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2010.04.27|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年4月27日)

外務大臣会見記録(平成22年4月27日(火曜日)15時30分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)佐世保市訪問
(2)ゴールデンウィーク中の海外出張について
(3)経済連携協定に関する打ち合わせについて
○検察審査会の議決
○米軍再編問題
○朝鮮半島情勢(韓国艦船沈没問題)
○中国艦船へりによる護衛艦への接近
○アフリカ訪問
○核不拡散防止条約(NPT)運用検討会議
○世界銀行の投票権比率
○日米非公式首脳会談でのメモ
○六者協議

冒頭発言
(1)佐世保市訪問

【岡田大臣】私(大臣)から何点か申し上げたいと思います。
 まず、先週の土曜日に佐世保市を訪問いたしました。佐世保市では、市長、市議会議長とお会いをし、例の密約の問題の経緯など説明するとともに、今日まで非常に不誠実な説明を政府は行ってきたということに対して、おわびを申し上げたところであります。
 本日の閣議の後の懇談会の場を利用いたしまして、詳細は省きますが、私(大臣)の方で2週間前には横須賀を、そして今回は佐世保を訪れたこと、3月9日の外務省或いは有識者による調査結果について、特に米軍艦船が前方展開しているこの両市においては、関心と心配を招いたといったことで説明に行ったということをお話しさせていただきました。
 その際、米軍基地を受け入れていることから生ずるさまざまな負担について、これは外務省だけではなくて政府全体として十分理解してもらいたいというお話が両市長からありましたので、具体的なことは省略したいと思いますが、各省にわたるさまざまな要望が出ていたということを、もう少し具体的に各閣僚にその場を利用してお願いをしたところでございます。
 横須賀や佐世保が置かれている状況には、重要な米国施設区域を抱えるという特別な事情があるということも事実なので、できるだけこのような事実にもご配慮いただきたいということで、各大臣にお願いを申し上げたところであります。

(2)ゴールデンウィーク中の海外出張について

【大臣】2番目ですが、私(大臣)自身の連休中の海外出張につきまして、既に国会などでは盛んに取り上げられておりますが、4月28日(水)、明日の夜から5月5日にかけて、実質7日間、形式的には8日間ということになりますが、南アフリカ及びタンザニアを訪問するということにしております。
 南アフリカはアフリカの大国であり、近年、G20のメンバーとして、国際社会の重要な役割を果たしつつあるということでございます。南アフリカとの間では、さまざまなレベルでありますが、二国間対話ということも毎年行ってきておりまして、今回、私(大臣)が行くことで二国間対話もあわせて行いたいと考えているところであります。
 タンザニアでは、第2回TICAD閣僚級フォローアップ会合に出席し、共同議長を務めます。新政権の下での初めてのTICAD会合であり、我が国としてTICADⅣの公約を確実に履行していくとの決意を表明する考えであります。また、アフリカの経済成長、MDGsの達成、気候変動などについて議論し、来月以降開催されるG8、G20などの重要国際会議に向けて、議論の成果をアフリカの声としてとりまとめ、力強いメッセージを発信していきたいと考えております。
 会議の合間を縫って、アフリカのできるだけ多くの外相たちと二国間会談を行い、またODA、アフリカ支援の現場にも行き、しっかりと視察も行いたいと思っているところでございます。
 そして、政務レベル全体でのゴールデンウィークの出張についても、申し上げておきたいと思います。気候変動問題、安保理改革といったテーマについて働きかけを行うということで、武正副大臣がカリブ、中南米諸国に、西村政務官がもう既に出発をしておりますが、ブータン及び太平洋島嶼国を訪問いたします。 なお、武正副大臣は、コスタリカでは大統領就任式に出席をし、西村政務官はブータンで開催される南アジア地域協力連合の首脳会議に出席するということであります。なかなかふだん政務レベルで行くことがかなわないといった所を集中的に、今回中米・カリブを武正副大臣が、そして南アジア、特にブータンで首脳、外務大臣が集まりますので、ブータン及び太平洋の島嶼諸国を西村政務官がということで手分けをして行います。
 福山副大臣は中国と米国を訪問し、特に今、中国は上海万博の関連式典でありますが、米国ではNPT運用検討会議に出席の予定であります。
 吉良大臣政務官はもう十分に南米などに行っておりますので、今回は危機管理の観点から国内で他の三役の留守を守っていただくということにいたしました。
 このゴールデンウィーク、内閣官房の方針もありまして、海外に行かれる予定の閣僚、政務三役に対して、戦略的な見地から、気候変動問題での連携強化や資源エネルギー分野での開発協力、インフラ分野への日本企業の投資促進などのテーマについて、各大臣に、あるいは政務三役にそれぞれの訪問国で効果的な働きかけを行っていただくよう依頼し、必要な情報提供などしかるべくインプットを行ってまいる所存でございます。

