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2010.09.17|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年9月17日)

外務大臣会見記録(平成22年9月17日(金曜日)9時40分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)外務大臣の辞任について
○記者会見のオープン化
○米軍再編問題
○大臣の考える今後の主要外交案件
○核軍縮・不拡散
○東シナ海ガス田開発
○民主党の党外交のあり方
○政府と党の一体化
○日米同盟の深化
○政治家と官僚との関係

冒頭発言
(1)外務大臣の辞任について

【岡田大臣】ちょっと予想外の展開で、大臣を辞任することになりました。この間、皆様にも大変お世話になり、本当にありがとうございました。私(大臣)としては、週2回のこの会見がいいストレス発散の場と言うと言い過ぎですが、皆さんのさまざまな意見も聞けるし、答える中で自分の考え方も整理されるということで大変楽しみにしておりましたけれども、外務大臣としてはこういったことができないというのは大変残念であります。
 ただ、幹事長としても、幹事長はまだ内定ですけれども、党本部では同じようにオープンで従来もやってまいりましたし、今後もやってまいりますので、時にはそちらの方をのぞいていただければと思っております。
 外務大臣として、いろいろなことに取り組んでまいりました。核軍縮・不拡散の問題でありますとか、安保理改革とか、そういったことは、これから1年の柱にしようとしていた政策でありまして、そういったことを後任者に引き継いでいきたいと思います。もちろん、どのように行うかは、新しい大臣の判断が当然ありますので、そこまで私(大臣)がとやかく言うつもりはございませんが、しっかりと引き継いでいただければ、嬉しいということであります。
 心残りは、やはり普天間の移設の問題が非常にしっかりとした展望がないまま代わらざるを得ないということで、この問題には、尚、幹事長として関わっていきたいと思っております。その他、EPA交渉なども、大分、閣僚間で議論したりするやり方が軌道に乗りつつあったわけで、しかし、残念ながら、インド以外は日韓とか、日EUとか、一度取り下げられたものをもう一回机の上に載せる途中の段階で、もう少し前に進める必要があると考えております。
 その他、思い出深いのは、密約の問題で、これは一定の成果を出すことができたのではないかと思っております。最近、栗山元次官が岩波書店から本を出されまして、守秘義務が解けたのでということでかなり詳細に語っておられますが、今回のこの密約についての資料の公開と報告書が、これからの戦後外交の一つの側面をしっかりと深い議論を行っていく、そういうきっかけは作ることができたのではないかと思っております。もちろん、文書の公開ルールを作って体制を整えたことも、非常に思い出深いことであります。
その他、なるべく海外に出るということで、体力の続く限りやってまいりましたが、21回の出張でのべ31か国ということで、後で振り返ると意外と少ないなという感じはしますが、国会の合間を縫って、なるべく現場に行くということは、私(大臣)の体力の限りでは精一杯やったと思います。特にアフガニスタンとかハイチとか、そういった非常に厳しい現場に行ったことも含めて、現場に行くと行かないのでは違いますので、そのことも非常によかったと思います。外務大臣とのネットワークは、かなり出来つつあって、6回、7回会ったクリントン長官や楊潔チ外相、柳明桓外相をはじめ、2回、3回となりますとかなりの外務大臣と会談をしておりますので、お互いの相性とか、そういうものもだんだんわかってきて、信頼関係もできて、それを基に仕事をするというところで代わるのは、残念な気がいたしますけれども、私(大臣)にとっては非常に楽しかったし、貴重な財産であると思います。それぞれの外務大臣というのは一角の人物が多いわけで、大変勉強をさせていただいたと思っております。
 外務省の職員の皆さんは非常によくやってもらいました。私(大臣)は密約の検証作業で誠心誠意やっていただいた職員の皆さんには、心より感謝を申し上げたいと思いますし、そういうことを通じて一定の信頼関係を築くことができたと思っております。女性の職員の働き易さという観点から、中で議論をしたりしたことも非常に印象に残っております。まだまだ実行というレベルでは十分ではありませんが、しっかりと仕事ができる環境を整えていくということも大臣の重要な仕事でありますので、そういったこともまた、後任の方に是非引き継いでいきたいと考えております。官僚の皆さんとは、時には厳しく私(大臣)も申し上げたことがありますが、基本的にしっかりと議論ができたと思います。上意下達というつもりは、私(大臣)は全くありません。一緒に議論をしながら、政策を組み立てていったという印象であります。あまり従来の考え方にとらわれることなく一から議論をするという発想で、いろいろな政策議論をしてまいりましたが、私(大臣)は非常にその議論を楽しみましたし、内容は深まったと思っております。一緒に議論していただき、仕事をしていただいた官僚の皆さんには、心から感謝を申し上げたいと思っております。

