トピックス

2011.06.16|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(6月16日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年6月16日(木)16時00分~16時31分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110616okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
***********************************************************
■冒頭発言
○沖縄県知事との面談について
○今後の国会運営について

■質疑
○子ども手当について
○普天間基地移設問題について
○特例公債法案について
○固定価格買取制度について
○内閣改造について
○今国会の会期について
○会期の大幅延長について
○内山晃総務政務官の辞表の取り扱いについて
○高橋千秋外務副大臣の飲酒問題について
○谷垣自民党総裁の発言について
○谷垣自民党総裁夫人の弔問について
***********************************************************

■冒頭発言

○沖縄県知事との面談について

【幹事長】今日、沖縄県の仲井真知事とお会いする機会がありました。幾つかの点で
党に対してご提案があったわけですが、まず、知事と2人で少しお話をしました折
に、特にオスプレイの話が出ました。われわれも党の沖縄協議会として、オスプレイ
導入にあたっては、その影響についてきちんと沖縄県側に説明するようにということ
を、政府に対して求めておりましたので、客観的なデータに基づいてきちんと、沖縄
県側が、あるいは普天間基地周辺の皆さんが無用な心配をする必要がないように説明
が求められていると思いますし、知事にはその旨申し上げたところでございます。
 いずれにしても、党としても先般、防衛省・外務省を呼んで話を聞きましたが、そ
の時点においては、まだ具体的なデータについて説明はありませんでしたので、党と
してもそういったものをしっかり求めていきたいと考えております。

○今後の国会運営について

【幹事長】国会につきましては、3党合意の第1項目に、最初に書いてあるのは子ど
も手当ですから、子ども手当について3党間で、より具体的な合意ができないかとい
うことで、今日は政調会長も出席のもとで議論を行い、最終的に政調会長に一任され
たと承知をしております。
 もちろん、我々の理念、子育てを社会全体で支えていくという理念は、全く変える
必要がないものでありますが、そのうえで具体的な制度設計について、最終的には、
これは法律ですから、自民党・公明党の賛成がなければ、児童手当に戻ってしまうと
いうことでもありますので、お互い胸襟を開いてしっかりとした議論を政調会長間で
してもらいたいと考えております。
 その際、この場でも申し上げたと思いますが、年少扶養控除を廃止しているという
前提で考えれば、特に1~3歳について1万円では、従来(の児童手当)から1万円
だったわけですから、年少扶養控除が廃止された分、増税になる、負担が増えること
は明らかであります。住民税を負担しておられる所得層については、みんな負担が増
えるわけでありますので、比較的所得の少ない方も含めて、子育て世代が、なぜ負担
増にならなければいけないのか、これは全く理解しがたいことでありまして、そうい
うところについて、ぜひ、各党で知恵を出して乗り越えていただきたいと思っており
ます。
 いずれにしましても会期末も迫っておりますので、しっかりと各党間で話をしなが
ら、2次補正の制定に向けて努力をしていきたいと考えております。もちろん、前回
申し上げた特例公債法の成立も非常に重要であります。そのことについても引き続き
しっかりと話をしていきたいと考えております。

■質疑

○子ども手当について

【朝日新聞・南記者】けさの合同部会でも、所得制限などを設けないという理念を大
事にしてほしいという声が多数あったようだが、こうした党内の意見を踏まえて、ど
のように交渉に臨んでいくべきだとお考えか。

【幹事長】交渉そのものは政調会長ですから、政調会長に一任されていると理解して
います。
 所得制限を設けないことが理念だとおっしゃいましたが、そういう議論があったか
どうか、私は確認しておりません。理念は、「子育てを社会全体で支える」というの
が理念です。

【フリーランス・宮崎記者】今出ている「坂口試案」が軸になるのかと思うが、山口
公明党代表が「坂口試案は党の正式な案ではない」と記者会見でおっしゃった。坂口
試案をどのように評価しておられるか。

