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2011.07.04|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(7月4日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年7月4日(月)16時04分~16時29分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110704okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言
○3党幹事長・国対委員長会談について

■質疑
○松本龍復興担当大臣の発言について
○沖縄への一括交付金について
○社会保障と税の一体改革について
○谷垣自民党総裁夫人の葬儀に参列して
○官邸との意思疎通について
○再生可能エネルギー法案について
○日銀の地域経済報告について
○国会議員の資産公開制度について
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■冒頭発言

○3党幹事長・国対委員長会談について

【幹事長】今朝、自民・公明の幹事長とともに3党幹事長・国対委員長会談を開きま
した。先ほどぶら下がり取材でも少し申し上げたわけですが、今後の国会の動かし方
について、あらあら議論をさせていただきました。
 具体的な日程、予算委員会については、明日ではなくて明後日からスタートとなっ
たようですが、そういった日程については国対委員長間の話し合いにゆだねることを
申し上げたうえで、しかし重要な法案については、第2次補正予算が出てくる今月半
ばまでに、できるだけ成立させていただきたいということを申し上げたところであり
ます。自然エネルギーの固定価格買取制度、そして赤字国債発行の根拠になる公債特
例法、あるいは原発の賠償スキームについての新たな法案につきましても、いずれも
重要な法案でありますが、各党とよく協議して速やかに成立させていただきたいこと
を申し上げたところであります。
 各党もそれぞれ、基本的に協力してやっていく姿勢を確認できたことは非常によ
かったと考えております。
 その後、官邸に参りまして、そういったことの報告かたがた、いろいろなことにつ
いて総理と意見交換をしてまいりました。なるべく官邸に行く回数も増やして、週1
回は必ず行っていたのですが、もう少し増やして、この重要な国会の局面ですから、
意思疎通をさらによくしていきたいと考えているところであります。

■質疑

○松本龍復興担当大臣の発言について

【西日本新聞・伊藤記者】先ほど3党幹事長会談で自公から伝えられたことを、松本
大臣に伝えるとおっしゃっていたが、松本大臣にはどういったことをお伝えして、大
臣からどういった言葉があったか。

【幹事長】そういうことを、細かく言うべきではないと思います。ただ、私としては
自民・公明の両幹事長からこういう話があったということを松本さんに伝えたと。そ
して予算委員会の集中審議もありますし、大事なお立場なので、そこは十分に注意し
てやっていただきたいと。
 もちろん、松本さんが何をおっしゃったかということは、これは両党の幹事長にも
申し上げたのですが、私自身が直接把握をしているわけではありません。報道を通し
て承知をしているだけですから、それが全体かどうかということはわからないが、被
災地から見て違和感を覚えるような、そう映っているとすれば、それは慎重に対応し
てもらいたいということを申し上げたところです。

【毎日新聞・野口記者】松本大臣本人は今日、「問題がない」という考えを記者団に
示したが、幹事長は、松本さんが正式に陳謝するべきだとお考えか。

【幹事長】私はこの件について、直接どういう発言があったかということは報道を通
じてしか承知しておりませんし、それが、問題があるとかないとか、謝罪すべきであ
るとかないとかいうことは、私が申し上げることではないと思います。

【日経新聞・恩地記者】松本さんの件についても先ほど総理とは意見交換されたか。

【幹事長】私は、この松本大臣の問題は内閣の問題ですので、私があまり口を挟むよ
うなことではないと基本的には考えているわけです。ただ、松本さんとは同期であり
長年の友人ですから、友人として少しお話を申し上げたということです。
 総理のところでも話題にはなりましたが、そういろいろ申し上げたわけではありま
せん。

【日本テレビ・斉山記者】松本大臣とは電話でお話しになったのか。

【幹事長】はい、そうです。

【毎日新聞・野口記者】松本大臣の発言に対して、野党から謝罪を求めたり、謝罪を
しないのだったら辞任を求めるという声が出ているが、野党との関係にこの問題が影
響を与えるか。また、被災地の方々と大臣との信頼関係が崩れると思うが、被災地と
の関係にも影響を与えるか。

【幹事長】先ほど申し上げましたように、これは内閣の問題であり、松本大臣の問題
ですので、私からコメントはこれ以上ありません。

【産経新聞・千葉記者】松本大臣の発言が野党の追及材料になって、国会審議に及ぼ
す影響について、幹事長はどうごらんになっているか。

【幹事長】やや議論が混同されていると思いますが、大臣の発言が国会の中で取り上
げられることはおかしなことではありません。松本大臣がしっかり答弁していただき
たいと思います。そのことと、政党間で話し合われる国会の運び方についての議論と
は別の問題だと思っています。

