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2016.03.18|記者会見

岡田克也代表定例記者会見 (3月18日)

岡田克也代表記者会見
2016年3月18日(金)15時03分~15時47分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=nylYWWP2FXA
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■冒頭発言
○両院議員懇談会で新党の綱領案・規約案を大筋了解
○共生社会創造本部の中長期経済政策案「共生イレブン」を取りまとめ
○「保育士等処遇改善法案」の提出について
■質疑
○新党の規約について
○新党の党名について
○新党の綱領について
○共生社会創造本部の提言について
○待機児童対策について
○スティグリッツ氏を招いての講演会について
○甘利前大臣の「あっせん利得」問題について
○民主党の20年間を振り返って
○参議院選挙について
○自民党議員の“緩み”について
○安保法制について
○高浜原発の運転差し止め仮処分決定について
○衆議院選挙制度改革について
○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について
○次期総選挙について
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■冒頭発言

○両院議員懇談会で新党の綱領案・規約案を大筋了解

【代表】
まず新党の準備ですが、今日も新党協議会を開いて、綱領や規約などについて最終的な調整をいたしました。実質的には今日でおおむねまとまったと思っております。
わが党で言うと、正式には両院議員総会に諮ることになりますが、その前に全国幹事長会議も予定されております。国会議員レベルでは両院議員懇談会を3回行い、規約、綱領、あるいは党名についても、意見集約はできた。「混乱している」とか書いた一部報道がありますが、もう少しちゃんと取材をされてはどうかと申し上げておきたい。
今回の党規約の中で新しい試みを二つしております。一つは新党の規約の24条です。「男女共同参画推進本部」の設置、これは従来の民主党の規約で附則にはございました。これを本則24条に書いた上で、「本党は、男女共同参画社会の実現を目指し、公職の候補者の擁立をはじめとする党の運営及び活動について、両性のバランスのとれた参画の機会が保障されるよう努める」という宣言規定を置いております。ここにあえて「公職の候補者の擁立をはじめとする」と入れたことは一定の意味を持つわけです。それから、同本部は「男女共同参画の推進に関する提言を幹事長に、男女共同参画を推進するための政策を政務調査会長に、それぞれ提言することができる。この場合、幹事長及び政務調査会長は、その提言について真摯に受け止め検討に付さなければならない」という規定も置きました。これが一つ。
もう一つは30条、地方との関係です。今までわが党には地方自治体議員の組織、あるいは地方の女性議員の組織、青年議員の組織がございました。しかし、いずれも規約上、正式に置かれたものではございませんでした。今回、この地方自治体議員団、女性議員団、青年議員団を規約上の組織として位置づけることといたしました。同時に、党運営や政策について幹事長や政務調査会長に提言ができ、「幹事長叉は政務調査会長は、その提言について真摯に受け止め検討に付さなければならない」という規定を置きました。地方と本部との関係は、わが党にとって積年の課題でありましたが、やや遅まきながらですが、地方の議員組織を明確に規約に位置づけ、女性も青年も含めて、それぞれ提言ができることにいたしました。
いずれも私から幹事長に提案して、新たに入った試みです。

○共生社会創造本部の中長期経済政策案「共生イレブン」を取りまとめ

【代表】
2番目。共生社会の最終取りまとめ、先ほど共生社会創造本部の総会を開き、最終取りまとめについてご了解をいただきました。
特に長妻昭代表代行(共生社会創造本部長代行)には、本部主催の有識者からのヒアリング、党内議論、そしてそれぞれブロック別に、地域に出向いての意見交換など、大変なご努力・ご活躍をしていただき、非常にいい形にまとまったと思っております。来週のNC(次の内閣)でご了解をいただいた後、長妻代行から改めて説明があると思います。
自民党は「1億総活躍社会」をマニフェストの前面に掲げてくると思いますが、我々は今回の共生社会創造本部の結論をマニフェストの軸に据えて、しっかりと参議院選挙で訴えていきたいと考えています。
特に11の提案、「共生イレブン」ということで11の提案に絞り込んで、具体的に述べています。詳しくは、まとまったところで長妻代表代行からの説明を聞いていただきたいと思います。

