トピックス

4/23 経済産業委員会質疑(日米協議の体制、閣僚交渉の基本的考え方、自動車・同部品関税の国内対策、半年後の日本経済と経済対策)

【委員会】衆議院 経済産業委員会 質疑

【日 時】2025年4月23日(水) 9:30~(30分間)
    
       見逃し配信はこちらから➾4/23 経済産業委員会

【主な質問内容】

  • 日米協議の体制
  • 閣僚交渉の基本的考え方
  • 自動車・同部品関税の国内対策
  • 半年後の日本経済と経済対策

【解説動画】



議事録

〇岡田委員〇 立憲民主党の岡田克也です。
 まず、米国との関税措置に対する日米協議について、その体制についてお尋ねしたいと思います。
 アメリカ側の交渉者は、当初、ベッセント財務長官、それにグリア通商代表が加わった。グリア通商代表は、前回のことをよく承知しているので、日本にとっても必ずしもマイナスではないという判断もあるのかもしれませんが、それにラトニック商務長官も、少なくとも前回の会合では、四月十六日の協議では加わったということであります。
 三人体制ということになったわけですが、これはこれからも続くんでしょうか。そして、なぜそうなったのかということについて米側から説明はあったんでしょうか。
〇田中政府参考人〇 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、日米交渉の米国側の担当閣僚として、ベッセント財務長官及びグリア通商代表が指名されたと承知しておりまして、先般の赤澤大臣の協議にはラトニック商務長官も参加したと承知しております。
 一連の関税措置には、ラトニック商務長官を含め様々な閣僚が引き続き関与してきたものと承知しておりますが、今後の米国側の協議体制について予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきます。
 加えまして、なぜラトニック商務長官が同席されたのかという具体的な理由については承知しておりません。
〇岡田委員〇 まず、大臣、相手が出てくるのなら大臣も出られるべきじゃないですか。
〇武藤国務大臣〇 今事務方からもお話ありましたように、今、日米交渉の米国側の担当閣僚というのはベッセントだということでトランプ大統領から、というか、トランプ大統領と石破総理が電話会談したときの話で出てきたというふうに承知をしています。
 そういう中で、赤澤大臣が今回行かれて、今の岡田委員のお話ですと、私も一緒に行ったらどうだというお話でございました。
 今もお話しのように、経産省としてその情報が入っていなかったというのもあるかもしれませんけれども、私どもはなかなか、岡田先生も外務大臣経験者ですから国会の方の了解というものが大変大事なこともよく御承知だと思います。
 私も、電話会談をしたり、ある意味でラトニックとはずっと続けていますので、今回、赤澤大臣が行ってベッセントと話して、グリアも一応認められて、ライトハイザーの補佐をやっておられた方ですからよく御存じの方というふうに思いますけれども、そこにラトニックが出てきたとかいう話は全く、正直言って、事後で、あれという感じで私自身は見ましたので。
 今後、これは赤澤さんを中心に、我々としても政府としてまとまってやっていかなきゃいけない話ですので、引き続きサポート体制をしっかりしながら頑張っていきたいというふうに思っております。
〇岡田委員〇 一対三で交渉するというのは、まともな交渉にならないと思うんですね。
 この閣僚交渉、事務方が発言する機会は限られていると思いますから、そうすると、赤澤さんはずっと協議しなきゃいけない。相手は入れ替わり立ち替わり、その間いろいろなことを考えて。しかも、たちが悪いのは、ベッセント財務長官とラトニック商務長官は考え方がかなり違う。そういう中で交渉させるのは、ちょっと赤澤さんにも気の毒だと思うし、非常に国益を損ねると私は思うんですよ。
 やはり、まず、体制をどうするかということを日米できちっと話をして、一対一なら一対一。前回は、茂木さん、そしてライトハイザーさん、一対一だったんですね。一対一なら一対一、向こうがどうしても三人出すというなら、こちらも三人出す。そういう公平な協議ができる体制を整えないと、まあ一回目は何となくうまくいったという御認識かもしれませんが、これはとんでもないことになると思いますよ。
