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2018.11.26|国会会議録, pickup

平成30年11月2日 第197国会 予算委員会「社会保障制度改革と財政健全化、北方領土問題、北朝鮮問題」

■社会保障制度改革と財政健全化について

Ⅰ.全世代型社会保障改革
 給付と負担の見直しこそが改革の本丸。

Ⅱ.基礎的財政収支黒字化目標
 2020年度目標未達の反省・検証がなければ、2025年度PB黒字化の達成は危うい。

■外交の基本問題について

Ⅰ.北方領土をめぐる日露関係
 「新しいアプローチ」は行き詰まっており、交渉のリセットを。

Ⅱ.北朝鮮問題の非核化
 着実な非核化のためには、ロードマップの共有が不可欠。

( 要求大臣 総理大臣 )
     ――――◇―――――

○岡田委員 無所属の会の岡田克也です。
 端的にお聞きしますので、端的にお答えいただきたいと思います。
 まず、全世代型社会保障への改革であります。
 総理はこのことについて、内閣の最大のチャレンジだというふうに言われました。
 確かに、その中で述べられていること、例えば、六十五歳以上への継続雇用年齢の引上げとか、新卒一括採用の見直しとか、あるいは人生百年健康年齢に向けての対策としての糖尿病や認知症の予防など、私も、そういったことについて内閣を挙げて検討することには賛成です。ぜひいい議論をしていただきたいと思います。
 ただ、そういったことで本来の社会保障制度の持続可能性が維持できるのかというと、私にはそうは思われないわけですね。
 やはり改革の本丸は、給付と負担の見直し、ここから逃げては社会保障制度の持続可能性は確保できないと私は思っておりますが、総理の御見解を聞きたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 当然、給付する以上、負担が他方あるわけでありますから、少子高齢化の中においてしっかりといかにこのバランスをとっていくかということが大切であろう、こう思っております。
 しかし、その中で、同時に、平均寿命が延びていく、そして健康寿命も延ばしていく中において、それに対応した制度に変えていくことも重要だろう、こう思っております。

○岡田委員 給付と負担のバランスが現在とれていないということは、テレビをごらんの皆様に御説明するという意味で念のために申し上げたいと思いますが、まず、二十から六十四歳までの人口の急減はもう既に始まっています。二十五年間で千五百八十万人減る、二二%ぐらい減っていくということですから、これは、所得税や社会保障の担い手がそれだけ減っていくという極めて深刻な事態。
 あわせて、二〇二五年問題がある。つまり、団塊の世代と言われる戦後生まれの皆さんが七十五歳を超えていく。別に、年齢そのものに特段の意義があるわけではありませんが、しかし、実績を見ると、例えば医療費では、六十五歳から七十四歳の方の一人当たり医療費は、二〇一六年で五十五万円。それが、七十五歳以上になると九十一万円になる。国庫の負担は更に重くなる、こういう状況。
 これを乗り越えるために、やはり給付と負担のバランスを見直していくということは私は避けられないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 少子高齢化が急速に進む中、子供から若者、そして子育て世代、現役世代、高齢者まで、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するために、今後三年かけて改革を行っていきます。
 既に、未来投資会議において、七十歳までの就業機会の確保、あるいは中途採用、キャリア採用の拡大など、生涯現役社会時代の雇用制度改革に向けた検討を開始しております。
 ですから、できるだけ六十五歳を超えても担い手であり続けたいと思っている方々には働き続けることができる、そういう仕組みをつくっていく必要があるんだろうと思います。
 その中で、例えば、今、七十歳から年金をもらえますよという選択をすれば約四〇%年金がふえていくんですが、でも七十歳までなんですが、それより先にもふやしていくという選択肢もあるだろう。これは受給年齢を上げていくということではなくて、そういう選択ができるようにしていくという幅も広げていくということもやらなきゃいけない、こう考えておりまして、来年の夏までに実行計画を決定する考えでありまして、その上で、生涯現役社会を前提に、予防、健康へのインセンティブ措置を強化していくことも大変大切であります。
 年をとれば当然病気になりやすいわけでありますが、糖尿病等に対して予防のインセンティブを、これをもっと与えていくことによって、生活習慣病的なものについて、本人も含めて、医療体制も含めて、予防に力を入れていくことによって医療費を少し縮減していくことができないかどうかということもあるんだろう、こう思います。
 また、年金自体には既にマクロ経済スライドが入っている中において、そうした調整も行われているわけでありますが、こうしたシステム全般にわたる改革を進めていく中において、給付と負担のバランスについてもしっかりと検討していかなければならない、こう考えております。

