トピックス

2004.07.31|その他

定例記者会見録 2004年7月

7月20日

○豪雨災害:心からお見舞いとお悔やみ、現地入りして直接話を聞きたい

○代表交際費の公開を決定、知事などと同様、月1回のペースで党HPに掲載

○党訪米団:米民主党大会への参加など国会日程も視野に計画を作成中

○岡田ビジョン:どこかの段階で示す必要があるが、特にいつまでと決めてない

○年金廃止法案は、出すことに意味がある、条件が整ったときに提出する

新潟・福島・福井豪雨災害

【代表】まず、新潟・福島・福井の集中豪雨、被災された皆様に対して心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになった方に対しお悔やみを申し上げたいと思います。

党としても対策本部を設置しまして、その被害状況の把握、あるいは復興支援等について議論を進めているところです。私も金曜日には、まだ具体的詳細は決めていませんが、現地入りをして、直接関係者の皆さんからのお話も聞いてみたいと考えているところです。

代表の交際費等の支出及び公開に係る指針

http://www.dpj.or.jp/seisaku/unei/BOX_UN0176.html

【代表】それから、代表交際費の公開について、今日、常任幹事会で決定をいただきました。もう資料をお配りしていると思いますが、そういった方式に則って進めさせていただきたいと考えています。

知事とか自治体ベースでは、かなり同様のことが進められていますので、私は党の代表も同じことだろうと考えていますので、毎月1回のペースで、その前月に行われた党代表としての交際費の支出、一衆議院議員としての私の資金管理団体からの支出につきまして、それを党のホームページで公表するようにしたいと考えています。

参院選後初の常任幹事会

【代表】今日、常任幹事会を選挙後初めて開きまして、少しご意見もいただきましたが、今後、次の総選挙において、政権交代という具体的な目標達成のために、すぐに動き出さなければならないということです。

都道府県連の幹事長会議、地方議員フォーラムですとか、そういった会議を開きながら、党の態勢を整えていきたいと考えているところです。休むことなく前に進んでいきたいと考えています。

民主党訪米代表団

【代表】それから訪米の件ですが、来週の火曜日に出発するということですが、最初は日曜日に帰ってくると考えていましたが、私自身は土曜日に帰るということになりそうです。

1日早めましたのは、アナン国連事務総長がニューヨークにおられないということですので、ニューヨーク行きを切り上げて、ボストンとワシントンにということで考えているところです。具体的詳細は今、詰めているところですが、この間民主党大会にも出席をするということで考えているところです。

もちろん、国会が30日に始まるということで、これは正式には決まっていませんが、そういう話もあります。30日に実質的な議論があるということであれば、それに合わせて帰るということも視野に置きながら、全体の計画を今、作成しているということです。

30日が、座席の指定とか参議院の議長の決定とかであれば、なるべく土曜日までと思っていますが、それは状況を見ながら判断をするということにしたいと考えています。

<質疑応答>

豪雨災害の現地視察

【記者】金曜日の現地視察は、何カ所回られるんでしょうか。

【代表】3県全部は無理だと思います。したがって、どこにするかというのは現在検討中です。

岡田ビジョン/臨時国会の早期招集

【記者】先週末のテレビで、岡田代表のビジョンを明確にすべきだという議論が出ていましたが、これは代表選に合わせて出すということなのか教えてください。また、国会について、早期召集ということが聞こえてこないのですが、その辺はいかがですか。

【代表】まず、ビジョンの話ですが、「ビジョンとは何ぞや」というところもあると思うんですね。中曽根元総理からもそういうお話をいただいて、具体的には治安の維持の問題、という話だったので、ちょっとビジョンというものに対する感覚にかなり幅があるのかなという感じがします。

具体的政策の話なのか、もう少し大枠の話なのか、いろんな方がいろんなことを言われますが、私なりの1つの考え方は、どこかの段階でまとめてお示しをしなければならないと思います。

ただ、これは私自身が自分だけで出すものではありません。当然、党として議論を踏まえて出していくものですので、いつまでに、ということを特に決めているわけではありません。政策の大きな枠組みはマニフェストできちんと示されていますので、あれをお読みいただければ、まず基本的なことは出してあるということはご理解いただけると思っています。

それから、早期召集は、今言われている30日に決まったわけではありませんが、それが必ずしも遅いとは思いません。問題は、きちんと中身のある議論ができるだけの日程が取れるかどうかということであって、そのために我々は30日間、1カ月間の国会の審議日程が必要であると申し上げているわけです。

