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岡田克也代表定例記者会見(8月4日)

岡田克也代表記者会見
2016年8月4日(木)14時00分~14時47分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○談話「広島・長崎の『原爆の日』を迎えるにあたって」を発表(談話を添付)
○第3次安倍再改造内閣の発足に当たって
○大分県警による無断・無令状での監視カメラ設置について
○東京都知事選挙の結果について
■質疑
○第3次安倍再改造内閣について
○政府方針「働き方改革」について
○大分県警による無断・無令状での監視カメラ設置について
○党代表選挙について
○党代表選挙への不出馬表明について
○東京都知事選の結果について
○憲法をめぐる議論について
○秋の臨時国会での論戦について
○野党連携について
○映画『シン・ゴジラ』について
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■冒頭発言

○談話「広島・長崎の『原爆の日』を迎えるにあたって」を発表(談話を添付)

【代表】
 私からは、まずお手元にお配りさせていただきました、「広島・長崎の『原爆の日』を迎えるにあたって」という談話です。これから広島・長崎を、私、それぞれ代表として訪問することにしておりますが、それに先立って談話を出させていただきました。
 特に、オバマ大統領がその任期中にかなり踏み込んだ核政策の転換を検討しているという話もあります。これは確認がとれていないことではありますが、政府間でそういった動きがあるのであれば、日本国政府としてもしっかりと連携をとって、踏み込んだ核政策について協力して打ち出していくということが、先般のオバマ大統領の広島訪問もあり、核兵器
を唯一使用された国として重要なことではないかと思っております。
 もちろん中身は私も知るよしがありませんので。一部には「先制不使用宣言」というような話もあります。これは全くわかりません。先制不使用についてはアメリカの中でもさまざまな議論があって、必ずしも積極的な位置づけがされているわけでもないということでもありますが、いずれにしてもアメリカとともに一歩踏み込んだ核不拡散・核抑止の政策を作り上げていく好機ではないかと思っております。

○第3次安倍再改造内閣の発足に当たって

【代表】
 昨日、総理も記者会見を行いまして、新内閣のスタートに当たっていろいろなことを言われました。
 その中でも総理が強調されたのが「働き方改革」ということであります。働き方を変えていく。例えば長時間労働とか同一労働同一賃金とか、我が党がかねてから主張してきたことについて、あまり時間をかけずにしっかり結論を出していくことは歓迎すべきことだと思っています。
 ただ、問題は中身でありまして、そこはしっかり注視していきたい。名前は躍れど、中身が全く違うものであってはならない。そこはしっかりと中身を見ていきたいと思います。
 あわせて、昨日記者会見でも触れられていないのですが、労基法の改正の問題はどうなっているのかと。国会にもずっと法案を出し続けておられるわけでありまして、裁量労働制の拡大や、あるいは高度プロフェッショナル制度の導入、これらは我々から見ると長時間労働につながりかねない問題をはらむものであります。この労基法上の、労基法もいろいろ中身はあるのですが、特に今申し上げた裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度についてどう考えて、どう修正していくのか、あるいは修正しないのか。修正しない時に、長時間労働を規制するということとどう折り合いをつけていくのかということについて、どこかでしっかりとした説明をしていただきたいと思います。
 私から言わせれば、総理も長時間労働の規制について言われているわけですから、労基法(改正案)は一旦引っ込めて、例えば総理が昨日言われたような考え方と整合性のとれた労基法の改正案を出し直すべきではないかと、そういうふうに思っているところであります。

○大分県警による無断・無令状での監視カメラ設置について

【代表】
 3番目ですが、大分県で連合大分東部地域協議会が入る施設に、警察が監視カメラを設置していたことが明らかになったと。地元では、カメラの設置、それから記憶媒体であるSDカードの入れ替えなど、少なくとも3回は警察が不法侵入をしたということが言われているわけであります。こういったことは断じて許されるものではないということであります。
 どういう目的で、そして何を監視していたのか。ここには社民党の関係の団体も入っているということでありますが、人の出入りを監視していたのではないかと言われても仕方がない。
 大分県警は速やかに事実を調査して公表することが求められている。これが大分県に留まる話なのかどうかということも含めて、今までにちょっと聞いたことのない事態であります。つまり警察が私有地に入って監視カメラを据え付けて監視していたという話でありますので、ここはしっかりとした説明を求めたい。