○「保育士等処遇改善法案」の提出について

【代表】
共生社会創造本部の提言との関連で、この中にも含まれているが、保育士の待遇の問題について、今日、細野政調会長からもお話があったかと思います。先般、待機児童緊急対策本部、私が本部長で、小さなお子さんを連れたお母さんたちのお話しも聞かせていただきました。ハードはあっても人が足らないという状況の中で、やはり保育士の待遇をよくすることは非常に重要なことだと考えて、月額5万円を上乗せすることを政策として決め、法案として提出することにいたしました。
正式決定は来週のNCになるかと思いますが、(他業種の平均月収と比べて)まだまだ全体で10万円の差がありますので、そういう意味では半分しか埋められませんが、保育士の資格を持ちながら他の仕事をしていた人、あるいはしばらく仕事をしていなかった方々も、もう一度働こうという気になっていただけるのではないかと考えておりま
す。
財源としては、公共事業や租税特別措置、こういったところから財源を得て、しっかりと対応することを確認したところです。

■質疑

○新党の規約について

【フリーランス・宮崎記者】
規約に関して。地方議員団・女性議員団・青年議員団だが、私の知る限り自民党の党則にはこれらは書き込まれていない。一方で公明党では地方議員団があり、この中からは、例えば民主党でいうところの倫理委員長に当たる人が2回に1回ぐらい出るぐらい、公明党は地方議員団の力が強い形になっている。民主党は自民党と比べて現時点でも地方議員の数が少ないが、それでも規約に盛り込むとすると、例えば役員会とか常任幹事会に出席できる形になるのか伺いたい。

【代表】
党の正式な常任幹事会のメンバーなどには現時点ではなっておりません。ただ、政策や党務について提言する権限を持つということです。提言があれば、それを真摯に受け止めなければいけないと規約に書いたことで、地方の声をしっかりと受け止める体制が規約上も整ったということです。

【毎日新聞・田所記者】
2問あるが、まず、規約で男女共同参画の規定を重くしたということだが、去年の代表選では女性登用を途中でおっしゃって、実際に蓮舫代表代行などを置かれたわけだが、今度新党になって女性を登用する考えがあるかという点と、維新・改革結集は女性の割合がすごく少ないので、新党になった時に結果的に女性の割合が少なくなると思うが、何か女性数を増やすような考えはあるか。

【代表】
やみくもに増やすということではなくて、やはり選挙でどれだけの候補者を立てるかということが非常に大事だと思う。
既に民主党は、地方議員の候補者の数を次回の統一地方選挙では倍増するということを私は約束しております。その考え方は、これからの議論ですが、新しい党でも継続して引き継がれると考えます。まず地方議員を増やす中で、そこから国会を目指す人も出てくる。生活に密着した地方議員のほうが女性にとってはチャレンジしやすいと
いうところもあると思います。
(女性)地方議員の割合からすると我々は自民党よりも多いが、絶対数では、残念ながら全体がシュリンクする中で負けてしまっています。次の統一地方選挙ではどんどん手を挙げてもらいたい。そのための「女性のための政治スクール」なども、今、ブロック別にやっている。人材の発掘を今一生懸命しています。

【毎日新聞・田所記者】
役員への女性の登用は。

【代表】
人事の話は、決まった上で報告します。

○新党の規約について

【時事通信・小松記者】
地方組織だが、県連や支部、党が分裂した時の経緯もあって、地方によってはしこりが残っているところもあるかと思うが、これはどういうふうに克服していくかということと、時期的にはいつくらいまでに地方組織の統合を求めていくか、考えを伺いたい。

【代表】
あまり時間をかけずに統合を進めていただきたいと思っております。ただ、いろいろな経緯もありますので、当事者でよく話し合っていただくことが大事だと思います。

○新党の党名について

【毎日新聞・田所記者】
党名の英訳だが「The Democratic Party」ということだが、例えば「DIP」だと英訳にネガティブなイメージがあるとか、何か選考の経緯はあるか。

【代表】
別にありません。一部報道でありましたが、「DIP」ですか。でも、正式にはそんな提案は全くない。両党で議論した結果、「DP」がいいのではないかと、党名検討チームから上がってきて、新党協議会で了承された。