○岡田委員 雇用制度の問題や予防の問題は、私、最初に申し上げて、評価するというふうに申し上げました。
 ただ、問題は、それで給付と負担の問題、アンバランスの問題がきちんと解決できるのかということを重ねて問うているわけです。今の総理の答えの中にはそれはありませんでした。
 しかし、二〇二五年に向かって、これから戦後生まれの、ベビーブームで生まれた皆さんが二〇二二年から七十五歳を超えていく、そのために、明らかに、給付が拡大することはもう間違いないわけです。
 それを乗り越えられる体制に今ありますか、私はないと思いますから、それを乗り越えられる体制をやはり真剣に議論しないと、そういうふうにおっしゃっているだけではそれは無理ですよということを私は申し上げているんですが、いかがですか。

○茂木国務大臣 今後の進め方について、まず私の方から、事実関係から申し上げます。
 総理が答弁させていただいたように、まず、これから一年、来年の夏までかけて、雇用形態も変わってきております、こういった中で、六十五歳を超えても働く意欲のある方、こういった方々が働けるような環境を整え、さらには、病気、介護についての予防、さまざまなインセンティブも含めてしっかりやっていく。
 その上で、こういった生涯現役社会を前提にして、今度は、年金については、支給年齢は変えません。一方で、受給について、今七十歳まで選べるのを、みずから更に選べるタイミングというのを広げることであったりとか、医療、年金全体、当然そこの中では給付と負担のバランスの問題もありますが、そういった問題について来年の夏以降しっかりと検討して、二〇二二年から団塊の世代が七十五歳になり始めます、その前にはしっかり検討を終える、こういったスケジュールで考えております。

○岡田委員 繰り返しの中身の説明はもう結構なんですが、では、給付と負担のバランスの問題について、どこで、どういうタイムスケジュールで議論されるんですか。総理。

○茂木国務大臣 まず、来年の夏までに生涯現役社会に向けての雇用であったり予防の検討をさせていただいて、そして、給付と負担も含めた年金、医療全体の問題、相当幅広い議論が必要でありまして、与党においても御議論いただくことになると思います。
 そして、政府においても、経済財政諮問会議を中心にしながらさまざまな議論を行いまして、これを、二年程度かけて議論をまとめていきたいと思っております。

○岡田委員 それでは私は間に合わないと思うんですね。
 つまり、参議院選挙後、議論が本格化するという話もありますが、議論するのに、これだけの大きな問題ですから、一年ぐらいかかるでしょう。そこからさまざま手続を経て法案化して、国会で議論して法律ができる。そのときには安倍内閣はもう終わっている可能性が高いわけですね。
 だから、私は、結局、給付と負担の本格的な見直しの話というのは、安倍内閣はそれを先送りするんじゃないか、もし本当にやる気があるのなら、具体的にどういう問題をどういうスケジュールで議論するかということを明確に言うべきだということを申し上げているわけですね。どうぞ。

○安倍内閣総理大臣 今、茂木大臣から説明をさせていただきましたのは、いわば三年で、これから三年でこの改革をやっていくということでございました。
 来年の夏まで、そして、それから二年かけてしっかりとこの給付と負担のバランスも含めましてお示しをしていくという改革をいわば三年集中で行っていくということになるわけでございまして、そういう意味で、私は、私の任期内でやるべきことを先に先送りするということではないということでございます。
 繰り返しになりますが、私が説明したこと、また茂木大臣から説明させていただいたことをしっかりやっていく上において、どういう社会になっていくか、どういう社会保障の姿になっていくかということを前提に給付と負担のバランスをとっていくということでございます。