(3)経済連携協定に関する打ち合わせについて

【大臣】包括的な経済連携協定に関する打ち合わせであります。今日、閣議の前に関係大臣が集まりました。仙谷国家戦略担当大臣、外務大臣、財務大臣、農水大臣、経産大臣ということで意見交換を行ったところであります。
 今後、仙谷大臣の方でも発表されたわけでありますが、経済連携協定については国家戦略として展開するという位置づけの下で、内閣の重要政策として政府一体となって取り組む必要がある。そういう観点から、本件に関する内閣官房としての総合調整については、仙谷大臣にお願いすることにいたしました。これは鳩山総理の発言です。
 対外関係については、私(大臣)を中心に仙谷大臣を含む関係各大臣が従来どおり協力して取組んでいただくということにしたところでございます。仙谷大臣とは協力をしながら、経済連携協定について力強い歩みをスタートさせたいと思っているところでございます。
 なお、具体的な個々の現状についてもいろいろ意見交換を行いましたが、特に日韓、日・EUなどについては、明日、日・EU首脳会議も行われます。そこで何とか前に進めたいと思っているところでございます。日韓については、来月半ばに日中韓の外相会談、後半に日中韓の首脳会談が予定されております。その折に、日韓間で外相レベル、或いは首脳レベルで日韓FTAについて少しでも前進ができるようにしっかりと議論したいということで、今日もいろいろ意見交換を行ったところでございます。

検察審査会の議決
【テレビ東京 柳川記者】先ほど検察審査会が小沢幹事長のことを起訴相当ということで議決いたしましたが、これについての大臣の受け止めをお願いいたします。

【大臣】これは検察審査会の判断ですので、私(大臣)はそれに対して何か具体的なコメントをすることは避けたいと、検察審査会としてのご判断が示されたということだと思います。それに特にコメントはいたしません。

【フリーランス 小山氏】小沢幹事長はこの間、600人の方を連れて訪中されました。しかし、この10年間、ワシントンに1度も行っていないわけです。これはバランス感覚が欠如しているのではないかと思うのですが。

【大臣】小沢幹事長がワシントンに行かれたかどうかということは、私(大臣)は存じませんけれども、いずれにしてもそれは小沢幹事長のことですから、私(大臣)が何かコメントすることではないと思います。

【読売新聞 川崎記者】先ほど大臣は、検察審査会の判断なので、それに関してはコメントをしないということですが、検察審査会の判断そのものではなくて、この判断が政権運営全体に与える影響については、所感、ご感想はございますでしょうか。あればお聞かせください。

【大臣】まず、検察審査会の今回の判断ですが、それは小沢幹事長ご本人がコメントされるべきことで、私(大臣)がコメントすることではないと思います。これがどういう影響を及ぼすかということはいろいろな議論があり得ると思いますけれども、起訴相当ということが2回なされれば、それは実際の法的効果が発生するわけですが、まだ1度ということでありますので、今の段階で何か影響を及ぼすとは、私(大臣)は必ずしも受け止めておりません。それ以上のコメントは控えたいと思います。

米軍再編問題
【琉球新報 滝本記者】抑止力に関して、本日の委員会で大臣は、テニアン、サイパンの議会でも誘致決議があったということに関連しての山内徳信議員の質問に対して、「『国外に』ということについては軽々には言えない。米軍の存在は国民の生命と財産を守っている。日本に基地は必要だ。どこに置くのが一番いいのかを議論している」と仰られましたけれども、以前からの抑止力の議論で、海兵隊の抑止力ということについてはどのように機能しているのかということについて、海兵隊についてはどういうようにお考えになっておられるのでしょうか。

【大臣】海兵隊というのは最も即応力があるというか、佐世保でも揚陸艦「エセックス」の中を視察する機会もありましたが、一つはさまざまな災害時、例えばインドネシアでの津波のときにも、或いは台湾とか、さまざまな災害時に海兵隊は現場に行き、そこで活動を行っております。物資の支援、或いは揚陸艦の中にある病院施設を利用して、患者の手当も行うことができるということで、この東アジア地域といいますか、西太平洋といいますか、そういった地域において、この海兵隊があることがそういった緊急時における役割を果たしているということは、一つ言えると思います。
 もう一つは、海兵隊が日本にいるということがさまざまな紛争が生じることに対して、抑止しているということが言えると思います。勿論、自衛隊というのもありますけれども、自衛隊というのは限られた範囲で、しかも能力的にも限られた能力に憲法上なっているわけですから、それを補完するものとして、海兵隊というものが現時点において、私(大臣)は日本の国民の生命と財産を守るために、あるいは地域の安定のために必要であると考えております。

【琉球新報 滝本記者】関連してですが、今、海兵隊で大臣のおっしゃられた内容というのは、外に出る能力のような即応体制という形だと思うのですが、それがなぜ日本の防衛という、東アジアの安定ということにもなるのでしょうけれども、日本にいなければいけないのかということ。つまり日本にいるとこういう役割があるということは理解しますけれども、逆になぜ日本にいなければいけないのかということのご説明としては、どういうようにお考えですか。