代表交際費の相手方氏名の公表

【記者】交際費の公開の件ですが、具体的に相手の名前なども出される予定なんでしょうか。また、今、代表交際費というのはいくらぐらいあるんでしょうか。

【代表】予算の枠はありません。ありませんので、私もカウントしたことはありません。ただ、私が代表になってかなり減っているんではないかという話もありますが、必ずしも明確ではありません。

それから、名前は基本的には党の中の人間は出せますが、党外ということになると、もう少し個別の名前というよりは、例えば、「知事」とか「経済界」とかそういう言い方になってしまうかもしれません。あまり細かく出すと誰も会食をしたがらないという話もありますので、そこはそれぞれの知事の交際費も各県ご苦労されているところだと思います。

記者の皆さんとの懇親については全部名前を出してもいいと思いますが。(笑)

民主党所属議員への日歯連献金

【記者】日歯連の関連で、いろいろと政治家の疑惑が報道されていますが、あえて臨時国会の前に、民主党の議員に対して、日歯連からの政治献金について問題になるようなことがないかなどの調査・確認を求めるような指示を出すお考えはありませんか。

【代表】これは基本的には「自民党ヤミ献金等解明本部」で検討される問題ですので、本部長の藤井幹事長の下で検討されていることだと思いますが、私はきちんと政治資金規正法に則って、あらかじめ報告がされているものについて、それが特に問題だというつもりはありません。

ただ、そういった記載がないというようなことになれば、あるいは個別の案件に直接結びつく形で政治資金を受け取るとか、こういうことになれば問題になるわけで、これを「そういうものがありますか」と言って調べることがそれなりの意味があるのかどうかですね、少し本部でもご検討いただけたらどうかと思っています。

年金法の40カ所修正/年金廃止法案提出の条件

【記者】年金法について、政府は40カ所の修正ポイントがあるということで、官報の正誤表で対応したいという声が出ていますが、これについてのお考えと、民主党で検討している年金廃止法案について、会期が短ければ秋の臨時国会に回すという声も聞かれますが、年金廃止法案を出す条件をお聞かせください。

【代表】40カ所もあるし、基本的な制度の骨格にわたる部分ですので、正誤表で出すというのは考えられないことだと思っています。きちんと法文修正の形で国会に出すべきだと考えています。

それから、我々が廃止法案を出すタイミング、条件の話ですが、単に出して否決されました、ということでは意味がありませんので、出すことに意味があるような条件が整ったときに出す、ということです。

【記者】具体的な条件はありますか

【代表】ありません。申し上げるようなことはありません。

【記者】40カ所の修正を官報でという部分についてですが、国会審議の過程で民主党も見つけることが出来なかったわけで、政調なり事務局で法令を精査する能力をアップさせるような方策を検討されていますか。

【代表】これは直接のきっかけは、我が党の浅尾議員が指摘をしたことですね。確かにもう審議は終わっていました。突然、強行採決されましたので、そこまで至らなかったということです。

中身的に膨大な法案を個々的にすべて党の中で精査をするだけの意味があるのかどうかと、やるに越したことはないと思いますが、本質的な制度の部分と技術的な問題とあると思いますので、必ずしも今回国会審議の中で出なかったからといって、これから目を皿のようにしてすべての法案について一字一句、すべてチェックを我々がしなければいけないとは思っていません。

酷暑の感想

【記者】今日、東京は39.5度で大変暑いんですが、地球温暖化とかヒートアイランドとかとも全く無関係ではないと思いますが、ご感想をお聞かせください。

【代表】ずっと党本部の中にいましたので、あまり実感してないんですが、選挙期間中も立川で街頭演説したときとか、香川でやったときなどは相当暑かったという認識はあります。……それ以上言いにくいですね。どういうふうに答えたらいいんですかね。

「けしからん」と言っても誰に怒ったらいいか分からないしね。(笑)

世論調査—-好きな政党、総理にふさわしい人

【記者】弊社の世論調査で、「好きな政党、もしくは次の衆院選後政権がふさわしい政党」という設問で、民主党が自民党を2ポイント上回っていますが、ご意見をお聞かせください。

【代表】まだ2ポイントか、という感じがします。もう少し開いてもいいんじゃないかと。

【記者】その一方で、「次の総理大臣にふさわしい人」という設問については、小泉総理が岡田代表を20ポイント上回っていますが、この数字を拮抗、逆転させていく課題についてお聞かせください。

【代表】まだ、私自身あまり知られていませんので、これから野党の代表として、まだ2カ月しか経っていませんから、国会その他で総理と議論していくなかで、より信頼感を高めていきたいと考えています。

小泉さんは何ポイント得たんですか?