【産経新聞・松本記者】
「民進党」が決まった時の新党協議会で、岡田代表が「これは『民主進歩党』ではだめですか」と提案されたという一部報道がある。それについて江田憲司さんは「事実無根だ」と否定されているが、実際のところ岡田代表からこのような提案をされたのか伺いたい。

【代表】
協議会の中身の議論を、私はするつもりはございません。ただ、いろいろ想像で書かれているところはあると思います。「これは違うな」と思った記事もあります。

【日本経済新聞・宮坂記者】
新党の英語名称だが、代表は「民進党」はいい名前ではないかとおっしゃっていたが、「DP」というオーソドックスな名前になったことについての感想を伺いたい。

【代表】
「DP」も非常にいいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
「意見集約はできた。混乱していると書くマスコミは間違いだ」と。そうなのかどうか。私が取材していると必ずしも皆さん腹落ちしていないのではないかと。だけど選挙も近いし、やはりまとまろうと一生懸命やっておられるように見えるが、どうしたら腹落ちまで持っていけるのか、何か工夫を考えているか伺いたい。

【代表】
長年親しんだ党名ですからいろいろな思いがあることは事実です。ただ、決めたことはみんなしっかりと、それをプラスにしていこうと。そういう考えで皆さんやっておられると思います。とにかく何回も何回も党名を唱えていく中でなじんでいくしかないと思います。まず国民の皆さんにも新しい党名を知っていただかなくてはなりません。とにかくしっかりと新しい党名を伝えていくということだと思います。

【ビデオニュース・神保記者】
英語名がどうなるか注目していて、それは結局、「民進党」の「進」の部分がどういう意味から来ているのかということが英語名に反映されるとわかりやすいかなと思っていたが、結果的に「The Democratic Party」ということになった。そうすると我々は、「民進党」の「進」は、どういう理念を反映したものだと理解すればよろしいか。

【代表】
基本的には「国民とともに進む党」です。したがって「The Demo cratic Party」ということだと思います。

【TBS・松本記者】
その「The Democratic Party」の中には「進」という要素は盛り込まれなかったと考えているのか、あるいは盛り込まれているとお考えか伺いたい。

【代表】
当然、盛り込まれています。

【ジャパンタイムズ・尾崎記者】
「The Democratic Party」の、「民進党」の「進」の訳し方だが、「Innovation」とか「Progress」とか、他に英単語を加える選択肢もあったと思うが、なぜあえて「Democratic」という一言でおさめようとされたのか、もう少し理由を詳しく伺いたい。

【代表】
「民とともに、国民とともに進む」、これはまさしく「Democratic」です。

【ジャパンタイムズ・尾崎記者】
英語名について、14日に「民進党」という名前の発表があった際に、「The Democratic Inovation Party」という英語名ということで報道があり、それを受けて「DIP」と頭文字を取ると英語のスラングで「間抜け」とかいう意味になってしまうというインターネット上の突っ込みも広がった。そういったことを考慮に入れたという経緯はあったか。

【代表】
ございません。先ほど申し上げましたように、「DIP」というのは正式な議論の場で出ていません。個人的にそういうことを言われた方はいるかもしれません。

○新党の綱領について

【フジテレビ・木村記者】
綱領案の中で、当初の原案では「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」となっていたと思うが、修正された形になったと思う。もともと、綱領の中に数字を入れるのはそぐわないという意見もあったと思うが、修正した真意と、今後、数字についてはマニフェストなどに盛り込んでいくか、お考えを伺いたい。

【代表】
マニフェストの話はこれからですので、現時点で申し上げるのは適切でないと思いますが、政策は全く変わっておりません。綱領に書く話ではない具体的な政策だということで、具体的な数字などは落としたが、基本政策に入っておりますので、全く変わっていないと、正しく理解していただきたい。

○共生社会創造本部の提言について

【NHK・花岡記者】
確認だが、先ほど「マニフェストの軸にしていく」という話があった。
もちろんそうだと思うが、新党になっても、維新との話し合いの中で、
これを一番大きな核にしていくのか。
もう一つは、「『1億総活躍』を向こうは掲げてやってくるだろう」と
いう話があったが、その「1億総活躍」と「一人ひとりを大事にする共
生社会」の今回の報告書の一番の違いは何だとお考えか。

