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2015.05.27|国会会議録

平成27年5月27日 第189回国会 安全保障特別委員会「憲法の平和主義、相手国領土・領海・領空での武力行使、集団的自衛権、後方支援、重要影響事態安全確保法案と国際平和支援法案」

※質問の動画はこちら(衆議院TV)「岡田克也」をクリック
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○岡田委員 民主党の岡田克也です。

 先般の党首討論に引き続いて、基本的な問題を中心に議論していきたいと思います。

 私、この議論で大事なことは、国民に理解をしていただくことだというふうに思いますので、丁寧にお答えを、お互いしながら、国民の理解を求めていきたいと思います。

 本題に入る前に、ただ、ちょっと気になることをまずお聞きしたいと思います。それは、一九六〇年の日米安保改定時のいわゆる巻き込まれ論であります。

 安保改定時に、それに反対する立場の方々の中から、安保改定あるいは安保条約そのものが、日本がアメリカの戦争に巻き込まれる、こういうことで反対したということだと私は理解しているんですけれども、それに対して総理は、それは間違いだということを何度も言ってこられました。その巻き込まれ論は間違いであると。きのう、本会議では、さらに踏み込んで、全く的外れなものであったという表現を使われたわけですね。私は、その表現に違和感を感じるわけであります。

 私は、日米同盟、特に六〇年安保改定以降、日米安保条約のもとで日本の平和はあったし、日米同盟の抑止力、そのことは正しく評価しなければならない、そのことは党首討論でも申し上げたところであります。

 そういう立場ではありますが、しかし、巻き込まれ論というのは全く見当外れだというのは、私は余りにも一面的な物の言い方じゃないかと思いますが、総理の御意見を聞きたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 それでは、わかりやすく丁寧に御説明をさせていただきたいと思います。(岡田委員「余り長くならないようにね」と呼ぶ)どうしても、丁寧に説明しますと、ちょっと時間はとらせていただきたいと思いますが。

 六〇年の安保改定とは何であったか。あれは、新しく日米同盟を結んだわけではなくて、安保改定でございますから、既にあった、五二年に結んだものを改定したわけであります。

 かつて結んだ安保条約というのは、これは吉田内閣のときの安保条約でありまして、日本が独立をする上において、まだ全く自衛隊の実力というのはないわけでありますから、何とか米軍にいて日本を守ってもらわなければならないという中における、いわば事実上の占領状況の中での条約の締結であります。

 そして、それは一条から五条までしかない条約でありまして、日本防衛義務はその中には書かれていないわけでございます。さらには、両国がこれを廃棄していいということに同意しなければ、つまりアメリカが同意しなければ、この条約は廃棄できないわけであります。

 それを、五条に日本防衛義務をしっかりと定める、六条においては極東の平和と安全のために日本の施設、基地を使うことができるということになっているわけでありますが、それと地位協定が、外務大臣をやっておられたからよく御承知でありますが、日本の皆さんにわかりやすく説明しなければいけないと思うんですが、そこで地位協定も結ばれたわけでございます。

 そして、日本が決断すれば、相手に通告すればこの条約は破棄することができるようになるということでございまして、まさに米国としては、むしろ米国の立場としては前条約の方が義務はないし、自分たちがノーと言えば変えられない条約のままのものを変えて、日本が条約を終わらせようと思えば、日本の意思で終わらせられる、かつ地位協定もある、そして日本に対する防衛義務ができている。にもかかわらず、これは、反対をしている人たちの反対論というもの自体が全く的外れだということでありまして、それは私はそのとおりだ、今でもそう思っているところでございます。

○岡田委員 総理、岸総理の行われた六〇年安保改定、これは私は評価するものであります。今説明されたことも含めて、私は必要なことであったというふうに考えているわけです。

 ただ、巻き込まれるリスクが全くないということではないだろうというふうに思うんです。そういう意味で、見当違いとか、そういう物の言い方は非常に誤解を招きやすい。

 やはり巻き込まれるリスクはある、だけれども、それを超える抑止力というものに期待してこの改定は行われたというふうに私は考えるんですが、いかがでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 今、私はちゃんと答えておりますが、つまり、旧条約と比べて巻き込まれるリスクというのが新たに発生したかといえば全くそんなことはないわけでありまして、的外れであるということは、今私が、この条約の改定はどういう性格のものだったかということをそこで御説明しているわけであります。

 まさに、その意味において、当時は冷戦時代であって、冷戦時代には、当時はソビエト連邦があって、まさに北方の脅威が存在していた中において、当然、日米の共同対処によって守ることが、まさにこれこそが抑止力になるわけでありまして、全くこの抑止力を考えずに、米国と今言ったような形で条約を改定したことによって巻き込まれるリスクが上がってきたと考えるのは、当然、これは全く的外れだ、全く森を見ない議論ではないか、このように思います。

○岡田委員 それでは、現時点で考えて、この日米同盟、私は抑止力を非常に評価しているものでありますが、しかし、同時にリスクもある。

 つまり、アメリカの戦争に日本が、巻き込まれるという言い方がいいかどうかはともかくとして、本来、意に反してそういった戦争をともにやる、そういうリスクというのは私はあるというふうに思うんですが、それでは、そういうものは全くないというふうにお考えですか。

○安倍内閣総理大臣 これは安保とは別の話ですか。今度の法制について……(岡田委員「いやいや」と呼ぶ)ああ、日米安保条約ですね、安保条約の改定によって……

○浜田委員長 では、もう一度。

○岡田委員 現状の日米同盟のもとで抑止力がある、しかし同時にリスクもあるというふうに私は考えますが、それは全くないんでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 日本がアメリカと同盟を結ぶことによって、同盟によってリスクが明らかに増大するということであれば、同盟自体が間違っているということになるのは当然の帰結だろうと思います。

 なぜ同盟を結ぶかということは、これはまさに、国民の命や幸せな生活そして領土、領海、領空を守り抜いていくためであります。その上において、日本一国のみで日本を守ろうとすれば膨大な軍事費が必要となってくるわけでありまして、大きな大きな自衛隊をつくっていかなければならない。

 しかし、そうではなくて、米国と共同対処することによって、世界で圧倒的な軍事力を持つ米国と共同対処することによって、日本を攻撃すれば米国とも戦わなければいけなくなるということになりますから、これは明確な抑止力がきくわけでありまして、まさにこの抑止力の力というもの、未然に紛争を防ぐという意味においては、この七十年においてそのことは私は証明されているんだろうと思うわけであります。比較考量によって、新たなリスクが生じる、あるいはリスクの方が大きいということを考えるのであれば、そもそも、岡田代表が言われているように、この安保条約の評価には私はならないのではないのかな、このように思います。

○岡田委員 聞いていることにお答えいただけないんですが、私が言っているのは、リスクの方が大きいなどということは一言も言っていないんですよ。だから、聞いたことに答えてもらいたいんですよ。

 私は、抑止力を評価しつつ、しかしリスクもありますねと。それを超える抑止力の効果があるからこそ、同盟関係を今維持しているんじゃないですか。だから、リスクは全くないわけじゃないですねということを言っているわけです。ちゃんと答えてください。

○安倍内閣総理大臣 リスクという言葉、いろいろな場面でリスク、リスクという言葉を使われますが、今申し上げましたような背景において、日米安保条約を改定して今日に至ったことによって新たなリスクが、このことによって新たなリスクが生じたということは、今私はいろいろ考えてみたんですが、それはどういうことなんだろう、こう思うわけであります。

