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2011.07.07|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(7月7日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年7月7日(木)16時05分~16時24分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110708okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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○原発の再稼働について
○選挙制度改革について
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【幹事長】私からは特にありません。皆様のほうからご質問いただければと思いま
す。

■質疑

○原発の再稼働について

【毎日新聞・野口記者】6月の段階では原子力安全・保安院が「定期検査中の原発は
安全」と宣言していたが、昨日になって政府がすべての原発を対象にストレステスト
を行うと発表した。突然の方針転換によって、原発の再開に手間取って混乱するので
はないかという指摘に対して、こうした突然の発表をどのように見ているか。

【幹事長】ちょっと質問を整理していただけますか。何を聞きたいのかよくわからな
いので。

【毎日新聞・野口記者】そもそも「定期検査中の原発は安全だ」と保安院が言って浜
岡だけ止めていたのが、昨日の政府の発表では、すべての原発を対象にストレステス
トをやるということで、政府の方針が変わったのではないか。

【幹事長】ちょっと、言われていることが正確ではないと思います。ストレステスト
をするということは、安全でないということを言っているのではないので。それから
昨日出てきた話は、現実に稼働するに当たってストレステストというものが追加的に
求められると言ったということであって、若干、ご質問の認識の前提に誤解があるの
ではないかと思います。もう少し正確に聞いていただいたほうがいいと思います。

【朝日新聞・南記者】玄海原発について、海江田万里経済産業大臣が再開を要請した
後に、総理がストレステストという話を持ち出して、ちぐはぐ感もある。一連の政府
の対応について、いかがお考えか。

【幹事長】残念ながら、ちぐはぐと言われても仕方がないと思います。いったん海江
田大臣が佐賀まで行かれて、そこで町長および知事に説明をされて、その前提は「政
府として責任を持つ」という趣旨のことまで言われたわけですから。そういったこと
を前提に、古川佐賀県知事は前向きの感触を述べられたということです。そこでまた
新たなハードルが出てくるということでは、それは知事が批判的になるのはある意味
では当然で、もう少し政府のほうが考え方を整理して対応される必要があると思いま
す。

【西日本新聞・伊藤記者】海江田大臣が佐賀県知事との会談ではそういったことは一
言も説明されなかったのに、昨日、突然ストレステストの話が出てきた。閣内で意思
疎通ができているのか。幹事長は、かねてから再稼働に前向きなお考えだが、総理が
どのような考えをお持ちか、幹事長は理解されているのか。また、確認する考えはお
ありか。

【幹事長】まず、私自身は、一定の客観的条件を満たせば再稼動するという考え方で
す。前向きも後ろ向きもなくて、事実に基づいて条件が満たされれば再稼働すべきで
あると考えています。
 総理がどういうお考えなのか、それはまず閣内で関係大臣と総理の間でしっかり意
思疎通をしていただく必要があると思います。この1日、2日の経緯を見ております
と、それが十分ではなかったのではないかと言われても仕方がない。そういうことに
ならないようにしっかり意思疎通をよくして、政府としての方針を明確にしてもらい
たいと思います。
 そうでないと、佐賀県以外も含めて再稼働と、何を満たせば再稼動可能になるのか
ということがはっきりしない状態では、これは再稼動できないことになってしまうと
思います。そういったことについて、より明確に示すことが求められていると思いま
す。

【フジテレビ・橋本記者】再稼動を容認すると言っていた玄海町長が、容認を撤回し
た。今回のストレステストというものが判断に一定の影響を与えていることについ
て、いかがお考えか。

【幹事長】それは佐賀県知事と同じです。政府のほうで一定の基準がクリアされてい
るということで、そして「政府が責任を持つ」という説明の中で、前向きな考え方を
示されたと。しかし、そのハードルが政府の中で上がってしまったということが、知
事や町長の不信感を増幅してしまったという状況だと思います。そういうことは好ま
しくない。町長や知事に対しては、やはりそれは申し訳ないことです。私は政府の人
間ではありませんが、与党の幹事長として申し上げれば、基準が途中で変わってし
まったことは、大変申し訳なかったと思います。

【朝日新聞・南記者】政府内での意思疎通をしっかりしてほしいということだが、玄
海原発の再開を要請した際には、海江田大臣の説明だと、総理にも事前に報告し、事
後にも報告したということで、再開を要請した段階では意思疎通がとれていたように
思われるが、昨日になってストレステストという話が出てきた。これは総理が方針転
換したように思われるが、こうした総理の対応について幹事長としていかがお考え
か。

【幹事長】そこはよくわかりません、真実は。ですから、私が一定の想定に基づいて
お話しするのは避けたほうがいいと思います。
 いずれにしても意思疎通が十分なされていないと思われますので、関係大臣間で、
もちろん総理と海江田大臣、あるいは細野原発担当大臣、枝野官房長官、意思疎通を
まずよくして、そして共通の認識に立って政府としての考え方を示していただきたい
と思います。
 このストレステストというものは、そもそも再稼働の条件なのかどうかも、はっき
りしないわけであります。EUはストレステストをやっているといっても、別にこ
れ、(原発を)止めたりしているわけではなくて、稼働中のものについて行っている
わけで、はたしてそれを再稼働の条件として言われているのかどうかということも
はっきりいたしません。そもそもEU並みのストレステストを行おうとしているのか
どうか、どういう中身の追加的なテストを、あるいは基準を考えておられるのかす
ら、まだ決まっていないのではないかとも思われるわけで、そういったことを急がな
いといけないんだろうと思います。
 本来であればそういうことは、3月、4月の段階できちんと議論してやっておくべ
きことだったはずで、今ごろになってそういう議論が出てきているのは、やや私も釈
然としないものを感じております。

