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2015.02.16|国会会議録

平成27年2月16日 第189回国会 衆議院本会議「施政方針演説に対する質疑(経済政策と格差是正、財政健全化、外交・安全保障、その他の重要課題」


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岡田克也君 
 民主党代表に新たに就任した岡田克也です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表し、安倍総理の施政方針演説に対して質問いたします。(拍手)
 まず冒頭、先日のシリアにおける日本人殺害事件によって犠牲となったお二人に衷心より哀悼の誠をささげるとともに、御家族の皆様に対し心からお悔やみを申し上げます。

 質問に先立ち、民主党についてまず一言申し上げます。

 第一に、民主党の立ち位置です。民主党は、生活者、納税者、消費者、そして働く者の立場に立つ政党です。

 第二に、民主党が目指す社会です。多様な価値観や生き方をお互い認めつつ、互いに支え合う共生社会、これが民主党の目指す社会です。

 第三に、これらを実現するために、民主党は既得権と闘う未来志向の改革政党である、そう考えています。

 私は、政治家として、二十数年来変わらず、政権交代ある政治の実現を目指してまいりました。自民党以外にいま一つの政権を担い得る政党が必要である、民主党のためではなく、日本のために民主党を再生しなければならない、それが私の信念です。その信念に基づき、代表として民主党再生の先頭に立ち、全力を尽くす決意です。

 総理の先日の施政方針演説についても、一言感想を申し上げておきます。戦後以来の大改革、総理は何度も繰り返されました。しかし、私は、演説を聞いていて、違和感を禁じ得ませんでした。改革には痛みが伴います。その痛みについて国民に説明し、説得する、それこそがトップリーダーの役割です。私は、改革の痛みについても、国民に対して、正直に、丁寧に説明してまいりたい。この演説でもそのことを貫きたいと思います。

 さて、まず内政について質問いたします。

 私が最も重要だと考える課題は、経済成長と格差是正の両立です。また、中長期的には、財政健全化と、人口の急激な減少に歯どめをかけることができなければ、日本の将来はありません。いずれも、そのうち何とかなるとの先送りの政治の結果生まれたもので、私たち政治家には大きな反省が必要です。しかし、今からでも遅くはありません。私は、政治家の決断によって、これらの難題を必ず乗り越えることができると確信しています。

 こういった問題意識に基づいて、以下、質問をいたします。

 私は、持続的な経済成長のためには、思い切った成長戦略、規制改革によって生産性を高めることが不可欠だと考えています。したがって、いわゆるアベノミクスの三本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略は、私の基本的考え方と同じです。問題なのは、安倍政権では、法人税減税や、GPIF、年金積立金管理運用独立行政法人による株式投資など、短期的に株価を上げる政策に重点が置かれ、本質的な成長戦略には見るべき実績がないことです。
 そこで、質問します。

 安倍総理は、施政方針演説で、六十年ぶりの農協改革を誇示しました。しかし、農家は、今、米価の大幅下落に苦しんでいます。一体どのようにして、さきの総選挙で自民党が公約した、農業、農村の所得倍増を実現するんでしょうか。重要なのは、農家のための農政改革です。その道筋が全く見えません。
 総理に具体的な説明を求めます。

 安倍政権の経済政策の最大の問題は、成長の果実をいかに分配するかという視点が全く欠落していることです。経済のグローバル化が進む中で、世界の先進国が格差拡大という困難な問題に直面しています。日本も、今や先進国の中で最も格差の大きい国の一つとなっています。

 給与所得者のうち年収二百万円以下の人は一千百二十万人で、全体の四分の一を占めています。相対的貧困率は近年急上昇し、今や過去最悪の一六%にも達しています。特に深刻なのは子供の貧困であり、一人親家庭の子供の貧困率は実に五〇%を超え、OECDの中で最低です。国家として恥ずべきことです。不安定雇用が多い非正規労働者はふえ続け、二千十六万人となり、雇用者全体に占める割合は三八%になっています。いずれも深刻な事態です。

 これをしっかり変えていく。経済成長と格差是正を両立させることで、先進国の中でも格差の小さい、希望の持てる国にする。そのモデルに日本がなる。そのための新しい経済政策を民主党が打ち出していく決意です。

 総理に伺います。

 今、私は、幾つかの格差拡大をあらわす数字を指摘しました。総理は、日本社会の格差が近年拡大しているという事実はお認めになりますか。また、総理は、予算委員会で、格差が人々にとって許容の範囲を超えているものなのかどうかということが重要だと答弁されました。総理自身、今の格差が人々の許容範囲を超えていると判断しているのですか。それとも、そうではないのですか。全ての議論の前提ですから、それぞれについて、イエスかノーか、はっきりとお答えください。