記者会見のオープン化
【フリーランス 岩上氏】会見をオープン化された、その先駆けとなられたわけですが、1年間実際に記者クラブの皆さんとだけではなく、フリーランス、ネットメディア、雑誌の記者たちも交えて、こうした会見を続けられて、大臣はどのようにお感じになられたか。先ほど冒頭でもちょっと触れられましたけれども、もう少しご感想を振り返られて、言っていただければと思います。

【大臣】先ほど申し上げましたように、私(大臣)は楽しみました。大変いろいろなことも教えられましたし、非常にいろいろな幅広い視野から議論をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。是非、党本部にもお見えいただきたい。

【フリーランス 岩上氏】今回のオープン化に関しては、岡田大臣の主導というところが非常に大きかっただろうと思うのですけれども、後任の恐らく内定されている前原さんが外務大臣になられるのだろうとは思いますけれども、後任の方にも、こうしたオープン化された会見を引き継がれるようにおっしゃることはあり得るのでしょうか。

【大臣】後任が誰かというのは、まだ決まっておりません。いずれにしても、最終的にどうするかは、それはその大臣の判断でありますけれども、私(大臣)としては、引き継ぎはしっかりとしていきたいと思います。

米軍再編問題
【毎日新聞 吉永記者】普天間問題ですけれども、民主党政権で、普天間問題について過去の幹事長としては、それほど主体的に関わってこなかったのですけれども、岡田さんは、幹事長としてどのように関わっていこうとお考えでしょうか。

【大臣】政策は政府でありますので、直接幹事長が関わるということでは必ずしもありません。それは、やはり政府の中で決めていただくということです。ただ、当然、党の中には沖縄出身の議員もいるわけですし、沖縄の県連もありますので、さまざまな形で沖縄と関わっていく中で、普天間の問題についても大きな関心を持って見守ると言うべきかもしれません。政策に私(大臣)は口を挟むつもりはないのですけれども、しかし、関心を持ち続けたいと考えています。

【読売新聞 村尾記者】普天間問題でお伺いします。先ほど、政策の方は政府にお任せするということをおっしゃられましたけれども、11月に沖縄県知事選がありまして、これは党としても選挙の責任は当然幹事長がなされると思うのですけれども、沖縄知事選への対応について、現時点のご見解をお聞かせください。

【大臣】まだ幹事長になっておりませんので、中途半端な段階で言及することは避けたいと思います。

【琉球新報 滝本記者】幹事長になっても普天間の問題に関わられたいということなのですが、改めて外務大臣として、これまで1年間普天間の問題も一つ大きかった、冒頭に心残りと仰られましたでしょうか、まだ解決できてないということについて、ご自身で取り組んでこられた普天間問題の取り組み方に、嘉手納統合とか、いろいろな(ことが)過程でありましたけれども、その部分を振り返って、何がうまくいかなかったか、今の現時点になっている状況をご自身で分析されたら、どういうことだったのかということをお聞かせいただきたいと思います。

