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2010.10.18|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(10月18日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2010年10月18日(月)
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20101018okada.asx

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■冒頭発言
○就任1カ月を迎えて
■質疑
○役員会の議論
○沖縄県知事選挙への対応
○党運営の方針と陳情システム改革
○中国で起きた反日デモ
○国家公務員の給与法改正案について
○北海道5区補欠選挙
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■冒頭発言

○就任1カ月を迎えて

【幹事長】私のほうからは、今、ちょうど役員会が終わったところですが、役
員会というのは、物事を基本的には決める場ではありません。明日の常任幹事
会に向けて、執行部としての意見調整をする場であります。

従って、常任幹事会で決まるまでは「役員会でこういうことを決めました」
とか「意見交換しました」といったことは言わないほうがいいと思いますので、
それは控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、いくつか、明日
常幹でご報告すること、あるいはお決めいただくことについて、意見交換した
ということであります。

あとは、私が幹事長に就任して1カ月ということですけれども、割と早く1
カ月経ってしまったという感じがします。与党の幹事長ということで、しばら
く党務をやっていなかったものですから、人間関係を構築することが重要だと
いうことで、そういったことを中心に進めてまいりましたが、1カ月経ちまし
たので、いろいろな問題について、積極的に取り組んでいかなければならない
ということを、あらためて感じているところであります。

当面は(北海道)5区の補選です。昨日私も、応援に行ってまいりました。
候補者は非常にいい演説をしております。なるべく多くの人に、あの演説を直
接聴いてもらえたらなという感じはいたします。残された時間、もう1週間し
かありませんが、まだまだ追いかけている状況でありますので、しっかりとで
すね、私もまた水曜日に国民新党、社民党の幹事長とともに入る予定にしてお
りますが、若い、いい候補者ですので、しっかりと結果が出るように後押しを
していきたいと思っております。

そのほか、地方回りも先週から始まりまして、石川、秋田、青森。そしてこ
の前の週末が、和歌山、大阪、北海道ということで、多くの地域で、それぞれ
の県連の役員の皆さんとの意見交換などもさせていただき、統一地方選挙の取
り組みなども議論させていただいております。もうすでに申し上げたことでは
ありますが、幹事長代理の枝野さんや(筆頭副幹事長の)長妻さんと分担をし
ながら、年内になるべく、全ての都道府県連を回って、しっかりと意思疎通を
よくしたいと思いますし、なるべく当選1回議員の地元に足を運んで、少しで
も彼らの活動のプラスになればと思っているところであります。

■質疑

○役員会の議論

【記者】今日の役員会で、小沢さんの問題で、国会招致の対応なり、処分につ
いて、議論はあったか。それぞれ、方向性は出たのか。

【幹事長】この場で以前申し上げましたが、国会の問題は国会。国対および国
会の中で、与野党でご議論いただくことだということで、役員会で何かを決め
るとか、結論を見出すということではありません。党の中の措置とか処分とい
うことが必要だという、そういう議論であれば、これは役員会の発議になりま
すので、役員会で議論していくことでありますが、今日はあまり時間もなかっ
たということで、ほとんど意見は出ませんでした。どういう結論になるとして
も、結論は急いだほうがいいという発言はありましたが、お一人だけでありま
した。

【記者】幹事長自身は、先週のぶら下がりでのわれわれの取材に対して「いつ
までにというふうにあらかじめ切って、議論するつもりはない」と言っていた。
いつごろまでに結論を出すということについて、その考えに変わりはないか。

【幹事長】基本的には変わっておりません。別に、先延ばしをすればいいとい
うことではなくて、非常に重要な問題ですから、慎重な議論が求められるとい
うことです。あわせて、ちょっと今日申し上げたのですが、国会における対応
ということ。これは野党もありますし、全体の予算や法案の審議もありますの
で、そちらに対応ということが先行するということになるのではないかと思っ
ております。

【記者】そうすると、補正予算の審議などに入る上で、与野党のなかで小沢さ
んの国会での招致の結論をどうするかが決まった上で、党の役員会の発議をど
うするのかを決めていくという考えでよいか。役員会は、次は来週の定期でい
いのか。様子を見ながら今週、必要があればさらに開いて、時間を取っていく
考えか。