 格差是正のための具体策として、所得課税、資産課税のさらなる見直しが考えられます。
 現在の所得税の最高税率は、民主党政権時代の三党合意に基づき、本年一月から五%引き上げられ、四五%となりました。しかし、この最高税率は、課税所得四千万円以上のわずか五万人が対象です。あわせて相続税も増税し、適用範囲は死亡者全体の四%から六%台に拡大しましたが、まだ十分とは言えません。所得税のかつての最高税率七五%は極端だとしても、税による再配分機能がかなり低下していることは明らかです。所得課税、資産課税のさらなる課税範囲の拡大や税率の引き上げを検討すべきです。
 総理の答弁を求めます。

 正規雇用が減り、非正規雇用が増加したことが、格差拡大の大きな要因です。非正規雇用が急速に拡大した理由は幾つか考えられますが、正規雇用にかかり、非正規雇用には原則発生しない企業の社会保険料負担は、その大きな要因です。九〇年代以降、健康保険料などの社会保険料を中心とする法定福利費は増加の一途をたどり、企業が正規社員に支払う現金給与総額に対する割合は、今や一五%に上っています。
 正規、非正規という働き方によって企業の負担に大きな差が生じる現在の仕組みを改めるとともに、税と社会保険の役割分担をその根本から見直すことが必要です。総理の答弁を求めます。
 今国会提出予定の労働者派遣法改正案や労働基準法改正案を初めとする雇用規制の緩和は、誤った第三の矢の典型です。
 私が総理の答弁を聞いていて疑問に思うのは、総理には、そもそも、労使関係は対等ではなく、だからこそ労働法制が存在するとの基本認識があるのかということです。そして、とりわけ未組織の非正規労働者は、厳しい環境下で不安定な働き方を余儀なくされる人が多いということを、総理は認識しているのでしょうか。
 結婚、出産を諦めなければいけない若者がたくさんいるという現実を無視し、繰り返します、結婚、出産を諦めなければいけない多くの若者がいるという現実を無視し、多様な働き方という美辞麗句にすりかえることは許されません。総理の答弁を求めます。

 日本の企業経営者は、かつては人を育てることを重視してきました。しかし、バブル崩壊後、人件費削減が重視され、その結果、非正規雇用が拡大しました。今までの自民党政権下での規制緩和も、その後押しをしたことは間違いありません。犠牲になったのは若者たちです。人を大切にする経営こそが、日本全体はもちろん、個々の企業の成長にとっても必要であるとの認識を、政府も経営者も共有すべきではないでしょうか。総理の答弁を求めます。

 次に、年金制度について、格差是正の観点から伺います。

 今国会に提出が予定されている年金制度改革法案には、マクロ経済スライドの強化が含まれています。
 マクロ経済スライドは、人口構成の変化の中で年金制度を持続可能とするためのものであり、その必要性については私も十分に認識しています。しかし、それはあくまでも国民の最低生活を保障するという公的年金の機能が維持されることが大前提です。厚生労働省が昨年公表した、かなり楽観的な前提に立った年金の将来試算の標準的ケースでも、国民年金、基礎年金の実質的な金額は、現在より三割も低下します。これで老後の生活保障はなされるんでしょうか。
 国民年金、基礎年金に対しても、マクロ経済スライドを将来にわたり機械的に適用することが、年金制度の趣旨からいって、本当に妥当とお考えでしょうか。総理の答弁を求めます。

 民主党政権では、厚生年金で比較的高額な年金を受給している方々に投じられている基礎年金の税金部分を減額する、あるいは、所得税の公的年金等控除を縮減することで財源を確保し、これを低年金者の年金額のかさ上げに充てることを検討していました。
 働く世代の負担能力にも限界がある中、比較的余裕のある高齢者による高齢者間の負担の分かち合いが必要であり、そのことについて率直に説明し、理解を得るための努力が求められると私は考えます。
 比較的余裕があるとはいえ、従来一律に保護すべき弱者とされてきた高齢者の一部の方々に対する年金の削減や負担増について、総理はどうお考えでしょうか。国民に率直に理解を求める覚悟はありますか。答弁を求めます。

 所得の少ない子育て世代の増加が世代を超えた格差の固定化につながる、これが格差問題の中で最も深刻な問題です。あわせて、急激な人口減少を避けるための少子化対策としても、子ども・子育て支援策は極めて重要です。
 従来、年金、医療、介護を社会保障の三事業としてきましたが、民主党政権では、これに子育て支援を加えて四事業とし、消費税を引き上げて確保した財源から七千億円を子育て支援の充実に充てることにしました。しかし、これでも全く不十分です。
 出生率の改善が顕著なフランスやスウェーデンでは、子育て支援を中心とする家族関係社会支出の対GDP比が三%、多くの先進国が二%を超える中、日本では、現状一・三二%にとどまっています。
 厳しい財政事情を乗り越えて、思い切った予算の組み替えが必要不可欠です。総理にその覚悟はあるのか、答弁を求めます。