【記者】47ポイントです。

【代表】次っていうのは次の総選挙の後でしょ?質問の仕方が悪いんじゃない?次の総選挙っていったら、多分小泉さんいないわけでしょ。常識的には。

【記者】内閣総理大臣の設問については、今のことです。

【代表】それは当然でしょうね。現状では。

7月13日

○参院選はプロセスに過ぎない、候補者擁立、政策の進化、党改革等を進める

○臨時国会を開催し、年金、多国籍軍について1カ月程度の審議を求める

○27日から訪米、9・11後の変化や日米関係等を議論、民主党大会にも参加したい

○ベーカー大使と会談、訪米計画、参院選、今後の政治課題等について意見交換

○年金改悪が施行されるなら民主主義とは言えぬ、参院選で民意は示された

○農業再生や分権政策への評価と相まって民主党の主張が1人区でも理解された

参院選後の諸課題

【代表】定例の会見、引き続き火曜日の3時ということを原則に進めていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。従来と同様に、あらかじめ登録していただいたすべてのメディアにオープンという形で進めていきたいと思っています。

私からは、1つは選挙が終わりまして、ようやく疲労感が出てくる時期ではありますが、今回の選挙は、選挙戦の最中も選挙終わった直後も申し上げていましたように、これはゴールではありませんので、まだプロセスですので、政権交代というゴールに向けて休むことなくさらに先に進んでいきたいと考えています。

今日は役員会もありましたが、政権交代という意味ではまず候補者の擁立ですね。衆議院が中心になりますが、参議院選挙も3年後にはありますので、参議院も含めて立てられるところは早く立てて準備をしてもらうと。

作業を直接の責任を負うのは玄葉選対委員長になりますが、幹事長からも私からも指示を出していますので、しっかりと9月辺りを1つの目途に、できるだけ候補者を決めると。30、40と数字も示していますが、その作業を進めていきたいと思っています。

同時に、これから政権党になるための、さらなる、候補者であれば現職も含めて日常活動、あるいは足腰をいかに強くするか、そして党としての政策をより具体的なものをつくっていくかといったことについて、これから作業が必要だと思っています。

あわせて党改革についても、しばらく作業中断していましたが再開をして、21世紀型の新しい政党、その形をいかにしてつくっていくか、議論を深めていきたいと考えています。

1カ月程度の国会審議要求

【代表】それから国会の件は役員会でも議論しましたが、先の参議院選挙におきまして、多国籍軍への自衛隊の参加の問題、そして年金の問題が大きな争点になりました。

我が党は多国籍軍への自衛隊の参加の問題については憲法上の疑義があると、自衛隊は撤退させるべきだと主張してまいりました。年金については一旦白紙に戻して議論をやり直すべきだと、ということを申し上げました。

そういった重要なテーマについて議論するのが国会の場ですので、国会を1カ月程度開いて、特に年金の問題について徹底的に議論をすべきだと考えています。

昨日のNHKの討論会の場でも申し上げましたが、総理は自分がいろいろ説明してもマスコミが一部しか報道しないとか、自らの真意が伝わらなかったということを盛んにおっしゃってるわけですから、まさしく総理の考え方を伝える場としてあるのは国会ですので、総理の真意が十分伝わるように時間をたっぷり取って、年金の問題もう一回きちんと議論し直したらいいと思っています。

私たちはそういう中で機会を見て、白紙撤回法案というものも当然準備をしていかなければならないと思いますが、まずはしっかりした議論を、強行採決で議論が途中で終わってしまってるわけですので、しっかりとした議論をするための、その場としての国会を1カ月程度求めていきたいと考えています。

ベーカー大使との昼食会談

【代表】それから私自身、再来週の火曜日から訪米ということにしています。今の予定では、土曜日に帰ってくる予定にしていますが、これは国会がいつ始まるか、そこで重要な案件があればもちろん途中で帰ってくることにしたいと考えています。

今日その関係もあって、ベーカー駐日米国大使と先程昼食をともにして、少し1時間半ほど話をしてまいりました。

1つは私の訪米にあたっての、私が会いたいと考えているメンバー、特に議会・政府関係を中心に大使にお願いをさせていただきました。大使のほうから議会関係者に対してはすでに手紙を出していただいているということで、大使のご厚意に心から感謝を申し上げたいと思っています。なかなか難しいことですが、できるだけ多くの方の幅広い意見を聞いてきたい、意見交換してきたいと考えています。