【代表】
その立証責任は我々にあるのか?と思う。安倍総理のほうがか
ぶせてきているわけですから。今日は「共生」という話も(参議院予
算委員会の中で)答弁でされたとも聞いている。確かに「格差」とい
う話はあまりされませんが、ほとんど言葉をかぶせてきている感じ
ですね。あとは中身がどう違うかというのは議論していく中ではっ
きりしてくると思います。
一つわかりやすく言えば、安倍総理の新しい「3本の矢」は(GD
P)600兆円、これが大きな目標としてあって、それを達成するこ
とを考えた時に、介護離職者が毎年10万人も出るということでい
いのか、だからそこをなくすために介護の施設をしっかりつくりまし
ょう。それから保育、子育てと家庭の両立がかなわなくて女性の職
場への復帰ができなくなったり、あるいは遅れてしまう、だから保
育施設を整備しましょうと。それが総理の「新3本の矢」だと思う。
我々は、経済のための手段として保育や介護を考えるというの
は、全く主客転倒しているのではないかと考えています。子育てす
ることと働くことを両立するというのは、それを望む人にとっては、
その人の幸せの実現だし、介護も、それは介護する人・される人
を含めて、いい条件のもとでしっかり介護を受けることができると
いうのは、その人の幸せのためにあるのであって、別に600兆円
のためにあるわけではない。(安倍政権は)その辺の手段と目的
が間違っていると思えてならない。そういうことは、これからもしっか
り議論していきたい。

【NHK・花岡記者】
維新とも話をして、新党でも引き継ぐということでよろしいか。

【代表】
マニフェストそのものは、新党になってしっかり態勢をつくって議
論していきたいと思いますが、ただ、綱領の中にも同様の趣旨の
ことはしっかり書いてありますので、マニフェストの軸であるという
ことは間違いないと思います。

○待機児童対策について

【共同通信・関記者】
共生社会の部分にも少し関係するが、保育士給与の5万円
アップの部分で、民主党としては待機児童緊急対策本部を岡田
代表のもとに作ったが、一方で保育の質を高める必要性につい
ても、蓮舫代表代行から指摘がある。今後の本部での聞き取り
の進め方や、他にも施策として打っていくものを考えているか伺
いたい。

【代表】
保育の質を高めるために3000億円追加的に投入するとい
うことは、3党合意の中でも認められていることです。つまり70
00億円では足らなくてプラス3000億円で合計1兆円。この3
000億円は質を高めるための政策だということは合意されて
いたはずです。
ところが、国会のやりとりの中で総理は、幼児教育無償化も
あるし、いろいろなことがあるから、そういう中でワンオブゼム
としてこれを考えていくと。軽減税率1兆円のほうは、ちゃんと
手当てすると言いながら、3000億円のほうはワンオブゼムで、
優劣が非常にはっきりついてしまったわけです。
我々はそうではなくて、この3000億円は約束したことだから、
しっかりと財源も付けてやるということです。したがって今回の
5万円の保育士の待遇改善とは別に、3000億円の財源を
つくってやっていくということ。

【テレビ朝日・河村記者】
保育士の待遇改善について、特定の職業の方に月5万円、
年間で60万円、原資は税金ということになるが、支給すること
について、他の仕事をしている人から不公平感が逆に出るの
ではないかというのが1点目。
岡田代表もご説明されたように、今、資格を持っていながら
離れている保育士さんが戻ってくることで待機児童が改善す
る5万円払う、資格を持っている人が戻ってくる、待機児童が
解消するという、その効果がどれほど本当にあるのかというこ
とを伺いたい。

【代表】
効果は非常にあると思います。そもそも(他業種の平均月
収と比べて)10万円の差があるという中で半分埋まるという
ことです。これで足らなければ、さらなるものを考えなければ
いけないかもしれません。
税金を投入することについての疑問ということですが、保育
士の給料は基本的に税金で手当てされている。だから、むし
ろ国にそれだけの責任がある。10万円の差がついているこ
とを放置していたことが問題だと私は考えます。

【TBS・松本記者】
保育士の待遇改善5万円だが、以前もこの会見で出たかも
しれないが、参院選での争点化について、今日あった5万円
などの政策面での与党との違いもさることながら、争点化す
れば、安倍総理の初動のまずさなどが浮き彫りになってくる
のではないかということも出ているが、代表はどのようにお
考えか。