 民主党政権では、所得税及び住民税の年少扶養控除を廃止し、得られた財源約一・一兆円を子ども手当、現在の児童手当に充てました。所得控除は、所得の多い人にとっては減税のメリットが大きいですが、所得の少ない人にとっては関係ありません。格差是正という観点からは、控除から手当へ、さらには、本年十月から始まるマイナンバー制度を活用した給付つき税額控除へというのは、有力な選択肢です。
 この点について、総理は同意されますか。答弁を求めます。

 これに関連し、現在、配偶者控除の廃止について、政府内でも議論が行われていますが、生き方、働き方に中立な税制という観点に加えて、子ども・子育て支援策の財源確保の重要性、緊急性を考えれば、早急に結論を出すべきです。総理は、施政方針演説の中で、配偶者控除について言及しませんでした。どうお考えでしょうか。答弁を求めます。

 続いて、中長期的に見た場合、我が国の最大の課題であり、世代間格差是正の観点からも、政治が責任ある対応をすべきと私が考える財政健全化について伺います。総理は、今まで、二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化に向けた具体的な計画を夏までにまとめると説明してきました。しかし、施政方針演説では、二〇二〇年度の財政健全化目標について堅持すると述べただけで、プライマリーバランス黒字化とは明言しませんでした。二〇二〇年度にプライマリーバランスを黒字化するとの目標は、総理において維持されているのか、諦めたのか。総理、明確にお答えください。

 二月十二日の経済財政諮問会議に提出された内閣府の試算では、二〇二〇年度の国、地方のプライマリーバランスは、楽観的な前提を置いた経済再生ケースでも、九・四兆円の赤字となっています。これをどうやって黒字化するのか。歳入増、歳出減、いずれも具体化は容易ではありません。残された時間はわずか五年しかありません。今すぐに取りかからなければ間に合いません。補正予算や来年度予算案の歳出の膨張を見ると、総理が本当にプライマリーバランスを黒字化することを考えているのか、大いに疑問です。
 現時点で総理が考えている安定的な歳入増の具体的内容、歳出減の主要項目ごとの見通しについて、基本的な方向性を今国民に説明すべきです。経済財政諮問会議に丸投げは許されません。答弁を求めます。
 総理は、財政健全化の目標達成に向けた具体的な計画を夏までに策定するとしています。しかし、これでは国会で十分な議論の機会がありません。国会開会中のなるべく早い時期に、政府の考える財政健全化計画の考え方、具体的な中身が明らかとなり、それをもとに、与野党を超えて、この困難な財政健全化のための建設的な議論を行う必要があると私は考えます。
 総理にその用意があるのか、答弁を求めます。

 次に、外交、安全保障について伺います。

 まず、外交に関する私の基本的な考え方を二点申し上げます。
 第一に、国民の理解と信頼に支えられた外交です。国民の理解と信頼があって初めて力強い外交が展開できる、これは、民主党政権で私が外務大臣の職にある間、常に考えていたことです。そのためには、情報公開を積極的に行うことや説明責任を尽くすことが、総理や外務大臣には求められます。
 第二に、開かれた国益の実現です。短期的な国益ではなく、平和で豊かな世界、平和で豊かなアジアを実現することで、平和で豊かな日本を実現していく。この二つの基本的な考え方のもとで、日本外交は、日米同盟を基軸としつつ、アジアの特に近隣諸国との関係を深め、そして国際社会の平和と繁栄に貢献すべきと私は考えます。
 以下、具体的に質問いたします。

 総理は、積極的平和主義を強調しています。世界やアジアの平和のために日本が積極的に貢献することは非常に大切なことです。今までも、日本は、人道支援や途上国の国づくりへの協力、PKO活動などを積極的に展開してきました。他方で、武力行使や武力行使と一体となるような活動とは一線を画してきました。これらのことに対する国際的な評価は非常に高いというのが、私の外務大臣としての実感です。
 しかし、総理が今あえて積極的平和主義を強調するのは、自衛隊を海外でより活用し、従来より一歩踏み込んだ後方支援活動や集団的自衛権行使を念頭に置いているからです。果たして、それは正しい選択なのでしょうか。日本に対する国際的な評価を一変させかねないリスクもあります。
 今まで以上に自衛隊を海外で活用することの必要性について、総理の明快な答弁を求めます。

 そもそも、昨年七月に閣議決定された新三要件は、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に武力行使できるとしています。総理が意味するところは、日本の自衛のためにのみ武力行使を認めたものという主張なのかもしれません。他方で、積極的平和主義は、世界やアジアの平和のために日本が貢献するというものです。日本の自衛と世界の平和、目指すものが違うこの二つを一つにしているところに、積極的平和主義の危うさがあるのです。
 この点について、総理の明確な答弁を求めます。

