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2009.08.01|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年7月31日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年7月31日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090731okada_v300.asx
56k⇒http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090731okada_v56.asx

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○自民党マニフェスト:7~8割実現してこの現状なら、最初からおかしかったということ
○インド洋給油活動:最初から同じことを言っている、代表との間に認識の違いない
○野党3党共通政策:具体的政策ではなく、共通認識の柱立てを考えている
○日米FTA:無条件で結ぶわけではなく、国益を踏まえて交渉する
○給油活動を延長しない場合の選択肢:あまり先回りして議論しないほうがいい
○総選挙後の外交:必死に戦っているなかで、その先の話をするつもりはない
○給油活動:代表との間に意見の違いはなく、単純に延長することはない
○マニフェスト:党の政策としてまとめたもの、これに従ってやっていただく
○今のマニフェストは正式なマニフェストだが、最終版は公示日以降になる
○広島と長崎の平和祈念式典:政党としてきちんと対応したい
○郵政:株式持ち合いなら100%民営化ではない、自民党は整理できているのか
○今回のマニフェスト評価:これから議論の中で問題点をしっかりと指摘
○マニフェスト最終版:追加テーマとなっているのは国と地方の協議機関だけ
○党首討論:きちんと議論したほうがいい
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■自民党マニフェスト:7割、8割実現してこの現状なら、最初からおかしかったということ

【幹事長】私からは、あまり言うことはありませんが、今日、自民党のマニフェストが発表になるということです。党としての考え方は、マニフェストの発表を待って述べることにしたいと思いますが、「述べる」というのは私が必ずしも述べるというよりは、たぶん代表からお話になることになると思いますが、ざっと中身を見ますと、マニフェストというのは4年間の任期の中でやるというものにもかかわらず、ずいぶん先の話、6年、8年、10年、「国会議員の定数3割削減、10年後」とか、果たしてこれはマニフェストなのかというものが非常に多いと思います。

そして、今日のテレビ番組でも申し上げましたが、4年前のマニフェストは8割、9割の実現率だという話もありますが、もしそれが事実だとすると、マニフェストそのものが時代に合っていなかったということにならざるを得ない。

つまり7割、8割実現して、この国民生活の今の現状ということであれば、それはそもそも最初からおかしかったということになるわけで、ぜひ今度のマニフェストはより具体的に、しっかりと期限を切って何をやるかということを述べてもらいたいと、現時点ではまだ発表されていませんので、そのように申し上げておきたいと思います。

<質疑応答>

■インド洋給油活動:最初から同じことを言っている、代表との間に認識の違いない

【記者】インド洋での給油活動について、かねて幹事長は「単純延長はしない」とおっしゃっているが、何らかの条件整えば、延長するという選択肢もあり得ると理解して良いか。

【幹事長】そういう誘導質問には答えないほうがいいですね。いろいろそれに対して答えると、そこ部分だけが報道されたり、抜き書きされたりしますので。

私が言っていることは、最初からずっと同じことを言っているわけですが、基本的な考え方は変わっていないと。マニフェストの前の段階、つまり国会で議論していたときと比べて、今も基本的な考え方は変わっていない。ただし、ただちに帰ってこいというのは外交の継続性からも現実的でない。それ以上のことについては、基本的に政権交代をしたら、その時点で判断する。しかし、今までの経緯から言って、単純に延長するという選択肢はこれまたない、ということです。

この考え方について、代表と私の間に認識の違いは全くありません。いろいろ新聞はお書きになりますが、違いをなるべく際立たせたいという気持ちは分かりますが、ここの基本認識に違いはありません。

■野党3党共通政策:具体的政策ではなく、共通認識の柱立てを考えている
■日米FTA:無条件で結ぶわけではなく、国益を踏まえて交渉する

【記者】民主党、社民党、国民新党で農業関係の所得補償について、それぞれマニフェストに盛り込んでいるが、これから共通政策の中で農業関係の所得補償を盛り込んでいくのか。また、日米のFTAについて舌足らずで誤解を招いているということだと思うが、最終版に向けて言葉なりの補足をすることはあり得るのか。

【幹事長】まず第1点は、「共通政策」という言葉が独り歩きしていますが、そういったものは別に考えていません。我々が考えているのは、選挙戦を共に戦う3党が共通の認識に立って選挙戦を戦う、そのための共通認識を柱立てにしたらどうかということであって、具体的な政策について何か合意しようとか、あるいはしないでおこうとか、そういうことではない。

