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2011.06.07|TALK-ABOUT [ブログ]

離島の被災地-人々の温かさと強い絆で美しい景観の再生へ


6月4日(土)に被災地を訪れてきました。今回訪れたのは、宮城県の松島の離島である桂島と野々島です。その後、宮城県の内陸部の白石市や角田市、周辺の町の首長の皆さんに集まっていただき、意見交換をしてきました。

まず、離島ですが、津波の影響で家が流され、私の地元にも小さな規模のものがありますが、全体の周りの施設も含め、非常に大きな数千万円規模の海苔の製造機械が流され、壊れてしまったというお話でした。

現場を見ると、やはり住宅は跡形もなく流され、そういった機械があちこちに壊れたまま放置されているという状況です。

ただ、避難所である体育館を訪れ、被災された皆さんとお話をしていると、地域のつながりの強さを非常に感じます。離島の中で、もともと協力しながら寄り添って生きてこられた方々なので、体育館の中でも、同じように非常に濃い人間関係の中で生活をしておられます。食事も順番で作り、お互い励ましあいながらやっておられることがよくわかりました。

仮設住宅の建設が進み、間もなくできます。その後、個々に家を造るのではなく、一種の集合住宅にしてみんなで住むという構想もあるようです。ただし、松島は日本三景の1つですから、そのときに景観との関係で問題が出てきて、環境省との調整が必要になるとのことでした。

人々は生活していかなければいけないので、前の低い土地から高い土地へ、ある程度まとまった建物を建ててそこに住むと。そのことが、なるべく松島の景観に影響を及ぼさないようなやり方を、是非知恵を出してやっていただきたいと思います。

この被災者の方の中に、90歳のおばあちゃんがいました。このおばあちゃんは非常に元気な方で、私は「20代ですか」と冗談で言ったところ、「私はまだ10代ですよ」と言われ、参ってしまいました。そういった厳しい生活の中でも、ユーモアを忘れず人々の温かさや絆の強さを考えさせられた訪問でした。

仙台の内陸部には様々な問題があります。例えば、丸森町は福島県の飯館村の北にあたり、放射能の被害やその恐れにさらされています。福島県だけではなく、県境にある宮城県にも福島第1原発の影響が及んでいるということです。

仙台市や白石市で言われ、現場を見たのが、新興住宅地における地盤の問題です。つまり、建物が壊れたわけではなく、その下にある土台がひび割れしたり、動いたりしてしまっているのです。

近くに川があったり、もともと谷だったところを埋めていることが影響していると言われていますが、一種の液状化が起こっていたり、全体の土地が移動してしまったという中で、建物だけではなくて、その基になっている土台や土地そのものがおかしくなってしまっています。

これに対しては、被災者生活再建支援法は、建物が壊れた場合の支援ですから、対象には直接的にはなりません。こういった問題にどう対応していくかも課題として出てきています。

あるいは、文化財についてですが、白石市にはお城があり、ひび割れが生じてしまいました。その改修のための手続きが大変だというお話もありました。

私は、多様な被害があるので、ある程度まとまったお金を県や市町村に渡して、その範囲の中で、自分たちの創意工夫でやっていただくことがいいのではないかと、改めて思った次第です。

2次補正予算に向けて、そういったこともしっかり議論していかなければいけないと思います。

最後に、せっかく松島まで行ったので、船乗り場のすぐ近くに瑞巌寺がありますが、まったく時間がなく大変残念な思いをしました。瑞巌寺は今回、地震や津波の被害を受けずに無事でした。

少し街が再生されたところでもう一度訪れて、そして、地域や街の再生、瑞巌寺の参拝を是非実現したいなと思いました。

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