 自衛隊をより海外で積極的に活用すれば、当然、活動する自衛隊員に対するリスクは高まります。国民がテロなどに巻き込まれるリスクも大きくなります。そういったことに対する国としての備え、そして、国民の覚悟を求めることなく、総理の思いが先走りしていることを強く懸念しています。
 これらのリスクに対する総理の国民に対する説明を求めます。

 次に、集団的自衛権を初めとする安保法制について伺います。
 集団的自衛権を限定容認するなどとした昨年七月の閣議決定は、国民の理解も国会での議論もほとんどないままに強行されたものです。一内閣の判断で憲法の重要な解釈を変えたことは、立憲主義に反し、憲政史上の大きな汚点となりました。
 総理には、こういった認識や反省はみじんもないのでしょうか。答弁を求めます。

 内閣法制局長官が国会で答弁したように、我が国自身が武力攻撃を受けていなくても、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状態ということがもし本当にあるのであれば、集団的自衛権か個別的自衛権かはともかくとして、国民の身体、生命、財産を守るために、政府として何もしないわけにはいかないと私も考えます。
 しかし、それが具体的にどのような状況なのか、全く説明がなされていません。
 この国会をごらんになっている国民の皆さんにもわかるように、幾つかの具体例をお示しください。総理の答弁を求めます。

 集団安全保障についても伺います。

 総理は、昨年九月三十日の衆議院本会議の答弁の中で、憲法上、武力行使が許されるのは、あくまで新三要件を満たす場合に限定される、これは集団的自衛権となる場合でも集団安全保障となる場合でも変わらないと述べています。
 これは、新三要件を満たせば、国連安保理決議に基づく集団安全保障措置に我が国が参加し、武力を行使することが憲法上は可能であると答弁したものと理解していいんでしょうか。また、今国会でそのことを可能とする立法措置を考えているのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 東日本大震災からの復興について、総理は、高台移転は九割、災害公営住宅は八割の事業がスタートしていると施政方針演説で強調されました。
 しかし、現実には、九万人の皆さんが五度目の冬を仮設住宅で迎え、いつになったら安定した生活ができるのか、不安のままに日々暮らしています。とりわけ福島では、故郷に帰るめどすら立たない多くの人々が今も苦しんでいます。
 耳ざわりのいい数字を強調するだけでなく、本当に被災者に寄り添う気持ちが大切です。総理の答弁を求めます。

 総理は、戦後七十年に当たっての談話を出す意向を示しています。
 戦後五十年の際には、当時の村山総理の談話が閣議決定され、植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えたことを認めた上で、痛切な反省と心からのおわびを表明しました。これらの文言は、戦後六十年に閣議決定された小泉総理談話にも引き継がれ、単なるキーワードの域を超えて、日本政府の歴史認識、外交方針として、国内のみならず、国際社会にも広く認知されてきました。
 総理は、今までの言葉を使わなかった、新しい言葉を入れたという細々とした議論にならないよう、七十年は七十年の談話として新たに出したいと発言しましたが、こういった極めて重要な意味を持つ言葉が入るか入らないかということが細々とした議論というのは、到底納得できません。
 先日亡くなったワイツゼッカー元ドイツ大統領は、一九八五年、戦後四十年の連邦議会の演説で、過去に目を閉ざす者は現在に対しても盲目になるという言葉を残しました。
 植民地支配や侵略などの言葉は、七十年談話にも必ず含まれるべきです。その上での未来志向でなければなりません。総理の答弁を求めます。

 戦後七十年に関連して、憲法についても伺います。

 総理は、二〇一三年四月、新聞のインタビューの中で、日本国憲法について、連合国軍総司令部、GHQの、憲法も国際法も全くの素人の人たちがたった八日間でつくり上げた代物だと述べています。
 日本国憲法ができて間もなく七十年、この間、日本国民自身が、あるいは私たちの先輩たちが国会の議論の中で、この日本国憲法を育んできました。
 総理の発言は、日本国総理大臣が、国家の最高法規である日本国憲法をさげすんでいるという誤解を与えかねない重大なものです。私は看過できません。
 総理は、この暴言を撤回すべきです。答弁を求めます。
 
 選挙制度改革について伺います。

 現在、衆議院の選挙制度改革は、町村議長のもとにある衆議院選挙制度に関する調査会において議論が行われています。政治に対する国民の信頼を取り戻すために、是が非でも次の衆議院総選挙は、定数削減と一票の格差是正を実現した新たな選挙区割りのもとで実現する必要があります。そして、小選挙区の区割りの設定や周知期間を考えると、今国会会期中に調査会の結論をいただき、年内には国会として法改正することが必要です。
 圧倒的多数を持つ与党自民党の総裁でもある安倍総理、この場で、年内の法改正に向けたリーダーシップを国民にお約束いただきたい。総理の責任ある答弁を求めます。

