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4/3 衆議院連合審査会質疑(能動的サイバー防御法案について)

4/3 衆議院内閣委、総務委、安全保障委、連合審査会

【日 時】2025年4月3日(木) 9:45~(40分間)
    
       見逃し配信はこちらから➾4/3 内閣・総務・安全保障連合審査会

【主な質問内容】
能動的サイバー防御法案について

  • 通信の秘密との関係
    1. 憲法21条2項と公共の福祉
    2. 電気通信事業法4条違反となる事例
    3. 機械的情報に限定、内々通信除外の規定の今後

  • 外務大臣協議
    1. 外交上の配慮とサイバー危害防止措置執行官

  • 通信防護措置
    1. シビリアンコントロールの観点からの国会の関与
    2. 国会における秘密保持

  • 国会との関係
    1. 通信防護措置と特定秘密
    2. 危害防止措置と特定秘密
    3. 情報監視審査会等の充実


議事録

〇岡田委員〇 まず、通信の秘密との関係について内閣法制局長官にお聞きしたいと思います。
 昨年の二月五日、当時の長官は衆議院予算委員会において、憲法二十一条二項に規定する通信の秘密は、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度において一定の制約に服すべき場合があるというふうに答弁されました。
 このこと自身は間違っていないというふうに思いますが、ただ、公共の福祉というのは非常に幅広い概念でありますし、必要やむを得ない限度というのもそうです。一定の制約というのはどういう制約かということもあります。
 ですから、一般論として分かるんですが、もう少し丁寧に、この昨年二月五日の法制局長官の答弁をもう一度述べていただきたいというふうに思います。
 特に、違法性阻却事由があるような場合は別にして、あくまで、公共の福祉の具体的内容とか、通信の秘密を最大限守るための適正手続、あるいは制約は最小限度というようなことが具体的に法律で定められた場合に限って、こういう制約が認められるというふうに私は考えておりますが、そういう考え方でいいかどうか確認したいと思います。
〇岩尾政府特別補佐人〇 憲法第二十一条第二項に規定する通信の秘密は、いわゆる自由権的、自然権的権利に属するものでありまして、最大限に尊重されなければならないものでありますが、通信の秘密についても、憲法第十二条、第十三条の規定からして、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度において一定の制約に服すべき場合があると考えている、これは委員御紹介されたとおりでございます。
 その上で、公共の福祉の観点から許される具体的な通信の秘密に対する制約の在り方は、制約を必要とする具体的な制度の内容に応じまして、制約の目的、制約により保護されるべき法益の内容や大きさ、それから通信の秘密に対する制約の内容、態様、手続等を総合的に考量して判断する必要があるものと考えておりまして、いずれにいたしましても、公共の福祉の観点から通信の秘密を制約しようとする場合には、制約の対象だとか手続等について法律で定める必要があるものと考えております。
〇岡田委員〇 政府の裁量によって、公共の福祉の中身とか一定の制約の中身とか、そういうものが判断されてはならない、あくまでも法律を根拠にして行わなければならないということが確認できたと思います。
 その上で、ちょっと話は変わりますが、数年前に、アメリカの政府機関によってドイツのメルケル首相の電話が盗聴されていたのではないかという話がございました。その真偽というのは、私、ここで判断する材料は持ち合わせないんですが、非常に驚いたわけであります。他国、主要国、しかも友好国、同盟国のトップまで盗聴しているという報道に対して非常に驚いた記憶がございます。
 それに関連して、我が国においても、政府の関係機関が法律の根拠に基づかずに国民の通話とかメール、あるいは検索履歴などを見たり聞いたりしているのではないか、そういう疑念が述べられることがあります。
 電気通信事業法四条は、「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。」というふうに書かれております。同様の規定は有線電気通信法にも電波法にもあります。そして、それに対する例外として、通信傍受法とか、そういう法律が規定されている。今回の法案もその一つになるんだろうというふうに思います。