【大臣】グアムに移転したらどうかとか、あるいはサイパンにという議論があることは承知していますけれども、それはかなり遠くなるということは事実だと思います。

【フリーランス 岩上氏】今の抑止力関連の議論に関して、関連の質問をさせていただきます。米側はグアムへ戦力を集結したいという意向を持っていると一部伝えられています。先週、宜野湾市の伊波市長が東京に上京されて講演会がありまして、非常に詳しく、今までの研究及び最新の情報も加えた講演をされたのですけれども、それを拝聴していまして、米側の司令官の直接のインタビューも含めて、グアムに移転すべき理由として2つあります。
 1つは、合同演習が日本国内にあった場合にはできない。少なくとも主要同盟国、韓国、日本、タイ、フィリピン、オーストラリア、米国の合同演習は、日本国内においては他国の軍隊が入ることを許容しないのでできない、しづらい。そこで中心点をグアムに移転させる。
 あと日本の沖縄においては、環境問題や人権問題等々の制約が非常に増えたとので、思い切った演習ができない、しづらい。こういうことで中心をグアムに持っていって、ローテーション基地だけ沖縄にあるような状態の方が望ましいということをおっしゃっていました。
 これについて、大臣は海兵隊が日本にあることが望ましいとおっしゃっていますけれども、それはローテーション基地のことを指していいのか、それとも主力がそのまま駐屯することを指しているのか。また、米側の見解についてどういう思われるのか、お聞かせいただきたいと思います。

【大臣】8,000人のグアムの移転の中で司令部機能、それに付随するものがグアムに移転することは事実であります。ただ、伊波市長はいろいろと言われますが、それは米側は正式に認めていません。伊波市長が会われた方がそのように仰ったという説明だと思いますけれども、正式に認めているものではありません。
 そもそも伊波市長は沖縄にいる海兵隊全体をグアムに移すということが米国政府の方針であるかのごときに言われるわけですが、それは根拠のあることではないと私(大臣)は思いますし、そもそもグアム自身が全員が来るということは無理だと、8,000人が限界だということを明確に言われているわけですから、私(大臣)は理解に苦しむところであります。
 合同演習がグアムにおいてやりやすいという面はあるかもしれません。ですから、グアムで行っているということです。そのことが沖縄の海兵隊を否定することにはならないと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】仮に今後、普天間を早期返還して、代替施設を求めないというような意向が示された場合、岡田大臣の方としては、海兵隊が日本にいてもらわないと困るんだというような要望をされるという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】これは私(大臣)だけではなくて、日本政府としてはそういう考え方だと思っております。

【ビデオニュース 神保記者】逆に米国との交渉の中で、先ほど説明のあった伊波市長の主張しているような、グアムに全部移すということではないのだというような説明というのは、大臣は受けておられますか。つまり海兵隊をグアムに全部移すのではないのだと、これこれこれだけ残すために必要なのだというような説明を、米国からは受けておられるのでしょうか。

【大臣】日米合意案というのは、そういうことを前提につくられているということであります。

【ビデオニュース 神保記者】それは現時点でも変わっていないということですか。

【大臣】我々は日米合意案を前提にしているわけではありませんが、米国側のそういうスタンスは変わっていないということであります。

【毎日新聞 野口記者】今日の午前中の委員会の中で、キャンベル次官補のインタビューで、日本側から真剣な検討があったというような報道について、大臣は事実ではないというような答弁をしておりましたが、これから日米で交渉するに当たって、日本側から提案がない中で大臣が1週間外遊してしまって、事務方でもなかなか協議が進められないと思うのですけれども、日本側からの提案というのは、いつどういった段階で行うのか。それとも日本側から提案をされているのではなくて、米国側から既に辺野古の修正案に近いようなものが提案されているのかどうか。

【大臣】想像でものを言われない方がいいと思いますけれども、基本的にここは記者会見の場ですから、やはり根拠のあることで議論をした方がいいと思います。今いろいろな意見のやり取りを行っていますけれども、報じられたようなことはございません。

【時事通信 高橋記者】現行計画、あるいは現行計画の修正に関してお聞きしたいと思いますが、米国側は現行案が好ましいということを今まで言ってきていると同時に、この間のゲイツ長官との会談でも、地元との合意が重要だということも同時に米国側は言っているわけですが、その地元に関しては名護の稲嶺市長は日曜日の集会で、辺野古の陸にも海にも新しい基地はつくらせないという意思表示をはっきりおっしゃっております。現行計画の修正案を押し切るということは、地元の合意を求める米国側の意向と名護市の意向と二重に反することになると思うのですけれども、それでも日本政府は名護の修正案は選択肢として残すのでしょうか。

【大臣】いろいろな議論がありますけれども、それは途中の経過でありますので、最終的には地元が受入れ可能なものということにはなると。そうでなければならないとは思っております。具体的にそれはどこであるかということは、今、申し上げるつもりはございません。

【共同通信 井上記者】本日、キャンベル次官補が来日され、国務省の方では普天間問題についても協議すると発表していまして、ワシントンでは審議官級協議があり、そこでも普天間問題が話し合われたようですけれども、今後の普天間問題をめぐる日米協議のスケジュール感、5月末まで余り期間がありませんが、本日、鳩山総理は政府内の政府案に関する最終的な詰めを行いたいとおっしゃっていますが、対米交渉でのペースについて、どういうスケジュール感を持っていらっしゃるかを教えてください。