【代表】
初動がまずかったかどうかというのは本質の話ではないと
私は思います。これだけ仕事を続けるか、子どもを産むかと
いうところで苦しんでいる状況、これをどうやって国としてし
っかりと改善していくのか、そういう話だと思います。そういう
本質的な議論をしっかりしなければならないと思います。

○スティグリッツ氏を招いての講演会について

【ビデオニュース・神保記者】
安倍政権が海外から有識者を呼んで消費税についてのア
ドバイスを得ると。コロンビア大学のスティグリッツ教授が最
初に来られて、消費税は今上げるべきではないと言ったこと
は大きく報じられているが、スティグリッツさんは実はほかに
もいろいろなことを言われた。岡田さん自身がスティグリッツ
さんにお会いすることになっていると聞いていたが、政府の
会合で出た話以外のことで、スティグリッツ先生の真意と受
け取れることがもしあったら、お話しいただけるものがあれ
ば伺いたい。

【代表】
まず政府のほうも、消費税の問題だけを聞いているという
ことではないと私は承知をしております。伊勢志摩サミットも
控えて、世界の経済状況について幅広く聞いているという、
そういう位置づけではないかと思います。
スティグリッツさんとは昨日の朝、短時間ですが、お話を聞
く機会もありましたし、私も財政健全化との関係について質
問もさせていただきました。いろいろなことを彼は述べている。
一部のメディアはではかなり詳しいやり取りが、インタビュー
など記載されていたと思います。
私の質問に対しては、消費税を上げることは間違っている
けれども、例えば炭素税とか、その他、かえって税を入れる
ことで投資が促進されるような、炭素税というのはまさしくそ
ういうことだと思うが、そういう税制というのはあるんだよとい
うことを言っておられました。
それからもう一つは、財政投入と言うと日本的感覚では公
共事業と思い浮かべてしまうかもしれませんが、彼は全くそ
ういうことを言っているのではなくて、生産性を高めるための
財政の投入ということで、例えば「人に対する投資」とか、そ
ういうことも含む考え方で言っておられたと思いました。
ちょっと私が疑問に思ったのは、彼は消費税の話だけをし
ているわけではないにもかかわらず、一部のメディアは消費
税の引き上げが間違っているということだけを大きく報じてい
る。そういう姿勢はいかがなものかと私は受け止めております。

○甘利前大臣の「あっせん利得」問題について

【毎日新聞・葛西記者】
甘利明前大臣の「政治とカネ」の問題について。甘利さん
は睡眠障害で、またさらに2ヵ月の自宅療養が必要というこ
とをおっしゃっている。最後の会見では「引き続き説明責任
を果たしていく」とおっしゃっていたが、先日、弁護士のグル
ープからあっせん利得処罰法違反で刑事告発された。甘利
さんが説明責任を果たされたかどうかということと、議員辞職
を本人がされる必要があるかどうか、代表の考えを伺いたい。

【代表】
議員辞職かどうかという前に、やはり説明責任を果たされ
るべきだと思います。ご病気というのは、診断書も出ている
わけですから、そのことは尊重されなければなりませんが、
しかし会見を開いて説明できない、そういう性格の病気なの
かどうかも、わからない。何回も何回もやれと言っているわけ
ではない。甘利さんご自身が「これからも説明する」とおっし
ゃっていて、それがずっと果たされていないというのは非常
に問題だと私は考えています。

○民主党の20年間を振り返って

【フリーランス・宮崎記者】
「民主党」という名前での記者会見はあと2回だと思うので、
この20年間の振り返りだが、「政策オタク・民主党」という言
葉が、民主党の政調会を中心に、金融国会から政権を取る
までずっと言われていた。この間、党本部に幹事長部局、議
員会館に政調部局という形になっていて、時に幹事長部局
がコントロールをとりづらいということもあったのではないか。
「政策オタク」という言葉はほめ言葉だったわけだが、「民進
党」にも引き継いでいかれるのか。また、この20年間、初代
政調会長代理としての振り返りを伺いたい。