 先ほどの法制局長官の答弁を踏まえても、勝手に国民の通話やメール、検索履歴を政府関係機関が把握しているということは、私は、それは法に触れることだし、あり得ないというふうに判断しますが、総務大臣の見解を聞きたいと思います。
〇村上国務大臣〇 岡田委員の御質問にお答えします。
 電気通信事業法第四条が規定する通信の秘密の保護は、憲法二十一条第二項の規定を受けまして、電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は侵してはならないとされております。
 委員の御指摘どおり、国家が通信の秘密を含む通信情報を確認することは、通信の当事者の有効な同意がある場合や、本法のように法令に基づく行為など違法性阻却事由が認められる場合を除き認められない、そういうふうに考えております。
 以上であります。
〇岡田委員〇 勝手に通話やメールの中身を政府が把握するということは、それは認められないという大臣の答弁だったと思います。
 それでは、ちょっと法案の中身に入っていきたいと思いますが、内内通信について大臣の答弁がございます。現時点ではその分析を行う必要は必ずしもない、将来的に分析対象が不十分となった場合には、その時点で必要な措置、措置に対する必要最小限の分析対象を検討するというふうに、我が党の質疑者に対する答弁をしておられます。
 もう少し違う言い方をされたこともあったとは思いますが、いずれにしても、大臣御自身も、やはり内内通信を簡単に認めるわけにはいかない、憲法の制約もあるんだということは強く認識されていてこういう答弁になっているんだと私は思うわけですが、一方で、サイバー攻撃に対する対応が求められる中で、将来的に内内通信との関係をどう考えたらいいのか。今の法律ではできないという前提で、将来的にどう考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
〇平国務大臣〇 ありがとうございます。
 いろいろな答弁をさせていただいたんですが、まず、この法律を作るたてつけとして、その前提となる立法事実として、サイバー攻撃関連通信の九九・四%が国外からだというデータを基にこの法律を作りましたので、基本、外外、その次に外内、その次に内外、ここを分析すれば事足りる。さらには、コミュニケーションの中身は必要ない、機械的情報で足りるというのが大前提であります。
 そもそも今回の法律のたてつけとして、目的は、基幹インフラの重要なサーバーを守るという目的の上で、機械的なそういう情報を分析をするというたてつけでやってまいりましたので、そもそも、内内を前提に法律も作っておりませんし、議論もしていないというのが現状であります。
 御党の委員から、内内をやらなくて本当に大丈夫なのかという……(岡田(克)委員「それはうちじゃない、維新です」と呼ぶ)維新でしたか、済みません、失礼いたしました。内内はどうするんだという度重なる質問をいただいたものですから、基本必要ないです、政府はそういう認識です、もし将来必要だとなれば、その時点で検討されるべきものだ、今回のこの法案の審議、質疑に当たっては、内内を議論するという乱暴な議論をするつもりは私自身ありません、そういう答弁をさせていただきました。
〇岡田委員〇 もう一つ、機械的情報というのもあるんですね。
 だから、機械的情報の定義は、法律上あるいは一部政令に委ねられて書いてあるというふうに理解していますが、メールの本文を分析しないと、まあ現時点では排除されているわけですが、将来的に技術が進歩して、機械的情報の分析だけでは対応できない事態というものも考えられないわけではない。そういう場合について、大臣、どういうふうに考えておられますか。
〇平国務大臣〇 今は、重要インフラを守るために、機械的情報の分析、いわゆるIPアドレスとか、コマンドとか、ソフトウェアとか、ポートの情報で事足りるというふうに思っています。
 メールも、コミュニケーションの本質に関わるところは見ませんが、その中に怪しいコマンドが入っていたら見るんですね。見るというか、検索するんです。検索はアルファベットとか文字列なので、文字列にヒットするものしか見ませんので、要は、拝啓何たらみたいなことは検索しませんので、コミュニケーションの本質の内容は見ません。ただ、メールの中に入っているコマンドのようなものは、検索をすれば結果として出てくる可能性があります。
