安倍総理の施政方針演説─無責任な予算バラマキの羅列
国会が始まり、安倍総理の施政方針演説が行われました。
「平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか」
安倍総理は、何度も呼びかけました。しかし、国民に責任を果たすことを求めるのであれば、それ以前に、安倍総理自身がどのような責任を果たすのかをまず明らかにすることこそが、施政方針演説のはずです。
今回の演説の中では、「3歳から5歳までの全ての子どもたちの幼児教育の無償化」、「消費税増税分を全て還元する規模の十二分の対策」、「政権交代前の3倍を上回る土地改良予算」、「7兆円を投じる異次元の国土強靭化対策」など、予算の大盤振る舞いを強調したフレーズが続きます。参議院選挙を意識した予算バラマキです。
他方で、「2025年度のプライマリーバランス(PB)黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます」の一言で終わりです。PB黒字化を5年先送りしたことの反省や、どのように財政健全化を実現するかについて一言もなかったのは、残念なことです。
安倍総理は、来年度予算案における国の税収は62兆円を超え過去最高だ、これがアベノミクスによる成長の果実だ、と誇示しました。
確かに、バブル最盛期だった平成2年の税収を上回るものとなったことは事実です。しかし、国税収入はこの間、消費税収が平成2年の4.6兆円から19.4兆円(来年度予算案ベース)へと増加している以外は、法人税は税率引き下げなどにより18.4兆円から12.9兆円へ、所得税収も累進課税緩和などから26兆円から19.9兆円へと減少しているのです。アベノミクスの果実というのは事実に反します。
他方で、社会保障費は11.6兆円から34兆円へと20兆円以上増えているのです。その大半は赤字国債で賄ってきました。税収が過去最高だと都合のいいところを切り取って強調しても、現実は厳しいのです。
不都合な現実をどうするか、これからの日本の財政をいかにして持続可能にするか、そのことに安倍総理がどのような責任を果たすのかを明らかにしたうえで、国民にも責任を果たすことを求めるというのが筋道ではないかと思います。