【西日本新聞・伊藤記者】玄海原発再稼働に関して、経産省が主催した説明番組宛て
に賛成意見を送るよう、九電幹部が関係会社に依頼した件で、昨日、九電は事実関係
を認めて謝罪した。ストレステストの件もあり、世論を誘導する「やらせ」という状
況では、再稼動は難しいのではないか。

【幹事長】ストレステストの話と今おっしゃった話は別の問題ですから、それをあま
り一緒にしないほうがいいと思います。
 ただ、本来客観的であるべき意見が、そういった誘導が行われているとすれば問題
であって、そういったことがなされたことについてきちんと説明を行い、必要であれ
ば責任をとることが必要ではないかと思います。

【朝日新聞・南記者】今日、海江田大臣が答弁の中で、「いずれ責任をとりたい」と
辞任を示唆するような発言をされているが、こういう閣内の状況について幹事長とし
てどのようにお考えか。

【幹事長】「いずれ責任をとりたい」ということの意味がどういうことなのかは、い
ろいろとり方はあると思いますので、私がそのことについて何か想像でものを言うつ
もりはありません。
 いずれにしても、原発をどういう基準のもとで再稼動させていくのかということ
は、これは国民生活の上でも、産業の上でも重要なことで、いいかげんなことはすべ
きではないので、きちんとした基準に基づいてやるべきだと思いますが、同時に、電
力不足になれば非常に深刻な事態も予想されるわけで、先ほど言いましたように、本
来であれば数ヵ月前にやっておくべきことだったと思いますが、仮に今やるとしても
時間をかけずにきちっと明確な基準を示し、それに基づいて可能かどうかを判断すべ
きだと思います。
 これがいつまでも長引くことは、国民生活にとっても、日本の経済・景気という観
点からも、決して望ましいことではないと思います。日本のこれからの経済の状況も
予想よりはいい方向に向かっていると、先の日銀の報告でもありましたが、ただ、や
はり大きなリスクとしては海外要因と電力と、この2つがあることは言われているわ
けで、電力の供給が十分になされないことによる景気の後退というリスクについて、
よりしっかりと、リスクを避けるための努力が必要だと思っています。

○選挙制度改革について

【共同通信・中久木記者】今日これから政治改革推進本部の総会で、衆議院の選挙制
度改革について、役員会で決めた「21増21減」の提案をすると思われるが、この
選挙制度改革について、政権が先行き不透明な中で、いつごろまでにまとめたいお考
えか。

【幹事長】これは、いつまでにという前に、やはり皆さんの意見を聞いてみなければ
なりません。それぞれの議員の身分にもかかわる重要な問題です。まとめるのは決し
て容易ではありません。容易ではありませんが、といって、次の執行部にすべて委ね
るのは無責任だと私は思いますので、できるだけ今の執行部で一定のところまでは
持っていきたいと考えております。
 最高裁の判決を前提にすれば、憲法解釈は最高裁が最終的に解釈権を持っていると
私は思っておりますが、そういうことで考えれば、今の選挙制度を前提にする限り
は、やはり21増21減しかないのだろうと思っています。
 自民党案なるものもありますが、あれは結局、実質的には基数配分1を前提にして
おりますので、答えにはなっていないと受け止めておりますので、そういった最高裁
判決をきちんと受け止めて考えていくとこれしかないんだということを、まず党所属
の議員に説明して、その上で皆さんのご意見をいただきたいと思っています。

【毎日新聞・野口記者】違憲状態とされる中で、衆議院を解散することは妥当か。そ
れとも解散する前になるべく早くまとめたいというお考えか。

【幹事長】前にも申し上げましたが、解散権は憲法上認められているもので、それが
制約されることはありません。

【中日新聞・関口記者】「今の執行部で一定のところまで」と言われたが、“一定の
ところ”とは具体的に何を指すのか。

【幹事長】これはやってみないとわかりません。いろいろなご意見があると思います
ので。少なくとも今の最高裁判決も十分読んでいないでいろいろ意見を言っておられ
る、幹部の中にもそういう方は結構今までもいましたので。それからわが党が基数配
分はしないということは、マニフェストでは書いてありませんが、そのマニフェスト
のもとでの政策集の中では言っているし、議員立法も何回か国会に出していることも
きちっと認識していただく必要があると思っております。同時に、比例における80
削減も言っておりますので、そういったこと全体をきちんと認識していただいたうえ
で、どういうことがあり得るのかということをしっかり議論していけば、私はある程
度の方向性は出し得るのではないかと思っています。

【朝日新聞・南記者】各党との協議も必要になってくると思うが、今、国会中におけ
る日程はどこまで進む見通しか。

【幹事長】これはやってみないとわかりません。党としての方向性がある程度出ない
と交渉はできませんし、今、具体案を出しているのは自民党だけですが、自民党の案
には、先ほど申し上げたような基本的な大きな、まあ最高裁判決を無視するならいい
ですが、そうでない限りはなかなか答えとは言いがたいと思いますので、そういう非
常に困難な中で議論せざるを得ないということです。




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