 つまり、国民が戦争にまさにある意味においては巻き込まれる、あるいは海外から侵略されるということをもって巻き込まれるということについては、はるかにこのリスクは低下させているわけでありますから、低下させているからこそ我々は日米同盟を改定し、維持し、強化しているわけでありますし、そこで岡田代表も評価をしておられるわけですね。ですから、そこのところは私は論理展開がよく理解できないわけでございますが、だからこそ我々は日米同盟を強化していかなければいけない。

 日米同盟を強化していくと、どんどんリスクが増大していくというふうに民主党ではお考えなんでしょうか。むしろ、そう私はお伺いをしたいと思います。

○岡田委員 議論をすりかえないでいただきたいと思うんですね。別に、ふえるなどということを言っているわけではありません。

 では、具体的に一つ聞きましょう。

 事前協議制度がありますね。私はこれも岸総理の御功績だと思います。六〇年安保の際に、日本の基地から米軍が直接出撃する場合には、日本政府に事前協議しなければいけない、こういうことになっております。

 では、総理、これはいつでも起こり得ることだと思いますが、例えばアメリカが近隣のどこかの国と戦闘状態になった、戦争になった、そしてそこを攻撃するために、総理に対して、米軍の在日米軍基地から爆撃機を出してそして爆撃したい、そういった直接出撃についての協議があったときに、総理は何をお考えになりますか。どういうことを考えて、それに対してイエスないしはノーと言わなければいけないというふうに思いますか。

○安倍内閣総理大臣 今、岡田代表が言っておられるのは、事前協議の対象になる一つである、日本から作戦行動に出ていくということだろうと思います。それは事前協議の対象になります。

 今、個々の事象についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、当然、事前協議においては、まずは日本の国益、国益とはまさに、日本の安全、日本人の生命財産を守るということにおいてどうかという判断をするわけでございます。

○岡田委員 日本人の生命財産を守るという中で、もちろん、日本に直接関係のある、そういう米国とある国との戦争であればそういう場合もあるでしょうが、そうでない場合もある。比較的日本に関係なく、アメリカとその国との間に戦争が始まっていると、直接出撃をイエスと言った瞬間に、日本自身が標的になる可能性がある。基地が爆破されるかもしれないし、ミサイルが飛んでくるかもしれない、あるいは基地でなくても日本全体が標的になるリスクはある。

 そういう中で、いや、そういうリスクを覚悟してでもやはりこれはどうしても必要だということになれば、重い決断を総理大臣はしなければいけないんじゃないんですか。そういう、我が国の国民に対するリスクと、そして抑止力、同盟関係を維持することにより得られるものを常に比較考量しながら、総理大臣というのはいろいろな重大な決断、判断をしていくんじゃないんですか。

 それを、いやいや、そんな巻き込まれ論なんというのは的外れだとか間違っているとか、そういうふうに一概に片づけてしまったら、私は、国民には全くわからない議論になってしまうと思うんですよ。

 総理御自身、そういう立場に常にあるわけでしょう。事前協議というのはいつ来るかわかりませんよね。何が起こるかわかりませんよね。そういう心構えの中で私はこの法案の議論もしたいというふうに思うんです。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 いわば、私はリスクがないとはもちろん言っておりませんよ。しかし……(発言する者あり)よろしいですか。五二年の協定に比べて六〇年の安保条約が、リスクがそれによってふえたとは全く考えていないということを申し上げているわけであります。そして、日米の同盟の強化をすることは、より国民全体のリスクを低減させるということにつながっていくということを申し上げているわけであります。

 今、ええっという声が上がりましたが、全く理解されていないんだろう、こう思うわけでありますが、それを申し上げているわけでございます。

 そこで、今例として挙げられました、もちろん事前協議において、これは日米で協議をすることになるわけでありますし、事前協議において当然こちらがノーと言うこともあるわけであります。

 基本的には、極東の平和と安全のために米軍は我が国の基地を使用しているわけでございます。もちろん、米軍にはさまざまな任務が課せられているわけでございます。幸い、今まで事前協議の対象となったものはなかったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、我が国の国益、日本人の生命や財産、そうしたものを念頭に判断していくのは当然のことであろう、こう思うわけであります。まさに国益を中心に判断していくことになるわけであります。

 繰り返しそう申し上げているわけでありまして、そうした判断をすること自体がリスク、リスクと騒ぎ立てることは私はいかがなものか、このように思うわけでありまして、政治家としては、しっかりと大所高所から考えるべきなんですよ。

 抑止力は何かということを考え、そして私たちは国民のリスクを低減させることを念頭に置きながら考えていくのは当然のことなんだろう、こう思うわけでありまして、その中において、我々が選択をしてきた安保条約の改定は全く間違っていなかったということを申し上げたわけであります。

 皆さんも安保条約を強化した方がいいと常日ごろから言っておられるんだろう、こう推測するわけでありますが、その中においては、当然、強化をしていくということについては、なぜ強化をしていくかといえば、国民の安全が脅かされるリスクがそれで減少していくからこそ、皆さんも強化していくということを言っておられるんだろうと思うわけでありまして、このことを私は今申し上げているわけでございます。

○岡田委員 私の議論に全然お答えいただいていないんですが、私が申し上げたことは、もう一度繰り返しておきますが、例えば事前協議にイエスと言った瞬間に、日本国に対して攻撃が加えられるという新たな事態が想定されるわけです。そのリスクは当然あるわけです。

 だから、リスクはないということであれば、それはそうじゃない、リスクはあるということです。リスクはあるけれども、それにまさるものがあればイエスと言わなきゃいけない。それが安全保障の議論だと私は思うんですね。それを一面的なことだけで言っている限り、私は国民の理解は進まない。だから、もう少し豊かな議論をしたいということで、まず最初に申し上げたところであります。

 さて、憲法との関係について少し議論したいんですけれども、さきの党首討論で、私が、戦後七十年、日本は平和だった、その日本の平和と安定に憲法が果たした役割はどう考えているのかというふうに総理にお尋ねをいたしました。総理のお答えは、日本国憲法における平和主義というものが断固としてあるというお答えで、その一言だけだったんですね、逆に言うと。

 だから、もう一回聞きたいと思うんです。戦後七十年のこの平和に日本国憲法が果たした役割、具体的にどういう役割を果たしたというふうにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 日本国憲法のまさに理念である平和主義、基本的人権そして国民主権、この平和主義に貫かれた道を日本は戦後七十年歩んできたわけであります。その歩みは、国際社会から大きく評価されているということであります。

 国際社会から評価されているということは、これはひいては日本のソフトパワーにもなるわけであります。そのソフトパワーとして、まさに日本の安全や平和、繁栄に大きく貢献をしているんだろう、このように思います。

 そういう意味において、憲法の平和主義における日本の平和の歩み、そして日本の享受してきた平和に対する憲法の果たしてきた役割について申し上げたわけでございます。

 しかし、それと同時に、これは、私たちが受動的にいわば平和であればいいということを願うだけではなくて、やはり積極的にさまざまな貢献をしてきたのも事実であろう、こう思うわけであります。