それから大使との会談の中で、今回の選挙の話もいろいろ出ました。それから今後のことですね。最後に、これからの日本の政治についてどういうことが問題だと考えているかと—-大使は”fear(恐れ、恐怖)”という表現を使われたように記憶してますが—-ということでしたので、私から3つ答えておきました。

1つはやはり安全保障の面では日中関係を良好に保っていくことだと考えています。これはもちろん、日米同盟を前提にした話ですが。そして2番目は、日本の経済の活力を維持できるかどうか。3番目に、日本の若者が調査を見ても世界で最も将来について悲観的であると言われていますので、若者が夢を持っていないということ。

この3つの問題が、私自身が捉えている日本にとっての課題であると申し上げておきました。その他いろいろ選挙に関する意見交換を行いましたが、それはこういう場で申し上げることではありませんので、省略させていただきたいと思います。

<質疑応答>

参院選に年金法案が与えた影響

【記者】今日、坂口大臣が閣議後の会見で、年金制度改革法案の民主党の撤回要求には応じられないという考えを示されました。参院選への年金法の影響について、「もし年金法に批判があれば、公明党が一番批判を受けて共産党は伸びなければいけないが、結果は逆だった。必ずしも民意は年金法反対ではない」ということを述べられましたが、どう思われますか。

【代表】厚生労働大臣の立場からすれば、撤回に応じられないという答えは、聞かれればそう答えるだろうなと思いますが、私たちが求めているのは小泉総理の政治的な判断・決断です。

これだけ民意で今回の年金法案について「ノー」と、そういった声が示されたわけですから、これを全く無視して9月半ばまで実質的に国会で審議しない、10月から、7割の国民が反対した、そして強行採決した法案が粛々と実現される、これでは民主主義とは言えないと思います。そこは総理が選挙で示された民意をどの程度真剣に受け止めるかという問題だと思います。

公明党が最も批判にさらされるべきだ、共産党が議席を伸ばすべきだというのは、どういう趣旨で言われたのか分かりませんが、国民は単なる負担増に対して批判をしたわけではなくて、制度として持続可能でないと、こういうことだと思います。

民主党は対案を示して、消費税のアップまで含めて申し上げたにもかかわらず、これだけの支持を得たということは、国民が中身をきちんと理解しているということだと私は思っています。

1人区における互角以上の戦い

【記者】今回の参院選では、前回全く歯が立たなかった1人区で13対14という結果でしたが、その要因と、農業政策、地域経済について民主党は訴えてきたわけですが、その辺りがどの程度浸透したのか。また、今後の課題をお聞かせください。

【代表】これはちょっと数量的には示し難いところですが、民主党が農林水産業の再生プランを出したこと、あるいは分権をすることによって地域の活力を取り戻すと主張したことは、かなり受け入れられたと思っています。

いずれにしてもこれは都市とか地方とかにかかわらず、民主党の主張が、少しタイムラグを置いて全体的に理解されてきたということが、今回の1人区における互角以上の戦い方になったんだと思っています。これからもさらにそういった農業政策などについては深めていきたいと考えています。

頑なな与党の態度

【記者】代表は臨時国会で1カ月程度議論したほうがいいとおっしゃいましたが、自民党のほうはイラクとサミットの報告をするという方針ですが、これに対してのご感想と、9月の臨時国会では値上げが始まってしまいますが、自民党が頑なな対応を崩さなかった場合どのような対応を取るのか、お考えをお願いします。

【代表】これからの具体的な戦術については、私は申し上げません。ただ、国会でこれだけの民意が示されながら、それを無視して年金の問題は終わりなんだと、ケリがついたんだいうような姿勢は、私は絶対そういうことはできませんし、自民党の中にももう少し国民の声というものに耳を傾けなきゃいけないという声もあるんだと思いますね。

今の執行部が頑なな態度を取りすぎていることで、それが選挙におけるこういう結果を招いたということをよく反省したほうがいいと思います。

ミサワホーム子会社による竹中大臣への選挙支援

【記者】参院選で竹中経済財政・金融担当大臣が、お兄さんが経営されているミサワホームの子会社からいろんな関係で応援してもらったと言われていますが、ミサワホームはUFJ銀行の貸出先で、UFJについてはこの前、金融庁が改善命令を出したりもしました。総理は問題ないとおっしゃっているんですが、代表はこれについてご見解をお願いします。