○沖縄への一括交付金について

【琉球新報・仲井間記者】沖縄協議会として、国の直轄事業費も含めて県に一括交付
金化する方向で方針をまとめているという一部報道がある。直轄事業費の扱いは、沖
縄政策PTの最終案では一括交付金化の対象に含まれていなかったが、沖縄県連は対
象にしてほしいと要望しており、両者の意見が異なっている。協議会としては、一括
交付金化の対象に国の直轄事業費も含める方向で検討されているのか。

【幹事長】協議会は今週の金曜日に、沖縄からも来ていただいて議論することになっ
ておりますので、それまではプロセスです。途中の話はあまりしないほうがいいと思
います。
 ただ、知事とお話ししたときにも、知事は国直轄事業についても、大部分のものに
ついては一括交付金に含めてもらいたい、ただし鉄軌道などは別だと、こうお話しに
なっておられました。そういう知事あるいは県庁の考えも参考にさせていただきなが
ら、よく県連と、そして内閣のほうと議論しなければならないと思います。

○社会保障と税の一体改革について

【朝日新聞・南記者】先週、政府・与党案が決定したが、幹事長は1月のブログの中
で、ことしは社会保障の改革と財源のパッケージの全体像を示して、国民の皆さんに
「これならやむを得ない」という理解を得る1年にしなければならない、と決意を
語っておられた。特に民主党が力を入れてきた年金の部分について、今回の改革案の
達成度、どのくらい満足いくものが仕上がったという認識か。

【幹事長】年金については2段階に分けて議論しているわけで、もし我々がマニフェ
ストでうたった年金制度を前面に掲げれば、これは法案としては成立いたしませんの
で、やはり与野党が合意していくことを考えたときに、少し残念ですが、こういう方
法にならざるを得なかったと思います。
 もちろん、中期的に新たな制度を目指していくという方向性は変わっておりません
ので、当面の対応、つまり10%にするときの対応と、さらに抜本改革をして、その
財源として消費税が必要であれば、さらにそこに上乗せをしていくという2段階に分
けるやり方は、私はそうおかしなものではないと考えています。

【朝日新聞・南記者】民主党の目指していた最低保障年金の創設や年金の一元化につ
いて、抜本的な改革を進めていくためには、今回上乗せした10%にさらに上乗せし
た消費税率が必要だという理解でよろしいか。

【幹事長】全体として、今回の10%ですべて賄えるわけではないことは、まずは1
0%ということで全体書いてあるわけで、それは将来的にさらなる上乗せも念頭に置
いていることは、もう報告書で明らかだと思います。年金制度を抜本的に改革して、
より税の割合を増やすことになれば、その分も必要になるかもしれません。それは具
体的にどういう制度設計をするかにかかっていると思います。
 そういう中で、一部だけ切り取られて「さらに消費税を上げようとしている」と
か、そういうところだけ書かれると非常に不本意ですから、注意していただきたいと
思います。

【産経新聞・千葉記者】民主党が掲げてきた月額7万円の最低保障年金の創設や年金
一元化は先送りという形になった。これは将来的に実現の可能性はあるとお考えか。

【幹事長】もちろん実現可能なものだと考えております。ただ、そのためには野党の
賛同があるか、それとも衆参ともに民主党が過半数をとらなければ実現できないとい
うことだと思います。

【朝日新聞・南記者】民主党としては、年金一元化や最低保障年金の創設、それに伴
う財源としての消費税、そういった全体像を次期衆議院選で示す考えに変わりはない
か。

【幹事長】というふうに私は申し上げておりません。まずは、先般まとめた10%、
そしてその枠内でできる社会保障の改革をきちんとお訴えする。それが当面必要なこ
とであって、そのことと、もう少し先を見て年金制度改革をする、いずれも主張する
ことになりますが、そのためにどれだけ財源がさらに要るとか、そういう議論にはな
らないと思います。

【朝日新聞・南記者】年金一元化と最低保障年金創設という民主党の従前の考え方
を、次期総選挙でも引き続き掲げていくお考えか。

【幹事長】これはもちろんマニフェストをつくるときの議論ですから、今決定的なこ
とは言えませんが、そういう考え方があるからこそ、今回の政府・与党の文書の中に
もそういった考え方が示されたと私は理解しています。