 先ほども議論になったのでありますが、カンボジアにおけるPKO活動でございます。カンボジアに対してPKO活動を行うという際にも、大変な反対がございます。あのときにも巻き込まれ論というのがあったのではないか、こう思うわけでありますが、今やカンボジア自体がPKO活動に参加をしているという時代になってきているわけであります。彼らは、今でもカンボジアの人々は、あのときの自衛隊の活動に感謝を表明していただいています。

 いわば、そういう活動、そしてまたまさに自衛隊の抑止力としての存在、そして日米同盟の抑止力としての存在があり、我々は現在の平和そして繁栄を享受している、こう思うわけでございます。

○岡田委員 総理、お答えいただいていないんですが、憲法の平和主義とは具体的に何を言っているのか、お答えください。

○安倍内閣総理大臣 憲法九条に、まさに我々は戦争放棄の趣旨を書き込んでいるわけでございます。それとともに、前文において、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの生存と安全を保持しようと決意したという趣旨のことが書かれているわけでございます。

 つまり、日本においてしっかりと平和を守っていく。平和主義が書かれている憲法は世界じゅうたくさんあるのも事実でありますし、この九条においても国連憲章から一部引いてきているのも事実でございますが、いわば平和主義において日本は戦後の歩みを続けてきたと言ってもいいんだろう、こう思うわけでございます。

○岡田委員 余り具体的にお答えになっていないんですが、私は、宮沢総理が言われた、海外で武力行使しない、これが平和主義の根幹だというふうに思うわけですね。

 しかし、その海外で武力行使をしないということについて、今回一つ穴があく。つまり、集団的自衛権の行使を限定的に認める。これは、国内の問題ではありません、海外。その海外がどこかということは後でまた議論しますが、海外だと。それからもう一つは、自衛隊の活動を全世界に広げて、これは武力行使ではありませんが、後方支援をする。その後方支援の範囲も、ぐっと戦闘地域に近づく。自衛隊が武力紛争に巻き込まれる、そういうリスクは高まる。

 そういう意味で、海外で武力行使しないという言葉に体現された日本国憲法の平和主義が大きく揺らいでいるんじゃないかというのが、国民の多くの方の不安なんですね。だから、それをきちっと取り除いていかないと、とても国民が今回の安全保障法制に賛成するということにはならないというふうに思うんです。

 今の議論について、何かコメントはありますか。

○安倍内閣総理大臣 コメントとしては、先ほど私と高村委員のやりとりを聞いていた皆さんにはもう十分に既に理解をしていただいたのではないのかな、このように思います。

 繰り返しますが、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解しているわけであります。

 このような従来からの考え方は、新三要件のもと集団的自衛権を行使する場合であっても全く変わりはありません。新三要件から論理必然的にこれは導かれるものであるということでございます。これは繰り返し今まで申し上げてきたことでございます。

○岡田委員 それでは、具体的な話にちょっと入っていきたいんです。(パネルを示す)総理、この最初に書いた総理の発言ですね。敵を撃破するために大規模な空爆、砲撃を加えたり、敵地に攻め入るような行為に参加することは、必要最小限度の自衛の措置の範囲を超えると。

 これは最近も言っておられるのですが、私は、去年の十月三日、衆議院の予算委員会でこういう答弁をされたときに、おやっと思ったんですね、これはどういう意味だろうかと。大規模でない空爆や砲撃、あるいは敵地に攻め入るというところまでいかないけれども、例えば同盟国である米軍を守るような形での行為であれば、これは必要最小限度の範囲に入るということを言外に言われて、考えておられて述べられた言葉なのかなというふうに思っておりました。

 ところが、この前、党首討論の中で、他国の領土にいわば戦闘行動を目的に自衛隊を上陸させて武力行使をさせる、つまり武力行使と言っているわけですね、それから領海、領空でそういう活動をするということはないというふうにおっしゃって、随分この二つの発言に開きがあるというふうに私は思うんですが、総理、この一番目と二番目、どちらの立場なんですか。

○安倍内閣総理大臣 私は、もう去年の七月の一日からさんざん繰り返し答弁してきて、その答弁は一貫をしている。

 今の答弁も、別にどちらの立場ということではないわけでございまして、まさに、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないという考え方をどちらも述べているわけであります。

 先般も、党首討論の際、いわゆる海外派兵は一般に許されていないということをまず全体にかけてお話をしているはずであります。お互いのやりとりを読ませていただきましたが、何回も私はそれを最初に申し上げた上で、では例えばという話をさせていただいているわけでありまして、それが前提になってくるわけであります。

 なぜいわゆる海外派兵は一般に許されないかということについては、第三要件に当たるわけでありまして、第三要件に当たるということについては、まさに当たるわけでありますからこれは憲法違反になる、こういうことであります。

 しかし、その際、いわゆる一般というふうに申し上げておりますから、一般の例外としては、例えばホルムズ海峡が機雷封鎖をされた際、これを除去する場合も、停戦合意がなされていなければ、これは国際法上武力行使とされ得るわけでございます。

 そこで、このいわば武力行使においては、それは、かつ日本に対して機雷がまかれたということが明確になっていない以上、集団的自衛権に国際法上該当するわけでありまして、そしてその機雷自体が領海にある場合もあるのでございますが、しかし、それは極めて制限的であり受動的なものであることをもって、これは必要最小限度の範囲内にいわば例外としてとどまることもあり得る。

 しかし、直ちに武力行使するかどうかというのは、第一要件、第二要件、全てに当てはまらなければいけないわけでありまして、第一要件、すなわち我が国の存立に対する脅威ですね、そして国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるかどうかというものを総合的に判断して決めていくということになる、こういうことでありまして、そこで、先ほど高村委員は限界事例ですねという話をしておられたのであります。

○岡田委員 私は先ほど高村さんとのやりとりをおもしろく聞かせていただきましたが、高村さんはあのときに第一要件と言ったんですよね、三つの要件のうちの。総理はずっと第三要件と言っておられます。だから、与党・政府の中で混乱しているんですよ。この三要件のうちのどこでできないと言っているのかということが混乱しているんですよ。

 そこはまた改めてきちんとした見解を聞かせていただきたいと思いますが、ちょっと法制局長官、準備しておいてください。(パネルを示す)

 今ある海外派兵に関する政府見解、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであり、憲法上許されない。つまり、第三要件に該当するからだめだ。これは、確立された解釈というか政府見解であり、認められてきたものですね。

 しかし、これは、今まで政府が認めてきた個別的自衛権を前提にしてできている見解じゃないですか。今までは、集団的自衛権、限定的な集団的自衛権というのは認めてこなかったわけですから。

 何でこういう見解が出てきたかといえば、個別的自衛権というのは、日本自身が攻撃を受ける、侵略を受けた、つまり戦場は日本の領土、領海、領空である、あるいはせいぜいそれに連なる公海である、だから、そこで防戦していることはいいんだけれども、それが相手の国まで行ってしまうということになると、それは個別的自衛権の範囲を超えるから、だからできません、それがこの見解の意義じゃないですか。

 その考え方は、集団的自衛権を限定的とはいえ認めたときに、そのまま維持されるんですか。つまり、集団的自衛権の戦場というのは日本の領土、領海、領空ではありません。それは、公海であったり、あるいはアメリカが戦っている相手の国の領土、領空、領海、そういうことが一般的じゃありませんか。だから、この見解は私は維持できなくなっているんじゃないかというふうに思っているんですね。いかがですか、長官。