【幹事長】坂口先生が、専門家として自らの見解を述べられたということだと思いま
す。党に諮ったものではないことは、私もお聞きしております。
 ただ、先ほど言いましたように、1万円では、従来も1万円だったわけです。1~
3歳、それから第3子以降についてはですね。そういうところについては、明らかに
負担が増えますので、それについてきちんと説明できることが必要。逆に言うと、そ
ういったことが説明できるような制度設計が望ましいと考えております。
 ただ、それ以上のことを私、申し上げるつもりはありません。一任された政調会長
が、しっかりと交渉してくれると期待しております。先ほどの所得制限についても、
私は「入れるべきだ」とか「入れるべきでない」と言うつもりは全くありません。そ
のことも含めて、それは政調会長が、最終的に交渉の中で判断すればいいと、そう考
えております。
そう言っておかないと、所得制限にどうのこうのと書かれても困るからね。私は
ニュートラルです。

○普天間基地移設問題について

【フリーランス・宮崎記者】アメリカでは、普天間基地の海兵隊を嘉手納基地に移す
案、また、嘉手納の戦闘機部隊を三沢基地に持っていくという案もある。内閣を党本
部からどうアシストしたいとお考えか。

【幹事長】私は、昨年5月の日米合意を交渉してつくった当事者でありますので、こ
の日米合意をしっかりと実現していくことが、現在の日本政府、あるいは日米両国政
府の合意であるということを申し上げておきたいと思います。
 いろいろな案が言われておりますし、嘉手納から三沢にというのもこれは新しい話
ではありません。私もそういったことを外務大臣のときに申し上げたことがありま
す。ただ、気をつけませんと、外務大臣のときにも、嘉手納の米空軍の半分ぐらいを
三沢に持っていくと、海兵隊を持ってきてもトータルの騒音は、今以下になることを
説明しても、そういうことが全く報じられることなく、とにかく嘉手納統合だと、そ
ういう理解で地元も大変混乱し反発もありました。
 ですから、こういうことについて、私は、今、何かコメントすることはありませ
ん。アメリカの有識者の皆さんの中で、いろいろな議論があることは承知しておりま
すが、私は政府のポジション、それでしっかりと進めていくと。それだけ申し上げて
おきたいと思います。

○特例公債法案について

【時事通信・中西記者】子ども手当について、政調会長同士の交渉で合意すれば、特
例公債法案の道筋がつく。今後、与野党党首会談を検討されていると思うが、段取り
などについて教えていただきたい。

【幹事長】与野党党首会談は、具体的に設定されているわけではありません。子ども
手当だけではなくて、先ほど言いました3党合意の第1項目全体について、3党政調
会長間でよく議論をしていただき、整理をしていただく、そういうことになっており
ます。

【日経新聞・恩地記者】この前提として、3党合意と、あと野党は総理の退陣時期を
明確にしろと言っている。総理の退陣時期をどういう場でどのように野党に明らかに
していくのか。

【幹事長】それは総理が基本的にお決めになることです。

【テレビ朝日・平元記者】今日、幹事長が院内を小走りで走っているときに、かばん
かポケットから鈴の音が聞こえてきた。総理が退陣の時期をこのまま明確にしない場
合、幹事長自身が総理に鈴をつけるというお考えはあるか。

【幹事長】鈴の音が聞こえたというのは、私のかばんについているカエルに鈴がつい
ているということで、あまり関係ありません。(笑)
 いずれにしても、基本的に総理がどうお考えなのかということであって、周りが、
いつがいいとかどういう条件とか、そういう議論をすべきではない、少なくとも外に
向けて言うべきでないと私は考えています。

○固定価格買取制度について

【毎日新聞・野口記者】昨日、総理は、固定価格買取制度の法案について、自分の顔
を見たくない人は早く成立させるようにとおっしゃって、退陣の前に成立するような
意欲を示したが、法案の成立は退陣の条件になるとお考えか。