 あと、将来的には、いわゆる秘密計算技術みたいな、秘密を守りながらアウトカムだけ取り出すという技術もあるので、もしかしたら、コミュニケーションの秘密を守りながら分析をする手法は、将来的には、技術的にはあるのかもしれません。
〇岡田委員〇 私は、技術の進歩は速いですから、いろいろなことが将来的には起こるかもしれないと。しかし一方で、通信の秘密というのは国民の基本的人権の最たるものの一つであります。したがって、内内通信を対象にするとか、あるいは機械的情報の範囲を変えるとか、そういう事態になったときに、当然、しかし一方で、サイバー攻撃を防がなければいけないということも国民の権利を守るために重要なことですから、やはり、もう一度そのときには法律のたてつけを議論し直すということが私は必要になるんだと思うんですね。
 例えば、第三者機関の権限とか、国会との関係とか、あるいは司法の関与、例えば犯罪捜査のための通信傍受に関する法律では裁判所の関与ということが入っています。どれがどうだということは今申し上げませんが、もう一回基本的な構造そのものに戻って考え直さなければならない事態ではないかと私は思うんですが、大臣の見解はいかがでしょうか。
〇平国務大臣〇 まず、内内は想定していませんが、将来内内も必要かもしれない、今は機械的情報の分析に限っていますが、コミュニケーションも見なければいけないときが来るかもしれないという御指摘だと思います。
 その際は、今回の法律のたてつけとは全く違いますので、まさに憲法のいわゆる制約の中で、公共の福祉と通信の秘密をどうバランスを取りながら法律を構築をしていくのかということになると思います。
 ですから、イメージとしては、別の法律をしっかりと憲法の制約の範囲内でどう作るかという議論が必要なんだろうと思います。
〇岡田委員〇 もう一点、ちょっと確認です。
 この法律、いろいろ御苦労されて現在の仕組みができている。私たちは、不満な部分もかなりありますけれども、一方で、よく努力されているということは認めたいというふうに思います。ただ、やはり通信の秘密という基本的な人権に関わる話ですので、この法律の運用に当たって、通信の秘密を始めとする国民の権利と自由を不当に害することがないようにする、そういう一般条項、大臣に言わせれば、それはあってもなくても一緒だと言われるかもしれませんが、だけれども、やはり運用に当たってそういう柱が一本立っているということは慎重な運用ということにつながりますので、そういうことが必要ではないか、必要であるというふうに考えておりますが、その点、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
〇平国務大臣〇 通信の秘密に対しては、当然最大限守られるべきものという認識をしっかり持った上で、目的も明確化をし、手続も明確化をし、いわゆる三条委員会でしっかり見ていただく、その上で国会報告もしていただくという前提の中で、通信の秘密に関しての最大限配慮をし、まさにこれは公共の福祉と両立をしているものと思います。
 実際書き込むべきではないかという御指摘でありますが、私がここで従来言っているように、憲法にも書いてありますし、憲法の下で合憲な法律を我々作っているつもりなので、政府の立場としては書く必要はないというふうに思っておりますが、今また法案修正に向けたいろいろな議論がされているというふうに承知をしておりますので、そういった議論を、我々はコメントする立場にありませんので、見守りたい、そのように思っております。
〇岡田委員〇 大臣、余りはっきり必要がないと言うと、規定を置いても意味がないことになりますから、政府の解釈として。やはりそれは、規定を置けばそれなりの意味があるというふうに私は思いますが、いかがですか。
〇平国務大臣〇 法体系全体として見ていただければという趣旨でお話をさせていただいております。念のため置くという法律の書き方は当然あるわけでありますので、そういった意味では、意味が全くないということはないとは思います。
〇岡田委員〇 他の法律でそういう趣旨の規定が入っている中で今回入っていないということになると、反対解釈という可能性もありますから、そういう意味でも、しっかりとしたそういう規定は必要だというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に参ります。
 総務大臣と法制局長官はここで結構ですので、お帰りください。