○横畠政府特別補佐人 お答えいたします。

 従来から政府は、いわゆる海外派兵、すなわち、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと述べてきております。

 これは、我が国に対する武力攻撃が発生し、これを排除するために武力を行使するほか適当な手段がない場合においても、対処の手段、態様、程度の問題として、一般に他国の領域において武力の行使に及ぶことは自衛のための必要最小限度を超えるものという基本的な考え方を示したものでございます。

 その上で、政府は、いわゆる誘導弾等の基地をたたく以外に攻撃を防ぐ方法がないといった場合もあり得ることから、仮に他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としてはそのような行動をとることが許されないわけではないとしてきております。これは昭和二十年代から一貫して申し上げているところであると理解しております。

 その上で、このような考え方は、新三要件のもとで行われる自衛の措置、すなわち、他国の防衛を目的とするものではなく、あくまでも我が国を防衛するための必要最小限度の措置にとどまるものでありますところの武力の行使における対処の手段、態様、程度の問題として、まさにそのまま当てはまるものと考えております。

○岡田委員 ちょっと長官、大丈夫ですか、その解釈。

 つまり、具体的な戦場は、公海上で例えば米軍とどこかの国が戦っているということはあるでしょう。だけれども、ほかの国の領海、領土、領空でやっていることも普通にあるわけでしょう。例外的じゃないんですよ。普通にそれはあるわけです。そのときに、集団的自衛権の行使はできなくなりますよ、基本的に。そういう解釈なんですか。

 つまり、相手の領土、領海、領空でやるということが私は普通の状態で、そこへ日本が行けない、例外的にしか行けない。その例外というのは、今まである、敵のミサイル基地をたたくぐらいのごくまれな例外。その同じ例外だというふうになれば、政府のお考えになっているようなことはできなくなります。私はできなくなっていいと思っているんだけれども、それで本当にいいんですか。

 なぜ、集団的自衛権の場合に、個別的自衛権と同じような、戦場が変わるにもかかわらず、戦う場が変わるにもかかわらず、同じ見解にされるのか。もう一回しっかり答えてください。

○横畠政府特別補佐人 新三要件のもとで認められます武力の行使につきましては、まさにこの新三要件の全てを満たす場合に限られております。それは、他国の防衛それ自体を目的とする武力の行使ではございませんで、あくまでも、我が国の存立を全うし、国民を守るために適当な手段がない場合における必要最小限度の我が国防衛のための実力行使ということに限られているのでございます。

○岡田委員 米軍がある国と戦っていて、そしてそれが新三要件の第一要件、第二要件にも該当しているという場合に、その米軍とともに最小限度の武力を行使して、そしてそういう事態、第一要件に該当するようなことがなくなるようにするということは、当然あり得る話じゃないですか。ないんですか、そういうことは。もう一回答えてください。

○横畠政府特別補佐人 先ほどお答えしたとおり、いわゆる海外派兵、すなわち武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであるという考え方は、新三要件のもとにおいても同じでございます。

○岡田委員 そうであれば、法案にそう書いてください、はっきりと。他国の領土、領海、領空では武力行使をしないと。今の法案からは、そうは読めませんよ。法案にこの政府見解を重ね合わせて初めて出てくる結論ですよ。法案に書かないと、私は、今いろいろ言っていますけれども、また解釈が変わって広げてしまう、そういうリスクが非常にあるというふうに思います。

 いずれにしても、今の長官の御答弁をもう一回精査して再度議論したいと思いますが、私は、今のこの海外派兵に関する政府見解の維持は非常に難しくなっているというふうに思います。(安倍内閣総理大臣「維持するから書く必要はないんだよ」と呼ぶ)いや、維持した場合に、安倍総理が想定しておられるような限定的な集団的自衛権の行使というのは、事実上ほとんどできなくなりますよということを言っているわけです。

 それでは、もう一つ例を挙げましょうか。

 総理がよく集団的自衛権の行使の例としてペルシャ湾と並んで挙げられるのが、どこかで戦争が起こって日本人が逃げてくる、それを米国の艦船が運ぶ、その米国の艦船が攻撃されたときに自衛隊は何もしなくていいのか、そういうときに集団的自衛権の行使で日本人の乗った船を守れるようにすべきだということをおっしゃっていますよね。

 このケースで考えたときに、公海の場合もあるでしょう。だけれども、その米国は、戦っている相手国の領海で襲われることもありますね、当然。日本人を助ける船がその相手国から逃げてくる、その領海の中で米艦が襲われている、そのときに自衛隊は何もしないんですか。総理、どうですか。

○安倍内閣総理大臣 これは、まさに三要件に当てはまるかどうかということであります。先ほど来法制局長官が答弁をしているわけでございます。

 そこで想定し得るものは近隣諸国における紛争ということになるわけでありますが、しかし、邦人が多数住むところ、その場所自体、その国そのものといわば近隣において戦闘状態になるということはなかなか今想定し得ないわけでございまして、いわばエバキュエーションを行う場合、例えばA国とB国が紛争状態になっているとしても、近接するB国から多くの邦人が救出を待つことになるわけでございます。そこで、しかし、今私どもが行うことは、まさに、事実上、まずは公海上において我々はそういう業務は間違いなくできる、三要件に当てはまればというふうに考えているわけでございます。

 領海に入るかどうかということにつきましては、先ほど来法制局長官が答弁しているとおり、非常にこれは慎重な当てはめをしていくのは当然のことなんだろう、このように思うわけでございます。

 まさにこれは新三要件に当てはまるかどうかということでございますが、基本的には、今までよく例として挙げておりますように、例えば近隣において紛争が発生した場合、そして我が国に危機が差し迫ってくる可能性がある場合に、警戒をしている米国の艦艇そして日本の艦艇が、公海上において米国の艦艇が攻撃を受けた場合、日本は、その場合はこの三要件に当てはまる可能性は高いということは申し上げてきているとおりであります。いわばそうした典型例を申し上げているわけであります。

 ただ、一方、領海における行動については、もちろん新三要件とのかかわりがあるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、一般に海外派兵は認められないという基本的な考え方、原理があるということはあわせて申し上げておきたい、こう思うわけでございます。

○岡田委員 総理はいろいろなことをおっしゃったんですが、最初に言われた、日本人が逃げてくる国と、それから、例えば米国なら米国と戦闘状態にある国が違うのは普通じゃないか、こういうことをおっしゃったと思うんですけれども、確かに北朝鮮の事例を考えるとそういうことは言えるかもしれませんが、だけれども、中国もあれば、ロシアもありますよね。そういうところで武力紛争が始まったとき、どうですか。やはりその国から逃げてくるわけでしょう。だから、それは例外的じゃないんですよ。やはり想定しなきゃいけないケースなんですね。

 今、総理がおっしゃった三要件との関係でいえば、領海であろうが公海であろうが、三要件の該当という意味では、これは同じじゃないですか。第一要件、第二要件、第三要件、それは、領海であろうが公海であろうと、どこが違うんですか。領海のケースと公海のケースで、三要件のどこが違うんですか。違うのは、この海外派兵に関する政府見解との関係だけじゃないですか。どうなんですか、総理。

 では、長官、どうぞ。

○横畠政府特別補佐人 公海と他国領海の違いということでございますけれども、我が国の個別的自衛権の議論でございましたけれども、自衛権発動の活動の範囲というところについては、我が国領域に限らず、公海上まで及ぶということをるる答弁してきております。

