの依頼というよりは、誰かが来てもらいたい
という依頼だったと思うんですね。誰かということになれば、政務三役とかそういう
ことになるのでしょうが、やはり県レベルの会議にそういった人が出ることはあま
りないことであります。そういうことを私は申し上げてきたわけです。

 仮定の議論にはちょっとお答えできません。そういうことが要請があったのであ
れば、その対応についてご説明できると思いますが、私が承知している限りでは、
竹島に関する要請があったとは聞いておりません。

○消費税・TPP、社会保障制度改革と財政

【記者】2009年の総選挙のときも岡田さんは幹事長で、街頭演説で、小泉郵政解
散の後には障害者自立支援法が強行採決されたという話を各地でおっしゃってい
たのが印象的だった。今、菅政権が、政権交代の選挙のマニフェストに必ずしもな
かったTPPと消費税を含む税制改革を政権の最優先課題に掲げたことで、これは
自民党政権の二の舞になってしまうのではないかという懸念は幹事長としてお持
ちか。

【幹事長】障害者自立支援法と何か関係がありますか。ちょっと今のご質問の趣旨
がよくわかりません。

【記者】郵政解散の是非を問う選挙で、その後に、必ずしも国民が選択したのでは
ないものを自民党政権が強引に進めたことを、幹事長は批判されていた。

【幹事長】それは直後でしたからね。選挙の直後に、まず最初に障害者自立支援
法をやられたので、それは何も約束しておられない、何も説明していなかったとい
うことで申し上げたわけです。たしか2ヵ月ぐらい。8月の選挙で、もう10月の国会
で通したと思うんですね。そのことを申し上げました。

 TPPは最近出てきた話ですから。最初に出てきたのは、オバマ大統領が一昨年
の11月、サントリーホールで演説された中で、アメリカのTPPへの参加という話
が出てきたわけで、つまり総選挙の後の話なんですね。ですから、おっしゃること
は当たらないと思います。 

【記者】消費税についても同様でしょうか。

【幹事長】消費税についてはわれわれは従来から、消費税の議論は必要だと申し
上げてきたはずです。よくお読みください。

【記者】今日、藤井官房副長官がテレビ番組で、消費税に関して2011年度中の法
整備を目指すという発言をされている。確かに税法の附則ではそれを期限として
法整備を進めるというプログラムになっているかと思うが、去年の参院選以降いっ
たんは立ち消えになったかのような消費税論議だとは思うが、ここでまた2011年
度が出てくることで、唐突感があるかなという受け止めもあるかと思うが、いかが
お考えか。

【幹事長】まず参議院選で出てきてそれが立ち消えになったということではありま
せん。私は菅さんの発言も、決して大きくそれまでの言い方から変わったとは考え
ていないんです。議論をする、と。すぐに上げると言ったわけではありません。私
はメディアの伝え方によって、国民に、すぐに民主党は消費税を上げようとしてい
る、というふうに伝わった、そういうきらいがあったことは否めないと思います。そ
れは正確な伝わり方ではなかった。もちろん発言したほうにも問題があったかもし
れませんが、しかし、ある意味ではそれが過大に国民に伝わったことも事実であ
ります。いろいろな理由はありますけれども。

 われわれの方針は一貫して、消費税についての議論は必要だと。しかし、現実
に上げるという前に総選挙でそれを問うのだ、ということですから。その線で、まあ
2011年にと言っても2011年に現実に税率を上げることまで考えているわけで
はない。準備期間も必要なわけですからね。実際に税率が上がるまでには選挙と
いうものが間にある。そこで選挙に負ければ、その法律は凍結されることになると
思いますので、そこは全く変わっていないとご理解いただきたいと思います。

【記者】菅さんの発言とおっしゃったが、これまで例えば財務大臣のときは消費税
の財源を得たうえで財政出動するとおっしゃっていた。7月の参院選では、日本は
ギリシャみたいに破綻するから消費税を上げるという発言もありました。代表選で
は所得控除というか、年収200万円以下は免除とか、それが300万、200万円と
変わりました。今、消費税の議論となると、「社会保障の財源として」という話が強
まっていると思うが、説明が変遷すると、「消費税ありき」の議論になっているよう
な気がするが、そのあたりどう整理されていますか。

【幹事長】今、われわれが考えているのは、歳入欠陥を埋めるために消費税を上
げるのではなくて、社会保障を持続可能なものにするために消費税ということを考
えている。もう既に現在でも社会保障だけでも膨大な赤字となっているわけな
ので、それを埋めるということを考えているとご理解いただきたいと思います。そこ
の説明が変わっているわけではありません。