 それを、なぜラトニック商務長官が加わったのかも分からないし、これからどうなるかも分からないだろうということは、私は日本政府としてあってはならない態度だと思いますが、いかがですか。
〇武藤国務大臣〇 さっきも申し上げたとおり、石破総理とトランプ大統領の間の電話会談でこれが決まり、今回行かれて、今、一対三という形での閣議の懇談が、懇談というか協議が開かれたということです。
 委員おっしゃられるとおり、一対三でそんな充実した話ができるかというのも、私も、外務副大臣もやりましたから、もっともな話だということはよく分かります。
 そういう形で、向こうとの協議の中で今回出てきた課題というものを、今回決まったことはもう御承知だと思いますけれども、今月中にもう一度閣僚会議をやるという話がありました。その内容は私は分かりませんけれども、今回の関税対策として、またグループとして、官邸の中の会議に入りますので、そういうものの中ではそういうことも申し上げながら、じゃ、三対三がいいのかどうかというところもありますけれども、しっかりとそれは、我々としても、数で負けないように、中身の話だと思っていますので、是非またそういう意味でも、チームを始め、今後の協議に向けて連携体制をつくっていきたいというふうに思っています。
〇岡田委員〇 これは、ですから、次回の閣僚会議までに日米間でよく話をして、公平な交渉ができる体制を整えることがマストだというふうに私は思います。そのことをまず求めておきたいというふうに思います。
 それから、閣僚レベルに加えて、事務レベルの協議も並行して行っていくということが確認されたと思いますが、事務の官房副長官をヘッドとする事務局が四月十一日にできた、その後、補強もしたということは承知していますが、日本側の事務レベルの首席交渉官は誰なんですか。
〇桐山政府参考人〇 お答え申し上げます。
 日本側の体制でございますけれども、まず、現状といたしましては、今般の協議で一致しましたとおり、次回の閣僚レベルの協議を今月中に実施すべく日程調整するとともに、閣僚レベルに加えて事務レベルの協議も継続していくということとしております。
 その上で、協議の体制も含めまして、それ以上の今後の進め方につきましては、何が最も効果的なのかということを考えまして、鋭意検討してまいりたいというふうに考えてございます。
〇岡田委員〇 非常に遅いと思うんですよね。次の閣僚会議までに事務方ですり合わせできるものはすり合わせしてこなきゃいけない。
 為替については、財務長官と財務大臣でやる、別ルートでやるということは決まっているようですが、例えば安全保障の問題をどう扱うのか。石破総理の話を聞いていると、これは別だというふうに、そういうお気持ちのようですが、アメリカ側はどう考えているのか。そういうことを、次の閣僚会議で、それまで調整なく、いきなりぶつけ合うんですか。それはそうじゃないでしょう。その前にやはり事務方ですり合わせするという作業が必要なはずですよ。そのときに首席調整官も決まっていなくて、一体どういう形でやるんですか、これは。
〇桐山政府参考人〇 お答え申し上げます。
 事務レベルでも協議は続けてございますけれども、それ以上の詳しいことにつきましては、現時点では申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
〇岡田委員〇 前回のときは、梅本さんが首席調整官で、渋谷さんが全体の調整をやられたというふうに理解をしておりますが、やはり事務方の体制は大事ですよね。一つあるのは、恐らくアメリカ側も整っていないので、こちらもなかなか体制が決めにくいというのはあるかもしれませんが、それにしても、首席交渉官ぐらいは、ヘッドぐらいは決まっていないと、統一的な交渉にならないというふうに思います。
 ここは、どうしてそうなっているのかがちょっと理解に苦しむんですが、大臣も重要なメンバーですから、総理とも御相談いただいて、早急に体制を整えていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
〇武藤国務大臣〇 官邸側の方の担当が誰かという話はお伝えしておきます。