【幹事長】国会での議論というものが、全体のタイミングから見て、そう先に
はできないだろうと思っております。どういう対応をするのか、国会でそもそ
も行うのかどうかということも含めてですが。野党のほうからもいろいろご意
見あるかと思います。私としては野党側に対して、彼らは証人喚問と、社民党
以外は言っているわけですから、何を聞くおつもりなのか、証人喚問はいいん
だけれども、具体的に何を聞こうとしているのかと。

強制起訴ということになれば、裁判で争うことになるわけですが、そういう
ことと国会での喚問ということについて、従来の自民党時代に言ってきたこと
と変わるということであれば、そのことについてしっかり説明してほしいと、
私は日曜討論ですでにお願いしてありますので。それに対するお返事は全くな
いんですね。そういうことで今、前に進んでいないという状況です。

【記者】国会招致の話だが、今日の(参院)決算委員会で、公明党の木庭議員
の質問で、補正予算を提出する前に方向性を出すべきだと。それに対して菅総
理が、そのことを十分念頭に置きながら、どういう形で対応するのか、少し話
を前に進めないといけないというふうに答弁している。前向きとも取れる総理
の発言を、幹事長はどう受け止めるか。

【幹事長】「前に進めないといけない」というのは、私が昨日申し上げたこと
であります。今日の木庭議員もそうですが、山口代表、あるいは福島社民党党
首のご発言ということは、当然承知しておりますし、そのことも念頭に置かな
ければならないと思っております。

【記者】岡田幹事長は以前のぶら下がり取材や会見で、野党側が小沢さんの国
会招致について何を聞くか分からないと言った。何を質問するかについてもや
はり国会の場で議論するのか。それとも与野党間でまた別に席を設けて話を聞
くのか。

【幹事長】何を聞くか言わずして国会に出てきて証人として証言しろというの
は、ずいぶん乱暴な話ではないかと私は思います。

【記者】幹事長が小沢さんと会うタイミングというのは、役員会の発議を踏ま
えて常幹で決まるかその前ぐらいか。方向が決まってからでないと会わないと
いうのは、変わっていないのか。

【幹事長】何もなしで会うということはあり得ないと私は申し上げております。
それ以上でもそれ以下でもありません。

【記者】北海道5区の補選、各社の調査で自民党候補にリードを許している。
政治とカネにきちんとした対応を示す意味において党として早く結論を出す考
えはないか。

【幹事長】北海道5区の補選は非常に重要です。ただ、だからといって、この
重要な問題について、あわてて結論を出すということは、違うと思っておりま
す。重要な問題だけに、しっかりと議論を進めなければならないと思っており
ます。

○沖縄県知事選挙への対応

【記者】民主党沖縄県連の喜納代表と、国民新党幹事長で沖縄選出の下地さん
が会談して、(沖縄県知事選に)独自候補を出していこうという方向で一致を
して、政策についても話をしていこうという形で合意したということだ。たま
たま幹事長も議員会館前で喜納さんとすれ違っていたけれども・・・

【幹事長】いや、あの時は、どういうことで喜納さんがあそこで記者の皆さん
に取り囲まれているのか分からなかったので、挨拶をしただけです(笑)。

【記者】下地さんは、さきほどの委員会でも、独自の案、2020年にゴール
が先伸びになったので、という彼の考えで、米国側がそのように設定し直して
いるという主張で、さらに将来的なグアム移転ということも模索する形での、
新たな解決策を提示されていた。そういう下地さんのスタンスがある中で、民
主党の地元の県連が一緒になって独自候補を模索する動きについて、どうご覧
になるか。

【幹事長】県連がいろいろな、県連としていろいろな努力をされているという
ことであれば、当然のことであり、望ましいことだと思います。ただ、全体と
してのスケジュールもありますから。選対委員長には今日、私のほうから、そ
ろそろ県連としての考え方をまとめて、そして報告してもらいたい。それを踏
まえて、党としてどう対応するかということを決めなければいけないタイミン
グが来つつあるのではないかと申し上げたところです。

【記者】先ほどの役員会でお話されたという理解でよいか。

【幹事長】はい。

【記者】次回の役員会までに報告してもらえるようにというスケジュールのイ
メージで言ったのか。

【幹事長】そういう具体的な、沖縄県連の考え方を、党本部に対して明らかに
されるというのは、役員会とは違います。したがって党内のしかるべき人間に、
つまり幹事長ないし選対委員長に、県連としてのお考えをしっかりと集約して
伝えてもらう、こういうことだと思います。個人ということではなくて、県連
としての考え方ですね。