○岡田委員 もし議論するということであれば、具体的にどういう問題を検討するのかということをしっかりと国民の前に示していただきたいというふうに思います。今は、先ほど総理が説明された以上のことはない。それは私は本質的な問題ではないというふうに申し上げているわけです。
 年金について言及されましたが、七十歳以降でも更に年金の受取を先に延ばせるということを言われました。これは、年金の会計上は中立ですから、それで年金が助かるとかそういうことは全くないわけですね。
 むしろ、年金であれば、マクロ経済スライドを適用していった結果、例えば国民年金、これは前提の置き方にもよりますが、場合によっては三割、四割減ってしまう可能性もある、最も厳しい厚生労働省の試算では。そういう状況の中で、では、そういう低年金者の方をいかにして最低生活が保障されるように手当てしていくか、そのための財源をどうするのか。
 例えば、六十五歳を更に六十八歳にするとか七十歳にするということの検討だって、私はそれがいいかどうかということは言いませんが、やはり検討すらしないのはおかしいと思いますよ。それから、所得税の年金控除だって、これは見直さないとその財源は出てこないんじゃないかと思います。
 そういうことも含めて、逃げずに正面から議論すべきだということを私は申し上げているわけです。

○安倍内閣総理大臣 先ほど私と茂木大臣から三年と申し上げましたのは、年金についても選択できるようにするということにするためにも、いわば雇用制度を改革をしていかないと、六十五歳以上において継続雇用が一般的にはならないわけでございますし、また、中途採用、六十五歳を超えて、そこでまた新たに別の企業等に採用してもらう上においても、中途採用、キャリア採用ということが拡大していかないといけないわけでございますし、報酬体系や評価の仕方等も確立をしていく必要がありますから、まず来年の夏までにこうしたことについて実行計画を決定し、その上において、生涯現役社会が前提となるわけでありますから、予防、健康へのインセンティブの強化の措置や、年金の受給開始年齢のタイミングを選択できるようにして、医療、年金も含めた社会保障全般にわたる改革を行っていく。
 そうした中において、こうした改革を行っていく中において給付と負担のバランスをとっていきますよということでありまして、それが二年ということでありまして、ですから、三年間で完成していこうということであります。
 マクロ経済スライドについては、我々、この安倍政権においても、このマクロ経済スライドについて、これはマクロ経済スライドそのものではございませんが、例えば、物価スライド等がマイナスになっている中において、それが実行されておりませんでしたが、安倍政権においては、このマイナス分もしっかりと実行させていただいたところでございまして、消費税を引き上げるタイミング等々とも重なって、大変な御負担をかけたわけでございますが、しかし、それはこの年金制度を持続可能にしていくものであります。
 そういうことはしっかりとやっていかなければならない、こういうことではないか、こう考えているところでございまして、そうしたことはしっかりと我々も議論をしていかなければならない、こう考えております。

○岡田委員 総理、どうも議論がかみ合わないんですが。
 例えば、年金について、私が申し上げているのは、七十歳以降に受給を先送りすることは、そんな人は大体、ほとんどいないんです、現状では。だって、六十五歳以降という人も一・二%しかいないんですから。ですから、世の中を変えて、周知徹底することでふえるかもしれませんが、そういう非常に恵まれた人の話ではなくて。
 マクロ経済スライドのことを言及されましたが、マクロ経済スライドは私は必要だと思いますが、しかし、それを機械的に低年金者の方にも適用していくと、最低生活すらできない人が続出するんじゃないか、そこに対しての手当てが必要だと言っているわけですね。そのための財源も探さなきゃいけない、そういうことを私は申し上げているので、議論がかみ合っていないと思うんですよね。

○安倍内閣総理大臣 それに対しては、例えば、来年、消費税を引き上げる際に、月五千円、年六万円の低年金者対策というものを消費税の引上げに伴い我々は実行していくことにしているわけでございまして、低年金者に対する対応もしっかりとやっていくわけでございますし、また、受給資格の期限についても、我々、短縮をしております。
 そうした対策もしっかりとやっているということも申し上げつつ、マクロ経済スライドについては、まさにこれは年金制度が持続可能となっていくために判断したところでございまして、これは随分前の改革でございますが、そうしたものもしっかりとその制度にのっとって実行していくことによってこの安定性が守られていくんだろう、こういうことでございます。