 参議院の選挙制度改革も待ったなしです。
 しかし、来年夏の選挙が目前に迫っているにもかかわらず、各党各会派から成る選挙制度協議会における議論は見通しが立っていません。自民党は、昨年九月、突如議論を白紙に戻してしまいました。そして、いまだにみずからの案を一つにまとめられないありさまです。民主党は、一票の格差を二倍以内とし、定数削減も行う具体案を既に提案済みです。
 来年夏の参議院選挙に間に合わせるためには、今国会中に必要な法改正を行わなければなりません。今以上に国民の政治不信を招きかねない危機的状況です。衆議院、参議院の問題ではありません。国会全体の問題です。
 安倍総理は、施政方針演説で、全ては国民のため、党派の違いを超えて、選挙制度改革、定数削減を実現させようではありませんかと呼びかけました。総理は、呼びかける相手を間違っているんです。総理が呼びかけるべき相手は自民党です。与党自民党の総裁として、安倍総理がリーダーシップを発揮し、自民党内を取りまとめることが先です。
 その覚悟はあるのか、総理の答弁を求めます。

 安倍総理に一つお約束いただきたい。
 党首討論を少なくとも月一回行うことは、昨年五月の与野党七党の国会改革の重要な合意事項です。この約束を守り、党首討論を定例化しようではありませんか。総理の答弁を求めます。
 最後に、私から提案したいと思います。
 予算委員会を初めとする委員会審議では、質疑、すなわち質問に対する答弁をすることが基本であって、総理が反論することは基本的に認められていません。しかし、私は野党第一党の党首ですから、常識の範囲内で総理が反論されることを否定するつもりはありません。ただし、聞かれてもいないことを長々と答弁したりすることはぜひやめていただきたい。
 国会審議は大切です。国民が政治に期待を持てるように、わかりやすく、内容のある、建設的な議論、質疑を行ってまいりましょう。
 本日は基本的なことを伺いました。安倍総理の答弁をもとに、予算委員会、党首討論でさらに具体的な議論を行いたいと考えていることを最後に申し上げ、私の代表質問といたします。(拍手)


○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田克也議員にお答えをいたします。

 農政改革についてお尋ねがありました。

 農業は、日本の美しいふるさとを守ってきた、国の基であります。一方で、我が国の農業の活性化は待ったなしであります。

 農業の成長産業化を図るため、安倍内閣では、農地集積バンクの創設、輸出、六次産業化の推進、米の生産調整の見直しなど、農政改革に力を注いでまいりました。

 さらに、今般、意欲ある農業の担い手が活躍しやすい環境となるよう、農協、農業委員会、農業生産法人の三つの改革を一体的に行います。

 特に農協については、意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮し、ブランド化や海外展開を図っていける体制に移行します。このことにより、農家の所得をふやしてまいります。

 政策を総動員して改革を進め、消費者ニーズに応えた強い農業をつくり上げていけば、六次産業化を含めて農業の可能性は広がり、農業、農村全体の所得もふえていくと確信しております。

 格差の現状についてのお尋ねがありました。

 格差に関する指標はさまざまであり、格差が拡大しているかどうかについては一概に申し上げられませんが、例えば、我が国の場合、当初の所得に比較して、税や社会保障による再分配後の所得の格差は、おおむね横ばいで推移しています。

 また、最近の世論調査によると、国民の中流意識は根強く続いており、個人の生活実感において、格差が許容できないほど拡大しているという意識変化は確認されていません。

 いずれにしても、安倍内閣は、経済再生に取り組み、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、子供たちの誰もが、家庭の経済事情に左右されることなく、希望する教育を受けられるようにしてまいります。

 こうした取り組みを通じ、誰にでもチャンスがある、そして頑張れば報われるという社会の実現に向け、尽力してまいります。

 なお、格差の状況については、引き続き幅広く検証してまいります。

 格差是正のための税制上の措置についてお尋ねがありました。

 格差が固定化しない、あるいは許容し得ない格差が生じない社会を構築していくことは、重要な課題であります。

 安倍内閣においては、税制について、再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率引き上げ、給与所得控除の見直し、金融所得課税の見直し、相続税の見直し等を通じ、随時実施してきているところであります。

 税制における再分配機能のあり方については、経済社会の構造変化も踏まえながら、引き続きよく考えてまいります。

 税と社会保障の役割分担などについてお尋ねがありました。

 年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、必要な給付との見合いで、負担能力に応じた保険料負担を行う一方で、保険料に係る国民の負担の適正化に充てるため、公費投入が行われていると考えております。