○東京都知事選挙の結果について

【代表】
 最後に、都知事選挙のことについて、昨日も全国幹事会でも申し上げました。一部に何か誤解もあるようですが、もちろん私は代表として都知事選挙の結果について責任を負うものです。それを回避するとかそういうことは一度も申し上げたことがありません。ただ、しかるべきところで都知事選についての総括もされると思いますので、それまであまり私が先走りして言うことは適切ではないのではないかと思っています。
 しかし、鳥越さんを出すことについて私も重要な役割を果たしたことは間違いありませんし、結果は3位であったことも事実ですから、そういう意味で責任を感じているということを昨日も申し上げた。
 ただ、鳥越さんでなければ、じゃああれ以上の結果が出せたかというと、鳥越さん、本当に決心して、決断して、よく出てもらったと。鳥越さんだからあそこまで戦えたと私は思っているということも昨日申し上げた。
 いずれにしても、これは我が党だけではなくて与党のほうもそうですが、政党色を消した小池さんが大勝したということはいろいろな教訓をそこに含んでいるわけでありまして、そういったことについてしっかりと我々も注目していかなければいけないと考えています。

■質疑

○第3次安倍再改造内閣について

【共同通信・関記者】
 内閣改造について、防衛大臣に稲田さんが登用され、また、幹事長は二階さん。改造の規模は別として、こうした顔ぶれについて代表のご所感、気になるところなどあれば伺いたい。

【代表】
 私はあまり人事についてコメントしないことにしている。それはこれからの働きぶり、仕事ぶりを見てそれについて何か言うということは当然あると思いますが、いろいろなことを考えて人事権者である総理が今のメンバーにされたわけですから、出だしからあまり批判するということはどうなのかなと。これは今回に限ったことではなくて、私は大体そういうふうにコメントをしてきたつもりです。

○政府方針「働き方改革」について

【共同通信・関記者】
 「働き方改革」に関して、労基法の改正の部分、もう一度新しいものを出し直すべきだと冒頭発言にあったが、同一労働同一賃金については評価をされて、労基法に関しては、もし取り組んでいくのであれば期待はしたいが、そこはちょっとよく見ていきたいというお考えか。

【代表】
 私が申し上げたのは、「働き方改革」の中で労基法の話が全く書いていない。しかし、法案は出しているわけです。「働き方改革」で長時間労働規制とか同一労働同一賃金ということを強調されているが、特に長時間労働と労基法の改正、つまり裁量労働制の拡大などは明らかに方向性が逆になっていると私は考えていますので、そこを整合性ある説明をして、そして必要に応じて、労基法は随分前から何回も出しておられるのですが、最近総理は「働き方改革」を重視するようになったので、お考えが変わったのならば労基法ももう一回見直して出されたらどうですか、と言っている。そこの説明が全く抜け落ちています、総理からは。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 とにかく最大のチャレンジは同一労働同一賃金、そして「『非正規』という言葉をこの国から一掃します」と(総理は)おっしゃっているが、これは労働組合が主力の団体の政党が言っているのではないかというぐらい、民進党にまたかぶせてきたのかなと。急にそっちのほうに。基本的には経済界でこれを増やしてきたのが自民党政権だと私は思っているが、この「『非正規』という言葉をこの国から一掃します」、そんなことをどうして突然言ってきたのか疑問だが、その点はどうご覧になるか。やはりかぶせてこられたという感じか。