 その上で、先ほどお答えしました海外派兵との関係におきまして、領海も他国の領域でございますので、他国の領域における活動については、やはり慎重な、例外的に認められる場合がありますけれども、慎重に行うべきというのが憲法において認められている武力行使の考え方でございます。

○安倍内閣総理大臣 総理大臣としては、特定の国の名前を挙げて議論することは差し控えさせていただきたいと思いますが、そこで、先ほども私、その趣旨を述べたところでございますが、まさに、領海と公海においてはいわば一般に海外派兵が禁じられているかどうかということでございますから、一般に海外派兵が領海においては禁じられているわけでございますから、今法制局長官が答弁したとおり、これは極めて慎重な当てはめを行っていくわけでありますが、基本は、一般にそれは許されていないということは申し上げておきたい、このように思います。

○岡田委員 総理は何度も、赤ちゃんを抱いたお母さん、これを放置していいのかということを強調されてきたわけですね。そして、そのためには集団的自衛権が必要だというふうに言ってこられたわけです。私はその論理は受け入れられませんが、しかし、もし総理の立場に立てば、それは、相手国の領海であっても公海であっても必要性は同じではないですか。そして、先ほどの新三要件の一、二、三、これは領海であろうと公海であろうと、これも同じじゃないですか。唯一違うのは、この政府見解だけだということを申し上げているわけです。

 ですから、この政府見解を維持していく限り、整合性がとれなくなるということを私は申し上げているわけで、私は、これは少し議論を整理して、政府の見解を示していただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。

 それから、集団的自衛権について、引き続き少し申し上げたいと思います。

 集団的自衛権、一つはペルシャ湾の話が議論になるわけですけれども、もう一つ、日米同盟との関係については、昨年お聞きしたときに岸田大臣の御答弁が少しあったんですが、日米同盟に深刻な影響がある場合には、これはそのまま第一要件に該当するという考え方に立つのか。

 では、大臣にお答えいただきたいと思いますが、日米同盟に深刻な影響があるということと、この第一要件というのは別物だというふうに考えるのか、いかがなんでしょうか。

○岸田国務大臣 日米同盟に深刻な影響が生じたからといって、即この新三要件に該当するというものではないと認識をしております。あくまでも新三要件に該当するかどうか、これが我が国が武力行使をする際の基準であると認識をしております。

○岡田委員 ただ、日米同盟が、例えばアメリカ側から、これではもう日米同盟をやっていられない、維持できないというふうに言われたときに、ここで言う我が国の存立が脅かされるということに直結するという見方もあるんですね。そういう考え方には立たないということですか。

○岸田国務大臣 たしか昨年ですか、委員と議論させていただいた際には、密接な関係にある他国に関して議論させていただいたと記憶しております。

 その際に、日米同盟が我が国にとって死活的に重要であるということから考えますと、密接な他国に該当する可能性、蓋然性は米国の場合高い、こういった答弁をさせていただいたと記憶しています。

 そして、今の質問に関しましては、先ほど申し上げましたとおりであります。あくまでも、我が国が武力行使を行えるかどうか、これは新三要件に該当するかどうかであります。日米同盟に何らかの影響が及ぶということが即それに該当するものではないと考えておりますし、その状況を具体的に判断した上で新三要件に該当するかを判断すべきものであると考えます。

○岡田委員 ここは非常に大事なところなので、私は見解をしっかりと政府として示していただきたいというふうに思うんですね。

 もちろん日米同盟は大事ですから、全くこの新三要件と関係ないということでは必ずしもないと思いますが、しかし、それをイコールと言ってしまった瞬間に交渉のカードはなくなってしまう。アメリカが、いや、これは日米同盟に甚大な影響を及ぼすと言った瞬間、全て限定的集団的自衛権の行使を強いられるということになりかねない。だから、そこにやはりワンクッション置いておいて、しっかりと交渉できるようにしておかなければいけないというのが私の聞いた趣旨なんですね。

 だから、そういったことがしっかり読めるような政府としての見解を私はきちんと、今少し御答弁いただきましたが、もう少し整理をしていただきたいというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 日米同盟は大変重要な関係であります。そして、アメリカとの関係において、我が国が武力行使を行うというのは、あくまでも新三要件に該当する場合であります。そして、新三要件につきましては、今回のこの法律の中にそれぞれ要素を明記しております。我が国が我が国の憲法あるいはこの法律に従って対応する、これは当然のことでありますし、あくまでも我が国が主体的に判断すべきことであると考えています。

○岡田委員 ぜひ考え方を政府としてまとめて出していただきたい、委員長にお願いしておきたいというふうに思います。委員会で……

○浜田委員長 理事会。

○岡田委員 理事会で、そう言ってもらいたいんですよ。

○浜田委員長 理事会で後日御相談します。

○岡田委員 きのう稲田政調会長が代表質問の中で、断れないという議論は主権国家として恥ずかしい、こういうふうに言われました。もちろんそういう気持ちは私もあります。だけれども、現実にそれがどうなのかということがやはり問題になると思います。

 例えば、総理、アメリカの議会の演説の中で、きのう国会で総理自身が言われたような、日本人を守る場合にのみ日本は武力行使するんですときのう言われましたよね、そういうせりふはアメリカの議会で何か言われましたか。何か同盟の明るい側面ばかり言われましたけれども、しかしそれは限定したものなんだということを、ガイドラインの中には一言入っていますよ、日米ガイドラインの中には。でも、演説の中では全く言っていませんから、私は、あれを聞いていた米国議会の人々の中には、いや、これは普通の国として、アメリカにきちんとやってくれるんだというふうに誤解をした人もたくさんいるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 これは、今お触れになりましたが、ガイドラインの中に明確に書き込んであるわけでございます。

 国会演説というのは、いわば日本とアメリカがしっかりと手を結んで、地域の安定そして平和、また国際的なさまざまな課題にともに取り組んでいこうという私たちの未来へ向かった意思を表明する場所であって、国会の議論ではないわけでありますから、一々この三要件について説明する場でもありませんから。

 しかし、大切なことは、双方の国会議員がよく理解をしている、あるいは国防総省も理解している、ましてや米軍が理解をしているということはとても重要でありますから、それはしっかりと我々は理解していただけるように説明をしているということはもう申し上げるまでもないんだろう、このように思います。

○岡田委員 日本人を守るときのみ武力行使しますという話と、どこまでもやりますという話は随分ギャップがあるわけですから、やはり、国会演説だからといっても、私はきちんと言うべきことは言っておかなければいけなかったというふうに申し上げておきたいと思います。

 きのう総理は、日本と密接な関係にある他国ということについて、志位共産党委員長の質問に対して、ある国家が武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行うことは国際法上認められておらず、我が国がこのような国を支援することはありませんというふうに答弁されました。

 つまり、例えば米国なら米国がどこかの国と戦争状態になった、それが国際法上きちんと認められる米国の武力行使でなければ、日本としてはそれに集団的自衛権の行使をすることはありません、そういう趣旨でおっしゃったかと思うんですけれども、従来は、国会答弁の中で、新三要件を満たすか否かによって判断するというふうに、例えばことしの二月二日の参議院の予算委員会で答弁されているんですね。