 社会保障のようなものが、当然のように赤字国債で賄われているのは、これは
やはり次の世代に全部ツケ回しをしているということで、私はそれは決していいこ
とではない、好ましいことではない。やがてどこかで破綻してしまうわけですから。
やはりそれはそのときの収入で賄っていけるようなーその収入というのは税だ
けではありません。保険料も含めてですけれども、きちんとやっていけるような体
制に、まあ、それはすぐにはなかなか難しいとは思いますけれども、持っていくだ
けの見通しをつくらないと、やはりそれは政治として責任を果たしたことにはなら
ない。次の世代に対して非常にツケを回しているだけということになりますから、
そういうことは避けるべきだと思っています。

【記者】幹事長は、消費税をもし上げるのであればその前に必ず選挙があるとおっ
しゃった。「税と社会保障に関しては、政権交代しても制度が変わらないように与野
党で協議する」とおっしゃっている。そうすると、選挙で問うときに与党も野党も同じ
案を出したら、国民は何も選べないと思うが、その点はどうお考えか。

【幹事長】そのときには、違う考え方の党が当然あるわけでしょう。すべての党が
同じ考え方になるとは思えません。

【記者】そうすると現段階で与野党で税と社会保障について一緒に考えることの意
義は何ですか。

【幹事長】どういう意味ですか。

【記者】全部の党が一緒にならないのであれば、なるべく多くの党が一緒であれば
いいというお考えか。それとも、一緒に考えて同じ考えにならなくてもいいと。

【幹事長】呼びかけは幅広くやりたいと思いますが、基本的に考え方の違うそうい
う党は当然あると思います。それは選挙のときになってみないとわかりません。す
べての党がそういうふうになる、と。例えば共産党とかあるいは社民党とか、そう
いう考え方なのかどうかと。現時点ではかなり違いますよね。もちろん議論してい
く中で一致できればいいと思いますけれども、なかなかすべての政党が同じ結論
になることは考えにくいことではないかと思います。

【記者】最低保障年金が7万円であったが、岡田幹事長は財源として税を充てるべ
きだというお考えだと思うが、与謝野さんは保険料というものがなじみがあると。全
額税方式に移行するまでには30年40年かかるというような表現をしておられる。
現時点で幹事長は、この財源はどうするべきかというのは、考えには変わりはな
いのか。

【幹事長】いろいろなバリエーションはあると思いますので、そこは懐深く議論して
いけばいいと思います。最初からもう「これしかためだ」と言ってしまったら、これ
は議論できない、野党は出てこないことになりますので、そこは議論しながらいく
つかのオプションを考えていくということかと思います。

 私、今日与謝野さんには、私と自民党の野田先生を中心に、たしか7人だったと
思いますが、国会議員で2年ほど前に、われわれ野党のときですが、超党派で議
論してまとめた報告書もお渡しをし、こういう考え方もありますということは申し上
げておきました。

【記者】国債の95%が国内で循環している中で、国債を国民の資産だという話につ
いて幹事長はどう解釈されているか。

【幹事長】そういう議論を展開する方がいないわけではありません。しかし、世代間
で見たら、やはりその借金は次の世代が返さなければいけませんから、個人とし
ては資産かもしれませんが、国全体のバランスで見れば、それは次の世代に対
する借金であると言えると思います。

○直近の支持率調査結果について

【記者】各社、週末に世論調査を行い、内閣改造後の支持率を見ると、一般論
だが、これまでの内閣改造後の支持率の上昇に比べ上昇の幅があまりないように
思える。その理由を岡田幹事長はどのように考えておられるか。

【幹事長】一つは、(内閣改造が)小幅ですね。それから時間もあまりたっていない
わけで、これからこの内閣がどこまでできるかということを国民の皆さんは見てい
ると、そう受け止めています。ですから、しっかりと実績を出していかないといけな
い。そういうことだと思います。これ以上あんまり、10ポイントも上がったら少しび
っくりしてしまいますから、このぐらいがスタートとしてはいいのではないか。これ
から次第にジリジリと上がっていくことを期待したいと思います。

【記者】各社世論調査の中でもう一つ、与謝野大臣の起用についての評価は、おし
なべて「あまり評価しない」という数字が高くなっている。この数字はどのように分
析されるか。

【幹事長】それは直接与謝野先生のお考えとか人間を、一般の国民の皆さん、わ
かっておられる方はごく限られた方ですので、やはりそれは伝わり方・伝え方にも
かなり左右されると思います。私はあまり短期的にそういったことを気にするので
はなくて、やはり与謝野先生は非常にしっかりとした財政・経済あるいは社会保障
に対する考え方をお持ちの方ですから、与謝野先生がきちんと力量を発揮されて
いけば、それはおのずと国民の見方も変わってくると思っています。

【記者】与謝野さんについて、自民党の比例代表で復活当選した人が、他の党に行
き、最後、与党に入っているということで、議席を一度返上して、要するに議員を辞
職してから、民間として入閣するならば入閣するべきではないかという意見が、自
民党・公明党から出ている。選挙制度を含めて、その考え方についてはどうお考え
か。

