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レムデシビル承認―適正手続きが大切

安倍総理は、5月4日の記者会見で、米国政府が5月1日に緊急時の使用を許可したレムデシビルについて「速やかに承認手続きを進める」と発言。加藤厚労大臣もテレビ番組で7日にも承認するつもりだと発言しました。
 重症の患者さんに対して有効とされるレムデシビル、私も早急な承認がなされることを願っています。しかし、安倍総理や承認権限のある厚労大臣の承認ありきと受け取られかねない、前のめり発言には違和感を持っています。
 新薬の有効性や安全性について判断するにあたり専門家の意見は極めて重要です。今回適用される特例承認手続きにおいても、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くことが法律上求められています。厚労大臣の発言もこの手続きを踏まえたものではあります。しかし、安倍総理や厚労大臣が承認することを前提にしたような発言をすれば、その承認手続きは実質的には空洞化することになりかねません。専門家の意見が、承認を前提としたものに自己規制されかねないのです。

アビガンについても同じ危険があります。安倍総理はアビガンについて何度も期待感を示し、発言してきました。4日の会見後の質疑でも「効果があるという成果があれば」との条件付きながら「月内の承認を目指していきたい」と発言しました。
総理として検討を急ぐよう厚労省に指示することは理解できますが、承認という結論を先取りするような発言は控えるべきです。専門家がそれを忖度せざるを得なくなり、有効性・安全性の確認がなおざりになるリスクが高まります。
専門家が有効性・安全性について、科学的な根拠に基づく見解を明らかにする。それを踏まえつつ政治家(承認権者は厚労大臣)が最終判断する。その際なぜそう判断したのか説明責任を尽くす。この適正プロセスを踏みながら可能な限り早く結論を出すことが大切だと思います。




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