【大臣】まず、キャンベル次官補が来るというのは、本来これは普天間の問題で来るのではなくて、日米安保50年に関連してさまざまな議論を行うということが中心であります。恐らく、それ以外にイランの問題とかミャンマーの問題もあるのではないかと予想しておりますけれども、そういう中でこの普天間の問題というのは、話題にはなるだろうと私(大臣)は思いますが、彼のレベルでどのくらいの新しい話があるのかということについては、私(大臣)は必ずしもそれがメインになるとは認識をしておりません。
国内の問題も関係閣僚が集まり、さまざまな意見交換を断続的に行ったり、あるいは個別にやったりしているところであります。5月末まで余り時間がない中で、しっかりと対応していく必要がある。具体的なスケジュールについては、申し上げるべきではないと思っております。

【フリーランス 上出氏】今、日米安保50年という話が出ました。今更ながらの質問かもしれませんが、今回の迷走とも言われているような事態の根本的な日米安保が一体どうあるべきなのか。本当に根本的に見直して、そこから議論を始めるということが、本当は新政権になったときのプロセスとして、当然あるだろうなと思われたのですが、何回か前の記者会見で岡田大臣は、「日本人は米国の抑止力に頼っているという世論だ」という前提で話されたと思ったのですが、要するにいつの時点かになった場合、そういう根本的に話し合う機会があるのか。それとも、このようになし崩しに普天間で迷走してしまうというような、こういう事態は大変悲しいことだと思います。やはり国民の合意というか、きちんと根本的に日米安保がどうして必要なのかという辺りは、どういう形になるかわかりませんが、そういう議論が必要だと思いますが、それがないまま来てしまったということに対して、どう思われますでしょうか。

【大臣】それを話すなら、まず国内で話さなければいけません。日本が自ら自立して自分の力で国を守っていくのか、そのために防御力を或いは軍事力をどのように持つのか、もし選択をするならそういう議論を、まず、国内で行わなければなりません。私(大臣)はそういう必要はないと、日米同盟の中でやっていくべきだと、一部は米国の抑止力に依存しながら。しかし、それは一方的な依存ではなくて、日米同盟というのは、私(大臣)は双方向性だと思っておりますので、そういう形でやっていく。それは議論の前提だと考えております。日本の中で、日米安保を離れて自立してやっていくべきだという議論がそうたくさんあるとは思っておりませんし、我々も選挙でそういうことは訴えておりません。したがって、日米同盟ということを前提にしながら議論を日米間で、日米同盟を深めるための議論を、今、並行して行っているところであります。

【共同通信 西野記者】普天間問題に関して、閣僚間、或いは総理も含めて断続的に協議しているということですが、5月末決着ということに関して、かなり時間的な、もう時間がないという危機感というものは、閣僚の中で共有されているのでしょうか。

【大臣】基本的に共有していると考えております。ですから、真剣に、ここ1、2か月、必要な範囲で個別にやったり、会ったりしながら、お互いの共通認識を持って対応しているということであります。

【フリーランス 岩上氏】海兵隊の抑止力の問題にちょっと戻させてご質問させていただきたいと思うのですけれども、先ほど海兵隊の抑止力はどうして必要なのか、どのように機能するのかという滝本さんの質問に大臣はお答えになりましたが、ややあいまいな感じがまだいたします。もう少し具体的にお聞きしたいのですが、やはり尖閣諸島、或いは南西諸島に対する中国の脅威という問題があります。現実に抑止力と言ったときに、核戦力における抑止力と通常兵器の通常紛争における抑止力とあると思うのですけれども、核の問題はこの場合は関係ないと思いますが、海兵隊ということになると、これは島嶼防衛の話になってくるとすると、尖閣に仮に中国の間で領有をめぐって紛争になったときに、米軍は海兵隊を出して、そして日本側について中国側の戦力を追い払うという行動に具体的に出てくれるという保証はあるというようにお考えでしょうか。

【大臣】具体的なことをお話しすべきではないと、私(大臣)は思います。しかし、海兵隊の存在というのが、例えば、いざ何か有事の時に邦人の救出等、そういったことも含めて、海兵隊に依存する部分というのは、私(大臣)はあると思います。そもそも今言ったような海兵隊の存在がさまざまな紛争を抑止しているという事実は、これは、私(大臣)は多くの方がお認めになることではないかと思います。特に朝鮮半島情勢とか、或いは中国を始めとするアジアの国々の軍事力の強化ということを考えたときに、それを現在の自衛隊だけで適正に対応できるかというと、それは限界があるということは多くの方がそう思っておられるのではないかと思います。

【フリーランス 岩上氏】関連してご質問させていただきます。そうしますと、直接的な安保になるのか、それとも間接的な抑止力ということになるのかという問題が残ります。以前にここで、日米安保と日米同盟というのは違うというお話、それで大臣が私は日米同盟という言葉をきちんと使っているのだと仰られて、では、安保と同盟の定義について、それはどうなのかということを少ししつこく質問させていただいたことがありました。この問題は、安保と同盟の問題につながってくると思います。直接的な抑止力ということだったら日米安保の範囲内で、もし、中国なり他国が日本の領土、領海に侵略してくることがあったら、それを出して、米国は出動してくれるという保証が日米安保になるのでしょうけれども、そうではないというのであれば、また詳しく国民にちゃんとご説明いただきたいのですが、日米同盟ということになると、米国の国際戦略、例えばはるか遠くの中東で米国が出動するに際して、日本側がそれに協力することということになっているわけで、直接的な日本に対する防衛ではない。もし、日米同盟が必要ということであれば、海兵隊は、本来、例えば日本を直接守ることではないけれども、例えば中東等に出撃するに際して基地を提供する。その見返りとして日本を守るであろうという話になるのだろうと思うのですが、この直接か間接かという話、非常に、今、混同して使われているように思われます。整理してご説明していただけるとありがたいと思います。