 新三要件のみによって判断するということになると、その前の行為が違法であったか合法であったかということは関係なくやるということにも受け取られかねませんけれども、きのうの答弁の趣旨は、そういうことではなくて、あくまでも、例えば米国なら米国の行った武力行使が国際法上きちんと認められる正当なものであるということが大前提である、そういう趣旨だと考えていいんですね。

○安倍内閣総理大臣 昨日の志位委員長とのやりとりにおいては、武力行使ではなくて、国際協力支援法等においての後方支援において、あるいは重要影響事態安全確保法といった後方支援自体について、志位さんから、先制攻撃をやった国に対する後方支援も行うのかという御質問でございましたが、それはあり得ないという趣旨についてお答えをしたのでございます。

○岡田委員 では、集団的自衛権の場合はどうなんですか。

○中谷国務大臣 国連憲章上武力行使の発生が自衛権の発動の前提となっておりますので、仮に、ある国が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行うことなどは、国際法上認められない行為を行っていることとなるものでありまして、我が国がそのような国を支援することはないということです。

○岡田委員 きのうの答弁を繰り返されたんですが、それでは、違法な武力の行使というときに、アメリカは先制攻撃を否定していない国ですね、アメリカが先制攻撃を行って、ある国と戦争状態になったときに、日本は、それに対して集団的自衛権の行使というのは、これは認めるんですか、認めないんですか。

○岸田国務大臣 国際法上は、予防攻撃も先制攻撃も認められておりません。これは国際法に違反するものであります。

 我が国は、国際法に違反する武力行使を集団的自衛権等において支援する、こういったことは全くあり得ません。

○岡田委員 かなりはっきり言われたんですが、米国は先制攻撃というものを否定していない、しかしその先制攻撃を行ったときはそれは違法である、だから、先制攻撃一般について、米国がそれを行使したときに日本が集団的自衛権の行使をすることはない、そういうことでいいですね。もう一回確認です、総理。

○安倍内閣総理大臣 昨日は、志位さんの質問は両方にわたるものでありまして、後方支援とあと武力行使、両方でございまして、国連憲章上武力攻撃の発生が自衛権の発動の前提となることから、仮に、ある国、国家が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行うことなどは、国際法上認められない行為を行っていることとなるものであり、我が国がそのような国を支援することはないということであります。

○岡田委員 もうその話は中谷大臣の答弁で終わっているわけで、今、もう一つ先の話をしているんですね。

 だから、先制攻撃、私は外務大臣はかなり重大なことをおっしゃったと思うんですけれども、先制攻撃というのは違法だ、したがって先制攻撃に対して集団的自衛権の行使をすることはないというのが先ほどの岸田大臣の答弁だったと思いますが、それは共有されますね、総理。

○安倍内閣総理大臣 今まさに申し上げたのは、今、岸田大臣が答弁したとおりでございまして、国連憲章上武力攻撃の発生が自衛権の発動の前提となることから、仮に、ある国家が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず違法な武力の行使を行うことなどは、国際法上認められていない行為を行っていることとなるものであって、我が国がそのような国に対して支援というのは、先ほど岸田大臣が申し上げたとおり、それはいわば武力行使においても同じことであろうと思います。

○岡田委員 違法な武力行使ということではなくて、先制攻撃は違法であるというふうに岸田大臣は答弁されませんでしたか。ですから、先制攻撃である限り、アメリカが先制攻撃をしたときである限り、日本は集団的自衛権の行使をしないというのが私は岸田大臣の答弁だったと思いますが、総理は同じ考えですかと聞いているわけです。

○安倍内閣総理大臣 いわば国連憲章上違法とされる先制攻撃においては、当然それは今申し上げた答弁のとおりでございます。

○岡田委員 岸田大臣は、国連憲章上違法とされる先制攻撃という言い方ではなくて、先制攻撃が国連憲章上違法だというふうに言われたんじゃないですか。ですから、およそ先制攻撃である限りは日本は集団的自衛権の行使をしない、こういうことですが、総理も同じですね。

○安倍内閣総理大臣 いわば国連憲章で先制攻撃は違法とされているわけでございますから、そのとおり私は先ほど答えたのでございます。

○岡田委員 そうすると、アメリカは先制攻撃を否定していないわけですけれども、アメリカの先制攻撃は違法である、そういう考え方ですか。

○岸田国務大臣 先ほど申し上げましたように、まず、国連憲章上自衛権の発動が認められているのは、武力攻撃が発生した場合であります。したがって、いわゆる先制攻撃あるいは予防戦争、こうしたものは国際法上認められておりません。これが基本的な考え方であります。

 ただ、現実に対してそれを適用する際に、着手の時点がいつなのか等、厳密な議論が存在するのは事実でありますが、基本的な考え方は、今申し上げたとおりであります。

○岡田委員 かなり後退されたわけですが。ちょっとここは、もう一回しっかりと議事録を私は精査して質問したいというふうに思います。

 ただ、国連憲章上しっかりと認められた合法的な武力攻撃という議論をしていくときに、それが果たして本当にそうなのかどうなのかということは常に議論になり得るわけですね。それは安倍総理はお認めになると思うんです。だって、侵略の定義ははっきりしないとみずからおっしゃっているわけですから。それは侵略に当たるのか、正当なる武力行使なのかということは、客観的に簡単に決まる話じゃない。

 そうすると、そういう状況の中で日本が集団的自衛権を行使するということは、そういう非常に曖昧な、場合によっては違法な武力行使の集団的自衛権を行使してしまうかもしれない、そういうリスクに入り込むわけですね。そこをどう考えているのかということです。

○安倍内閣総理大臣 これは曖昧でも全く何でもないんですね。これは明確なんですよ、我々、再三再四答弁をさせていただいておりますように。まず、今まで、先ほど来答弁しているように、国連憲章に反するいわば先制攻撃ということについては、我々はその違法行為を支援することはないということは当然のことであります。

 そもそも、この三要件は、これは何回も皆さん読んでいただければおわかりのとおりだと思いますが、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることであります。そして、これを排除し、国の存立を全うするために他に手段がない、国民を守るために他に適当な手段がないという中において、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことというこの三要件、極めて厳しい明確な三要件があるわけでありますから、この三要件に照らして、この三要件、例えば、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される状況の中で、我々は何もしなくていいのかということであります。自衛隊という、しっかりと日ごろから国民を守るために訓練をしている組織があるにもかかわらず、手をこまねいていていいとは我々は考えないわけであります。

 そのためのこの平和安全法制であり、切れ目のない法制を我々は今、皆様に法案として提示しているところでございます。

○岡田委員 総理の答弁は大分もとに戻ってしまったんですね。

 ですから、例えば、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合には、その前提となる他国に対する武力攻撃、これが違法なものであったとしてもやはり集団的自衛権の行使はする、今の総理の説明を聞いているとそういうふうになりますよ。

 つまり、三要件さえ満たしていれば、もともとの武力行使が国際法上認められたものであってもないものであっても、もっと言えば侵略行為、侵略行為に対しても、その結果として、二つの国で戦争が起こっていて、一方が侵略した、しかし、そのことが、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるような状況になれば、日本は集団的自衛権の行使をして、海外に自衛隊を出しますよ、その侵略国を支援しますよ、そういう話になるんじゃないんですか。