○岡田委員 月五千円の年金の支給は民主党政権で決めたことですが、それは、私は、第一歩にすぎない、年間六万円ではそれで終わりということにはならないわけで、そういう意味で申し上げているわけですね。
 では、次の話に行きます。
 総理、二〇二〇年度の基礎的財政収支黒字化が達成できなかったということについて、総理は、消費税率引上げ分の使い道の見直しにより、PB黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度PB黒字化は困難となると。これは、私を含めて何人もの議員に対してこういうお答えをされていますが、今でもこういうお答えを維持されますか。私は、これはフェークじゃないかと思いますよ。正しくないと思いますよ。
 総理の答弁ですから、総理、答えてください。総理が答えてください。

○安倍内閣総理大臣 安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもとで、財政健全化に大きな道筋をつけてまいりました。国、地方合わせた税収は二十四兆円増加をし、新規国債発行額は十一兆円減っているわけであります。
 今般、少子高齢化を克服するため、消費税率引上げ分の使い道を見直し、そして、子育て世代、子供たちに大胆に投資するとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当し、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度への転換を図ることとしたわけであります。
 これにより、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難と判断をしました。
 ただし、日本への国際的な信認を確保し、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たすため、財政健全化の旗は決しておろさずに、二〇二五年度プライマリーバランス黒字化、同時に、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。

○岡田委員 総理、時間稼ぎはやめて端的にお答えいただきたいんですが。
 要するに、政府の見通しでは、二〇二〇年度は、本当は二〇二〇年に黒字化するはずだったのが、八・九兆円の赤字になる。総理が今長々と言われたその消費税の使い道の見直し分では一・七兆円。では、残りの七・二兆円はどうなったんですか。そのことについて説明していないじゃないですか。
 総理、総理の今の答弁ですから、総理お答えください。総理は答える責任あるでしょう。何回も総理はこの答弁しているんですから。国民に対して正しいことを言っていないんですから。ちゃんと答えるべきでしょう、総理。それとも、うそを百回つけば本当になると思っているんですか、総理は。ちゃんと答えてください、総理。

○野田委員長 先に茂木大臣から数字についてお願いします。

○茂木国務大臣 まず、数字の話をさせていただきます。
 ことし三月に行いました中間評価では、二〇一八年度時点のPBについて、当初予想、これは二〇一五年七月の試算でありますから、これから変化をして、一つは、歳出改革の効果でPBは対GDP比でプラス〇・七%程度は改善したものの、一方で三つマイナス要因がありまして、一つは、世界経済の成長率の低下等によります影響がマイナスの〇・八%程度、そして、補正予算、何回か組ませていただきまして、これによる影響がマイナス〇・四%程度、そして、消費税率引上げ延期による影響が同マイナス〇・七%。こういった形で、実際に二〇一八年時点のPBについても当初から下回っている。
 その上に立って、今、総理の方からも答弁ありましたように、この消費税率引上げに伴います使い道、これを、五分の四、これを財政再建から半々にするといった形で、二〇二〇年の達成は困難になったということであります。

○岡田委員 時間稼ぎをありがとうございました。
 総理、やはりこれは本当のことをちゃんと説明しないと、こんな明らかなうそを堂々と国会答弁をされるというのは、私、本当に問題だと思いますよ。もうみんな国民はそれをわかっていますけれども。
 そのことだけ申し上げて、あとは午後にしたいと思います。

○野田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議

○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡田克也さん。

○岡田委員 総理、午前中の続きなんですが、ここに示したように、総理は何回も、私も含めて、国会で、消費税率引上げ分の使い道の見直しによって二〇二〇年度のPB黒字化は困難となると答弁されているんですね。でも、ここに書いたように、それはごくごく一部であって、八・九兆円の赤字の中でわずか一・七兆。残る七・二兆というのは、これはほかの理由による。いろんな理由があるんですけれども。
 ですから、この総理の言い方は正確ではないですね、場合によってはフェークと言われても仕方ないですねと。それを正すつもりはないですか、ちゃんと、国民に対して。(発言する者あり)理由を聞こうとしているんじゃないです。総理がみずからの発言について、これが事実と違っているんじゃないですか、それについてどう考えていますかということを総理に聞いているわけです。別に説明を聞いているわけじゃありませんから、必要ありません。
 委員長、私、中身を聞いているわけじゃないですから。総理に聞いているんですから。