【代表】
そうですね、私は政調会長代理をかなり長くやりました。政
調会長が替わっても代理は替わらない中で、基本的な民主
党の政策の基礎は築いたと自負をしております。
個々の政策のことはともかくとして、議員立法というものが
極めてまれだった時代、それを変えたのが民主党だったと思
う。議員立法がどんどん出てきた。役所が事実上作っても形
は議員立法というものはありましたが、本当に議員が作る議
員立法というのは皆無に近かったと思う。そういう文化を民
主党が変えた。今や他党も含めて議員立法がかなり出てく
るようになったし、そしてそれがそのまま通るということも決
して珍しくなくなった。
さまざまな政策を自由に議論するという、これは民主党の
非常にいいところで、政策の議論というのは、議員としての
キャリアとかはあまり関係ない。当選1回の若い議員でも、
堂々といい政策を掲げれば議員立法の中心になれる。こ
ういったいいところは新しい党でも引き継がれることを期待
しています。

○参議院選挙について

【産経新聞・松本記者】
参院選の新潟選挙区について伺いたい。先ほど、枝野幹
事長が菊田真紀子さんにお会いになっているが、これは菊
田さんを立てるというその方針を、何か民主党として変える
というお考えなのか伺いたい。

【代表】
具体的なことをここで私が述べるのは適切ではないと思
います。決まったことがあれば、幹事長から説明すること
になると思います。

【産経新聞・松本記者】
代表はこれまでも新潟選挙区で勝てるのは菊田さんし
かいないということを折に触れて強調していたが、その考
えは今でも変わりがないか。それとも別の判断に変わっ
たのか伺いたい。

【代表】
今以上のことを、私、申し上げるつもりはございません。

○自民党議員の“緩み”について

【フジテレビ・木村記者】
待機児童問題をめぐり、昨日、自民党の議員が会合で、
「東京を便利にするとますます東京に来て子育てしようと
なる。東京を不便にしない限りだめだ」と発言して波紋が
広がっている。また、先週、松島みどり議員が委員会の
中で携帯電話を使ったり読書をしたり、態度が悪いという
騒ぎにもなっている。こうした自民党議員の発言や態度に
ついてはどのように思われるか。

【代表】
まあ、性懲りもなく、ということではないですか。たるみ
切っているということです。反省してもらいたい。

○安保法制について

【東京新聞・宮尾記者】
今日の参議院予算委員会で、公明党の谷合議員が、
野党が提出した安保法廃止法案について質問して、総理
は「安保法を廃止すると日米の連携を低下させ、信頼関
係を損ない、同盟関係を大きく損なう」と答弁した。反論が
あれば伺いたい。

【代表】
思い出していただくと、国会で議論する前にアメリカの
議会で総理が約束したところから、ボタンのかけ違いが
始まっている。これは日本という国にとって非常に大事な
話なので、まず日本の国会で議論し、国民に総理は説明
をして、一定の方向性を出した上でアメリカの議会でお話
しになるならば、それはよかったと思います。それ(日本国
内での議論・説明)が全くないままに、アメリカに行ってま
ず約束してくる。で、アメリカの期待感があるからもう変え
られないというのでは、それは通らない話だと私は思います。

【フリーランス・宮崎記者】
安全保障法がおそらく来週火曜日に閣議決定し、再来
週の火曜日に施行される。この施行に関して何かアクショ
ンをとる予定はあるか。

【代表】
もちろん、日々いろいろなアクションをとっておりますが、
施行になることそのものを黙って見ているということには
ならないと思います。

○高浜原発の運転差し止め仮処分決定について

【週刊金曜日・伊田記者】
先ほど原発政策に対して「全く変わっていない」とおっし
ゃったことに関係してお聞きしたいが、高浜原発が止まっ
たことについて、昨日、関西経済連合会から非常に大き
な反発が出ており、「なぜ一地裁の裁判官によって国の
エネルギー政策に支障を来すことが起こるのか」みたい
な発言が出ている。経団連も含めて、自民党に大きな影
響を与えると思うが、こういった三権分立を理解していな
いような発言が経済界から出ていることについてどう思
われるか。