【朝日新聞・南記者】今回の文書には時期について書かれていなかったが、政府・与
党内での議論をいつごろから本格的に始める予定か。

【幹事長】これはマニフェスト全体にかかわる話ですから、次の執行部がお考えにな
ることだと思います。

○谷垣自民党総裁夫人の葬儀に参列して

【日刊スポーツ・中山記者】土曜日に谷垣自民党総裁の奥様の地元葬に行かれたが、
そのときに谷垣総裁と交わした話の内容を教えていただきたい。

【幹事長】総裁とはあまりお話をしておりません。もちろん、私が着きましたとき
に、総裁からごあいさつをいただきました。そしてまたご焼香が終わりまして、帰る
ときに丁寧にごあいさつをいただきました。しかし、ずっと谷垣総裁は、お客様をお
迎えするために入り口のところに立っておられたので、それ以上のお話は特にしてお
りません。

○官邸との意思疎通について

【日経新聞・恩地記者】冒頭で「これから官邸に行く回数を増やす」とおっしゃった
が、裏を返すと今、総理と幹事長及び執行部の間で意思疎通があまりできていない、
総理が考えていることがよくわからないという認識をお持ちということか。

【幹事長】そういうことは全くありません。基本的に意思疎通はきちんとできている
と思います。ただ、これから国会も非常に微妙なかじ取りを求められますので、頻度
を増やそうということです。

○再生可能エネルギー法案について

【NHK・広内記者】再生可能エネルギー法案も補正の提出前の成立を目指すという
ことでよろしいか。

【幹事長】はい。各委員会でもう論点は相当出尽くしていると、私は思いますので、
少なくとも採決をすることについては時間がかからないのではないかと。あとは自民
党や公明党が、それに対して賛否をどう考えるのかということだと思います。

【時事通信・中西記者】総理が掲げた3条件を、執行部としては月内に終えたいとい
う意向か。

【幹事長】条件というか、総理はこの3つをぜひ自分として、総理としてやり遂げた
いということを言われたわけです。その総理の強い意欲、それを実現したいというの
は執行部として当然だと思います。それをなるべく早くというのも、その総理の熱意
にこたえる、執行部としては当然のことだと考えております。

○日銀の地域経済報告について

【テレビ東京・吉田記者】本日、日銀が「地域経済報告」を発表して、東北地方の経
済について景気判断を引き上げたが、その受け止めと、東北地方の経済の回復のため
に、3次補正を含めて政治が何をできるか、どういったことをしていくべきか。

【幹事長】なかなか簡単にお答えしにくい問題だと思います。まず東北地方で景気判
断が引き上げられたのは、例えば多くの物を失った方が多いわけですから、家財道具
とか。したがって、それが消費につながっていると。それから、いったんだめになっ
たいろいろな生産活動が少しずつ復興しているにすぎないのであって、本格的な回復
と言うにはほど遠いのが現状だと思います。失業されたり、あるいは財産をなくされ
た方が多い中で、無理をして当面の生活を賄うために買い物をしたりという姿であっ
て、本格回復ということは、私は言えないと思います。
 あとは本格的な復興をしていくための第3次補正予算をしっかりと早くつくり上げ
ることは、2次補正の早期成立と並んで非常に重要であると考えています。

○国会議員の資産公開制度について

【日経新聞・恩地記者】今日、国会議員の資産が公開されたが、この制度は93年の
創設以来、実質的な制度変更がなく、例えば現金や普通預金の公開がされていない。
この制度の見直し点など、何か思うところはおありか。

【幹事長】以前に私、申し上げたことがあるんですが、まず罰則がないんですね。で
すから「間違っていました」と言って修正すれば、それで終わりと。もちろん、誰に
でも不注意な間違いはありますからいいんですけれども、しかし、非常に悪質な場合
には、何らかの、そういったことが起こらないための担保は必要ではないかと思いま
す。
 もう1つは、この制度の本来の趣旨は、いろいろな役職にある間に説明できない財
産が増えたりすることについて、それをチェックするための機能です。それが興味本
位で、正当に取得された財産であっても、そのこと自身が多いとか少ないとか取り上
げられたりする。大事なことは、政治家をやっている間の「変化」なんですね。にも
かかわらず、やや興味本位的に取り上げられているのは、本来の趣旨からいうといか
がなものかと。もう少し、変化したことについてきちんとチェックできるような仕組
みにしていったほうがいいんだろうと思います。
 具体的に言うと、増えたものは申告しますが、減ったものは申告しなくていいこと
になっていますね。これなども全体の動きをつかむためにはわかりにくい制度ではな
いかと思います。
 それから所得の中で、株式の配当については今、分離課税になっていますので、そ
の所得は所得の中に含まれていません。そういったいろいろな問題について、本来で
あれば少し現実に近づけるように見直したらいかがかと思っています。




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