○野田委員長 まず茂木大臣が。後、総理に。

○岡田委員 おかしいでしょう。説明はもう午前中にされたし、時間稼ぎをしないでもらいたい。

○野田委員長 では、簡潔に。

○茂木国務大臣 では、簡単に申し上げます。
 そちらでいう七・二兆円分について、なぜ違ったかという説明は午前中にさせていただきました。
 その上で、その数字については歳出改革を織り込んでいない自然体の状態でありまして、それから歳出改革をすることによって、その数字というのは縮まってまいります。ただ、それであっても、さらに一・七兆円、子供世代、子育て世代に大胆に投資をすることによって、二〇二〇年の黒字達成は難しくなったという話です。

○岡田委員 今の説明は全く説明になっていないんですが。もう既に二〇一八年度ですよ。これは二〇二〇年度の話をしているわけですから。
 総理、ちゃんと答えてください。

○安倍内閣総理大臣 ブレークダウンについては、午前中、まさに茂木大臣から説明をさせていただいた。ですから、それがまさに説明でございます。(発言する者あり)

○野田委員長 御静粛に。

○岡田委員 私は中身の説明を総理に求めているのではなくて、総理が消費税率引上げ分の使い道の見直しによって二〇二〇年度PB黒字化は困難となるとおっしゃっているから。中身の説明を求めているんじゃないです。総理の言っている説明が間違っているんじゃないですか、あるいはフェークじゃないですかということを言っているわけです。

○安倍内閣総理大臣 それがフェークではないということについては、その残りの分についての、いわば要因について説明をさせていただいたところでございますが、そこで、更に子供たちの世代、そして子育て世代に大胆に投資をしていくことによってこのPBの黒字化が困難になった、こういうことでございます。
 困難になる要素については、他の要素については、既に茂木大臣からブレークダウンについては御紹介をさせていただいたところでございます。

○岡田委員 総理は、そのさまざまな要因ということを全く言われずにひたすらこの答弁を繰り返してこられたから、私は、説明としてはおかしい、総理の発言としておかしいということを申し上げているわけです。いや、それはおかしくないと言うなら、それは総理の、そういうふうに思っておられるならいいですが、国民から見れば、これはだまされたというふうに感じられても仕方がないことだと私は思いますよ。私ならそういう説明はしませんよ。そのことは申し上げておきたいと思います。
 では、次に、この二〇一五年度から、一六年度から集中改革期間ということでやってこられたわけですが、実は、この間のPB赤字のGDP比というのは、ほとんど横ばい状態、一旦悪化して少し戻したけれども、マイナス二・九ということですから。ここも、なぜそうなったのかということの検証、先ほど茂木大臣も一部言われましたけれども、ここをきちんとした上で二〇二五年PB黒字化に向かってのしっかりとした中身を具体的に決めないと、単なる絵に描いた餅になりますよということを申し上げているわけです。
 特に、先ほど茂木大臣も言われたんですが、補正予算の話というのは、私は非常に大きいと思うんですね。
 当初の予算案は、歳出抑制、美しい形で、社会保障費やその他の一般歳出についても一定の限度に抑えている。しかし、補正でどかんとつけるということが、例えば防衛費とかあるいは公共事業費とかそういったもので目立つわけですね。個々にはいろんな必要性もあるでしょう。しかし、例えば公共事業費で見れば、大体、毎年毎年六兆円の当初予算。しかし、補正で六年間でつけたのは七兆円ですから。
 結局、入り口はきれいにしているけれども、出口はどんどんどんどん積み増している。結果として、PB赤字は減らない。こういうことを繰り返していたのでは、これはPB黒字化なんかできないわけですね。
 恐らく、一月の予定される補正でも公共事業費の積み増しは私は相当されるんだと思いますが、中には必要なものもあることは認めつつ、だけれども、やはりそういう発想じゃPB黒字化できないんですよ。総理、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 詳細については茂木大臣から答弁させますが、いずれにせよ、PB黒字化の目標については、もちろん、補正予算も入れた額についてPBを黒字化をしていくのは当然のことであろう、こう思いますが、補正予算の目的については、もう既に何回も申し上げているとおりでありまして、その時々の緊急な必要性において対応していくものでございます。
 また、防衛費につきましては、これは中期防衛力整備計画にのっとって長期的、中期的な計画でやっているものでございますが、しかし、緊急に必要となるものはその中でもある……(発言する者あり)