 昨日議論になりました外務大臣との協議の問題について。分かりやすく言うと、昨日の答弁、あるいは、文書で示すことになっておりますが、基本的な方針については、外務省設置法に基づいて、外務大臣が安全保障会議で意見を述べることができる、個別のアクセス・無害化措置については、それについて外務大臣協議があるんですが、その協議というのは、あくまでも違法かどうかという点での判断だ、政策的観点からの判断というのはしないんだというのが、基本的な政府がお示しされた見解だというふうに思います。
 外務省にちょっとお聞きしたいというふうに思いますが、アクセス・無害化措置に関して、外務大臣は外交上の配慮を安全保障会議などで言うということですが、具体的に、外交上の配慮というのはどういうものがあるんでしょうか。もちろん余り具体的過ぎるといけないと思いますが、一例、二例挙げていただきたいと思います。
〇中村政府参考人〇 お答えいたします。
 政策的な観点から、国家安全保障会議における審議等において、外務大臣が参画し、考慮する外交上の観点というのがどういう中身かという御質問かと理解いたしました。
 御推察いただけると思いますが、外交上の観点あるいは外交上の配慮というのは、問題となっている関係国あるいはそれを取り巻く状況などを踏まえて、個別具体で判断されるものでございます。という性格でございますので、大変恐縮ですが、今申し上げたこと以上に個別具体的に踏み込んで例示となりますと、なかなか難しいものがございます。
 ただいま申し上げたように、問題となる関係国及びそれを取り巻く事情、状況等を、まさに外交をつかさどる当局としての観点から考慮し、議論に参画するということでございます。
〇岡田委員〇 外務省の示された見解だと、個別のアクセス・無害化措置についてはそういう観点での判断はしない、協議を受けたときに。そういう理解をしておりますが、そうすると、個別のアクセス・無害化措置を発動するときに、そういった外交的な観点からの見解は誰が判断するんでしょうか。
〇斉田政府参考人〇 お答え申し上げます。
 政策的な観点につきましては、アクセス・無害化措置、これにつきましては、外交上の観点を含む様々な要素を考慮して実施されるべきものであるということでございます。これらを政府全体として検討するために、国外に所在するサーバー等への措置の実施に当たりましては、国家安全保障会議四大臣会合において速やかに議論し、対処方針を定めることとされております。その審議には外務大臣も参加し、主に外交政策上の観点から議論に参画するということにいたしております。
〇岡田委員〇 ちょっと私の質問に答えてもらっていないんだけれども。総論的には、そういう安全保障会議などで外務大臣も参加をして、そこで意見を述べて外交的な観点からも基準を作ると。具体的な基準については先ほど述べていただけなかったんですが。しかし、個別のアクセス・無害化措置については、そこは判断しないと。つまり、違法かどうかだけ判断するんだというのが外務省の答弁じゃないですか。だから、個別の具体的な無害化措置を行うときには、外務省は違法かどうかの判断だけして、ほかは関与しないということですね。
〇斉田政府参考人〇 お答え申し上げます。
 今回定められております外務大臣との協議でございますけれども、これにつきましては、あくまでもその措置が国際法上許容される範囲内のものかどうかのみを判断するということになります。
 政策的な観点につきましては、繰り返しになるところでございますけれども、国家安全保障会議四大臣会合の方で速やかに議論し、対処方針を定めるということに尽きるかと存じます。
〇岡田委員〇 何回同じ質問をしても同じ答えしか返ってこないんですが、政府の作った資料でも、サイバー攻撃の実態を踏まえて、アクセス・無害化についての総論的な意思決定は国家安全保障会議で行う、そこに外務大臣も入っていると。しかし、個別のアクセス・無害化措置について、警察、自衛隊の役割分担等を検討、決定した上で、内閣サイバー官が、国家安全保障局の次長を兼務しているということですが、そこで判断する、外務大臣には、それが国際法上問題があるかどうかを協議する、それ以上のことはしないということになると、個別のアクセス・無害化措置については、外交上どうかという判断は外務省はしないことになっているんじゃないですか。それが昨日の答弁じゃないですか。いかがですか。
〇中村政府参考人〇 先ほどの答弁を補足してお答えさせていただきます。