【代表】ちょっと初めてその話聞きましたので、事実関係がよく把握できていません、率直に申し上げて。どういう応援をしたのかということにもよりますし、コメントは控えたいと思います。

訪米での会談予定者およびテーマ

【記者】訪米について、具体的にどういうテーマについてどういう方と意見交換をされたいのでしょうか。

【代表】私自身、従来は年に1回訪米するということを自らに課してきましたが、この2年ほど行っていません。9・11の直前に訪米して以来、いろいろ忙しすぎて機会を失していましたが、年に1回は訪米したいというのが私の従来からの考え方です。アメリカでも中国でも韓国でもそうなんですが、こういうことが1つと。

あとは大使との話でも出ましたが、9・11以降、アメリカ人の物事に対する考え方、特に安全保障に対する考え方は全く変わったと大使は言っておられました。私自身なかなか実感できませんので、是非早く行きたいと考えていました。これが1つです。

それから、これからの日米関係のあるべき姿ということについて、政党人、これは民主党、共和党いずれもですが、それから政府関係者、学者とかシンクタンクとか、そういった方々と少し自由に意見交換をしてきたいと思っています。

あわせて、民主党大会もあるということなので、そこにも顔を出してみたい—-草の根民主主義の原点のようなものですから、党大会というのは—-と考えています。

ジェンキンス氏来日問題

【記者】ベーカー大使との昼食会で、ジェンキンスさんの来日についての話はされましたか。

【代表】これはアメリカに行ったときに当然テーマになる問題だと思っています。ベーカー大使との間では前回お会いしたときに、私が代表になった直後ですが、アメリカ政府の寛大な措置というのをすでにお願いしています。

そのときの大使のお答えは、「個人的には非常に同情するけれども、軍の話でもあるので、自分としてはいかんともし難い問題でもあるんだ」というお話でした。ですから、今日はあえてそのことを繰り返しては言いませんでした。

7月2日

○参院選:9日間で19都府県で遊説、今後も1人区を中心に民主党支持を訴える

○自衛隊撤退:イラクの現地情勢、議論なき多国籍軍参加など憲法上の疑義

○東京選挙区:見通しははっきりしないが、2議席確保の手応えはある

○比例区:各候補者が自分の名前を書いてもらうため地道な努力をしている

○曽我さん:家族との再会は喜ばしい、しかし本質的な問題解決には至っていない

○民主党は、公共事業費のさらなる削減などによって政府より早い財政再建を主張

○一般論としてゼロ金利や量的緩和は正常化すべきだが、微妙な舵取りが必要

○選挙結果を踏まえ政府・与党に年金法案の撤回を、できなければ解散を求める

○自公両党は追加マニフェストで年金抜本改革の方向性を

○投票率:政治を変えるには国民1人ひとりの1票しかないことを訴えていく

○交渉・説得のうえでの自衛隊撤退で日米関係が壊れることはない

参院選の手応えと今後の展望

【代表】選挙期間中は、それぞれの地域で記者会見をなるべく行うようにしていますが、同行できる方も限られていると思いますので、今日はこういう形で、党本部で会見を設定させていただきました。

私から申し上げることは、ちょうど公示から中間地点、折り返し地点ですので、9日間で19都府県を回ったということのようです。一生懸命回ってますので、こちらは数えていません。数えていただくと、こういうことのようです。

初日、2日は新幹線沿いに東海道・山陽道と大都市を中心に回りましたが、それ以降は基本的に1人区、単独区を中心に回っています。それぞれ激戦区ですので、回っていてもその大変さということが、非常に感じられるわけですが、これからも基本的には1人区を中心に、それに加えて2人区の中で、やや心配もある群馬とか新潟とか静岡とか、そういうところも含めて、あとは1人区中心に回っていこうと思っています。

そよ風が吹いていると申し上げましたが、基本的な認識としては年金の問題や多国籍軍への自衛隊の参加の問題、あるいは総理の今までの心のこもらない答弁に対する有権者の怒りということは感じます。

ただ、それが民主党の支持につながっているかと言えば、まだ、そこまでの手応えは、私は持っていませんので、これから何とかして、残る毎日毎日を、今の政治に対して不満を持っておられる、批判を持っておられる皆さんが、民主党にご期待いただける、民主党に対して投票していただけるようにしていくことが、一番求められていることではないかと思っています。