【大臣】議論の前提がよくわかりませんが、日米安保というのは日本を守るためだというのは違うと思います。日米安保条約そのものを見ても、日本及び極東ということが範囲になっておりまして、日本だけではありません。そして、日米同盟と日米安保の違いというのは、私(大臣)が整理しておりますのは、やはり安全保障に関してのものは日米安保でありまして、日米同盟ということになりますともう少し幅広くなるということです。例えば地球温暖化問題の対応とか、外交とか、ミャンマーの民主化とか、そういうものも含めて同盟ということの中で対応していくということだと思っております。

【琉球新報 滝本記者】先ほど大臣がお答えされた中で、海兵隊の存在というのは、例えば、いざ有事の時に邦人救出ということも依存することもあろうかと思うと仰っられたのですが、これはどこの邦人を救出する、具体的にどこというのがそもそも議論ではないというお話でしたけれども、日本国内の邦人ではなくて、日本国外の邦人を救出するということもというイメージなのでしょうか。

【大臣】それもあると思います。周辺事態の場合です。

【琉球新報 滝本記者】その場合、それは海兵隊が出るのですか。日本の周辺事態法による、日本が出ていくということではなくて。

【大臣】それはいずれもあり得るということです。日本の自衛隊は周辺事態法という法律の枠の中でしか行動ができません。しかし、それでカバーできない場合というのはあるというように思います。いろんなハード・ソフトを考えても日本では対応できない場合というのはあると思います。

【琉球新報 滝本記者】それは期待できるのですか。

【大臣】それは同盟だと思います。

【NHK 梶原記者】これまで普天間問題について、ゼロベースで検討されているということでしたけれども、今の段階でこれまでの現行案、あるいは修正案というものがあるかどうかわかりませんけれども、これもゼロベースの中に入っているのか。
 あと、これまで政府内で検討されている案というのは、現行案よりも実現可能性が高いというようにされていましたけれども、この説明は変わりないのでしょうか。

【大臣】説明は変わりありません。具体的なことは申し上げません。

【共同通信 西野記者】先ほどのスピード感の話の続きなのですが、大臣は、明日から外遊なさって、5日に戻ってこられると。その後は土日もあるのですけれども、戻っておいでになれば、本格的な詰めの協議が断続的にどんどん進んでいくと、日米間で普天間問題に関する協議が加速化していくと見ていてもいいのでしょうか。

【大臣】それはこれからのことですから、私(大臣)が何か具体的なことを申し上げるべきではないと思います。ただ、私(大臣)が日本にいなくてもきちんと対応できるだけの準備は大臣として行っております。

【共同通信 西野記者】そういった指示を担当者にしているということですか。

【大臣】具体的なことは申し上げません。

【朝日新聞 鵜飼記者】普天間の移設先なのですけれども、大臣が就任直後に、現行計画の検証を始められたときに、現行計画にかかる公費の高さの問題というのが指摘されていたと思います。4,000億円かかるというのを問題視されていたと思いますけれども、今回ゼロベースで検討されているという中で、現行計画以上のお金のかかるような案というのは、検討の対象になり得るのでしょうか。

【大臣】現行計画が一体幾らでできるのかということを私(大臣)は問題にしたと思います。言われているような金額には収まらないのではないかということを申し上げたと思います。いずれにしても、もちろん、必要以上の公費をかけるというのは、国民の税金ですから、それは避けるべきだと思います。
  しかし、同時に普天間の危険性の除去ということが大きな国の目的であるということであれば、国民の皆さんの納得していただく範囲で税金を使わせていただくということはやむを得ないと思います。

【フリーランス 小山氏】報道されているような事実はないと仰いましたけれども、いろんな報道がなされておりますが、どちらの報道を指しているのでしょうか。ワシントン・ポストの報道でございますか、ポストは、確かに間違っている点はありましたけれども、合っている点もあるわけで、それを一緒くたにして間違っていると、事実はないとおっしゃると、ちょっと誤解を生じると思うのですが、報道されているような事実はないというのは、辺野古には行かないと、移転しないという意味で仰っているのですか。

【大臣】ワシントン・ポストといっても幾つか記事がありますので、これはどうかと聞いていただければ、私(大臣)は返事をいたします。

【フリーランス 小山氏】この間、辺野古のことを書いた記事です。問題になった、辺野古の前の案の方に戻るという記事です。

【大臣】あの記事全体に対しての私(大臣)の評価は、事実ではないということであります。それ以上のことは申し上げません。

【週刊金曜日 伊田記者】キャンベル次官補の話に戻させてください。米国が今一番重視されているのはテロとの戦いだと思いますが、この点についても話が出るのかどうか。それから、先ほど大臣はイランの問題も出るだろうと言われたのですけれども、これは日本の対イラン政策についても変更があり得るということでしょうか。