○安倍内閣総理大臣 今、私はあえて繰り返し今の三要件を読ませていただいたのは、ここを聞いていただきたかったわけなんですね。我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことであります。つまり、その時点でこの三要件が満たされていけば、つまり、他国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず、その他国が先制攻撃をしているという状況の中において我々がその国を支援するということはないということはもうこの三要件からも明白であるということは申し上げておきたい、このように思います。

○岡田委員 先制攻撃とこの新三要件の関係はさらに議論が必要ですね。引き続き、またしっかりと議論していきたいというふうに思います。

 さて、次に、後方支援についてちょっと一言申し上げたいと思います。

 総理は党首討論で、後方支援を実際に経験する中において、なかなかこの概念、つまり非戦闘地域のことですが、この概念において自衛隊が機敏に活動することができないという経験を積んできた、だからこの非戦闘地域という概念は変えるんだということを言われました。

 ここで言われる自衛隊が機敏に活動することができないという経験、具体的におっしゃっていただけますか。

○安倍内閣総理大臣 後方支援は、その性質上、そもそも、危険を回避して、活動の安全を確保した上で実施するものでありまして、安全な場所でなければ有効な後方支援を実施することはできない、これが大前提でございます。

 かつての非戦闘地域という概念における法律においては、自衛隊が例えばサマワに参りました。サマワに半年間行く。そうしますと、自衛隊が駐留している期間、外で活動しているいかんにかかわらず、サマワ全体が駐留している期間にいわば戦闘地域となることがないという地域を選んで行くわけでございます。

 そこで、いわば、実際に活動しているのは、サマワの中において、さまざまな地域において活動を行うわけでございます。しかし、そこで我々、経験を積んできた結果、やはり大切なのは、自衛隊が駐屯している場所と実際に活動している場所において、ここで、もっとしっかりと、綿密に、この地域がどうなのかということを確定的に考えていくべきだろう、こう考えたわけでございます。むしろその方が、実際に活動する場所において戦闘が、戦闘現場とならない場所を指定していくというやり方にしたわけでございまして、そしてそこが、例えば一週間、二週間の活動ならば、その一週間、二週間を通じて戦闘現場とはならないだろう、このような場所を自衛隊が活動する場所に指定していく、このような形にすることによって機敏に、柔軟に、また非常に現実的な整理が行われる、こう考えたわけでございます。

○岡田委員 機敏に活動することができないという経験という意味がよくわからないんですね。

 ですから、サマワならサマワにいる、それでは、もっと近くまで行ってやりたいんだけれどもできなかった、こういう意味ですか。だから、そういう非戦闘地域という概念を取り外して、現に戦闘が行われていない地域であればできるということに変えたということですか。

○安倍内閣総理大臣 従来のいわゆる戦闘地域は、我が国の活動が他国の武力行使と一体化することがない制度的枠組みとして設けられたものである、これは岡田代表も御承知のとおりだろうと思います。そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域であります。いわば、自衛隊が半年間派遣されるとすれば、半年間戦闘がないと見込まれる地域であります。

 実際上は、自衛隊は一カ所にとどまらず、さまざまな場所で活動しますが、ある地域で一週間でも活動するためには、そこで半年間戦闘がないと見込まれる場所を指定していたわけでありますが、これは、十年以上前、当時、自衛隊による実際の活動経験がない中において、専ら憲法との関係を考慮して考え出されたものであります。

 このいわゆる戦闘地域の概念については……(発言する者あり)非戦闘地域、このいわゆる非戦闘地域の概念については、さまざまな議論があったことから、自衛隊による実際の活動経験や諸外国の活動の実態等の現実に即した検討を行った結果、現に戦闘行為が行われている現場以外の場所で行う補給、輸送等の活動は他国の武力の行使と一体化するものではないと判断したものでございます。

 一方、新たな仕組みのもとでも、部隊の安全等を考慮しまして、今現在戦闘行為が行われていないというだけではなくて、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することとなります。

 このように、新たな考え方は、武力行使の一体化論そのものを前提とするわけでありますが、現実の安全保障環境に即した合理的かつ柔軟な仕組みに整理し直したものであります。まさに、非戦闘地域の概念を御説明していた国会においても、さまざまな議論がございました。それはもう岡田代表も御承知のとおりだろうと思います。そして、その後の経験も踏まえまして、まさに整理をし直した。他方、攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことについては従来といささかの変更もないわけでありまして、新たな考え方への変更そのものが活動に参加する自衛隊員のリスクを高めるとは考えてはいないわけでございます。

○岡田委員 リスクを高めることはないという、そこは総理が何度も繰り返されますので、私たちはそうではないということを申し上げているわけですが、その前に、今言ったイラクでの自衛隊の活動ですけれども、今、サマワでの活動を総理は言われましたけれども、もう一つ、バグダッド空港などへの物資、兵員の輸送業務というのを航空自衛隊中心に行っていますよね。安全確保支援活動です。この実態がよくわからないというか、報告されているだけでは詳細がわからないわけです。

 米軍二万四千人を運びました、他の外国軍千四百人を運びました、六十七万トンの物資を輸送しましたというようなことは書かれているんですが、それ以上ブレークダウンした話というのはわからない。そして、これはバグダッド空港だけではなくて、イラク国内でも、ほかの空港にも当然行っているわけですね。

 だから、ここの詳細な資料を開示してもらいたいんですね。そうでないと、状況が、経験に基づいてこういうふうに変えたと言われるのなら、その経験をしっかりと明らかにしてもらわないと、これは議論のしようがないと思うんですよ。

 例えば、運航を取りやめていること、資料によれば二十三回ありますね。脅威情報によって輸送機の運航を取りやめたと。では、具体的に、実際の運航に当たって、攻撃を受けるなど危険な状況というのはあったのかなかったのか、あったとしたらどういう状況であったのかということもきちんと報告されるべきだと思うんですよ。

 そういうことが報告されて初めて、この非戦闘地域の概念が有効なのかどうか、ある意味では、政府はそれをさらに戦闘現場に近いところでやろうとしているわけですから、そういったことが果たして妥当なのかという議論になるわけですから、イラクにおける安全確保支援活動の実態をこの委員会に示すということを委員長にお願いしておきたいと思います。

○浜田委員長 理事会にて協議いたします。

○岡田委員 そこで、もう一つ、総理はリスクは高まらないということを言われるんですが、ここはなお引き続き議論していきたいと思いますが、例えば周辺事態法が今度、重要影響事態法案に変わるわけですが、これで活動範囲はがらりと変わりますよね。つまり、周辺事態法は日本の領域内プラス領域外ということですが、領域外というのは日本周辺の公海及びその上空に限られている。そして、現に戦闘行為が行われておらず、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域である。つまり、日本周辺の公海の中の一部に限られるわけですね。

 支援内容は輸送だけです、周辺事態法上は。日本の国内ではいろいろなことをやりますが、公海上では輸送しかできない。

 それが今度、重要事態安全確保法案になると、これは世界じゅうどこでもということになるわけですけれども、公海でできて、そしてその限定は、非戦闘地域の考え方は変わりますので、現に戦闘行為が行われている現場ではやりませんということになります。

 もう一つ、ここで強調したいのは、支援内容が今までは輸送のみだった、それが補給とか、それから弾薬の提供も可能だということになります。そして、もちろん輸送、修理・整備、保管、その他いろいろなことができるようになるということになります。