 三党合意により成立した社会保障制度改革推進法においても、公費等に関するこうした考え方が規定されており、今後ともこれに沿って対応すべきと考えております。

 また、将来の年金や医療に不安を抱えることなく、安心して働くことができるよう、非正規雇用であっても、雇用される方であれば社会保険への加入を促進することが重要であり、平成二十八年十月から実施される短時間労働者への適用拡大について、円滑な施行を図ってまいります。

 労働法制と非正規労働者についてのお尋ねがありました。

 労働法制は、労使の交渉力の違いを踏まえ、立場の弱い労働者が劣悪な環境で働くことのないよう保護する観点から、契約自由の原則を修正しているものと認識しています。

 非正規雇用労働者には、能力開発の機会が少ない、賃金が低いといった課題があるため、キャリアアップや処遇改善に向けた取り組みを進めていくことが重要であり、キャリアアップ助成金の拡充などの支援を図るとともに、希望する方には正社員への転換を推進してまいります。

 また、未来を担う若者が能力を十分発揮できるよう、その雇用対策を強化します。

 安倍内閣としては、ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進め、働く方の個々の状況に応じ、あらゆる人が生きがいを持って創造性を発揮できる環境をつくってまいります。

 人を大切にする経営についてお尋ねがありました。

 人を大切にする我が国の人事・雇用管理のすぐれた点を失うことなく、国民が働きながら幸せを実感し、企業の収益を伸ばし、さらには働く方々にその成果が還元されるよう、経済の好循環を全国津々浦々に拡大してまいります。

 非正規雇用については、景気が回復し、雇用が増加する過程において、パートで短時間働く人などがふえたためその数は増加しておりますが、一方で、ここが大切なところですから、非正規雇用者の中で、正規の職につきたくても不本意ながら非正規の職についている人の割合は、このところ低下しています。この点は特に強調しておきたいと思います。

 こうした働き方を進め、非正規雇用労働者について、キャリアアップや処遇改善に向けた取り組みを進めていくことが重要であり、政労使合意も踏まえ、能力開発のため、キャリアアップ助成金の活用などを図ってまいります。

 年金のマクロ経済スライドについてお尋ねがありました。

 マクロ経済スライドは、平成十六年の改革により、将来世代の負担を過重にしないため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものであります。こうした仕組みは、基礎年金を含め、公的年金制度全体に共通する考え方であります。

 なお、社会保障・税一体改革において、医療や介護の保険料負担軽減や、低所得で低年金の高齢者に対する福祉的な給付金など、社会保障全体を通じて低所得者対策の強化を図ることとしています。

 高齢者による負担の分かち合いについてお尋ねがありました。

 一昨年の社会保障制度改革国民会議では、全世代型の社会保障への転換を目指し、年齢別から負担能力別に負担のあり方を切りかえ、高齢者にも負担能力に応じた貢献を求めることが必要であると提言されています。

 こうした議論を踏まえ、医療や介護など社会保障制度全体を通じ、低所得者に配慮を行う一方で、高齢者でも経済力のある方には、それに見合った負担を求める取り組みを進めているところです。

 なお、高所得者の年金給付のあり方については、国民会議において、高齢世代内の再分配機能を強化する観点から、年金制度だけではなく、税制や他の社会保障制度の負担など、さまざまな方法を検討すべきと提言されており、これを踏まえて考えるべき問題と認識しております。

 少子化対策予算についてお尋ねがありました。

 少子化は、我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねないとの危機意識のもと、安倍内閣では、子供への資源配分を大胆に拡充することとしています。

 来年度予算では、消費税率一〇%への引き上げは延期しましたが、子ども・子育て支援新制度を予定どおり四月から実施することとし、待機児童の解消等に向けた量の拡充や、保育士の処遇改善等の質の改善のための財源を確保することとしています。

 さらに、諸外国の経験も参考にしながら、財源を確保した上で、子供への資源配分を大胆に拡充することが必要であると考えています。

 今後とも、より効率的かつ集中的な少子化対策に取り組んでまいります。

 給付つき税額控除と配偶者控除についてお尋ねがありました。

 お尋ねの給付つき税額控除については、低所得者に絞った効率的な支援が可能となるとの議論がある一方で、所得の把握、資産の把握の問題、執行面での対応の可能性等の課題があるものと承知しています。

 いずれにせよ、経済社会の構造変化に対応して税制のあり方を検討していくことは必要であると考えています。

 また、配偶者控除については、昨年十一月の政府税制調査会の論点整理において、家族のあり方や働き方に関する国民の価値観に深くかかわることから、今後、幅広く丁寧な国民的議論が必要とされています。