【幹事長】その手の質問にお答えするつもりはありません。
 ただ、固定価格買取制度は、私も以前から非常に重視しております。もう国会に法
案もかかっているわけですし、ぜひ早期に成立させていただきたいと思っています。
公明党も与党時代には熱心に、環境大臣も含めて進められていたわけですから、ぜひ
賛同していただきたいと思いますし、昨日の超党派の議員200数名の中には、自民
党の議員も入っておりますから、それぞれ各党で大いに議論していただきたいと思い
ます。
 もし、「自然エネルギーをやるべきだ。しかし、固定価格買取制度はだめだ」と言
う人がいれば、どうやって自然エネルギーを増やしていくのかということについて、
きちんと説明する責任があると思います。固定価格買取制度は、自然エネルギーを大
きく増やしていく最も有力な手段であるということは、私は論を待たないと思ってお
りますので、ぜひ、成立させていただきたいと思います。
 もちろん、それが電気料金の値上げにつながるということについて批判する方がい
らっしゃいますが、他にどういう制度があるのかということです。固定価格買取制度
を導入することによって、電気料金にある程度、それが反映したものになることは、
それは国民の皆さんのご理解はいただけると私は思いますし、そこを言わないで「自
然エネルギー」と言っているのは、空念仏を唱えているようなものだと思っておりま
す。
 先ほども(米倉弘昌)経団連会長に電話して、ぜひここについてお願いしたいと申
し上げました。なかなか厳しい反応ではありましたが、経済界の中にも、私は太陽電
池や風力発電にかかわるメーカー、あるいは、本当にこれから自然エネルギーを増や
していかなければいけないと思っておられる経営者の皆さんの中に、幅広く固定価格
買取制度に対するご理解というものはあると確信しております。

【毎日新聞・野口記者】この法案については、総理も幹事長も早期に成立させること
で一致していると思うが、総理から具体的にこの法案について早く審議・成立させて
ほしいという指示があったのか。幹事長も国対に早くやるように指示は出しているの
か。

【幹事長】そもそもは私が総理に申し上げたんです。自然エネルギーを増やすとき
に、この固定価格買取制度と、それから環境税、そういったものがないと、結局、そ
れは実際には進みませんよということをかなり前に申し上げました。総理も大変熱心
に取り組んでいただいておりまして、私自身の意志と総理の叱咤激励で、私も何とか
この法案を早期に成立させたいと考えております。

【フリーランス・宮崎記者】経団連の現会長は石油化学の出身だ。経産委員会で審議
入り自体されていない状況にあるが、経団連の一部企業からの圧力があるのか。

【幹事長】そういったことを私、感じたことはありません。
 それから、この固定価格買取制度によって、大きく電力料金が上がるわけではあり
ませんので、諸外国の例を見ていても。それが競争力を失わせるとか、そういう議論
ではないと考えております。

【朝日新聞・南記者】枝野官房長官が、今日の会見で、最優先に近い法案だという認
識を示された。この認識は政府・与党の中で共有されているものか。

【幹事長】政府・与党でそういったことを確認したかどうかは私、承知していません
が、私にとりましても最優先の法案です。
 自然エネルギーの導入は、「新しい東北」の1つの大きな柱になる話で、「新しい
東北」と言うのであれば、固定価格買取制度をセットで論じないと、結局、実現不可
能になると思います。東北地方は、風力発電の適地でもありますし、今までは風力発
電をつくりたくても、なかなか抽選制度で阻まれてきたわけです。それからバイオマ
スも非常に豊富に資源がありますし、地熱もあるということで、ぜひ、固定価格買取
制度を入れることで、「新しい東北」をつくる起爆剤にすべきだと思っています。

○内閣改造について

【産経新聞・千葉記者】復興基本法案の成立見通しを受けて、内閣改造が取りざたさ
れている。退陣を表明されている総理が内閣改造に踏み切ることについて、どのよう
にお考えか。

【幹事長】いちいち、うわさ話を私コメントするつもりはありません。

○今国会の会期について

【共同通信・中久木記者】昨日、幹事長は、会期の大幅延長について言及された。こ
れまで幹事長は、延長して何をやるかの議論だとおっしゃっていたが、この大幅延長
によって、どういう法案を通していく想定か。例えば3次補正も想定されているの
か。

【幹事長】想定しております。3次補正まで考えれば、やはり9月のしかるべき時期
までの会期延長となりますし、その間、さまざまな法案、公務員法もありますし、原
子力の昨日閣議決定された法案もありますし、積み残した重要なものがあります。そ
れに、二重ローンもそうですが、これからまだ被災地に関連するいろいろな法案が
次々出てくるわけで、そういうものにスピーディーに対応していこうということであ
れば、国会を開けっぱなしにしておいたほうが望ましいと考えております。

○会期の大幅延長について

【NHK・広内記者】昨日、幹事長は、会期の大幅延長と総理が替わるということは
全く矛盾しないとおっしゃった。9月までの延長を視野に調整するということであれ
ば、それまでずっと総理が務められるわけではないというご認識か。