【代表】
 私、その話を聞いた時に、これは賃金レベルだけの話ではない、ということをまず感じました。つまり正規労働と非正規(労働)の話というのは、例えば雇用に対する保障の問題、つまり身分が守られるのか、それとも守られていないのかという問題とか、社会保険の適用の話とか、いろいろな問題がここに絡んでくるわけで、単に賃金レベルをなるべく近づければ済むという話ではないのですね。そういう非常に大きな問題であるということを総理はどこまでわかって言っておられるのかな、というふうに思いました。
 賃金レベルを近づけるというのも、実質的に正規と非正規で置かれた状況は違うわけですから、それを勘案してということになってくると、結局、同じ水準にはならないわけですね。合理的な理由があれば違って当然、みたいな話にもなりかねないわけなので、いろいろな議論がこれから必要です。そういったことのかなり大変さ、難しさを総理はどこまで理解されているのか。
 最後は、いずれにしろ賃金水準というのは政府が決める話ではないので、そのことも含めて、これから楽しみです、総理がどういったことをやろうとされるのか。

【フリーランス・上出記者】
 昨日、会見を聞いていて耳を疑った。「『非正規』という言葉をこの国から一掃します」、この重みは非常に大きいと思う。今後、国会等でもこの辺のことを、今も「楽しみ」とおっしゃったが、しっかりと真意を質すとか、本当にそうなるようにその責任を果たしてもらうという、その辺をやっていきたいという決意はいかがか。

【代表】
 それを重い言葉ととらえるのか。どこまで本気ですか、と私には思えてしまった。
 先ほど言ったようにさまざまな問題がある。これは単に賃金レベルの差を近づければ済む話ではない。そういったことをどこまで決意してやるおつもりがあるのか、どこまでわかって言っておられるのか、むしろそういうことをこれから質していきたい。
 言われた以上、本気でやってもらったらいいと思いますが、例えば公務員だって今や臨時というか非正規の身分で働いている、あまり(正規労働と)変わらないような仕事をしておられる方もたくさんいらっしゃいます。教員にもいるし、公務員にもいますよね。そういう問題も含めて、これは政府自身の問題になるわけですから、どう考えていくのか。総定員法とか、そういうものにも関わってきますよね。だから、これはかなり広がりのある話です。随分気軽におっしゃったなと、ちょっと私は驚きながら聞いていた。ぜひいろいろな問題に果敢に取り組んでもらいたいと思いますが、「そのお覚悟や、はたして総理にありや」という感じですね。

○大分県警による無断・無令状での監視カメラ設置について

【西日本新聞・入江記者】
 先ほど、大分県警にしっかり説明を求めたいということだったが、例えば抗議文とか質問状とか、具体的に何か行動を政党として対応するということはあるのか伺いたい。

【代表】
 まずは県連のほうで対応している問題です。ただこれは、事実関係はそこで質せばいいと思いますが、大分県警に特有の問題なのか、もっと広がりのある問題なのかということは、我々関心を持ってしっかり見ていきたいと思います。

○野党連携について

【IWJ・ぎぎ記者】
 今後の野党共闘について伺いたいが、30日の会見で、新しい代表に、今後野党共闘をどうするかという点についてあまり言わないほうがいい、とおっしゃっていた。もし新代表が野党共闘路線を続けないという決断をしても、それは尊重するというか、仕方ないとお考えか。

【代表】
 あまり仮定の議論をしないほうがいいと思う。そういうことになる可能性がはたしてどのぐらいあるのか。
 我々、今の執行部としては、今、総括の文章をまとめているところですが、野党共闘路線については大枠は維持した上で、という趣旨のことを総括の中に書いているわけですね。しかし衆議院(選挙)と参議院(選挙)の違いもありますから、そういう大枠の中でいろいろな違いというのは出てくるだろうと考えています。
 野党共闘路線そのものを否定するとか、そういう候補者が出てくれば、それは当然代表選挙で議論になるということになると思います。

【IWJ・ぎぎ記者】
 関連だが、これまでの選挙で、幹部の方が前線で野党共闘で応援で頑張っていた後ろでというか、ブログで野党共闘路線を批判する議員の方が何名かいて、有権者としては「どっちなんだ。党でちゃんとコンセンサスがとれているのか」という疑問の声を実際に私も聞いた。多様性と言えば多様性だが、一貫性がないといった批判もあるのかなと。そういった戸惑いの声についてはどうお考えか。