 今後、政府税制調査会や与党税制調査会において議論を行った上で、国民的議論を行いながら判断していくべき問題であると考えています。

 財政健全化についてのお尋ねがありました。

 安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を目指しています。

 二〇二〇年度までに、国、地方を合わせ基礎的財政収支を黒字化するという財政健全化目標はしっかりと堅持し、その目標に向け、デフレから脱却し、経済再生により税収をふやす、無駄削減など徹底した行財政改革もしっかりとやるなど、歳出歳入両面にわたり取り組んでまいります。

 社会保障についても、効率化、合理化や重点化を進めてまいります。

 本年夏までに、目標達成に向けた具体的な計画を策定いたします。

 今まで以上に自衛隊を活用することの必要性についてお尋ねがありました。

 今日、国際社会における軍事力の役割は多様化しており、紛争の抑止、対処にとどまらず、紛争予防から復興支援、さらには人道支援、災害救援、海賊対処などの分野において重要な役割を果たすようになっています。

 このような中、自衛隊は、高い能力と揺るぎない使命感、そして献身的な努力で、日本の平和を守り、世界の平和に貢献してきました。

 安全保障環境の激変により、もはやどの国も、一国のみで平和を守ることはできません。国際社会もまた、我が国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待しています。

 いかなる事態においても国民の命と幸せな暮らしを守り抜く、また国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していく、そのため、自衛隊にはより一層の役割を担ってもらう必要があります。そう確信しております。

 先般の閣議決定と積極的平和主義についてお尋ねがありました。

 シリアでの邦人テロ事件やパリの新聞社襲撃事件など、世界に広がるテロの脅威、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、サイバー攻撃など、今や脅威は、容易に国境を越えてやってくる時代になりました。

 もはや、どの国も、一国のみで自国の平和と安全を守ることはできません。自国の平和と安全を守るためには、アジア太平洋地域、さらには世界の平和と安定を確保することが必要であります。

 先般の閣議決定の目的はただ一つ、国民の命と幸せな暮らしを守り抜くことであります。そして、国民の命と幸せな暮らしをより確かなものにしていくために、地域や世界の平和と安定の確保に、我が国はより一層積極的に貢献していきます。このような能動的な平和外交が積極的平和主義であります。

 したがって、先般の閣議決定と積極的平和主義について、目指すものが違うこの二つを一つにしているといった御指摘は全く当たりません。

 自衛隊の積極的な活用によるリスクについてお尋ねがありました。

 今後とも、国民の命と幸せな暮らしを守るという自衛隊員の任務には何ら変更はなく、自衛隊員が海外で我が国の安全と無関係な戦争に参加することは断じてありません。

 国際社会の平和と安定への貢献に当たっては、これまで同様、安全を確保しつつ行うことは言うまでもありません。

 また、もはやどの国も、テロの脅威から安全な国はありません。政府としては、テロの未然防止に万全を期すため、国際社会と密接に、緊密に連携し、諸対策を推進してまいります。

 我が国としては、テロに屈することなく、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の一員として、地域や世界の平和と安定のために積極的に貢献してまいります。

 安全保障法制に関する閣議決定と立憲主義との関係についてお尋ねがありました。

 昨年七月の閣議決定は、国民の命と幸せな暮らしを守るため、必要最小限度の自衛の措置が許されるという、従来の憲法解釈の基本的考え方を変えるものではありません。したがって、憲法の規範性を何ら変更するものではなく、立憲主義に反するものではありません。

 また、閣議決定だけで自衛隊が行動できるようになるわけではなく、根拠となる法律が必要です。閣議決定は、あくまでも法整備のための基本方針であり、これに基づいて、現在、法案の準備を進めています。

 引き続き、国民の皆様のさらなる御理解を得る努力を続けながら、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安全保障法制の整備を進めてまいります。

 新三要件を満たす状況について具体例を示すべきとお尋ねがありました。

 新三要件における、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合とは、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況のもと、武力を用いた対処をしなければ、国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということをいうものと考えています。

 いかなる状況がこれに該当するかは、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難ですが、例えば、具体的に次のようなものが考えられます。

 一つ目は、邦人輸送中の米軍船舶の防護です。

 例えば、我が国近隣で武力攻撃が発生し、米国船舶は公海上で武力攻撃を受けている、攻撃国の言動から我が国にも武力攻撃が行われかねない、このような状況においては、取り残されている多数の在留邦人を我が国に輸送することが急務となります。

 そのような中、在留邦人を乗せた米国船舶が武力攻撃を受ける明白な危険がある場合は、状況を総合的に判断して、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況に当たり得ると考えられます。

