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2006.01.28|マスコミ

(窓・論説委員室から)買い気配岡田株

ライブドア事件をめぐって、民主党内で岡田克也前代表の株が急上昇中だ。

岡田氏は昨年8月、堀江貴文前社長の求めで面談した。前社長はその前日、自民党の武部勤幹事長とも会い、総選挙に自民党から立候補するよう促(うなが)されていた。

こ のとき、前社長が国民を見下すような発言を繰り返したため、岡田氏は出馬要請(ようせい)を見送った。「何でもいいから来て下さいというわけにはいかな い」と岡田氏は説明したが、党内では「まじめもいいが、政権を狙(ねら)うならもっとしたたかさがほしい」と不満が噴出(ふんしゅつ)した。

総選挙では岡田氏のまじめさは小泉劇場に歯が立たず、岡田株は下がった。

しかし、民主党がいま、この事件で「自民党の不見識」を批判できるのは、このときの岡田氏の一徹(いってつ)さがあったればこそともいえる。

野 田佳彦国対委員長が言う。「岡田氏には見識という選球眼があった。武部氏はボール球に手を出した」。枝野幸男衆院議員はホームページに「岡田さんのまじめ すぎる姿勢は小泉劇場との対比で強い批判を受けた。しかし地道にまじめに努力することを忘れ、したたかさだけに走ったのでは本質を見失う」と反省の弁を記 した。

一点突破の小泉政治に引きずられてはいないか。今回の経緯は、前原執行部にも貴重な教訓になるだろう。

代表辞任後も岡田氏のスタイルは変わらない。ひとりの予算委員として、審議(しんぎ)の前線に立っている。〈恵村順一郎〉




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