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2006.02.16|TALK-ABOUT [ブログ]

人口減少社会(再コメント)


子育て支援は所得にかかわりなく給付を受けられる手当で
専業主婦優遇から子ども・子育て優遇政策への転換を

先日の私のコメントに対し、基本的な問題についていくつかご意見をいただきましたので、再度コメントさせていただきます。

まず、なぜ控除ではなくて手当が適切なのかという問題です。子育てに対する直接的な経済的支援の手段としては、①所得控除、②税額控除、③手当の3種類があります。現在の扶養控除は①、児童手当は③に該当します。


所得控除は、課税対象となる所得を一定額差し引くものですが、課税率の高い高所得世帯(所得税で最高37%)ほど実際の減税額が大きくなり、課税率の低い低所得世帯(同10%)の減税額は小さくなります。

税額控除は、現在政府税制調査会などでも検討されている手段で、納税額そのものから一定額を差し引くものです。これは、課税所得の多寡にかかわらず同様に減税されますが、課税最低限未満で納税していない世帯にとっては経済的メリットが及びません。

手当は、すべての子育て世帯に現金を一律に給付するもので、課税所得の多寡にかかわらず同様の経済的支援を受けられるだけでなく、課税最低限未満で納税していない世帯も給付の対象となり、経済的メリットが及びます。

高所得世帯に手当は必要ないという批判もありますが、これは所得制限を設けて一定以上の所得のある世帯には支給しないようにするか、もしくは手当を課税対象に含めることで納税という形で還元してもらえば解消できる問題です。

若い夫婦などの低所得世帯ほど子育て費用の負担が重くのしかかかることを考えると、すべての子育て世帯に一律支給される手当が、経済的支援の方法として最も適切だと言えます。

次に、配偶者手当を廃止して子ども手当に振り替えることに対し、子どものいない世帯には不公平だという批判があります。

私も専業主婦の皆さんが果たしておられる役割はよく理解しているつもりです。しかし、配偶者控除は専業主婦のみを優遇する特典制度であり、働く女性や共働き世帯の立場から見れば不公平感が残ります。

また、配偶者控除は、配偶者の所得が一定水準以下であることが条件になっているため、パートタイマーの主婦があえて働く時間を抑えるなど、専業主婦自身にとっても中立的な制度ではありません。

配偶者控除の廃止によって制度の公平化・中立化を図るとともに、子どもを育てる世帯を応援する仕組みに変えることが必要です。

なお、現行制度(配偶者控除+扶養控除+児童手当)と子ども手当の経済的メリットを比較すると、例えば、年間給与収入が500万円の夫と専業主婦、16歳未満の子どもが2人という世帯の場合、子ども手当は現行制度より年間15万円程度の家計収入増となります。



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