【大臣】テロとの戦いという言葉を、今のオバマ政権が使っているかどうかということは、私(大臣)は必ずしもはっきりいたしません。少なくとも日米関係、私(大臣)もこの間、国務長官、或いは国防長官と何度か議論してまいりましたが、テロとの戦いという単語で議論したことはございません。それが今回話題になるというようには、私(大臣)は予想しておりません。いずれにしても、私(大臣)が出るわけではありませんので、会談は局長クラスで行いますので、それ以上私(大臣)自身は把握をしておりません。それから、イランの問題は、もちろん、私(大臣)が前回ニューヨークに行った折にも、ライス大使との間でも議論になったわけで、これは引き続き米国の大きな関心事項であるというに思っております。

【読売新聞 石川記者】ちょっと重複してしまって申し訳ないのですが、スケジュール感についてなのですけれども、5月末まで時間がないと大臣ご自身も仰っておりますが、8日間アフリカに訪問されて、40日余りしかない中で、8日間いらっしゃらないというのは、影響が大きいのではないかと思うのですけれども、その影響についてどうお考えでしょうか。

【大臣】正確にはほぼ7日間です。明日の夜に発ちますので。いずれにしても、それは支障が出ないようにきちんと私(大臣)としては対応しております。もちろん、必要があれば、現場と連絡を取るということにしたいと思います。

【NHK 別府記者】本日、国会でもキャンベル次官補の発言の話がありましたが、報道ベースに対する発言ではありますが、「日本側の行動に勇気づけられてる」等、いろいろ論評をしているのですが、逆に大臣から見て、米側の姿勢に勇気づけられるというように感じられる場面というのは出てきておりますでしょうか。

【大臣】それにはコメントしませんが、私(大臣)はキャンベル次官補の発言というものは理解に苦しみます。適切な発言ではないと思っております。

【共同通信 井上記者】今仰った、キャンベル次官補の発言が適切でないと、理解できないというのはどの部分について、そう仰っているのでしょうか。

【大臣】どの部分というのは申し上げません。今回報道された朝日新聞とのインタビューについて、私(大臣)はコメントをいたしました。

【共同通信 井上記者】それは、日本政府から提案があったと、そういう部分について仰っているのでしょうか。

【大臣】どの部分というのは申し上げません。

【琉球新聞 滝本記者】キャンベル次官補の発言についてですが、米側に、「報道でキャンベル次官補の発言がこのように出ているけれども、どういうことなのか」と真意をただすというか、どのような発言でこうなったのかという照会をかけられていらっしゃるのでしょうか。それで回答はきているのでしょうか。

【大臣】日本に来られますから、その時に確認すればいいと思います。

【時事通信 高橋記者】先週の土曜日の鳩山総理の現行計画について、「自然への冒涜である」という発言についてお伺いします。この発言は非常に重いと思います。これほどはっきり現行案について否定的なことを仰ったのは、強いトーンで仰ったのも初めてだと思いますが、この考え方は、本日の国会でも今浮上している「杭打ち桟橋方式」というものも議論されていましたが、単に埋め立てを否定するということなのか、それとも、そういう埋め立てであろうと他の方式であろうと、大規模な自然破壊につながるものはやらないという鳩山政権の方針を示したものなのか、「自然への冒涜」につながるものはやらない方向で臨むということなのでしょうか。その辺りを確認したいと思います。

【大臣】これは、総理がご発言になったものですので、私(大臣)が中身を説明する立場にありません。必要があれば総理にお聞きいただきたいと思います。

【朝日新聞 鵜飼記者】キャンベル次官補のインタビューは弊社のインタビューですので、もう少しお聞きしたいのですが、大臣の仰っている「理解に苦しむ」というのは、事実と違うことを仰っているので理解に苦しむということなのか、このタイミングでこういう発言をされて交渉に何らかのインパクトがあるという意味で表に出されたことに対しての理解に苦しむということなのか、どのような趣旨の理解に苦しむという
意味でしょうか。

【大臣】説明はいたしません。

【フリーランス 上出氏】基本的な問題にたち戻りますが、岩上さんが仰ったこと、たいへん重要だと思います。既にお答えになられているかもしれませんが、多くの識者が1996年の日米共同宣言で日米安保は変質したということを言われております。米国の世界戦略にしたがって自由に行動できるようになったという解釈もあります、米国のためなら、どうして沖縄にいるのだということが、今回の沖縄や徳之島でのそういう背景にもあると思いますが、変質ということについて、今改めて岡田大臣はどのような認識でございますか。

【大臣】この問題はこの折りに、私(大臣)も国会で何度か質問をしておりますので、ご覧いただければと思います。ただ基本的には現状を追認したというように思います。日米安保条約というのは、基地の提供と日本及び極東を対象にするということですが、そういった日米安保条約に基づいて基地の提供を受けている米軍ですが、その米軍の行動範囲ということまでも規定したものではありません。日本にいる米軍が、必ずしも日米安保条約に基づくことのみしかできないということではありません。そういったことを追認したと私(大臣)は受け止めております。

【共同通信 井上記者】二点お伺いします。普天間で実務者協議ですが、総理が本日、明確に「実務者協議はまだ始まっていない」と仰ったのですが、そうすると5月末までの決着の期限までに実務者協議というものが始まるのかどうか。もう一点は同盟深化協議について、上半期に中間報告をやって、2+2をやりたいというお話でしたが、その目標は変わっていないのか、見通しがどうかということについてお聞かせ下さい。