 アクセス・無害化措置の関係でございますが、アクセス・無害化措置を我が国が国外に所在するサーバー等に対して実施するに当たりましては、国家安全保障会議四大臣会合で速やかに議論し、対処方針等を定めるということとなっております。つまり、国外に所在するサーバー等にアクセス・無害化措置をこれからやるかどうかという判断をするに当たっては、このNSC四大臣会合で議論するとなっている。
 ここで、先ほど御答弁申し上げたとおり、政策的な観点からの審議というのが行われまして、外務大臣、外務省につきましては、その所掌事務に従って、外交上の観点を含みます外交政策上の観点から議論に参画するということでございます。なので、政策的な観点からいえば、この段階で外交上の観点というのは考慮される。
 その上で、今回の改正法に基づきます協議が行われますが、この協議の段階では、国際法上許容されている範囲で措置が行われるかという観点から、外務省はその協議に応ずるということになります。
〇岡田委員〇 それじゃ、確認しますけれども、この国家安全保障会議で対処方針を決めるというのは、一般的な対処方針、あるいは、特定の国についてこうするとか、そういう対処方針ではなくて、個別のアクセス・無害化措置を講じるかどうかということについても国家安全保障会議で対処方針を決めるということですか。
〇小柳政府参考人〇 お答えを申し上げます。
 国家安全保障会議は、国家安全保障会議設置法に基づいて所掌事務が決められておりまして、その範囲内での議論をすることになるわけでございますけれども、基本的には、説明資料等で示してございますとおり、総論的な方針ということを考えてございます。
 しかしながら、個別の事案においても、大きな国家安全保障に関わるような事項が出てまいりましたら、それは議論の対象となるというふうに考えますし、もとより、個別の外国に対するアクセス・無害化の判断に関しましては、内閣官房が総合調整の機能を担っておりまして、その総合調整の機能の下で、情報を共有して、必要なときには外務省にもその情報が行って、外務省で外交的な政策に係る御判断もなされるということになるんだろうなというふうに考えてございます。
〇岡田委員〇 総合的なというのは非常に便利な言葉ですが、外務省設置法では、日本国の安全保障に係る外交政策に関すること、これは外務省の専管事項だと思うんですね。それが個別のサイバー攻撃に対する措置について適用されない、安全保障会議に戻らないとできないというのは、それで本当に外務省はいいんですか。
〇斉田政府参考人〇 お答え申し上げます。
 外務省といたしましては、今先生の方からございましたけれども、国際法の解釈、実施、これに加えまして、我が国の安全保障、これに係る外交政策を所掌する、そういう立場から、アクセス・無害化措置の実施に当たっても、外務大臣が果たす役割を補佐すべく、平素から関係省庁と様々なやり取りを行っていきたいというふうに考えております。
〇岡田委員〇 ですから、平素からになっちゃうんですね。具体的な場合にはどうなのかということを私は聞いているわけです。
 何でこんなことを申し上げるかというと、そういう個別のアクセス・無害化措置というときに、やはりタイミングの問題とかがすごく重要になってくるわけですね。ちょっと昔の話をさせていただくと、尖閣の国有化の話がありました。野田政権のときの判断であります。私は官邸におりましたので直接は関与しておりませんが、間接的には見聞きはしておりました。あのときに、国有化をいつやるのか、胡錦濤体制が続いている間にやるべきなのか、新しい習近平体制になってからやるべきなのかということは、私の判断ですが、当然議論になったはずだと思っているわけですね。
 結果的には、今まで説明を尽くしてきたと日本側は理解していましたので、胡錦濤体制の中で決めた方がいいという判断を私はしたんだと思うんですが、それほどぎりぎりのところで、タイミングをどうするか、そういう話はやはり外務省が関与していないと、基本方針のところで入っていますから、国家安全保障会議のメンバーですからと、そういうことでは通用しないんじゃないかと私は思うんです。
 せっかく協議するという規定があるのなら、違法性がどうかだけじゃなくて、そういうことも含めて、設置法に基づいてやはり協議を受けるべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
