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岡田克也代表定例記者会見(8月18日)

岡田克也代表記者会見
2016年8月18日(木)14時00分~14時26分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○「安倍総理 米国の核先制不使用に反対」報道について
○SEALDsの解散について
○リオ五輪での日本代表選手の活躍について
■質疑
○「安倍総理 米国の核先制不使用に反対」報道について
○日本国憲法に関する米国副大統領発言について
○天皇陛下の「お気持ち」表明について
○衆議院補欠選挙について
○社会保障と税の一体改革について
○党員・サポーター数について
○党代表選挙について
○「新党も選択肢の一つ」小池都知事発言について
○総理の夏季休暇の過ごし方について
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■冒頭発言

○「安倍総理 米国の核先制不使用に反対」報道について

【代表】
 まず、アメリカのオバマ大統領が核の先制不使用について検討していると。それに対して日本国政府が反対の意向を示しているのではないかという報道があります。安倍総理がハリス米太平洋軍司令官に対して反対の意向を示したと、アメリカのメディアでは報じられています。この件について官房長官は、この総理の話ではなくて、日本国政府が反対論を述
べているということについて事実関係を否定しましたが、今回、安倍総理自身が反対しているという指摘です。
 私は、まず政府として、そういう事実があるのかどうかと。日本国政府として、あるいは安倍総理ご自身が、この先制不使用について何らかの見解を述べたという事実があるのかどうか。そして、あるとしたら、どういう意見を述べたのかということを明確にする責任があると思います。非常に重要な話で、言ったか言わないかもはっきりしない。アメリカのメディアでは報じられているが、官房長官は少なくとも日本国政府が何らかの働きかけをしていることすら否定しているという状況はおかしな事態だ。もちろんそういうことは総理としても政府としても全くないというのならば明確に言ってもらったらいいが、これだけ報道がされるということは、そういう何か働きかけがあるのではないかとも思われるわけです。国民に対して正直にどういう状況かということを述べる責任が、まず日本国政府にはあるということを申し上げておきたいと思います。
 核の先制不使用はさまざまな議論を呼ぶ話で、私が外務大臣の時にもいろいろ議論がありました。ただし、今回、オバマ大統領が広島に来られて、そういう中で「核なき世界」を目指してさらに努力するということを言われた。先制不使用の話が本当にオバマ政権の中で議論になっているかどうかすら私は承知しておりませんが、いずれにしろオバマ大統領が「核なき世界」に向かって一歩前に進めようということであれば、きちっとそれに対して協力していくというのが日本国政府のとるべき態度ではないか。そうでないと、大統領が広島に来られたことの意義を日本自身が潰してしまっていることになりかねない話だと思います。
 核先制不使用について、日本にとっての抑止力が減じられるという議論もあります。もちろん、今、日本国政府が働きかけをしているかどうかについてすら認めていない状況の中でこの問題に深入りすることは避けますが、少なくともアメリカ政府のとっている「消極的安全保障」、つまり核を持っていない国に対する核使用はしないということについては、
日本国政府は異論を述べていないはずです。例えば核を持っていない国が核兵器以外の大量破壊兵器で攻撃をしてきても、アメリカは核を使うことはしないと。核を持っていない国に対しては、核は使わないと。ここまでは来ている。
 そこで核を持っている国が核兵器以外の攻撃をしてきた時に、その中には核以外の大量破壊兵器も含まれますが、その時に核を先制使用することの余地を残すかどうかというのがこの先制不使用の問題で、核兵器以外の攻撃を受けたからといって核の先制使用をしていいというのは、かなり議論のある問題だと私は思います。核の先制使用ができるということがかえって、さらにその前に核を使おうということで、核兵器使用の可能性を大きくする議論も当然考えられるからです。
 核の抑止は、核兵器の攻撃を受けた場合に、その核に対して核をもって反撃をするということで、核の抑止というものは十分担保されているのではないかと。そういう議論に対して、どういう考え方なのか、ぜひ安倍総理のご意見を聞かせていただきたい。
 いずれにしても「核なき世界」に向かってリーダーシップを発揮するということであれば、そういった疑問に対する答えも含めて、まずは情報公開をしっかりすることはやってもらいたいと思います。