 経産省としては、誰とは言いませんけれども、もうヘッドというか担当は決まっていますので、通商局長なり、みんなそれぞれ夜中を徹して頑張っておりますので、そういう意味で、官邸のいわゆる司令塔というものがどうなるかというところの中で、岡田委員の意見もお話をしていきたいと思います。
〇岡田委員〇 事務局長は事務の官房副長官ということで決まっていますので、従来なら副長官補がなられるんだろうと思いますが、適任者もいると思いますが、なぜそれを早く決めないのか、私はちょっと不思議な感じがいたします。
 次に、具体的な関税交渉についての基本的考え方について確認したいと思いますが、大体三つぐらいのカテゴリーがあるというふうに思うんですね。鉄、アルミ、自動車・自動車部品、それから相互関税。それに半導体というのが加わるのかもしれませんけれども。
 鉄、アルミについては、基本的に、ずっと鉄については二五%かかってきたわけですね、従来から。アルミは一〇でした。今回アルミも二五になるという話と、それから、鉄について例外措置がいろいろ認められていたのが一旦チャラになっちゃうという状況かと思います。
 日本政府は、二五がかかってきたときに、日米貿易協定を締結するときに、あえてこのことは取り上げずに、ある意味では是認してきたわけですね。それは、例外がいろいろ認められるからだ。日本の鉄でないと対応できない、例えば超ハイテンとか、そういうものはアメリカのメーカーも欲しい。そういう中で、例外をどんどんつくってきて、事実上差し障りの少ないようにしてきたというのが今までの歴史じゃないかと思うんですが、基本的に今後もそういう考え方でいくのかどうか。私はそちらの方が賢明だと思うんですが、いかがでしょうか。
〇武藤国務大臣〇 鉄、アルミということに限りまして、今委員おっしゃられるように、ハイテンとか、要するにアメリカでは作れないものが日本から今出ているということで、数量的にも、全体の五%か、たしか六%か七%ぐらいだと思っております。
 そういう中で、引き続きこれは赤澤さんを中心にこれからまとめていかなきゃいけませんけれども、内容については、交渉方針について予断を与えることはできませんので申し上げられませんけれども、基本的には、鉄、アルミ、これは、そういう形の中で向こうの物価がどんどん上がっていっちゃうだろうなということは考えておりますけれども、現実的には、というよりは、やはり相互関税ですとか自動車の方が相当ウェートが高いというのは今も当然予測しているところであります。
〇岡田委員〇 そこで、相互関税なんですが、これはある意味ではとんでもないやり方だというふうに思うんですね。WTOで相殺関税というのは認められていますが、これは、補助金に対して、それに対抗する措置として決められているのであって、そういうものとは全く次元の異なるもの。
 全世界一律に、あるいは貿易赤字に応じて、それに上乗せしてかけるというのは、自由貿易という考え方からすると全く相入れないもので、日本政府としては、当然、その考え方そのものに、それは間違っているということを述べるべきだと思いますが、いかがですか。
〇武藤国務大臣〇 そういう意味では、日本としても自由貿易を標榜しながら今までも来て、そしてアメリカも含めて世界が戦後の自由貿易を引き継いできたという歴史の中でいうと、当然、先生がおっしゃられるように、これは世界に対しての悪いメッセージになるということも私は申し上げてきましたし、そういう意味の中では委員のおっしゃるとおりだと思っています。
〇岡田委員〇 ただ、もうちょっと大きな観点から見ると、石破総理はお互いが利益があるというような言い方もされていますが、利益というと非常に短期的なものだというふうにも、交渉に当たってお互いの利益が増えるように考えるというよりは、もう少し大局的な観点に立って、やはり、日本にとっては強いアメリカが必要なんだと。それは、安全保障の面でもそうだし、それから世界の経済という意味でも、今の方向は間違っているけれども、製造業も含めて競争力を持った強いアメリカというのは日本にとって不可欠なんだ、そういう認識に立って、日本として支援するところは支援していく、譲歩するところは譲歩するというのが交渉の大きなフレームワークだと私は思うんですが、大臣の認識はいかがですか。