〇小柳政府参考人〇 ちょっと、やや繰り返し的になりますが御説明をいたしますと、内閣官房は、内閣の重要政策に関する総合調整の機能を持っておりまして、今般、内閣官房に内閣サイバー官が設置をされ、司令塔の役割を果たすこととされております。
 そうした中で、国家安全保障会議では総論的な方針等が決められて、必要に応じて、もし大きい事案が生じた場合には、多分、個別の事案についても審議されることがあるとは思いますが、基本的には、内閣官房で情報を集約して、必要な総合調整を行いつつ、関係省庁に情報を共有をいたします。
 その共有先として当然外務省も含まれるということでありますので、情報共有を受けた外務省におきまして、政策的な検討というのは当然、個別の案件についてもなされていくという形になるというふうに考えてございます。
〇岡田委員〇 非常に重要なタイミングの問題などについて、外務省が、協議は受けるんですよ、だけれども判断できないというのは、私は、非常におかしなことだし、それから、法律にそもそもそんなことは書いていないのに、答弁でおっしゃっているだけですよね。具体的に法律で、協議を受けるときに何の協議を受けるのかというのをちゃんと書いた方が私はいいと思うし、そこに外交的視点からの判断というのは当然含めるべきだというふうに考えますが、いかがですか。
〇中村政府参考人〇 お答えいたします。
 国家安全保障会議におけます総論的な方針の決定、あるいは、重大な個別の事案が生起し得る場合に開催され得る国家安全保障会議において、先ほどの、外務大臣の審議への参加という形で外交上の観点が考慮されるということは、御答弁があったとおりでございます。
 もちろん、これに加えまして、外務省は、平素から、国際法の解釈、実施、あるいは我が国の安全保障に係る外交政策、これらを所掌する立場から、アクセス・無害化措置の実施に当たりましては、当然、外務大臣が果たす役割がございますので、そういう外務大臣の果たす役割を補佐する組織といたしまして、平素から関係省庁と様々なやり取りを行っております。そうしたやり取りの中で、当然、議員御指摘の観点も考慮し、審議して、外務省として外務省の所管の範囲内で対応していくということになります。
〇岡田委員〇 個別のアクセス・無害化措置における国家安全保障会議の役割というものをきちんと整理して委員会に示していただきたいと思いますので、委員長、よろしくお願いします。
〇遠藤委員長〇 理事会で協議いたします。
〇岡田委員〇 じゃ、次に行きます。
 通信防護措置について、内閣総理大臣が自衛隊に対して命ずるということになっていますが、内閣総理大臣がこういう自衛隊法で直接発するケースというのは、私の理解で四つ、防衛出動、それから治安出動が二つ、二類型、それから警護出動ということだと思うんですね。このうちの防衛出動と、それから治安出動の七十八条に関して、国会の承認ということが義務づけられています。もう一つ言うと、弾道ミサイル破壊措置、八十二条の三、ここにおいても、これは発動するのは総理じゃなくて防衛大臣で、総理の承認が要るということですが、国会に対して結果報告を速やかに行わなければならないということになっています。
 そういうこととのバランスから考えて、この法律で通信防護措置を内閣総理大臣の命令によって講じたときに、国会がそれについて関与しないというのは、私は、事前の承認というのは非現実的な部分もあると思いますので、少なくともミサイル破壊措置と同様な、速やかな結果報告というものを法文で書くべきじゃないかと思うんですが、防衛大臣、いかがですか。
〇中谷国務大臣〇 自衛隊の通信防護措置というのは、治安出動等が発令されるような状況、すなわち一般の警察力では治安を維持することができないような事態に発令されるものではありません。そのために認められている権限や措置の影響は警察が実施するものと同等でありまして、警職法第六条の二に基づく措置は行使するものの、武器使用などは認められておりません。このような観点から、国民の権利義務に与える影響というのは限定的であるということであります。
 さらに、措置の実施後の国会報告につきましては、当該措置の内容を明らかにするということは、当該措置を受けた攻撃者が自衛隊による措置であるということを認知をし対策を講じるなど、結果的に攻撃者を利することにつながるおそれがあります。サイバー攻撃から国家国民を守るという今般の法整備の趣旨を踏まえますと、実効性の確保というのは重要であります。