○SEALDsの解散について

【代表】
 2番目に、SEALDsが解散いたしました。
 SEALDsの果たした役割というのは非常に大きくて、しかもそれがいわば自然発生的にというか、彼らは何らかの組織に属しているわけではなくて、学生達の思いの中で自主的にそういった活動が始まり、全国的なうねりになった。今回解散するというのも非常に彼ららしいなと思うわけですが、若い世代が政治に対してしっかりと声を上げていくという
のは、例えば香港や台湾では一歩先にそういったことが、「ひまわり学生運動」とか「雨傘運動」とかで起きていたわけですが、非常に健全な民主主義の一つのあらわれであって、これからもいろいろな形でそういった若い世代の発信がある、行動があるということは非常に期待ができるのではないかと私は思います。
 我が党としても、もちろんSEALDsならSEALDs、彼ら一つの思いを持ってつくられているわけですから、政党との関係は緊張関係をはらむものでもありますが、共闘できるところはしっかり共闘していく。そういう関係を今後とも、さまざまな若い世代の集まり、団体と協力していきたいと考えております。

○リオ五輪での日本代表選手の活躍について

【代表】
 最後に、オリンピック。私もこのお盆の間、部屋の片づけなどしながら、書類の整理とか、本も非常に多くなりましたので入り切れなくなって、今かなり処分しているのですが、そういう“ながら族”でかなりいろいろな競技を見ました。
 特に女性の活躍が非常に目立っているなと。今日の柔道もそうですが、卓球、あるいはバドミントンとか、非常に心強く思っています。これからもさらにメダルの数を増やしてもらいたい。それから、メダルまで到達できなくても、その過程で非常に頑張った、そういう場面もたくさんありましたので、時間のある限りこれからも見ていきたいな、見守っていきたいなと思います。

■質疑

○「安倍総理 米国の核先制不使用に反対」報道について

【司会・辻元清美役員室長】
 それでは冒頭発言、まず1点目、核の先制不使用などについてご質問ありますか。いかがでしょうか。

【代表】
 なし。アメリカのメディアがこれだけ報じているのに、日本のメディアが沈黙しているのは非常におかしい話だと私は思いますが。官房長官の会見もあるわけですから、しっかり聞くべきだと思いますが。

○日本国憲法に関する米国副大統領発言について

【東京新聞・我那覇記者】
 アメリカのバイデン副大統領が、ヒラリーさんの応援演説の中で、「『日本は核保有国になり得ない』という憲法を私達が書いた」という趣旨の発言をされた。特に副大統領という地位にある人が、「私達が書いた」という発言をしたことに対する代表の受け止めと、憲法で核保有国になり得ないということを書いていると、副大統領がそういう認識を示したことについて、どうお考えになるか、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 この発言はちょっとよくわからないところがあります。今の憲法のどこが「核保有国になれない」ということを意味しているのか、(発言は)明確ではありません。憲法の条文をきちんと踏まえた発言なのか、私は少し疑問に思っております。もちろん私は基本的に核兵器を持つべきではないと思いますが、今の憲法は明確にそのことを書いているわけでは必ずしもないので、ちょっとよくわからない発言だなと。ご自身が憲法の条文まできちんと踏まえて発言したものではないのではないかなと思いました。
 「アメリカが書いた憲法」というのは、もちろんGHQが中心になって草案を作り、しかしその過程で日本もさまざまな意見もあり、最終的には国会でも議論をして作ったものですので、「アメリカが書いた」というのは、これは副大統領としてはかなり不適切な発言だと私は思っております。
 いずれにしろ、書いた、書かない、どちらが主導的に草案を書いたのかという話と、それをきちんとした手続を経て、そして日本国民もその大部分は歓迎をして日本国憲法になったという話は別の話。草案を書いたかどうかというよりは、それが日本国憲法になったプロセス、あるいはその後70年間、日本国憲法を国民が育んできたという事実、そちらのほうがずっと重要なことだと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 確認だが、核保有について(できないと)憲法の条文に明確に書いているわけではないと。それはつまり、憲法には書いていないが、例えばNPT(核不拡散条約)や、あるいは非核三原則、そういうところで日本は禁じられている、実質的に縛られているということを副大統領はよく理解していないと。そういうような意味合いでおっしゃったのか。もう少し、代表の発言の真意を伺いたい。

【代表】
 いや、副大統領がどういう趣旨で言ったのか、憲法の条文のどこをどう読んで、核兵器が禁じられるという発言になったのかわからない、ということを申し上げている。