【代表】
 基本的に執行部が言っていることが党としての考え方です。それに対してさまざま意見があることはあっていいと思いますが、私はやはり政治家であればTPOはわきまえるべきだと思います。
 今回、そういった違うお考えをお持ちの方がいらっしゃるのであれば、堂々と代表選に名乗りを上げて、そして代表選で議論したらいい。決めたことには従うということだと思います。

【フリーランス・上出記者】
 いろいろな考え方があるのは確かだが、今回の都知事選を見ても、安倍政権の考えていることは要するに民進党と共産党を分断すること、野党共闘に亀裂を生じさせることが目的で、小池さんであっても増田さんであってもどっちでもいいんだというようなことがよく見えてきた気がする。今後の衆院選も当然、なるべく分断させようと安倍政権が考えている中で、安保法制の時もそうだったが、一般市民、多くの市民の方は安倍暴走政治を食い止めたいという願いが強いと思う。その声を無視することはできないと思うので、それについて岡田代表としては今の段階でどのように野党共闘というか野党の選挙協力を評価・総括されて、今後の課題をどう考えておられるか伺いたい。

【代表】
 今のお話の中で、都知事選で今おっしゃったようなことがあったのかどうかというのは、私にはわかりません。自民党・公明党は増田さんを候補者として擁立して、しかしその増田さんも鳥越さんも及ばずに、自民党、まあ政党とは距離を置いたというポーズをとった小池さんが当選したということです。小池さんがいろいろおっしゃっていたことが本当なのかどうかということは、これからわかるということだと思います。私の基本的考え方は私のブログにも述べたとおりであります。都知事選について、小池さんに対して。
 野党共闘についていろいろなことを、参議院選挙でも安倍さんご自身の口でかなり、私に言わせれば口汚くののしられたとも思うのですが、国民にはあまり届いていなかっただろうと思います。これからも、衆議院選挙になればいろいろなことが与党側から発せられるのだろうと思いますが、そういう風雪に耐えてしっかりと協力していく、耐えられるだけのものをしっかりとつくり上げていくことが、我が党の執行部として求められると思います。

【NHK・花岡記者】
 野党共闘関連で、昨日の全国幹事会のブリーフの中で、岡田代表からは衆院選の野党共闘について、それぞれの党が政権構想をまず掲げるべきだ、その上でどうするかについては次の執行部が判断されるべきではないか、という発言があったと聞いた。一方、枝野さんは、衆院選挙については単独政権を目指すというのが今の政党としての筋ではないかと述べられたが、代表も同じお考えか。

【代表】
 (全国幹事会で)私が申し上げたことは、お互いに政策や基本理念が一致しないと、ともに政権を担うということにはなりませんね、ということは申し上げました。

 枝野さんが言われたのは、やはり単独で過半数を目指すということだから、候補者の擁立、全体の総定数の過半数(を取れる)だけの候補者を立てるということをおっしゃって、それは前から我々も認識としては共有しているところであります。
 そのことと、だから野党間で連携したり協力したりしないということではないということです。

○党代表選挙について

【テレビ朝日・白川記者】
 代表選について伺いたいが、蓮舫代表代行が出馬する意向を固められて、明日表明される見通しだが、そのことについて代表に何か相談があったかということと、代行という立場でこれまで執行部にも入っていた蓮舫さんについての評価等を伺いたい。

【代表】
 まだ決まっていないことですし、それから私、(現在の)代表で、次の代表選には出ないと言っている、そういう立場ですので、個々の候補者についてコメントすることはなるべく控えたいと思います。

【テレビ朝日・白川記者】
 蓮舫さんは参議院(議員)という立場にある。一般論として、次の総選挙では政権選択を迫っていくことになると思うが、参議院(議員)という立場の方が代表を務めることについてはいかがお考えか。