 これは、やはりこれだけ多様な活動ができるということになれば、単なる輸送ではない、しかもその輸送の場所も、現に戦闘が行われている現場以外ならいいということになれば、これでリスクが高まらないというのは私はどう考えても言えないと思うんですが、正直なところを、総理、おっしゃっていただきたいと思います。

○中谷国務大臣 リスクについて言いますと、これまでも自衛隊というのはリスクを負いながら任務を果たしてまいりました。

 最大のリスクといいますと、日本有事、武力攻撃を受けた事態においての対処など、日ごろから訓練もいたしておりますし、また災害派遣におきましても、東北の地震の際は福島の第一原発に対して消火活動をしたり、本当にぎりぎりのリスクを帯びながら、また任務を与えられて遂行しているわけでございます。

 確かに今回、法律によって任務のメニュー、こういう内容はふえるわけでございますが、リスクが全くなくなるわけではございません。そういった事態にいろいろな任務が与えられる上においては、当然、いろいろな情報を入手して実行可能なものを選び、また国会で事前に承認をいただいて、そして部隊を送り出す。また、派遣された隊員も、そういう中でリスクを極小化して任務を遂行しております。

 現に、南スーダンまたジブチにおける海賊対処、こういった派遣部隊もさまざまな状況の中で判断しながら任務を遂行しているわけでありますので、当然、法案によりましてこういった安全にかかわる規定も設けておりますので、その範囲の中で任務を果たすということになろうかと思います。

○岡田委員 リスクがないなどという議論をしているわけではもちろんないんですね。リスクがかなり高まるんじゃないかという議論をしているわけです。

 これは党首討論でも申し上げましたけれども、現に戦闘行為が行われておらず、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域というのと、現に戦闘行為が行われている現場では実施しない、逆に言うとそれ以外ならやりますというのでは、これはリスクの程度は飛躍的に高まるというふうに私は思うんです。そのことをずっとおっしゃらないですよね。

 私は、リスクが高まるからだめだと言っているんじゃないですよ。リスクが高まるけれども、では、やはりこの重要影響事態確保法やあるいは恒久法、そういったことについて、こういう理由でやる必要があるときちんと説明されればいいんですよ。それを国民が納得すればいいんですよ。

 でも、そのことを、リスクがふえるということを、そこをまず認めないで、何か最小にしなきゃいけないと。当たり前ですよ。そこが正直でないから議論が深まっていかないんですよ。国民の疑念も解けないんですよ。だから、そこはリスクがふえるということをはっきりまず認めるところから議論が始まるんじゃないですか。どうですか。

○中谷国務大臣 ただいま、支援内容において、非戦闘地域と違うじゃないか、活動の期間に戦闘行為が行われていない場所がないじゃないかと指摘されました。しかし、先ほど総理が答弁したように、今回、法律に、自衛隊が実際に安全かつ円滑に活動できる実施区域を定めなさい、これは防衛大臣にそれを定めることを命じています。

 安全に円滑に実施していける地域、これは総理大臣の承認を得て部隊に命令を出すわけでありまして、では、どの地域を指定するかというと、やはり自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することとなりますので、そういう点におきましては、将来に対する安全に対してきちんと防衛大臣が責任を持って対処するような規定を設けるなど、派遣する際にはさまざまな安全の規定を設けております。

 ただ、確かに、リスクがないかと言われれば、それはございますが、今でも最大限のリスクを抱えながら自衛隊はそれぞれの活動を行っているわけでありますので、当然、派遣する際は、隊員の安全に十分気をつけながら任務をするわけでございますので、リスクが全くゼロになるとは言えませんが、最大限極小化して任務を遂行していただくということになるわけでございます。

○岡田委員 大臣が責任を持って決めるというなら、どうして法律できちんと書かないんですか。しかも、新しく書く話じゃなくて、今のこの非戦闘地域という概念を変えるということを言っているから、我々はこれは問題だと言っているわけですよ。今までの非戦闘地域の概念で具体的な問題がどう出てくるんですか。私はそれが理解できないんですね。リスクを最小限にするのは当たり前ですよ。だけれども、私は、必要以上にリスクを高めてしまっているんじゃないかと。

 現に戦闘が行われている現場以外でできるということになったときに、例えば今の中東なんかを見ても、ゲリラ的な攻撃というのは十分あり得ますよね。武器や弾薬も運べる。総理は食料とおっしゃったけれども、武器弾薬だって運べるんですよ、今。そういうものを運んでいるときに、やはり攻撃を受けるリスクというのはかなりある、それを考えるのが普通だと私は思うんですね。それをリスクがないと言うから、私はわからないわけであります。

 何か答弁がありましたら。

○中谷国務大臣 何のためにこの法律を今回提案したかというと、国際社会におけるさまざまな事案に対して、やはり国際的な安定、また我が国の平和と安全、こういうことを図るというのが本来の目的です。

 この支援活動、今から十三年前にニューヨークにおいて同時多発テロ事件が起きました。約三千人の無辜の市民が死んだということで、国連が、こういったテロは許されないということで、懲罰、制裁の意味で国際社会の活動をすることを決議し、そして我が国もそれに寄与するということで、テロ特措法ができました。

 しかし、この十三年やってみて、そしてイラクでやってみて、まだまだできるような内容もありますし、実際、非戦闘地域に指定されると、二年とか一年とか、指定された期間はその場所を変更することはできません。

 実際やってみて、状況というものは変わるわけですね、安全になったり危険になったり。ですから、以前は危険なところでも、状況が変わって、これは十分安全で活動し得るようなところも出てくるし、またいろいろなニーズも出てくるわけでありますので、今回は、現に戦闘行為が行われていない現場といたしまして、この指定においては、現場の隊員も、また防衛大臣もしっかり見ながら、でき得る活動をしていく。

 その際、安全保障、安全の規定においては、戦闘が行われる見込みがない場所をきちんと指定しながら、また変更しながら、適時適切に対応できるということでございます。

○岡田委員 大臣は今、テロ特措法のお話をされましたけれども、私、当時、筆頭理事を野党として務めて、政調会長でしたけれども、あのときには、とにかく早く法律をつくろう、賛否はともかくとして法律をつくろうということで、土曜日の審議までして、そして、我々は残念ながら最後は反対に回らざるを得なかったんですけれども、中身は相当詰めて議論したことをよく覚えております。

 私は、ずっと議論して、PKO法のときも一緒に議論しましたよね、やはりこういう問題は一歩一歩だと思うんですね。国民の理解を得ながら少しずつ拡大していく、認めていく、そういう中で今までやってきました。ところが、今回は一挙なんですよね、それが。つまり、後方支援というものを、今までずっと少しずつ広げてきたものを一遍に、しかも恒久法までつくってやってしまう。

 そういうことを、安全保障の議論というのは、これはやはり国民の理解を得ながら進めていかなきゃいけませんから、一遍に全部どんとやってしまうんじゃなくて、その中には違憲の疑いのあるものも含まれていると私は思いますけれども、そうじゃなくて、やはり一歩一歩国民の理解を得ながら仕組みを変えていくという慎重さが今までは求められてきたし、やってきた。

 ですから、皆さんの先輩である例えば山崎拓さんなんかも、今のこのやり方には非常に批判的なことを言っておられますけれども、ぜひ皆さん、そこはよく考えて、今まで出された法案の中で、全部やるんじゃなくて、これとこれをまず議論しましょうということで、謙虚になっていただいて、そして一歩一歩進めていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。




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