○野田委員長 御静粛に。

○安倍内閣総理大臣 済みません、答弁中ですから静かにちょっと聞いていただきたいと思います。
 いわば、防衛費においては、基本的にはその枠の中でやっているわけでございますが、緊急なものもあるわけでありますが、全体の大枠としては中期防の中で対応していくということでございます。(発言する者あり)

○野田委員長 御静粛に。

○岡田委員 必要なものをつけなければいけない、それはわかります。だけれども、やはりそこは選択と集中、そのかわりにどこを諦めるか、やめるかということがなければこれは意味がないわけですから、そこのところをしっかりとやっていただかないと、二〇二五年PB黒字化はまた絵に描いた餅だ。
 もう一つ、中間目標というのを今回出されましたね、二〇二一年度マイナス一・五%。これはかなり私は低いと思いますが、かつては二〇一八年度にマイナス一%にしていたわけですから、三年先送りして、さらに、マイナス一がマイナス一・五%程度。半減するということですね、二〇一七年度より。
 という、目標そのものは低いと思いますが、私は、総理の任期の間の目標としてこれで本当にいいのかと。つまり、次の総理は、ここがもし仮に実現したとしても、二〇二五年度PB黒字化に向かうことは非常に困難だと私は思うんですが、いかがですか。

○茂木国務大臣 まず、補正予算、確かに影響しているんですが、先ほど申し上げた〇・四%というのは大体マイナスの二・五兆円に当たる数字でありまして、それより大きな影響が出ているのが、やはり今、消費税の問題と世界経済全体の落ち込み、これがマイナスの〇・八%ですから、四・三兆円。
 今回、PB黒字化の目標年次、二〇二五年に置きましたのは、過去の経済実績それから足元のトレンド、これを踏まえて、現状で考えられる現実的な成長率に見直しした中長期試算、これを議論の土台としております。
 そして、二〇二五年に黒字化をするわけでありますが、ラインを引いて、二〇二一年、メルクマールとして、PBにつきましては一・五%、さらには債務残高の対GDP、これも一八〇%台の前半に下げていく。こういったメルクマールを設定し、しっかりと、そういったものもチェックをしながら、確実に達成をしていきたいと思っております。

○岡田委員 これは総理にお聞きしたいんですけれども、二〇二二年度以降、これは二一年度が中間目標なんですが、私は、二つの時限爆弾があると思っているんですよ。
 一つは、もちろん、最初にきょう述べた、二〇二一年度以降、戦後生まれの高齢者の皆さんが七十五歳を超えていく、二〇二五年問題が始まるということですね。これは歳出が大幅にふえる。
 もう一つは、金利の問題ですよ。総理も出口に一度言及されたことはあるんですけれども、いつまでも今のゼロ金利が続くわけではない、国際的にも金利の正常化に向かう中で、日本もどこかで出口を求めなきゃいけない。そうすると、やはり金利が上がれば、これはもちろんPB赤字の話ですから国債費とは関係ありませんけれども、だけれども、財政収支という点で見ると、一千兆円の借金、金利、これが重くのしかかってくるわけですね。
 そういう二つの時限爆弾を抱えている以上、やはりできるだけ総理の任期中に財政の健全化に向かって努力すべきだ、こういうことじゃありませんか、総理。