【代表】
 それもご本人に聞いていただくのが一番いいと思います。私があまり言わないほうがいいと思います。
 もちろん私が誰を応援するかということは、私の選挙区でやはり党員・サポーターに働きかけもしなければいけませんので、そこの時点でわかってしまうわけですが、前もってあまり言わないほうがいいと。まだメンバーもそろっていないわけですし。

【共同通信・関記者】
 代表は30日の記者会見の中で、ご自身の進退の話と絡めて、新しい人に担ってもらったほうが党にとっても、日本の政治、政権交代可能な政治をつくるという意味でも望ましいとご発言された。今回の代表選を通じて、先ほど蓮舫さんの話もあったが、新しい党の代表として、世代交代という観点で、若い方達が名乗りを上げている状況もある。玉木雄一郎さん含めて、取り沙汰されている段階だが、そういった現状の民進党の新しい執行部になる方達の顔ぶれが若返っていくという点に関しては、どうお考えか。

【代表】
 それは新しい代表が決めることですから、私が何か言うことではないと思います。
 ただ、この党もいろいろな方が引退されたり落選されたりして、今回の参議院選挙もそうなのですが、やはり新しい人達がもっと力をつけていく中で政権を担えるようになっていくと思いますので、人が育っていくということは非常に大事です。
 それから代表選挙について、私は基本的にあまりコメントしませんが、やはり選挙はきちんとやったほうがいいと基本的に考えています。誰が出るべきだとか、そういうことは私は言うつもりは全くありませんが、やはり選挙戦を通じて、しかも、前回のような自分の意見を候補者それぞれがしゃべるというよりは、意見交換というか、ディベートできるような代表選挙にしたほうが議論も深まっていいのではないかと思っています。もちろん私が決めることではなくて、神本美恵子さん(中央選挙管理委員長)がその任にあるが。ぜひ、いい代表選挙を期待したいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 いまだに代表選を辞退されるということが理解できないので改めて伺いたい。今回の参院選は、3年前(の民主党の獲得議席)に比べると民進党は約倍になって、1人区でも2勝から11勝に、5倍以上になったことからすれば、これは全国的には与党勝利かもしれないが、民進党は善戦した。野党共闘で統一候補を立てたことが評価されることはあっても見直されるべきことではないという流れからすれば、岡田代表は辞めずに堂々と代表選に出るべきではなかったかといまだに思っているが、それに対する見方と、若手に譲ったほうが党勢が伸びるということであれば、後継者は少なくとも野党共闘の枠組みを維持するという人が代表になるべきだと思うが、その2点について伺いたい。

【代表】
 ご評価いただきありがとうございます。真逆の、さんざんな新聞記事なんかを見て非常にがっかりしているのですが。
 私は、申し上げたように、これは選挙の結果について責任をとって出ないということでは全くないのです。私自身は一定の成果を出したと思っています。もちろん負けは負けですが、しかし、最悪期から一歩踏み出すことができたと私自身は思っています。そういう意味では達成感があるということも申し上げました。
 「引き続きやるべきだ」というご意見も時々いただいたりしますが、そこは私自身の政治家としての一つの考え方。かなりのことを自分としても目いっぱい1年半やってここまで来たので、そこでバトンタッチしていいのではないかと考えたところであります。
 もちろん、今まで築き上げてきたもの、これは私一人がやってきたことではなくて、執行部の皆さんが一緒になってつくり上げてきた野党共闘路線とか、あるいはこの間のさまざまな、維新の党との合併もありましたし、そういったことについて肯定的な考え方を持った方が引き続いてやっていただくことが私としては望ましいと考えていますが、そのことも含めて、これは党の中で議論があるのであれば堂々と代表選挙で議論されればいいと思います。
 今までもいろいろな議論があったわけですから、ぜひそういう考え方が「違う」という方がいらっしゃれば、堂々と代表選挙に出てきて、そしてお互い議論すればいいと。最終的には、その結果にみんなが従うということではないかと思っています。