○天皇陛下の「お気持ち」表明について

【時事通信・岸本記者】
 天皇陛下の生前退位について伺いたい。岡田代表は陛下の「お気持ち」表明後に、長崎市で「国会でも、静かな形で議論をすることが重要だ」とおっしゃっていたが、「静かな議論」というのは、国会の場で与野党の大筋合意が必要になってくるという認識を示されたものか。どういう意図でおっしゃったのか、詳しく補足をお願いしたい。

【代表】
 まず、生前退位ということを、陛下はそういうことを自ら言われていませんし、そういうことについて私は申し上げたわけではない。陛下のあそこで述べられたご発言、「お気持ち」について私は述べたということですから、そのことは注意深く、私の発言について間違いのないように理解していただきたいと思います。
 いずれにしろ、これからどういう範囲で、どのような問題を議論するかということとか、それから最終的には立法的な措置が必要になる可能性が高い。その立法形式については、それもこれからの議論ですので申し上げませんが、最終的には特別立法なり皇室典範の改正、いずれも国会の議決を要する話ですので、そういう意味で国会が全く無関
係ということはあり得ない。立法府たる国会が関与して、政府任せではなくてやっていく必要があるということを申し上げた。
 そういう中で、しかし「甲論乙駁」議論するような話ではなくて、聞いておりますと共産党の志位さんも含めて与野党間にそんなに大きな違いはないように私は思いますので、静かな環境の中でお互いの方向性が合うような議論をしていったほうがいいのではないかということを申し上げました。
 具体的にどういう形でやるかとか、そういうことは国会でお決めいただく、議長・副議長主導でお決めいただくことではないかと思います。

○衆議院補欠選挙について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 東京(10区公認候補)の鈴木庸介さんのポスターが(会見場に貼って)あるが、福岡(6区)の方(新井富美子公認候補)のはどうなっているのかなと。

【代表】
 あまりよくないよね、福岡を貼っていないのはね。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 そうですよね、遅れているのでしょうけれども。
 その二つがやはり焦点だと思う。SEALDsがなくなるが、この二つのスポットの選挙で野党共闘という路線で、現体制で公認したわけで、民進党は政権移行期になるわけだが、これは今でも水面下で野党共闘ということで進んでいくと見ていいのか。それとも新体制ができてからということになるのか。

【代表】
 野党共闘になるかどうかは、これは相手のある話なので、話し合いはこれからです。ただ、実は先ほど鈴木君を呼んで話を私、していたのですが、福岡のほうはこの前選挙区に入って一緒に視察をしたり、話もしたりいたしました。この補選、非常に重要なので、新しい体制になる前にしっかりと軌道に乗せておかなければいけないと思って、私自身は進め
ているところです。
 そういう中で、ある程度形ができた上で野党共闘の話をしないと話し合いにもなりませんので、まずはしっかり態勢を固めて動き出すと。もちろん、候補者本人としてはすごく動いているのですが、党全体として、あるいは都連・県連としてバックアップできる態勢を早期に立ち上げなければならないと思っております。

○社会保障と税の一体改革について

【産経新聞・清宮記者】
 消費税の再増税について伺いたい。9月の臨時国会で消費税再増税延期の法改正が議論になると思うが、民進党としてどういうスタンスで臨まれるのかお聞きしたい。

【代表】
 どういう法案が出てくるかもはっきりしませんので、現時点で法案を前提にして申し上げることはできません。ただ、我々既に決まっているのは、軽減税率については反対するということは明確に述べておりますので、そういう視点は変わらないということです。
 安倍総理の言われるような、2年半延期するということについて、法律でどういう書き方をしてくるのかということが一つのポイントで、それは相手の出方を見ないと、こちらとしては非常にコメントしにくいと思います。私は党首討論で「2年間延期する」ということを申し上げましたが、つまり2年後の(2019年)4月まで延期するということです。総理のほうは「2年半」と言われていて、この辺も争点になるだろうと思います。

【産経新聞・清宮記者】
 仮の話だが、延期をした後、2019年以降の話だが、これはやはり消費税を上げて社会保障の財源を確保すべきとお考えか。10%に上げるべきかどうか、いわゆる社会保障の安定財源として消費税を上げて財源を確保すべきというスタンスなのかどうか。