【記者】県連代表の喜納昌吉さんは独自候補を擁立する中で、立てられなかっ
た場合には、自身の出馬の可能性にも言及している。喜納さん自身は日米合意
に否定的な考えを示しているわけだが、そういった候補を党本部として公認な
り推薦することは可能なのか。

【幹事長】仮定の議論はお答えいたしません。私が聞きたいのは県連としての
考え方であって、個々の意見ではなくて、県連としてまず意見集約してくださ
いということをお願いしているわけです。

【記者】この間、喜納さんが渡辺選対委員長と会ったり、副代表が渡辺さんと
会ったりしているが、県連の組織として会っているのか、個人として来て、考
えを言っているのか見えないような、よく分からない行動とも取れる。そうい
うことを念頭に、個人としての考えではなく、県連としてちゃんとまとめて持
ってきてほしいという思いで言ったのか。

【幹事長】個人で選対委員長に会うのは自由だと思いますけれども、そろそろ
決めなければいけない時期なので、県連として意見集約をして、持ってきてほ
しいということです。そうでない以上は、党としても判断できないわけです。
個々の意見を言われても。

○沖縄県知事選挙への対応(補足)

【幹事長】(先ほどの質問で)下地さんの発言も取り上げられましたが、米国
のスケジュールは別に変わっていないんですね。正式には変わっていないとい
うことと、いずれにしても現在以上にグアムで引き受ける話はない。現在の移
転の案というものがマックスであって、それ以上は無理だということが、地元
の知事の発言ですので。8千人の移転、家族も含めれば増えるわけですが、8
千人の移転以上に、グアムに移転できるような、そういう議論というのはまっ
たく根拠がないと思います。

【記者】仲井真知事がこの間正式に出馬表明をした。あらためて県外を求める
という形を明確にして、県内にはもう持っていくところはないのだと、今まで
の言い方より強くなったと見える言い方をした。上がってきていないので仮定
の話になるかもしれないが、仲井真知事を民主党として推薦するのは、正式に
できないことかと思うが、改めて知事の正式表明を受けてどのようにお考えか。

【幹事長】今の段階で県連から何も上がってきておりませんので、そのことに
ついて言うことはありません。前から申し上げているように、政府の基本的考
え方と明らかに異なる候補者を推薦するということはあり得ない、ということ
です。仲井真さんのことを言われましたが、もう一人の方も含めてですね、そ
こは先ほど申し上げた一般論でお答えしたいと思います。個別のことはお答え
いたしません。

○党運営の方針と陳情システム改革

【記者】この1カ月間、党運営で特に心がけていることは何か。こちらから見
ていると、新たに陳情対応本部を置いたり、幹事長補佐を置いたりなど、これ
まで少数でやってきた運営を多くの人間に割って、党内民主主義というのを心
がけているのかなと見える。どういうことを党内運営で心がけているのか。

【幹事長】党内運営で心がけているのは、幹事長に就任した時に申し上げたこ
と。つまり公正で透明な党運営を心がける。そして一人ひとりの議員が力を発
揮できるような、全員野球ができるような党にしたい。最初に申し上げた方針
に沿って1カ月やってきたつもりです。

【記者】陳情のシステムの改革にも取り組んでいると思うが、前幹事長時代は、
幹事長室一元化ということで、幹事長室への権力集中が批判として上がった。
今回のシステム改革で、そういった点はどういうふうに改善されるか。

【幹事長】明日の常幹で決めていただこうと思っておりますので、先取りして
あまり言わないほうがいいと思います。いずれにしても、いろいろな陳情や要
望について党としてしっかり把握して、そして対応、方向付けを決めるという、
そこの基本は変わっておりません。ただ、党の中にも企業団体対策委員会や組
織委員会がありますので、そこも活用しながら進めていくということです。

全体の取りまとめは枝野幹事長代理にお願いしようと思っております。もち
ろんそれは、幹事長が何もしないということではありませんが、あまり具体的
なことに幹事長が時間を取られるよりは、なるべく枝野代理あるいは各委員長
のレベルで対応してもらって、そうでない問題について、幹事長が例外的にや
ると、そういうイメージで考えております。