【フリーランス・横田記者】
 細野さん初め一部の党内の方は、野党共闘、統一候補擁立・選挙協力を見直すべきだという報道があり、蓮舫さんも細野さんと会って、その意見を受け止めるという記事も出ている。ということは、今岡田代表がおっしゃった成果を否定する人達が代表選に出て、今の路線を転換させる可能性を感じさせるが、そうではないという言質というか保証というか、そういうのはあるのか。それと細野さん達の、そもそも野党共闘を見直すべきだというのは、何か説得力がある根拠があるのか。

【代表】
 個別のことは私は申し上げません。それぞれ出る方が「自分の考え方はこうだ」ということを明確にして代表選挙に出られればいいわけですから。しかし、今までの考え方を大枠でしっかりと維持していこうという方が必ず出ていただけるものと確信しておりますので、そうでないという方も出ていただいて、大いに議論したらいいと思います。

○党代表選挙への不出馬表明について

【報知新聞・北野記者】
 都知事選の投開票の前夜に代表選不出馬の意向を示された。そのタイミングに関して都連のほうからも疑問の声も上がっている。そのタイミングを選ばれたことをあらためて伺いたい。

【代表】
 何度も申し上げていることですが、都知事選と、私の「次の選挙に出ない」ということは無関係です。私の意識の中では、全く関係ありません。
 ただ、一部それが、まあ報道にもよるのでしょうが、「退陣」とか、昨日は都連関係者の方が「辞任」とか言われましたので、「私は辞任なんて全く言っていませんよ」と。ここで行った記者会見でも、「これから任期いっぱい、私は代表としてしっかりと務めていきます」ということをまず申し上げた上で、「次は出ません」ということを申し上げたわけですから。何か、すぐ辞めるような報道があったり、あるいはそういう理解があったとすれば、それは明らかに私が言っていることとは全く違うわけですから、そこはぜひ正確に報じ
ていただきたいと思います。
 私自身は、9月の半ばまでは代表ですから、代表としての責任はしっかり果たしていくと。都知事選についても当然、代表ですから責任の、誰がどう責任があるかなんていうことは私は言うつもりはありませんが、代表としての責任は当然負うということは前提で全て申し上げている。そこがきちんと理解されていないとすると、これだけ1年半、私の記者会見に出ていただきながら、私という人間が理解されていないなと、非常に残念に思っています。

【フリーランス・安積記者】
 代表選不出馬について伺いたい。先ほどおっしゃったとおり、情勢的には小池さんがかなり上がってきていた感じがするが、あのタイミングで不出馬表明されるということは、客観的に見て鳥越さんにとって不利なことになり得るというのは考え得ることだが、あのタイミングでああいう表明をされたということは、本意でないとおっしゃったが、「李下に冠を正さず」という言葉もあるので、客観的に見て不適切だったと後からは思われたか。

【代表】
 よく考えた結果のことですので。例えば、遅らせて、じゃあ、きょうであったらよかったのかと。私は、あまり引っ張るべきではないと常々思っておりました。それから、あらかじめ重要な関係者の皆さんの理解を得る努力も必要ですね。そういうことをやっている間に、だんだん漏れてしまうということもあります。そういったことを総合的に判断して、あのタイミングがベストだと判断したところです。
 影響があったと言われると、そういうところもあるかもしれませんが、そういう意味では私もそのことについて謙虚に受け止めなければいけないと思いますが、他の選択肢があったとは私は思っていないんです。

【日本テレビ・原記者】
 関連した素朴な質問だが、その不出馬の表明、例えば月曜日の朝は国会があるからとおっしゃっていたが、そんなに忙しくなかったと思う。月曜日にやっていればここまでの問題にはならなかったのではないか。

【代表】
 日曜の夜とか月曜の朝というのは一つの選択肢として考えました。日曜の夜というのは、時間が、いつ当確が出るかということにもなりますので、夜遅くなってしまう可能性があります。月曜の朝というのは確かに一つの選択肢だったんです。ただ、月曜の朝にそういう表明をするということは、土・日からある程度話をしなければいけませんので、その過程で必ず漏れる。今回も、実は私が記者会見をするまでに漏れてしまっていたわけですが、そうすると投票をやっている最中に、よくわからないままそういう情報が流れてしまうよりは、きちんと会見で説明したほうがいいと。そういう判断です。