【幹事長】与謝野先生は今、民主党に入っているわけではありませんよね。今の制
度上可能な範囲でやっておられる。私は与謝野さんとは何度も意見交換する機会
がこの半年ぐらいでありましたけれども、やはり日本の将来を非常に憂いておら
れて、自らの年齢もあって、ここはやはりこの民主党政権の中でしっかりと社会保
障制度と財政の問題に答えを出していかないともう間に合わない。間に合わない
というのは、日本が間に合わないと。そういう確信を持って行動されている、そう私
は受け止めております。

○朝鮮王朝儀軌の引き渡しについて

【記者】韓国との図書協定についてお伺いします。幹事長は1月11日の民団の新
年会で、8月の菅談話は鳩山さんが首相として調整し菅さんと2人でつくったもの
である、とあいさつされた。ということはこの図書の引き渡しについては6月の段
階で既に案としてまとめられたのかどうか。一般には7月7日の仙谷さんの講演で
唐突に出てきた感じがある。それまでに民主党内もしくは内閣の中、岡田幹事長
は当時外相でいらしたが、関与されたかどうかを伺いたい。

【幹事長】これはいつか記者会見でも、外相として申し上げたんですかね、私が宮
内庁といろいろ現物を見に行って交渉を始めたのはたしか5月の初めぐらいだっ
たのではないかと思います。ですから、鳩山総理・岡田外相、それから菅総理・岡
田外相という時代があったわけですが、鳩山総理のときに、どの範囲でこれをお
渡しするかは決まっていた。事実上ですね。政府の中の意思決定はされていた。
それがそのまま菅政権に引き継がれたとお考えいただければと思います。ただ、
それを外に、韓国政府に言うかどうかについては、政府の中で、このことだけ単独
でやるのではなくて、やはり談話とセットになった話ですから、そういう意味で韓国
側に伝わったのはもう少し遅いタイミング。ただし、私が外相のときに既に談話が
出ていますので、私が外相で総理は菅さんに代わっていたということです。

○「平成の開国」について

【記者】菅総理が今年になってから「平成の開国」とおっしゃり始めた。「開国」という
のは威勢がよくていい言葉だと思うが、具体的にどういうことを示すのかよくわか
らない。例えば平均関税率、農業でいえば今12%台だと思うが、これをTPPに参
加することでゼロに下げるのか。具体的な数値とかわかりやすいビジョンがあれ
ば伺いたい。

【幹事長】これは、TPPにしろEPAにしろ、交渉の中で決まってくることですので、
もちろんTPPは原則は関税撤廃ということですが、これだって議論の中で当然例
外という話は出てくる。そういう議論をするためにも早く参加したほうがいいという
議論が一方であるわけですね。2国間のEPAも、例えば日韓とか日EUとか、今ま
でも2国間のEPAはいくつか結んでいますけれども、やはり例外品目の数とか関
税のレベルからいうと、例えば韓国が結んでいるものと、日本が結んでいるもの、
同じ国に対してもだいぶ差があるんですね。そういう意味で、もう一段純度を高く
する、上げることは目指していかなければいけないということです。

 それからもう一つは、いろいろな制度がありますね。数量割当とか関税割当とか、
いろいろな制度。そこに、外務大臣のときは私はいつも関係閣僚会議で主張して
いたのですけれども、そういう制度と外郭団体・天下り団体が結びついて、そういう
制度を改めることをブロックしている。これは農水省に限った話では必ずしもあり
ません。そういうことをきちんと取り除いていく。本当に漁民あるいは農業従事者、
そういう人の保護のためにやっているのか、それともその周りにある団体の保護
のためにやっているのか。少なくとも団体の保護のためにやっているものは取り
除いていくべきだということを、私は常々外務大臣として主張しておりました。そう
いうことはこれからも必要なことだと思っています。

【記者】その「純度を上げる」というのが「開国」、というニュアンスでとらえてよろし
いでしょうか。

【幹事長】それは一つですね。もちろん人の往来をより自由にするとか、そういった
ことも当然含まれておりますし、それから様々な制度をなるべく調和させていくと。
基準認証なども含めてですね、ということも含まれていますし、いろいろな意味で
ヒト・モノ・カネ、その流れをよくすることが、私は基本的に「開国」だと考えておりま
す。そしてそれは、やはりアジアのエネルギーを取り込んでいくことが日本の成長
にとって不可欠だと私は思っておりますので。高齢化・少子化が進む日本がより豊
かになっていくためには、そういったことは不可欠であると私自身考えており
ます。あとは具体的に、それが悪影響を及ぼさないようにどうやって調和させてい
くかというところが、まさしく政治が問われていると考えています。





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