【大臣】実務者協議なるものが何かということもあるかと思います。いろいろなレベルでさまざまな意見交換ということはあり得る話ですので、何か実務者というのを作って、そこでのみ議論していくということではないと思います。いろいろなレベルがありますので、それぞれで分担して議論していくということではないかと思っております。それ以上のことは少しご容赦いただきたいと思います。同盟深化についての議論は現在やっている訳です。今、ワシントンに外務省の職員も行っています。閣僚レベルというのは、普天間問題の方向性がきちんと定まらないと、閣僚同士で集まって同盟深化の話だけするという訳にはいかないだろうと思います。なるべく早く行いたいと思いますが、物事には優先順位があって、今、実務レベルで同盟深化の議論はやっている訳ですが、閣僚レベルということになれば、目の前の問題についてのきちんとした答えを出すということが必要だと思います。

【共同通信 西野記者】本日、院内で次官等も一緒に総理とお会いになったと思いますが、その中でも普天間の問題について「5月末に向けて頑張っていこう」ということを確認されたと理解してよろしいでしょうか。

【大臣】中身はお話できません。ただ、私(大臣)もしばらく日本を空けますので、いろいろな打ち合わせを行ったと理解していただければと思います。

【週刊金曜日 伊田記者】普天間に関係して、沖縄県民の感情の問題についてお聞きしたいと思います。冒頭で佐世保を訪問されて、閣議後の懇談で横須賀、佐世保両市において関心と心配をしていることについて、閣僚の方々にお願いしたということですが、密約の問題でいえば沖縄も入る訳ですが、このタイミングで沖縄を訪問すると痛くもない腹を探られるといろいろあって行きづらいと思います。もちろん横須賀、佐世保を訪れたのは重要なことだと思いますが、ここで沖縄の方々について言及がなかったことについて、沖縄の人々の受け止めは複雑だと思いますが、改めてご発言があればお聞かせ下さい。

【大臣】現在、これだけ普天間の移設の問題が議論になっておりますので、(沖縄に)行けばそういう話に当然なる訳です。12月までは私(大臣)は行くことは厭わなかったのですが、役割分担をしてやっていこうということになりましたので、残念ながら、今回は控えさせていただいたということであります。

【琉球新報 滝本記者】米艦船が入るところということで、横須賀、佐世保に行かれた訳ですが、当然ご存知のように「ホワイト・ビーチ」が沖縄にある訳で、そこのうるま市という地元に対しては、今のタイミングでということは避けたというお話ですが、今のタイミングということは別にして、うるま市にもご説明に行かれるというお考えはおありでしょうか。

【大臣】そういうご要望があれば、一段落すれば私(大臣)は是非伺いたいと思っております。

朝鮮半島情勢(韓国艦船沈没問題)
【共同通信 齋藤記者】朝鮮半島情勢でお伺いします。ご案内の通り、韓国で25日に韓国軍と民間専門家の合同調査団が韓国艦船の沈没問題について、まだ最終結果は出ていませんが、外部爆発が沈没の原因ではないかと判断されるという見方を示して、韓国、または韓国の外、日本でも大きく報道されているという現状だと思います。韓国国内では、もちろん結果は出ていないのですが、北朝鮮関与説等も専門家とか、メディアの間で取り沙汰されています。北朝鮮に対する世論が韓国国内では若干硬化しているとの見方も出ているようです。一方、日本製はこれまで、拉致、核ミサイル、包括的な解決に向けて、米国、韓国の日米韓でしっかり結束をして六者協議での解決を目指し、北朝鮮に復帰を申し入れてきたという流れがある訳ですが、今回の艦船沈没が日本の基本的姿勢、また日米韓の連携に何らかの影響を与える可能性があるのか、また、大臣として、この問題をどのように受け止め、対処していこうとお考えでしょうか。

【大臣】多くの方が亡くなられた訳ですから、そのことに対して、大きな関心を持って我が国としてもこの問題を注視しているところであります。現時点では、現場の調査結果について発表がなされたということでありますが、韓国政府としては、引き続き詳細な調査を行うということでありますので、我々としては、そういった結果が出ることを見守るというのが日本政府の考え方であります。まだ結論が当事国から出た訳ではありませんから。

中国艦船へりによる護衛艦への接近
【読売新聞 宮井記者】中国ヘリコプターの接近について質問をします。ヘリコプターの単独行動で軍のコントロールが及んでいない可能性が報じられていますけれども、そういうことが事実だとすると、今後も同様の事態が繰り返される可能性があります。既に日本政府としては、抗議をしていますが、納得がいくような返事が返ってきていない状況で、この問題について、大臣はどのように対処される方針ですか。

【大臣】一部報道されたようなことは確認されていないと私(大臣)は承知しております。ですから、そのことについてはコメント致しません。ヘリコプターが制止を振り切って近づいたという報道ですが、確認をしておりません。いずれにしても、今回のことは我々は抗議をした訳ですが、相手方の中国側から適切な答えは返ってきていない訳で、こういうことが繰り返されることがないように、どのように対応すべきか、よく話し合っていく必要があると、抗議とあわせて日中両国政府間で今回のことが繰り返されないためにどうすべきかということを話し合っていく必要があると思っております。