 二つ目は、ホルムズ海峡での機雷敷設です。

 海洋国家である我が国にとっては、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要です。我が国が輸入する原油の約八割、天然ガスの二割強はホルムズ海峡を通過しており、ホルムズ海峡はエネルギー安全保障の観点から極めて重要な輸送経路となっています。

 仮に、この海峡の地域で武力紛争が発生し、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合には、かつての石油ショックを上回るほどに世界経済は大混乱に陥り、我が国に深刻なエネルギー危機が発生し得ます。

 我が国に石油備蓄は約六カ月ありますが、機雷が除去をされなければ危険はなくなりません。石油供給が回復せず、我が国の国民生活に死活的な影響が生じるような場合には、状況を総合的に判断して、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況に当たり得ると考えられます。

 新三要件と集団安全保障措置との関係及び今後の法整備についてのお尋ねがありました。

 憲法上、武力行使が許されるのは、あくまで先般の閣議決定にある新三要件を満たす場合に限られます。

 例えば、我が国に対する武力攻撃が発生した場合、自衛隊は、個別的自衛権に基づき、武力を行使して自衛の措置をとることとなります。その後で、国連安保理が、日本を助けるため、武力行使を容認する決議を採択し、国際法上の武力行使の根拠が国連安保理決議に基づく集団安全保障措置になったとしても、我が国に対する武力攻撃が続いている限り、自衛隊が活動をやめることはありません。

 同様に、新三要件を満たしている場合に、我が国が集団的自衛権の行使に当たる武力の行使を行っている際、国連安保理が武力の行使を容認する決議を採択し、国際法上の武力行使の根拠が国連安保理決議に基づく集団安全保障措置になったとしても、新三要件を満たしている限り、自衛隊が活動をとめることはありません。

 政府としては、閣議決定で示された基本方針のもとで、新三要件を満たす場合にのみ、憲法上認められる自衛のための措置についての立法措置を含め、切れ目のない安全保障体制の整備を進めてまいります。

 東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。

 避難者の数は、当初の四十七万人から二十三万人に減少しましたが、いまだ多くの方が仮設住宅におられるという厳しい状況にあることも事実であります。住宅再建の工事を急ぐとともに、町のにぎわいを戻すための産業、なりわいの再生、被災者の心身のケアにも力を入れているところであります。

 私は、内閣発足以来、合計二十一回にわたり被災地を訪問してまいりました。一昨日も、岩手県と宮城県を訪問し、被災者の方々の不安の声や何を必要とされているかといったことについてしっかりとお話を伺ってまいりました。

 今後とも、被災者の方々に寄り添い、一日も早く安心して暮らすことができるよう全力を尽くしてまいります。

 戦後七十年の談話についてお尋ねがありました。

 安倍政権としては、戦後五十年の村山談話、戦後六十年の小泉談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えであります。戦後七十年の談話は、それを前提として作成するものであります。

 談話の内容については、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本として、アジア太平洋地域や世界のために、さらにどのような貢献を果たしていくのか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になっていくのかについて、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであります。

 いずれにせよ、具体的内容は、今後、有識者の御意見を伺いながら、政府として検討していきます。

 日本国憲法についてお尋ねがありました。

 現行憲法は帝国議会において議決されたものであり、安倍内閣においても、憲法を厳に遵守しております。

 御指摘の私の言葉は、現行憲法については、戦後の占領下において、その原案が連合国軍総司令部によって短期間に作成されたものであるとの事実を述べたものにすぎず、御指摘は全く当たらないと考えています。

 選挙制度改革についてお尋ねがありました。

 選挙制度の改革は、議会政治の根幹にかかわる重要な課題であることから、小さな政党も含め、各党各会派が真摯に議論を行うことが重要です。

 衆議院については、現在、議長のもとに設置された第三者機関においてさまざまな議論が行われております。大切なことは、各党各会派がその答申に従うことであると考えています。

 参議院については、現在、議員による協議機関でさまざまな議論が行われているところであり、私からも、党に対し、早期にしっかりと議論を進めるように指示をしております。

 いずれにせよ、各党各会派において建設的な議論が進められ、早期に結論を得ることによって、国民の負託にしっかりと応えていくべきものと考えております。

 党首討論についてお尋ねがありました。

 国民が政治に期待を持てるよう、建設的な議論を行っていこうとの御提案には大賛成であります。

 ただ、そのためには、国民に対して、それぞれが異なる政策の選択肢を提示していくことが不可欠であります。国会の具体的な運営は国会でお決めいただきたいと思いますが、ぜひ、具体的な政策の違いを国民の前で明らかにしながら、正々堂々の議論を行わせていただきたい、このように考えております。

 最後となりましたが、岡田克也議員の新代表就任、心からお祝いを申し上げます。国会で建設的な議論を行うことができるよう、リーダーシップを発揮されることを期待しております。(拍手)




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