【代表】
 それは党首討論の議事録をよく読んでください。私は、2年間先送りするということを申し上げています。消費税をそれ以降上げなくていいということは全く申し上げておりません。もちろん社会保障の「充実」だけではなくて、「安定」と「充実」と4対1の割合で使うという枠組みも、私は特に変えるべきだと述べていることはありません。

○党員・サポーター数について

【共同通信・高城記者】
 党員・サポーターの数(約24万人・昨年同時期の民主党比で約1万人増)のことで伺いたいが、30万人を目標とされていたのが、大きく下回ってしまったことの分析と、今後の取り組み、課題について。それと維新の党との合流で本来は純増すべき党員の数が、これも(民主党・維新の党の党員数の合計を)大きく下回った結果になったことについて、どう分析されているのか伺いたい。

【代表】
 今回は参議院選挙と時期的に重なりましたので、非常に集めにくかったことは間違いないと思います。そのことはわかっておりました。そういう意味で目標を下回ったところはあると思います。もう少ししっかりと党員・サポーターを増やしていく必要があると思っております。

【共同通信・高城記者】
 純増についてはどうか、純増にならなかったのは。合流によって。

【代表】
 今言ったことに尽きていると思います。

○党代表選挙について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 岡田代表の後任を決める代表選について伺いたい。前の会見で、「やはり選挙はきちんとやったほうがいい」というお考えを代表は示されているが、しっかり選挙戦でやったほうがいいと考える理由を改めてお聞きしたい。

【代表】
 党員・サポーターに投票する機会が今あるわけですから、それができないというよりは、党員・サポーターも含めてしっかり新しい代表が選ばれたほうが、代表としてもより正統性が高まるし、リーダーシップを発揮しやすくなる。そして、党の路線についていろいろ議論があるのであれば、代表選挙を通じてしっかり党員・サポーターの判断を仰ぐというのが政党としてあるべき姿ではないかと。そういう意味で申し上げています。

○「新党も選択肢の一つ」小池都知事発言について

【時事通信・岸本記者】
 小池都知事の新党構想について伺いたい。都知事が先日、新党結成について「選択肢の一つ」とおっしゃっている。来年夏には都議選も控えているが、都政のあり方にどう影響を及ぼすか、もしくは国政にどう影響を及ぼすか、代表の所感を伺いたい。

【代表】
 まだ「選択肢の一つ」と述べられているだけですから、それについてコメントしないほうがいいと。小池さんの術中に、メディアの皆さんも含めてはまってしまうだけではないかと思います。
 (衆議院東京10区)補選で候補者が自民党とバッティングするのかしないのか、例えば若狭さんがどういう形で出るのかということが判断の一つの要素にはなるだろうと思いますが、少なくとも現時点で新党について私がコメントする段階には全くないと思っています。

○総理の夏季休暇の過ごし方について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 総理はこの夏に8回ゴルフと。こういうのは世間的には「ゴルフ三昧」と言うのだと思うが、まあ、それは健康管理でいいのかもしれないが、岡田さんは何かそういう健康管理というか。
 それから「ゴルフ三昧」の総理が、本当のところ何とおっしゃったのかわからないが、核の先制不使用は好ましくないとか、そのギャップを非常に感じるところというか、少し、大丈夫なのかなというか、おごっているのではないかという印象が私にはあるが、そのギャップをどうご覧になっているか。

【代表】
 ギャップという、そういう視点は一つの見方だと思いますが、私は、ゴルフは悪いことではないので、あまりそのことと先制不使用の問題を結びつけようとは思いません。
 もちろん適切な休みを取ることは重要なことなので、ゴルフが好きならばゴルフをされるのもいいのではないかと。私も代表就任以来、目を患ったこともあってゴルフはしておりませんが、そろそろ再開しようかと思っていますので。ゴルフそのものが、もちろん就任以来50回という数は、かなりやっておられるなとは思いますが、そのこと自身を何か言うつもりはありません。
 ただ気になることは、率直に申し上げて、またメディアのトップの方とゴルフをやっておられると。同じ方と何回もやっておられます。これは、やはり一国のリーダーとしてふさわしくないし、応じられたメディアのリーダーの方もリーダーとしての自覚がないのではないかと思います。そこまで親しくされると、具体的にはフジテレビですが、社員の皆さんも萎縮してしまうのではないかと。批判的なことが言えなくなるのではないかと。そういう意味でそこは一定の節度というものが必要ではないかと思います。




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