アフリカ訪問
【朝日新聞 鵜飼記者】アフリカ訪問についてお伺いしたいのですが、自民党政権下でもTICADを始められたり、アフリカ外交に力を入れていたと思いますが、今回、民主党政権になってTICADの初めての会合ということもありますが、新たに変えていくところ、こういうところを強化していきたいと思われているところ、そういったことがあれば教えて頂きたいのですが。

【大臣】これは日本の総合力が問われていると思います。日本の援助、支援というのはアフリカに非常に評価されていると思います。いろいろな国がアフリカに注目しておりますけれども、日本の支援に対する評価は高い。それが約束通りきちんと行われるのか、そういう議論もあります。そういったことに対して、力強く発信していきたいと思いますし、日本らしい援助、やはり現場にしっかり足場を築いてやっていく援助ということも大変重要なことだと思っております。今回、TICADの前に南アフリカにまいりますが、このときにはJICAの緒方理事長も南アフリカにおられますので、日・南ア間の議論に彼女にもお出ましを頂こうかなと思っております。それから、TICADⅣのフォローアップ会議では、議論をする中で、現地に工場を持ち、そして雇用も作り出しておられる住友化学の米倉さんに来て頂いて、日本の産業界としてのアフリカ支援のあり方ということも御議論頂こうと思っているところであります。

核不拡散防止条約(NPT)運用検討会議
【中国新聞 岡田記者】来週からNPT運用検討会議が始まりますが、現時点で大臣として、具体的にどういった成果を期待されているか、あるいは見通しについてお聞かせください。

【大臣】まず成果は意味のある文書がきちんとまとまることです。前回はまとまっておりませんので、2回連続でまとまらないということはあってはならないことであります。ただ、会議そのものはかなり厳しいものになるだろうと思っておりまして、決して楽観はしておりません。福山副大臣に最初行っていただいて、日本の考え方をスピーチしていただきますが、非常に長い会議ですので、もし閣僚レベルが必要だということになれば、私(大臣)も全体の長い会議の中の重要なタイミングで訪米するということも考えていないわけではありません。現在のところは具体的な計画はありませんが、状況を見て必要があれば、そういったことも考えなければいけないかなと思っております。

世界銀行の投票権比率
【フリーランス 島田氏】世界銀行の投票権比率ですが、今回、新興国、途上国の比率を上げるために、欧州や日本の比率がかなり下げられました。これに関し、世界の経済が回復していない中で、日本の存在感というのは変わってくると思いますか。

【大臣】もちろん出資比率という意味では下がるということかもしれませんが、世界の経済の現状を現すということも大事ですし、新興国がしっかりと貢献する側にも回るということは非常に重要なことでありますので、そのこと自身を否定的に考える必要はないと思います。世界を動かしていくプレイヤーとして新興国にも参加してもらうということは私(大臣)は意味のあることだと思います。

日米非公式首脳会談でのメモ
【読売新聞 川崎記者】今日の国会でも出ましたが、ワシントンでの核安全サミットの際の、日米の非公式での首脳会談の際に、メモをとる要員を入れなかったということなのですが、このような非常に重要な節目である会談でメモをとる要員を入れなかったことは不適切だったのではないかという問いが1点。実際にメモは作成されたのか、あるいはされていないのか。いずれにしても正確なメモを残さないということは後々の外交を検証するためにも非常に不適切だったのではないかと思われますが、大臣のご見解をお伺いします。

【大臣】こういう会合でテタテ(2人だけ)でやるということは、決して珍しいことではありません。基本的には首脳間で1対1でやるということでありますが、通訳が必要なときは通訳のみ双方から入ってやるということです。そのことは珍しいことではありません。したがって、今回の場は食事の場ですし、通訳だけは入りましたけれども、ノートテーカーといいますか、メモをとる人が特別に入ったということはありません。メモを作ったかどうかということについては、その場で作るということはなかったのですが、それ以外にメモを作ったかどうかということについてはコメントを差し控えたいと思います。

六者協議
【共同通信 斉藤記者】先ほどの朝鮮半島情勢について補足して聞きたかったのですが、韓国で(艦船の)沈没があり、様々な見方が出て、北東アジアの安全について懸念が高まっているという状況の中で、引き続き六者協議を日本として粘り強く求めていくのかどうか。日米韓のいずれも対北朝鮮制裁を履行しているのですが、北朝鮮側は制裁解除を求めてきているわけですが、こういう状況の中でどういうような前提条件が満たされれば、そうしたことが可能になるのか、この辺の見通しも含めてお聞かせいただければと思います。

【大臣】今回の事件といいますか、事故といいますか、そのこと自身も調査対象だと思いますが、これはまだ決定的な結果というものが韓国政府によって示されておりませんので、特定の仮定に基づく議論というのは差し控えるべきだと思っております。そのことと切り離して、北朝鮮とのこれからの交渉でありますけれども、これは我々は無条件に六者会合に復帰することと申し上げているわけです。何らかの条件をつけることは認められないということであります。同時に拉致の問題については、福田政権のおりに、日朝間の合意があります。再調査を北朝鮮が行うということで、その際には一定の範囲で制裁に若干の措置を講ずるという日朝間の合意があります。その合意は現在でも有効であります。




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