○東京都知事選の結果について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 参議院選については代表の功績も大きかったし、達成感があるというのもよくわかるが、都知事選についてはやはり与党が割れている中で、野党4党で130万票。これはやはり超大惨敗だったんだと。これはなぜなんだろうということ。北海道の(衆議院5区補選に出馬した)池田まきさんは、無名だったが接戦をしたわけで、やはり知名度だけで候補者選びについては、鳥越さんだから130万票取れたみたいな総括というのは、やはり逃げていると私は思う。都知事選のほうは、残念ながら全く達成感がない130万票だったという総括になるのではないか。

【代表】
 鳥越さんは非常によくやっていただいたし、そもそも出ると決心していただいたことも感謝しているところであります。ただ、結果は我々の想定していたようにはならなかったということで、まず野党4党の票を足しただけのものが全く出ていない。
 つまり野党共闘のかなめは二つあって、一つはしっかりとそれぞれの政党が中を固めるということですね。もう一つは、それを前提に浮動票の過半を取っていくと。そのいずれもできていないわけですから、そういう意味では極めて厳しい結果だったということは間違いありません。
 自民党もそんなに違いはないんですが、それがなぜそうなったのかということも、しっかりと冷静に見る必要があると思います。小池さんが非常にお上手だったのか、参議院選挙の最中から小池さんの報道でずっと、郵政のあの民営化の時の刺客騒動みたいな形で、参議院の報道より多いぐらいの報道がなされていましたし、一族郎党打ち首みたいな(自民党の通知の)話もあって話題性はあったし、いろいろなことの中で次第に小池さんに求心力がついていった。本来は、自民党に推薦依頼を出して断られたというのが現実だと思いますが、そういうことがあまり問題にならなくて、いろいろな政党と対峙して一人で戦っているという印象を与えたことが多くの人の気持ちをとらえたと。そういうところに持っていった小池さんの巧みさというのは、当然、我が陣営にはなかったものだと思います。

○野党連携について

【フリーランス・堀田記者】
 2日前の枝野幹事長の会見でも、「野党共闘」ということは枝野さんは認識していないと、「幅広い市民との共闘」ということで、「野党共闘」ではないと言っているが、岡田代表は「野党共闘」でいいわけか。

【代表】
 正式に言うと「野党連携」なんですね。ただ、皆さん「野党共闘」という言葉を使われているし、連携と共闘というのは微妙なところなんですが、国民から見ると、どこがどう違うのかということもあると思います。だから、その言葉に込められた意味だと思います。

○憲法をめぐる議論について

【NHK・花岡記者】
 憲法の話だが、細野豪志さんやいろいろな党内の方から、憲法の具体的な改正案を党としてもまとめていくべきではないかという発言が相次いでいる。代表は、安倍政権のもとでの憲法、基本的な認識が示されない限りは応じられないという立場だと思うが、党としてそういった具体案について検討していくことの是非をどうお考えか。

【代表】
 党内で議論することはもちろん構わないし、今までもやってきたことですから、具体的に憲法改正が必要なところがあれば、議論していけばいいと思います。
 ただ、これを各党間で議論する時に、やはり基本の基本、立憲主義とは何かということが、私はいまだに総理がどう考えているかというのがわからないのですが、いろいろな発言を見ていると、はたして正確に正しく理解しておられるかどうかわからないのですが、そこがあやふやなまま議論が進むことになると、今の自民党憲法改正草案のようなことになってしまうわけですね。つまり権力を規制するための憲法ということがしっかりと真ん中にないために、勝手に基本的人権を制限したり、あるいは憲法の平和主義を政府の判断で変えてしまうとか、そういうことも起きてくるわけなので、そこの認識をまずしっかり共有することが非常に大事なことだと私は思っています。