そのために、小沢さんや藤井さんや菅さんや鳩山さんやいろんな方に、全国を回っていただいていますが、そのことに感謝しながら、私自身も精一杯頑張っていきたいと思っています。

<質疑応答>

イラクからの自衛隊の撤退

【外国紙記者】自衛隊について伺いたいんですけど、自衛隊をイラクから撤退させるということは、今回の公約なんでしょうか、今回のマニフェストに掲げているのか、教えてください。

【代表】我が党は、多国籍軍への自衛隊の参加は現時点では認められない、撤退させるべきだと、こういう見解です。

理由はいくつかあるんですが、1つは、多国籍軍の前の状態ですね、これについても我々は自衛隊の派遣に反対をしてきたわけです。

理由は、日本国憲法は、武力行使との一体化につながるような行動については、これを禁止しています。

今、自衛隊が展開している地域、非戦闘地域という前提で、武力行使との一体化が生じないというのが政府の説明ですが、我々は今のイラクの状況は、戦闘地域と非戦闘地域を分けることはできない、どこにテロが起こっても不思議ではない、したがって、今、自衛隊をイラクに置いておくということは、憲法が禁ずる海外での武力行使、あるいは(武力行使との)一体化につながりかねない状態である、したがって認めるわけにはいかないということが最大の理由です。

加えて、多国籍軍に自衛隊が参加するということは、従来の政府の説明では、憲法上の疑義があると説明してきました。

それが、国会での何の説明もなく、アメリカで総理が協力を表明し、そして閣議決定をしました。与党の中ですら、説明が十分ではないという批判が上がっているぐらいで、こういう方針の大転換は、きちんと国会で議論をされるべきだと、そういう意味でも問題があると考えています。

東京選挙区の情勢

【記者】東京選挙区で民主党2人の候補を出しておられますが、東京選挙区の情勢をどのように見ていらっしゃるか、お答えをいただければと思います。

【代表】東京は今、混戦、激戦ですね。有力な方がたくさん出ておられますので、まだ民主党にとって、見通しがはっきり申し上げられる状況ではないと思います。しかも二人出してますので、余計そういうことだと思います。

ただ、手応えは感じていますので、これから残された1日1日を努力するなかで、私たちとしては2議席獲得に向かって、一生懸命努力をしたいと考えています。最終的には、有権者の皆さんの判断というもの、きちんとした判断が示されると期待しています。

比例区の候補者の浸透度

【記者】比例区のここまでの戦いぶりを伺いたいんですが、自民党は竹中さんによる大量得票を狙っているようですけれども、比べまして民主党は、いわゆるタレント候補というものは見当たらずに、今回、1人ひとりの知名度という点でどうなのか、ということが気になるんですが、自民党と比べて、改めて民主党の比例候補の名前の浸透度とか、どうご覧になりますか。

【代表】比例区は政党の名前を書いてもいいし、個人名を書いてもいいわけで、それぞれの候補者が自らの名前を書いてもらうように、随分努力をしていただいていると思います。

昨日も、三重県で喜納昌吉候補とお会いしましたし、各地区でブロック重点候補も含めて、比例の皆さんが懸命に努力されてる姿を眼にしています。しかし、同時に政党名ということも大事ですので、私はできるだけ政党名を申し上げることにしています。

時々、選挙区の候補者を応援するのに一生懸命のあまり、比例区の話をするのを忘れてしまうんですが、私は比例の部分について、きちんとした結果は出るのではないかと期待しています。

竹中さんについては、いろんな評価があると思いますが、他党のことですから、私から特にコメントすることはありません。

地道な努力ということが求められていると思っています。

曽我ひとみさんと家族との再会

【記者】インドネシアで、まだ時期が確定していませんが、曽我ひとみさんがご家族とお会いできるようになったということですが、政府・与党側は、今までの首脳外交の成果であるとか、対話と圧力の成果であるとか、盛んに強調しますけども、再開するということの受け止めと、与党側のそういう宣伝にはどう反論されますか。

【代表】曽我さんがご家族と会える、1年以上離れ離れの生活だったわけですから、会えるということは、本当に喜ばしいことだと思っています。

ただ、これでこの問題が本質的に解決したわけではありません。つまり、一時的に会えるとしても、例えば、これで日本にご家族そろって戻れるということではもちろんありません。

本来であればアメリカとの間で、日米同盟、日米同盟と言うのであれば、きちんと話ができないものかという気がしますが、そういう意味で、政府にさらなる努力を求めたいと思います。