【幹事長】「関係ない」という意味は「ニュートラル」という意味です。会期の大幅
延長を言うと、なにか総理の延命を図っているのではないかと、すぐにそう書かれて
しまいかねませんので、それは関係のない話と。それ以上でもそれ以下でもありませ
ん。

【フリーランス・宮崎記者】子ども手当のつなぎ法が9月30日までとなっている
が、これは会期延長の参考になさるか。

【幹事長】子ども手当については、3党の合意ができれば、直ちに法改正となるんだ
と思います。法改正になるのか、新法になるのか、そういうことも現時点では、ま
だ、合意されていないと思いますが、なるべく早く合意して、法律上の手当てをする
べきだと思います。子育て世代が、一体いくらもらえるのかということがいつまでも
決まらない状態は、私は望ましくないと思いますし、ある意味で政治の怠慢と言われ
ても仕方がないと思います。そういう意味で早く合意して、きちんと予見可能性を与
えるべきだと。一体幾ら入ってくるのかと。それによって生活設計が変わってくるわ
けです。

【フリーランス・宮崎記者】ということは、会期末の6月22日までには政調会長に
一任された交渉はまとまるとお考えか。

【幹事長】別にそれは、必ずしもそう断言するつもりはありません。交渉は非常に難
航が予想されますので。しっかりやってもらいたいと思いますが、いつということ
は、私から申し上げるべきではないと思います。政調会長には、なるべく早くやって
もらいたいということはお願いしております。

○内山晃総務政務官の辞表の取り扱いについて

【フリーランス・安積記者】不信任案に欠席した内山政務官は、辞表を提出しておき
ながら、まだ官邸で吊るしの状態で、政務官としての職務は果たされているが、辞表
の撤回はされていない。官邸は、党の処分が決まるまでは、これについてはっきりし
ないという姿勢だ。政務官とか大臣、副大臣は、党員というか議員でなくてもなれ
る。こういう官邸の態度について、幹事長はいかがお考えか。

【幹事長】ちょっと私、事情を承知しておりませんので、官邸には官邸のお考えが
あって、今の対応をしておられるのだと思います。そのことについてコメントはいた
しません。

○高橋千秋外務副大臣の飲酒問題について

【伊勢新聞・中森記者】週刊誌の報道について、高橋副大臣は、今日、会見されて、
セクハラは否定されたが、公務前の飲酒は認められた。松本外務大臣から厳重注意を
受けたという話だが、この件についての幹事長の受け止めと、党としての処分などは
あるか。

【幹事長】党としての処分は考えておりません。これは閣僚としての、副大臣として
の公務上の、飲酒ということに対しての対応ですから、党は直接関係ありません。そ
れ以上に特にコメントはありません。

【伊勢新聞・中森記者】震災2日後に公務前に飲酒していた点について、幹事長とし
ての感想をお聞かせください。

【幹事長】たぶん交代で詰めておられたのだと思います。もちろん、その前の飲酒は
好ましいことではありませんし、だからこそ、大臣からの一定の対応、それを処分と
言うべきかどうかわかりませんが、あったんだと思います。それ以上のことは、私、
言うつもりはありません。それは、まさしく政府の中の問題で、私が党として何か言
うことはない。
友人として言うとすれば、「もう少し慎重に」とアドバイスしたいと思います。

○谷垣自民党総裁の発言について

【朝日新聞・南記者】今日の自民党の代議士会で谷垣総裁が「総理をしっかり支えな
いといけない立場の人が、総理から気持ちが離れている。政権中枢が分解して、きち
んとした方向性が出せなくなっており、菅政権はもう限界だ」と述べられた。こう
いった厳しい指摘がなされている状況を、政権中枢の執行部の一員としてどのように
受け止めておいでか。

【幹事長】何を根拠にそう言われているのか、新聞を読んでおられるのか、テレビを
見ておられるのか、わかりませんが、私にはそれ以上コメントのしようがないです
ね。

○谷垣自民党総裁夫人の弔問について

【フリーランス・安積記者】谷垣自民党総裁の奥様が亡くなられたが、幹事長は党を
代表して、自民党本部への弔問などの予定はあるか。

【幹事長】いつ出てこられるのかなと思っていましたら、今日、本会議場においでに
なっておられましたので、機会を見てとは考えておりますが、谷垣さんもお忙しいで
すから、よく確認したうえで、もしお許しがいただければ、明日にでも、お伺いした
いと思っております。




TOP