【代表】
関経連の誰がどういう発言をしたのかを、私、承知し
ておりませんので、具体的にはお話ししにくい。ただ、裁
判所が一定の判断をする、それは法に基づいて判断し
ているわけです。それで確定するわけではない、さらに高
裁・最高裁とあるのだと思いますが、仕組みの中で決まっ
たこと、これが尊重されるのは当然だと考えます。

○衆議院選挙制度改革について

【NHK・花岡記者】
自民党は今まで「アダムズ方式」を導入するかどうかは
っきりしなかったが、党内の議論で平成32年以降の導入
については容認する方針になった。導入時期は谷垣幹事
長に一任ということだが、自民党が一定の方向性を出し
たことについての見解と、導入の時期について改めて代
表の考えをお聞きしたい。

【代表】
それ以前に私が非常に気になっているのは、責任者で
ある細田(自民党・選挙制度改革問題統括本部長)さんが、
「アダムズ方式」について、「条文に書くと明確に言ったわ
けではない。これからの調整である」と述べられているこ
とです。つまり条文に書かれなければ、それは何の意味
もないということになる。
私は前から申し上げているのですが、例えば附則に「ア
ダムズ方式を検討する」と書いても、全く意味がない。し
たがって、区割り法の基準の中にきちっと「アダムズ方式」
を書くべきだと。昔は基数配分とそこに書いてあった。そ
こを削除して、今、基準はない。だから区割り審は、どうい
う基準で各県に割り振るかということができない状況に今
なっている。そこにきちんと書くということが大前提。それが
確保されなければ、「アダムズ方式を採用する」と言っても
全く信用できない。

○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について

【日本経済新聞・宮坂記者】
1ヵ月後に迫っている補選について伺いたい。北海道5区
では無所属候補を一緒に野党で支援するという構図ができ、
京都3区は共産党が自主投票という形をとることになった。
北海道5区、京都3区、こういう構図に持ち込めたことにつ
いての評価を伺いたい。

【代表】
どういうやり方になるかというのは、地域、地域のさまざま
な自主性に委ねられている部分もありますので、京都と北
海道では最終的な姿は違う。これからも同様に、それぞれ
の地域の状況に応じて、いろいろな協力の仕方があると思
います。
ただ、いずれにしても野党が、おおさか維新は野党か与党
かというのはありますが、基本的に野党の候補者が複数出
るという状況は避けられているということは、非常に安倍自
民党を倒すという意味で意義深いことだと私は考えています。
関係者の皆さんのご努力に心から敬意を表したいと思います。

○次期総選挙について

【共同通信・関記者】
維新の党と合流するわけだが、衆院選での候補者調整に
ついて伺いたい。代表は本日、神奈川県連の集会にも出席
されるが、一部地域では民主党の候補が落選して維新が当
選している。例えば神奈川6区では維新の青柳陽一郎さんが
比例で当選して、一方で三村和也さんがいるという状況があ
る。こういった落選した一方の候補者との協力、両者が力を
合わせれば与党側の当選候補者にも逆転するところが幾つ
かあると思うが、そういった部分の調整を今後どのように進
めるお考えか。

【代表】
一つの党になれば調整は不可避です。それから、もちろん
一つの党にならなくても、他の野党との調整も重要です。前
回の選挙でも維新と民主で候補者調整をやってきた。そうい
うことはしっかりやっていきたいと思います。

【読売新聞・中田記者】
消費増税の先送りと連動した衆参ダブル選の観測が出て
いる。代表は参院選で候補者の一本化ができたことは意義
深いとおっしゃったが、衆参同時選になった場合、野党連携
にくさびを打ち込むという狙いもあるかと思うが、今後他党と、
衆院選も含めた連携の強化とか加速化を考えているか伺
いたい。

【代表】
最低限、候補者の調整は必要です。それ以上にどうするか
というのは、これから議論していかなければならないと思いま
す。ただ、いずれにしても生活や社民との関係はしっかりと
代表同士話し合っていかなければならないのではないかと思
います。
読売がなにか解散風を煽っているのではないか、ダブル選
挙を煽っているのではないかという感じがないわけではあり
ませんが、私は何があってもしっかり対応できるようにしてお
くのは衆議院の場合は当たり前です。早く候補者をしっかり
立てて、そして対応できるようにすることが重要だと思います。




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