〇武藤国務大臣〇 私が商務長官に会ったときはそのような話をずっとしていました。これは正直申し上げてアメリカにとってもプラスになりません、そういうものを申し上げながら、私は、商務長官とはそういう関係をしてきました。
 今回は、要するに、赤澤大臣が行かれたときにも大統領が突然出てこられたような形になっていますけれども、そういうことですので、アメリカの今の政治の決め方というものの中ではなかなか、正直言って難しいところもあろうかと思うのが今の状況です。
 これ以上は、赤澤大臣が中心になっていますので私の今の権限外になりますけれども、いわゆる通商関係ではそういうような話をずっとしてきています。
〇岡田委員〇 このままアメリカがどんどん衰退していくということになると、世界の構造が変わるわけですから、代わりにどこが出てくるかということは申し上げませんが、やはり、五年、十年、あるいはその先を見たときに、強いアメリカというものがないと日本としても困るということはきちんと伝えて、認識を共有化して、その上で日本としてできることをやっていくということだと思います。
 総理とトランプ大統領の間で、自由で開かれたインド太平洋の実現ということも、最初に直接お会いになったときに確認されたと思いますが、そういう観点から見ると、今回の相互関税で、ベトナムが四六%、タイが三六%、インドネシアが三二%と。こんなことをしていたら、自由で開かれたインド太平洋の実現ではない、むしろそこにピンポイントで攻撃しているみたいな、そういう印象ですね。中国の習近平国家主席は東南アジアを回ったということで、非常に私は懸念するんです。
 自由で開かれたインド太平洋がいかに重要かということをトランプ大統領が認識されているとすると、今やっていることはそれには全く真逆ですよということの認識も伝えないといけないと思うんですが、いかがですか。
〇武藤国務大臣〇 ここも、商務長官とはそういう話も私はしてきました。なおかつ、国会でお許しいただいたようですけれども、ゴールデンウィークは、私としてはタイとマレーシアに行ってきます。
 習近平が今回いろいろなところを、アジア歴訪をされていますので、先生おっしゃられるとおり、いわゆる日・インド太平洋、この貿易を守るという、通商というか平和を守るというところでは、まさにそういう意味でも、いわゆるエネルギー、通商関係としては一生懸命やっていきますけれども、じゃ、トランプ大統領にこの話を申せるかどうかというのは、直接お会いするのは総理か赤澤大臣ですから、そういう意味でいうと、次回の協議の中でそれを向こうのベッセントなりにお伝えしていくという形になるんだろうと思います。
 私は私なりにそういうものを、また情報を、ASEANの国々に対して、押さえをしながら、そして、アメリカとの交渉の中にも、こういう形の話で、なるよということを、しっかり我々日本政府としてもアメリカ政府に物を申していかなきゃいけない一つの大きな要素だというふうに思っています。
〇岡田委員〇 それから、自動車関税ですが、私は、これは、相互関税とは切り離して、自動車関税の問題として議論した方がいいというふうに思うんですね。相殺関税と一緒になるということは、そこに、例えば、農産物の話であったり、あるいは、加えて安全保障の問題であったり、非関税障壁の話であったり、もちろん自動車に係る非関税障壁は別ですが、それらのものも含めて、非常に話が複雑になるので、そういう問題は相互関税の議論の中で一括して行うことにして、自動車は自動車として解決の道を議論すべきだというふうに私は思うわけです。
 とはいえ、自動車の関税の影響は、今既にもう二五で発効していますから、非常に大きいものがあるということで、これを最優先に交渉すべきだというふうに私は思うんですが、大臣の認識はいかがですか。
〇武藤国務大臣〇 自動車の関税について、さっきも申しましたとおり、これはまさに影響の大きいということが想定をされる。一方で、部品というものも、いよいよ五月の三日でしたかね、またかかるということですので、今は国内のサプライヤーとかいろいろなところの情報を聞きまくって、とにかく現実の直視をしようと思っているのが国内ですけれども、今先生おっしゃられるように、相互関税と自動車というのを分けて、自動車だけやったらどうかという話であります。