今回のことは嬉しいことではありますが、問題の本質的な解決にはなっていないということだと思います。

民主党の財政・金融政策

【記者】マニフェストに関してというか、経済政策についてお伺いしたいんですが、財政政策についてマニフェストの中でプライマリーバランスを早期に実現させると言っていますが、政府は2010年代初頭に、プライマリーバランスを実現させると言っていますが、この辺の財政政策における政府との違いについてが1点と、金融政策については、ゼロ金利、量的緩和という異常な政策をできる限り早く終息させるとありますが、景気も回復基調にありますが、例えば舵を切ったほうがいいとか、ご意見をお願いします。

【代表】財政政策については、我々が申し上げていることは、今年度の予算の組み替えも主張したわけですが、より効率的な財政配分に変えていくと。

もっと具体的に言えば、公共事業をさらに削って、それを例えば、雇用の問題とか社会保障の問題とかに振り替えていくという具体的な姿を示して、今年の予算委員会でも主張をしました。

小泉さんは公共事業を増やさなかったということを、非常に誇っておられますが、私に言わせれば、もっともっと効率化できるはずであると思っています。そして、そのことにより、有効的な方法に近づけていくと。

同時に財政の立て直しの話、急速な歳出の削減は、景気に対してマイナスに働く部分もありますから、そういう意味では、我々は今まで組み替えを要求してきました。

財政の規模を変えずに組み替え、あるいは少し減らす、というのが今年の結論だったわけですが、そういう意味では、政府よりもプライマリーバランスについて、早くその状態に持っていくべきだという考え方です。

しかし、現実を見ると、政府の見通しは非常に甘いですので、今の政府のやり方でマニフェストに書かれたようなタイミングで物事が進んでいくとはなかなか思えません。金利も上がっていけば、税収増を相殺するぐらいの国債費の増につながっていきますから、そう簡単ではない。

そういう意味では、公共事業の削減や、それから国家公務員の人件費の削減ですね、そういったことがもっとしっかりなされなければならない。

政府の国家公務員の定数削減は、結局、ネット(増員と減員の差し引き)では減ってませんからね。減らしている、減らしていると言っても、その分増やしてますから、結果的には変わってないので、この辺にも、小泉改革のいい加減さが如実に表れていると思います。

金融政策については、日銀の専管ですが、したがってタイミングその他について、政党が言うことは、なるべく慎重でありたいと思います。

ゼロ金利あるいは量的緩和ということが、目一杯来ていることは事実で、これ以上の金融政策は、なかなか取るべき手段がないということですから、そういう意味では、金融政策の自由度を高めるために、もう少し早く正常化したほうがいいと、一般論としてはそう言えると思います。

ただ、これは経済の状況と微妙に絡みますから、そういう意味で、今すぐ量的緩和を止めるべきだ、ゼロ金利を止めるべきだ、そういうふうに申し上げるつもりはありません。

非常に微妙な舵取りが求められている時期に来ていると思っています。長期金利もかなり上がっています。

九州地方における「風」

【記者】明後日の選挙サンデーに、代表は九州にお入りになるように聞いていますけれども、これまで民主党が、非常に最も弱い地域と呼ばれてきましたけれども、今回、少し風が吹いているようにも感じられるのですけれども、現状の認識と手応えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。また、風が吹いているとすれば、その要因は何であるとお考えでしょうか。

【代表】私は、風の問題ではないんだろうと思います。民主党に風が吹いているというよりは、やはり候補者が非常に頑張っている、いい候補者を立てることができた、とういことが非常に大きな要因だと思います。

それプラス、年金の問題や多国籍軍への自衛隊参加の問題で、政府に対する批判が非常に強い。我がほうは、農業の再生プランとか、いろんな政策を具体的に準備したと。そういうトータルななかで、九州においていくつかの選挙区で、いい戦いができていると思います。

全体で自民党が上回る議席には、やはり九州、沖縄でも、1人区でかなり勝たなきゃなりませんので、頑張りたいと思います。

自身の責任ライン/選挙後に与党に求めること

【記者】仮定の仮定の話ですが、結果によってはですね、ご自身の責任が生じる議席のラインがおありになるかということが1点と、今、そよ風が吹いているとおっしゃいましたが、自民党を議席で上回った場合、あるいは与党を民主党単独で上回った場合、当然、年金問題、イラク問題がありますので、早期の解散・総選挙を求めていくということで、よろしいでしょうか。