【記者】公平で透明な党運営という文脈のなかで、今回の陳情改革については、
それに関する理念は含まれているか。

【幹事長】きちんとそういった、出された要望に対して、党としてそれを受け
止めて対応するということが必要だと思います。従来できていなかったという
つもりは全くないのですけれども。そういう意味で少し体制を整備したとご理
解いただければ結構だと思います。従来が透明でないとか公正でないとは私は
考えておりません。若干バージョンアップしたと、そういうふうに考えていた
だければ結構だと思います。

【記者】民主系の首長さんの陳情に対しては、幹事長代理なり幹事長なりが対
応するなど、少し色をつけて対応するとの報道があるが、事実か。

【幹事長】そういうことを何か決めているわけでありません。それぞれの案件
ごとの判断であると考えていただければと思います。

【記者】システムを変える狙いもそうだが、組織委員会や企業団体委員会が絡
んでくるということで、来年の統一地方選挙をにらんで地方や業界団体の声を
吸い上げようという狙いはあるのか。

【幹事長】別に統一地方選挙に向けてやっているわけではありません、今まで
も企業団体対策委員会や組織委員会が関与していたのですが、形の上では幹事
長部局で全体を束ねることになっておりましたので、もう少し体制として整備
したとお考えいただければ、基本はそう変わっているわけではありません。

【記者】どういう案件の場合は幹事長が会うのか。

【幹事長】原則は本部長、つまり幹事長代理のところで完結すると。委員長と
かそのレベルのものもあるし、重要なものは本部長自ら関与することになると
思います。ただ、場合によって、幹事長が直接会ったほうがいいとか、幹事長
の判断が必要だというものについては、個別に上がってくるとお考えいただけ
ればと思います。

【記者】政府のほうに言いに行くのが、幹事長というニュアンスか。それとも
陳情を受けるのが幹事長なのか。

【幹事長】政府のほうに言いに行くというのは、別に幹事長がいちいち行かな
くてもいいんじゃないですか。

○中国で起きた反日デモ

【記者】一部過激化している面もある。反日デモの原因がどこにあるのか。そ
れを受けて中国側にどういうことを求めるのか。

【幹事長】原因がどこにあるのかというのは、推測しかできませんのでお答え
しかねます。中国側に要望したいことは、日本人の生命・財産に被害が及ぶこ
とのないように万全を期してもらいたいということです。あわせて、これはデ
モにということではありませんが、一連の事案を見ておりますと、中国側も日
本側も、いたずらに国民感情をあおるような発言は、お互い厳に慎むべきであ
ると思っております。

○国家公務員の給与法改正案について

【記者】国家公務員の給与法の改正だが、菅総理は代表選の中で人勧(人事院
勧告)以上の引き下げを行う、削減を目指すと発言している。この臨時国会の
対応はどうあるべきか。

【幹事長】朝日新聞は1面トップで報じられたわけですから自信がおありなの
だろうと思いますが、まだ政府としては何も決めていないと私は承知しており
ます。これは政策の問題ですから、政府でご議論いただくこと。あまり幹事長
が先取りして物を言うべき話ではないと思っています。

○北海道5区補欠選挙

【記者】先週と比べて中前候補は町村候補にさらに差を広げられた認識がある。
幹事長の認識は。厳しい戦いの理由についてどうとらえるか。

【幹事長】広がったとは私は認識しておりません。懸命に追いかけていて、差
は縮まりつつあると思います。特に中前候補の演説は非常に力のあるものであ
って、私は、活動が増えれば増えるほど、支持は広がっていくと確信していま
す。もともと政府の要職を務められた相手方候補と比べて圧倒的に知名度で劣
るわけであります。そういうなかで、まず名前を知ってもらうところから始ま
っておりますので。

私も昨日もまずお詫びから入ったのですが、なぜこの選挙が、補選が行われ
ているかということもあります。民主党の前任者は、いままで何回か選挙をや
って、前回の一度しか選挙区で勝てていないというベースの違いもあります。
そういう中で中前候補は健闘しているし、1週間の中で、私は演説の中でも申
し上げたのですが、奇跡は起こし得ると感じております。




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