 私も、この前、ずっとこういうあれを見てきたわけです。現実、相互関税も課されて、二四のうちまだ一〇という形が残っていましたけれども。残念ですけれども、なかなか、向こうの政府と赤澤大臣の協議の中においても、これは、切り離されるというよりは、逆に、今先生おっしゃられたように、安全保障の話ですとか、あるいは為替の話ですとか、何かそういうものがいろいろと。
 ただ、私がやっていたときよりも、全体的な話として、一つ一つが何とかテーブルの、俎上に上がってきているようですので、そういうものもやはりしっかり協議をしながら、いろいろな選択肢がある中で、しっかりといわゆる日本の利益を、国益を守るというスタンスの中で、もちろん先生方にも御理解をいただきながら話を進めていかなきゃいけない話だと思いますけれども、そういう協議中の話だというふうに思っています。
〇岡田委員〇 そういうことをある程度整理するのが次回の閣僚級協議ではないかと思うんです。でも、いきなりぶっつけ本番でやったってどうなるか分かりませんから。やはり、そういう意味でも、事務方で詰めるものは詰めておかないといけない、そのためには首席交渉者が決まらないとできないんじゃないですかということを先ほど申し上げたところであります。
 自動車の関税が首尾よく短期間で決着すればいいですが、かなり続く可能性がありますよね。これは日本だけじゃないですからね、二五%というのは。そのときに一体何が起こるだろうか。
 リーマン・ショックのときを思い出すわけですが、リーマン・ショックのときも、日本は、金融は大丈夫だから余り関係ないだろう、そういう認識も最初あったと思いますが、結局、アメリカの消費がシュリンクして、車の輸出が滞って、結果として、自動車業界だけではないんですけれども、雇用の問題、派遣切りとか、それから外国人の方に飛行機まで出してお帰りいただくとか、そういうことが、非正規の雇い止めとか派遣村とかありましたよね。
 最悪、そういうことにもなり得る話なので、私は早めの対応をしなきゃいけないんじゃないかと。あのとき、失業率は、リーマン・ショック直前は三・六だったのが二年後には五・七、二ポイント以上上がっているんですね。そのことを繰り返さないために、私は、例えば輸出が一時滞るのであれば、国内における自動車の需要をつくり出すと。そのためのエコカー減税とかグリーン化特例とか、いろいろな制度が今ありますが、それを思い切って拡大して、車の買換えを進めるというようなことももう今から考えなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
〇武藤国務大臣〇 委員御指摘のとおり、リーマン・ショック直後の二〇〇九年ですけれども、日系自動車メーカーの国内における生産台数、前年比約三百六十万台減少する、自動車産業がこういう大きな影響を受けたわけです。
 今般の米国の関税措置は、国内産業に広く影響を及ぼす可能性があるものと承知をしています。経済産業省として、全国の相談窓口、先ほど申したとおり、プッシュ型で、今、相談を通じながら、影響の調査を進めてきているところであります。中間的な結果としては、直接的な影響はまだ多くはないけれども、将来の不安というものが非常に大きいということは、ここが、今、現時点でのポイントであります。
 さらに、自動車分野からは、おっしゃられるように、値上げをした場合に売上げが減少するリスクですとか、あるいは減産等による雇用問題が生じることを懸念をする声をいただいているところであります。
 いずれにしても、現場の声をしっかり踏まえて、実態に即した対策というものを用意するのは当然だと思います。頭の中は今いろいろと動いておりますので、また御指導いただければと思います。
〇岡田委員〇 最近までは駆け込みで造って輸出していたと思うんですね。それが恐らくぱたっと止まるという状態が、近々は起こるんじゃないか、あるいはもう起こっているかもしれないというふうに思うんですね。やはり、非常に裾野の広い産業ですし、働いている人は多いし、様々な働き方もあるし、私はタイミングを失することなく対応を考えていかなきゃいけないというふうに思います。