あるいは、政権を取ったあと連立を組むかどうかということも、我々は連立政権を望んでいますが、まだはっきり決まっていないなかで、政権を取ったあとの政策のような話をするというタイミングでもありません。

今日も3党の幹事長と政策責任者会議でも確認されたことですが、共に選挙を戦うにあたっての共通認識を分かりやすく整理しようということで、個別の政策についてそこで述べられることは基本的にありません。

それから、日米FTAについては日米FTAを結ぶということを我々は言っているわけですが、結ぶにあたって、それは無条件に結ぶのではなくて、様々な条件がお互いつくわけで、アメリカと韓国の間もFTAを結んだわけですが、我々はこれだけ経済的に相互依存関係が進んでいる日米間でFTAを結ぶことを目標にすることを、政策として明示したということです。無条件に結ぶわけではありません。

【記者】農産物の自由化が前提ではないということか。

【幹事長】農産物について具体的にどうするという議論をいま別に交渉しているわけではありませんから、議論しているわけではありませんが、当然日米間で交渉していく際に農産物の取り扱いがひとつの大きなテーマになることは間違いありません。しっかりと国益を踏まえて交渉したいと考えています。

■給油活動を延長しない場合の選択肢:あまり先回りして議論しないほうがいい

【記者】インド洋での給油活動について、単純延長しない場合の選択肢だが、ただ単に止めるのではなくて、アフガンでの陸上での活動をアメリカが求める可能性がある。そういったISAFの活動について民主党として関与していくお考えはあるのか。

【幹事長】あまり先回りして議論しないほうがいいと私は思います。アメリカがこうするだろうとか、そういう予想に基づいて議論しないほうがいいと。

日本では一時期、去年の暮れぐらいですか、アフガニスタンへの支援をアメリカが求めてくるのではないかという議論が盛んにされていました。私はアメリカに行くときに、そういう話が多分かなり出るんだろうと思っていましたが、実際アメリカの様々な人と意見交換をしたときに、そういう話は出ませんでした。

ですから、日本の中での関心と、本当のアメリカ側の関心というのはだいぶズレがあるというのが私の実感です。もちろん、そういう話題が出るかもしれませんが、それは実際に政権を取ってからの話なので、あまり憶測でものを言う必要はないと。

この前、カート・キャンベルさんとお会いしたときも、私なりに準備して行ったのですが、全くその話は出ませんでした。

■総選挙後の外交:必死に戦っているなかで、その先の話をするつもりはない

【記者】総選挙後の外交について、9月に国際会議がいろいろあるわけだが、総選挙直後にはロンドンでG20財務相会合があるが、どういう対応をお考えか。

【幹事長】ずいぶん気が早いですね、これも。

ですから、我々は政権交代を何とか実現しようとして、必死に戦っているところです。普通は簡単に選挙で勝てるわけないんです。そういう状況の中で、その先の話をするつもりは私はありません。

■給油活動:代表との間に意見の違いはなく、単純に延長することはない

【記者】インド洋での給油について、鳩山代表が来年1月に延長しないと発言したことで、与党からは「民主党はブレている」と批判されている。そのことが選挙戦でマイナスになるのではないかとの懸念はあるか。そのあたりを選挙前に明確に国民にわかりやすく説明するお考えはあるか。

【幹事長】ですから今、説明をしました。代表と私の間に意見の違いはありませんし、単純に延長することはない、これがすべてです。

■マニフェスト:党の政策としてまとめたもの、これに従ってやっていただく

【記者】日米FTAや地方分権、中小企業金融など前職の国会議員が手塩にかけたマニフェストに入っていないとか、表現が違うということで一部不満があるようだが、8月18日(総選挙の公示日)にマニフェストが出れば基本的に公認候補として従うべきだと思うが、17日までの作業の中でそういった声をどう反映させていくのか。また、各事務所に「マニフェストが欲しい」という注文の声が殺到しているとも聞いているが、党本部としてはどのように把握されているか。

【幹事長】このマニフェストは、もちろんマニフェスト準備委員会で詰めたものですが、基になっている政策は党の政策です。ネクストキャビネット(『次の内閣』)で議論してきたものです。ですから、個々には私の意見は違うという人はいるかもしれませんが、党の政策としてまとめたものですから、個人の意見はあっても、このマニフェストに従ってやっていただきます。そこにおいて変えることはありません。