【代表】選挙結果に基づいてまずやるべきは、年金の白紙撤回ですね。もちろん、自衛隊の撤退ということも、議論になります。

選挙結果を踏まえて、まずそれを政府・与党が自ら決断できるかどうかということだと思います。その決断を迫っていくということですね。それができないときに、当然、解散・総選挙を求めていくということになります。

それから、責任ラインということですが、私は数字を挙げて言うことは、あまり意味がないと思っています。私自身の出処進退は、民主党が次の総選挙で政権を取るために、一番いい形で一番いい人がトップを務めればいいと、常にそう思っています。

年金法案の撤回と与野党協議

【記者】年金の白紙撤回を求めていく具体的な手段として、すでに成立している年金改革法案に対して、民主党としては、次の国会で民主党が法案を提出するとか、具体的な方法についてはどうでしょうか。

【代表】法案を具体的に提出することになると思います。ただ、単に提出して、それで否決されたでは済みませんので、提出するだけではなくて、それが現実化するように、そして、一旦白紙撤回させたうえで、抜本改革の議論に入っていけるように頑張らなければいけないと思っています。

今日の、日本テレビの党首討論でも申し上げましたけども、私は抜本改革について、与野党で話し合うことについて、それを否定しているものではありません。

ただ、その中身が本当に意味あるものになるためには、いくつかの問題について、つまり国民年金を含む一元化、その前提となる納税者番号制、そして消費税の扱い、こういったことについて、是非この選挙の最中に与党として、つまり自民党、公明党それぞれ、きちんとした方向性を出してもらいたい、追加マニフェストで出してもらいたい。

何もなくて議論しましょう、議論しましょうということでは、これは単なるアリバイ工作をしていると言われても仕方がないと思います。選挙が終わってから、抜本改革していくためにも、きちんと方向性が出ていることが必要だと、基本的にそう考えています。

私が約束違反をしているという批判を、安倍幹事長などはあちこちでしていますが、とんでもないことだと思います。私は、3党合意を否定していませんので、抜本改革を議論しようという前提で、しかし、それをきちんと行うために、当然のことながら公党として方向性を出す責任がありますよ、ということを申し上げているわけです。

それをまとめる力がないことを誤魔化すために批判していることはとんでもないと思いますね。

投票率の見通し

【記者】選挙公示前から、代表がしきりにおっしゃってる投票率のことなんですけれども、手応えというものは、どんなふうに見ていらっしゃいますか。期待があればそれも教えてください。

【代表】何度も申し上げてますが、私は数字は申し上げません。それ言ったから実現するなら喜んで言いますがが、それは当てずっぽうで言うしかないわけですから、申し上げません。高ければ高いほどいいと思っています。

具体的に投票率が上がりそうか、下がりそうか、手応えはまだ分かりません。これから、まさしく残された1日1日しっかり訴えていくなかで、何とか引き上げていきたいと思います。

いろんな場で申し上げていますが、政治に対して白けていては絶対に政治は変わりませんので、政治を変えるのは国民の皆さん1人ひとりの投票だと、このことをしっかり訴えていきたいと思います。

自衛隊撤退による米国との軋轢

【記者】オーストラリアの野党も、部隊を撤退させたいと思っているのですが、アメリカ政府から批判を受けました。自衛隊の撤退について、そのような懸念とかはありますか。

【代表】当然、勝手に撤退するわけではなくて、交渉するなかで、いろんな交渉をしなければいけないと思いますね。なるべく留めたいという気持ちが、アメリカ政府、ブッシュ政権にはあると思います。

しかし、そういうなかでも政権交代することによって、スペインはすでに撤退しましたし、これからオランダも来年3月までということも言われてますし、そもそもカナダなどは隣国でありながら出してないわけですね。

それはまさしく、主権国と主権国としての交渉、そして最終的には主権国の判断ですから、アメリカがどういう考え方を持ったとしても、最終的に日本がこういうふうに決断したと言えば、それはアメリカから、それ以上にどうこう意見が出るはずはないと、思っています。

日米関係それで大丈夫かという議論もありますが、それで壊れるような同盟関係、それならそれで本来の同盟関係とは言えないだろうと思います。

日本としてできる貢献、教育の問題、あるいは警察官のトレーニングとか、あるいは教育とか医療とか、そういうことについて日本なりの貢献をしていくということで、ご理解、納得をいただくと、そこに尽きると思います。




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