 当時、医療や介護や農林分野で雇用を創出するというようなことが試みられたんですね。うまくいったとは私は余り思いませんが。ただ、これから、こういう分野というのは今完全な人手不足ですから、そういう意味では、自動車産業の稼働率が落ちて、そこで余った労働力が、きちっと、そういう人手が不足している分野で安定的に働けるような仕組みというものを工夫していくことも政府の大事な役割じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇田中政府参考人〇 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、新しい分野へ展開していくことを我々としても支援していきたいと思っています。
 委員の御指摘であった医療とか介護そのものではございませんが、私、今月中に、いろいろなお話を聞く、自動車関係の企業のお話を聞く中で、例えば、半導体製造装置、医療機器、こういった分野に、既に、これまでの技術を生かして進出する、更にそれを拡大していきたいという思いを持った企業もございました。そういったところに対して伴走していきたいと思っております。
〇岡田委員〇 このトランプ関税、相互関税が果たして九十日後どうなっているかというのは誰も分からないと思うんです。ただ、トランプ大統領もあれだけずっと言ってきた話なので、例えば日本の二四がゼロになるとか、そういうことは非常に考えにくい。私は、全世界一〇というのは少なくとも残るだろうというふうに予想しているんですが、いずれにしても、そのことによって日本経済全体が大きな影響を受けるということだと思います。
 今の日本政府の経済政策の重点は、物価高への対応ということです。これが、ただ、三か月後、夏以降どうなるんだろうかと考えたときに、もちろん物価高は引き続き続いているかもしれません。
 しかし、物価高の要因である為替、円高傾向、それから国際商品市況、石油は既に下がり始めていると私は思っていますし、これから世界経済全体がシュリンクするという中で、それから、米中の中で、小麦とかトウモロコシだって値段が下がってしまう可能性があるということになると、夏以降の経済対策の中心は、物価もあるけれども、雇用がより大きくなるとか、あるいは経済の需要を増やす政策が大事になるとか、重点が変わってくる可能性があるというふうに思うんですが、大臣の認識はいかがですか。
〇武藤国務大臣〇 半年後というか、秋以降というのかな、そんな感じはあるんですけれども、一体、今四月で、これから五月、六月、七月、そして九、十、今年何が起きるかというのは、正直言って、大分不確実性が増している中で、委員おっしゃられるように、雇用の問題とか、物価は、若干こっちは下がるけれどもまだこっちは上がっているという感じの中で、我々としては、とにかく所得を、物価を上回る賃金というものを今年は何とか頑張っていきたいといって、経産省が一番メインでやっているわけです。
 そういう中で考えて、どうするかというところは、正直申し上げて、今のプッシュ型の調査、本当に、事務方も協力してもらって、いろいろな意見を今もらっています。ですから、先生方にもまた、いろいろな現場をよく回られている皆さんですから、そういうお声も国会の場を通じていただきながら、しっかりとした経済対策、これは雇用対策も含めて、しっかりとこれは組んでいかなきゃいけないということだろうと思います。
 いずれにしましても、米国にしてみれば、何か、七月十日でしたっけ、アメリカ独立記念日もありますし、また、トランプさんは七月十九日にアメリカのナショナルデーに行きたいとか、万博に来てみたいとかいうこともあるし、いろいろな、こういうことで振られるので、正直言って何が起きるか分かりませんけれども、いずれにしても、しっかりと対応させていただくように頑張りたいと思います。
〇岡田委員〇 今、野党を中心に消費税の減税の問題が取り上げられています。我が党も間もなく結論を出すということです。今の国民が直面している状況を考えれば、そういう議論が出るのは私は当然だと思います。ただ、さっき言ったみたいに、経済の前提そのものががらりと変わる可能性もあるということになると、やはり、そこに柔軟性を持っておかないと。実際に実施されるのは一月一日とか四月一日とかいうことに、そのときにはもう全然経済の状況は変わっているということだってあり得ますので、そういう意味では、秋以降、もう一回判断ができるような柔軟性というのは重要なことだというふうに思っております。
 私からは以上です。




TOP