要望がたくさん来ていることは承知しています。マニフェスト説明会も始まるわけですから、これから印刷をしてご要望に応じて出していきたいと考えています。

■今のマニフェストは正式なマニフェストだが、最終版は公示日以降になる

【記者】正式なマニフェストの発表のメドはいつ頃か。

【幹事長】正式なマニフェストは、今のマニフェストが正式なものです。ただ、最終版ではないと。

最終版というのは公示になって(8月18日)、最終版としてそれが使用されるわけで、それまでは最終版ではないということです。基本的にはこの前説明したものがほぼ、完全にとは言えませんが、最終版に極めて近いものだとお考えいただいていいと思います。多少直るところがあるということで今、ひとつだけそういう話、協議会の話が出ていますが、それ以外に今、具体的な話はありません。

■広島と長崎の平和祈念式典:政党としてきちんと対応したい

【記者】来週広島、長崎と原爆投下の平和祈念式典があるが、今回鳩山代表は出席する予定か。

【幹事長】まだこれは予定なので、代表の予定を私が勝手に言うわけにはいきませんが、政党としてきちんと対応したいと考えています。

■郵政:株式持ち合いなら100%民営化ではない、自民党は整理できているのか

【記者】今日の朝のテレビ番組の中で、郵政民営化について「株の持ち合いをするのか」と自民党幹事長に詰めている場面があったが。

【幹事長】細田幹事長が「100%、株式を公開する」と――確かに今の法律にはそう書いてあるのですが――おっしゃるので、それは自民党の最終的な見解かどうかということを確認したわけです。

そして、持ち合いはやらないんですかと。持ち合いをやっているとすると、その持ち合いをやっている先が持株会社だったり、あるいは持株会社が過半数を持っている会社だったりすると、結局、100%民営化したと言えなくなるわけですから、その辺は自民党としてきちんと整理できているのですかということをお聞きしました。

そうなっているというようなお答えでしたが、私の理解では、そうじゃないんじゃないかと。依然として株式の持ち合いということを考えておられる方もいるんじゃないかと思って確認をしました。是非自民党のマニフェスト発表のときに聞いていただきたいと思います。

■今回のマニフェスト評価:これから議論の中で問題点をしっかりと指摘

【記者】民主党は自民党の4年前のマニフェストを検証して評価をしているが、今回のマニフェストについて同様の検証をされる予定、お考えはあるか。

【幹事長】検証というのは4年前のものがどれだけ実現されたかということを検証したんですね。ですから、今回マニフェストが出たからといって、これから4年間順次実績が出てくると思いますが、そういう意味での検証作業は論理的にあり得ないと思います。

ただ、マニフェストについての様々な問題点、曖昧であったり、従来の考え方と矛盾したり、そういうことについて指摘することはできると思います。

まさしく、これから政策本位で論議が進んでいきますので、そういうプロセスで自民党や公明党のマニフェストの問題点はしっかりと指摘していきたいと思います。

【記者】それはこの前静岡でやったような会見の形で、皆さんで議論してまとめて指摘するような形なのか。

【幹事長】今のところ、具体的にそこまでは考えていません。むしろ、そのいった場はいっぱいありますので、わざわざ会見を開かなくても、様々な討論会の場で議論できるのではないかと思います。

■マニフェスト最終版:追加テーマとなっているのは国と地方の協議機関だけ

【記者】マニフェストの最終版について、国と地方の協議機関のことがテーマになっているが、その1点だけか。

【幹事長】現時点ではそうです。

【記者】インド洋の給油活動については追加するテーマにはならないのか。盛り込まないとすればなぜなのか。

【幹事長】様々たくさんのテーマがある中で、どれを4年の間に実現することとして書くかどうかという判断です。もう少し早い段階での判断を求められる問題でもあります。

■党首討論:きちんと議論したほうがいい

【記者】鳩山代表は党首討論について前向きに応じるお考えでよいか。

【幹事長】基本的に議論することはやぶさかではないと思います。ただ、どういう形がいいのかということもありますよね。ですから、その辺のところは具体的に詰めていかないといけないと。

例えば、自民党と民主党でやるのか、全党でやるのかという問題もあると思います。私には苦い思い出があって、2005年の総選挙のときに「党首討論を是非」と言って、自民党に当時の藤井代表代行にお願いに行ってもらったわけですが、全くつれなく逃げられてしまったということもありました。

基本的に私はきちんと議論したほうがいいと考えていますが、どういう形でするかという詰めを、同時に行っていかなくてはならないと思っています。やりたいという人が提案してくれれば議論します。




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