【北海道新聞・津田記者】
 今のお答えに関連して、憲法の「基本のき」、立憲主義等について総理が(認識を)見直す、示す、ということをかねてからおっしゃっていたが、それとは別に民進党内で憲法の議論を進めることは構わないと、そういうお考えを今示されたと理解してよろしいか。

【代表】
 それは従来から我が党、ずっと議論してきているわけですから、もちろん構わないわけです。
 ただ、これは進め方。かつて我々も憲法についての提言も行っています。ああいう形で全面的な憲法についての考え方をまとめることがいいのか、具体的な問題について議論するのがいいのかと。そこは両論あり得ると思います。
 私は公明党とはかなり考え方が近いのですが、やはり問題があるところについてしっかりと議論していけばいいと。自民党のように、今の憲法が頭からダメみたいな、総理はそういうふうに言っておられるわけです、「たった8日間で作り上げた代物だ」と。総理が“代物”という表現を使っていることは非常に問題だと私は思うわけです。さげすんだような言い方ですね。そうではなくて、今の憲法は重要だと。戦後70年、国会の中でも国民レベルでもこれを育んできたという歴史がある、この憲法は大事だという前提で、しかし時代に合わないところがあれば、それは当然議論したらいいと。これは従来からの私の考え方です。
 しかし、それを安倍さんのもとでやるということになると、よほど気をつけないと、先ほどの立憲主義を理解しない人が最後は数の力でやってくることもあり得るので、やはり一定の道筋をつけて冷静に議論できることが重要であると。そういうことです。

【北海道新聞・津田記者】
 確認だが、(国会の)憲法審査会と党内の憲法調査会は同時に議論を進めていっていいとお考えか。

【代表】
 憲法審査会がいつから動くのかということはあります。前国会は自民党が動かさなかったわけで、我が党が動かさなかったのではなくて、自民党が止めていたと。選挙の前だったからということもあったかもしれません。そういうことではなくて、お互いに信頼関係に基づいてきちんと動かしていくということならば、別に構わないと思います。
 党内の議論もそれと並行してやっていくということだと思います。

○秋の臨時国会での論戦について

【共同通信・関記者】
 秋の臨時国会について伺いたい。政府の経済対策とかGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の問題等、代表ご自身も指摘されている問題点が幾つもある。加えて、憲法審査会での議論が始まることも予想されるが、秋の臨時国会での論戦のあり方について、代表の考えを伺いたい。

【代表】
 もうその時は任期は終わっていますので、私があまり言わないほうがいいと思いますが、この前も申し上げたのは、代表として準備はしっかりしておきますよということですね。
 つまり、新しい代表が選ばれて、おそらく1週間か10日後くらいにもう国会が始まってしまいますので、しっかりとした準備が必要で、例えばTPPの問題とか、私は今度北海道に行くことにしていますが、いろいろな運動も含めて、この1ヵ月半、しっかりやってもらわなければいけないと思います。
 それから月曜日には陛下の何らかのお言葉が示されるということも言われていますが、その問題についても、それを受けてやはり党の中でしっかりとした議論の場をつくって、議論を始めていかなければいけないと思います。
 景気対策・経済対策についてもしかりです。
 そういったことはちゃんとやらなければいけない。その責任は私は果たしていくといことを申し上げている。(衆議院の)補選もあります。

映画『シン・ゴジラ』について

【フリーランス・安積記者】
 今話題の映画『シン・ゴジラ』、ご覧になったかどうかということと、これはちょっとネタバレになってしまうかもしれないが、ゴジラの体内に炉心があって、最終的には凍結されてしまうということで、3.11を彷彿させるような感じだが、当時政権におられた代表としては、これをご覧になっていたら感想を伺いたい。

【代表】
 残念ながら、見ておりません。

【フリーランス・安積記者】
 今後は。

【代表】
 もうちょっと時間がたてば、ipadとかで見られますから。映画館で見たほうがいいかな。映画館だと、もうちょっと他にも見たいものもあるし。15日までは忙しい、いろいろと。その後、考えます。




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