○安倍内閣総理大臣 できる限り、財政の健全化について、我々、努力はしておりますし、今後とも努力をしてまいります。
 その中で、例えば社会保障費については、この伸びについて、我々、大体この目安、五千億円という目安、伸びの目安について、今まで大体目標に達成をしているわけでございまして、こうしたことをしっかりと対応していくことが必要であろう、こう思っているところでございます。
 例えば、社会保障費についても、呉等のいい事例がございますので、これを全国に展開をしていくことによって医療費をより効率化していくことができる、こう思っております。これは、給付の質を落とすということではなくて、効率化を図っていく。給付の質を維持しつつ効率化を図っていくことは可能であろう、こう思っているところでございます。
 同時に、もちろん財政の健全化を図っていくことも大切でありますが、経済の成長というものもしっかりと維持をしていかなければならないわけでありまして、いわば経済成長と同時に物価安定目標を我々達成していく中において、金利というのは、景気がよくなり物価安定目標が達成されていく中において、これは通常、普通上がっていくわけでございますが、その中において、当然、それを上回る、経済が成長していくことによって、いわば財政健全化にマイナスの要因とならないようにしなければならないわけでございますから、そういう意味で、経済の腰を折らないということも非常に重要であろう。
 その中で、しっかりと経済を成長させつつ、我々、財政の健全化を図っていきたい。税収をふやしつつ、同時に無駄な歳出を削減していくということではないかと思っております。

○岡田委員 経済の成長が必要だということは、私も同じ意見です。しかし、経済成長すれば自然に財政が健全化されるわけではもちろんない。そのために政府の多大な努力が要る。その努力が足らないのではないかということを私は申し上げているわけです。
 先ほど言いましたように、総理の時代までは何とか中間目標が達成できるかもしれません。だけれども、その後、時限爆弾が二つある。それを乗り越えられる保証は全く私はないというふうに思っております。
 そのことを申し上げ、最後にちょっと外交問題、一言。
 総理、北方領土についての新しいアプローチ、ここに書いたとおりなんですけれども、未来志向の新しいアプローチをやりますとプーチン大統領と約束されました。
 その中で、特別な制度をつくると。特別な制度というのは、要するに、北方領土が日本の領土であるということを害しないような、もちろんロシア側も同じなんですけれども、そういう特別な制度。
 これの具体的検討はどこまで進んでいるんですか。もう二年たつので、少し国民に対しても説明すべきじゃないですか。

○安倍内閣総理大臣 なぜ新しいアプローチをしたかといえば、七十年間、残念ながら全く動いてこなかったのは事実でございます。もちろん、我々、法的な、歴史的な正当性というのはちゃんと主張しております。ただ、これは、主張する、議論するだけで七十年間来たのは事実であろう、こう思うわけでございまして、実際に進んでいないわけであります。
 なかなか、元島民の皆さんの墓参もいろいろな困難があったわけでありまして、高齢化する中において、航空機による墓参をしたいと言っても、これは認められてこなかったんです、ずっと。しかし、今回、我々、新しいアプローチをすることによって、例えば元島民の方々の航空機による特別墓参も、史上初めて、昨年と本年と二年連続で実現したわけでございまして、これは元島民の方々が特に望まれていたことであります。
 そして、共同経済活動についてでございますが、これまでに、現地調査団が二回、ビジネスミッションが一回、北方領土を訪問しました。これは六十年以上の交渉の歴史において初めてのことであります。調査結果を踏まえ、ロシア側と共同経済活動の前提となる特別な制度の検討についても議論が進められているところでございます。
 こうした形で、お互いの相互理解を進めていくということ、そして、今実際に四島に住んでいる、四島全部には住んでいないわけでありますが、四島に住んでいるロシア人の島民の人たちが帰属が変わるということに対する理解を進めていくことも極めて私は重要なんだろう、こう思っているところでございます。

○岡田委員 総理からは、特別な制度の中身についての御説明は全くなかったわけです。私は、これは全く検討が進んでいないんじゃないかというふうに思っているわけですね。
 一方で、ロシアは、この間、ここ数年、何をしているかというと、主権の既成事実化をどんどん進めている。

○野田委員長 岡田さんに申し上げます。
 質問時間は終了しております。

○岡田委員 大串さんと相談してやっていますから。
 主権の既成事実化はどんどん進んでいる。北方領土に対するロシア連邦やサハリン州の予算は拡大している、外国企業の投資も拡大している、色丹島には経済特区も設立された、地対艦ミサイルも配備された、演習もやっている。これは全部ここ数年で起こったことですね。
 だから、特別な制度だ、あるいは新しいアプローチだと言っているんだけれども、現実には既成事実化がどんどん進んでいるんだということを申し上げて、私の質問を終わります。




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