 したがって、通信防護措置による国民の権利義務に与える影響及び措置の実効性の確保という観点から、通信防護措置の終了後に一律に国会報告を行うことは法定する必要はなくて、また適切でないと考えておりまして、このような考え方を前提としつつ、通信防護措置の実施に当たりましては、内閣総理大臣の命令に基づき、防衛大臣による指揮を受けるということを法定をしておりますので、この観点から、シビリアンコントロールの観点からも適切な措置が確保されているというふうに考えております。
〇岡田委員〇 警察がやる場合と自衛隊がやる場合で同じだみたいな御議論だったですが、これは明らかに違いますよね、要件も全然違うわけですから。
 そして、国家国民の安全を著しく損なう事態が生ずるおそれが大きい場合に自衛隊が行動するということになっているわけで、別に国民の権利義務に関係ないみたいな話というのは全く事実誤認だというふうに思いますが、いかがですか。
〇中谷国務大臣〇 治安出動というのは、一般の警察力では治安を維持することができないような状態に発令されるものでありまして、これは警察と一緒に活動するわけでございます。そのために認められている権限、措置の影響は、警察が実施するものと同等でございます。また、警職法の準用に基づく権限は行使するものの、武器の使用、これは認められておりませんので、このような観点から、国民の権利義務に与える影響は限定的であるということであります。
〇岡田委員〇 でも、やり方を間違えたら、相手は武力攻撃だというふうに認定して、エスカレートする可能性もありますよね。だから、そこはしっかりとシビリアンコントロールで本当は私は見るべきだと思いますよ。
 それから、さっき言われた、手のうちをさらすことになるとか、そういう議論というのは、私は全く理解に苦しむんです。つまり、行政官は秘密を守れるけれども、国会議員は守れないと言っているようなものじゃないですか。だけれども、国会にもいろいろな仕組みがありますよね、秘密会とか。秘密会だって、よりそれを限定するやり方とか、それは国会の中で議論すればいろいろなバリエーションは考えられるはずです。
 だから、国会でやるとばれちゃうから、それは手のうちをさらすことになってよくないとかいうような答弁というのは、大臣、取り消した方がいいと思いますが、いかがですか。
〇平国務大臣〇 アクセス・無害化措置を自衛隊が行ったときに事後に逐一報告をということで、手のうちをばらすというような議論は何かよく分からぬ、理解できぬという御指摘だと思いますが、一連のボットネットとハッカー集団がいて、これはすごい長い戦いをしていかなきゃいけないんですね。
 一回ミサイルが飛んできて、それに対する、ミサイルで迎撃をするというのと若干ちょっと趣が違っていて、逐一やると、我々が把握をする能力であったり対処する能力であったり、そもそも日本の自衛隊がこの無害化措置をやったんだというのを敵に知らしめることになります。あと、同盟国、同志国と連携をしてハッカー集団と対峙をしているときに、外国の政府にも迷惑をかけることになりかねないので、逐一報告というのは、多分サイバーセキュリティーの世界ではなかなか難しいんだろうというふうに思っています。
 その上で、質問の、秘密会があるとか、ほかの方法があるのではないかということでありますので、どこに報告するかは国会の方で決めていただければと思います。
 ただ、一方で、そういった手のうちを攻撃者にさらしてしまうようなことはやはり慎重に検討しなければいけないんだろうと思っています。
〇岡田委員〇 自衛隊のアクセス・無害化措置も期限を切って行われるものですね。だから、その期限が切れたところで報告を求めるということで、逐一なんて言っていないですよ。非常にここのところが私は納得がいかないわけで。
 もちろん、これはこの話だけではなくて、国会と行政、その役割をどう考えていくのか、国会の行政に対するチェック機能というものをどう考えるべきなのか、そういう大きな議論の中で行われる話だとは思いますが、例えば情監審をつくりました、でも、情監審のできることは、非常に手足を縛られています。本当にそれでいいのか。私は、衆議院において野党が多数を取った現状、いや、与党の皆さんも本当にそれでいいのかと思っておられる方は多いと思いますよ。やはり国会と行政の役割をもう一度しっかりと見直していく必要があるということは申し上げておきたいと思います。
 時間が来ましたから、この辺にします。




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