【大臣】非常に難しいご質問だと思います。沖縄の皆さんの気持ちは、やはり基地の負担を減らしてもらいたいということです。別にそれは鳩山さんがそのことを強調されたからとか、そういうことではなくて、やはり今まで抑えられてきたものが政権交代を一つのきっかけに、それがより強くなったということで、非常に対応が難しい問題であったと思います。一方で、もちろん日本の安定のためには、米軍の存在が不可欠だということで、非常に難しい二律背反の問題を取り扱わざるを得なかったということであります。嘉手納の統合の話はよく言われますが、会見録などを見ていただくとわかりますように、私(大臣)は、あの時に「県外はない」と、「難しい」ということを申し上げて、それで嘉手納統合は一例であると申し上げたのですが、嘉手納統合ばかりが報道されました。あの時に沖縄の皆さんがいろいろ反発されたのは、嘉手納統合に反発された部分もありますが、「県外はない」ということに、より反発されたのだと思います。しかし、やはり「県外はない」ということはどこかで言わざるを得なかったので、私(大臣)はそういった反発が出るということはある程度想定をして申し上げたことで、やむを得なかったことではないかと、どこかで「県外はない」ということを言わざるを得ないとすれば、やむを得なかったことではないかと思っております。

大臣の考える今後の主要外交案件
【日本インターネット新聞 田中記者】他省庁に先駆けて記者会見をオープン化してくださった岡田大臣には、ネットメディアの一員として、改めて敬意を表する次第です。
 ここから質問です。もし、この先も外務大臣を続けておられたとしたら、これだけはやっておきたかったという外交案件をいくつか挙げていただけますか。その理由もおっしゃってくださると有り難いです。

【大臣】先ほど大体申し上げたのですけれども、「これだけは」というのはなかなか難しくて、非常に幅広くあるのですが、大きな柱としては、核軍縮・不拡散の問題と安保理改革というのが、マルチの問題では大きな柱になったと思います。あと二国間は、日米(関係)、特に安保50年ということで、同盟深化と普天間問題への対応ということがあります。アジア(外交)は今、中国との間は、例の問題でぎくしゃくはしておりますけれども、基本的には信頼関係を深めてきたと思っておりますので、もう少しダイナミックにアジア外交を展開したかったと思います。その布石ということで、この1か月間でアフガニスタンを含めると9か国を回ったわけで、そういうものをベースにして、21世紀はアジアの時代でありますので、そのアジアを平和で豊かなアジアにする中で、日本の平和と豊かさを確保していくということが、私(大臣)の基本的な考え方でありますので、そういったことをより具体的に進めたかったと思っております。

核軍縮・不拡散
【中国新聞 岡田記者】先程、大臣がおっしゃったように核軍縮・不拡散を大きな柱にしたかったということですが、この一年間外相として取り組まれてきて、どういう成果、あるいは課題を感じ取って、これから核兵器のない世界に向けてどのようなステップを踏んでいけばいいとお考えでしょうか、ご見解をお聞かせ下さい。

【大臣】そのことは何度も申し上げておりますが、核兵器のない世界を目指すために核リスクの少ない世界を目指すということです。今まで「核なき世界」ということで、そのことを政府もスローガン的には言ってきたと思いますけれども、では、具体的にやっていることを見ると、必ずしもそれに沿ったことではなかったと思います。やはり、大きな将来の目標を掲げるとともに、現実的なステップを踏んでいかなければいけないと、明確な方向性を持った上で現実的なステップということが、私(大臣)がやろうとしてきたことで、その中で核の数を減らす、核の役割を低減するといったことを申し上げてきたわけです。その私(大臣)のことについても、メディアも含めて、それは非現実的であるとか、核の抑止を失わせるとか、そういうご批判もいただきましたが、一方では不十分だというご意見もいただきました。両方から意見が出るところはちょうどいいところではないかというように思います。ただ、政治的に「核のない世界を目指す」という明確な意志を持って着実にステップを踏むという路線、これが定着することを期待しているところです。

東シナ海ガス田開発
【朝日新聞 鶴岡記者】東シナ海のガス田で中国側がドリルを搬入したと伝えられていますけれども、事実関係のご説明と日本側の対応がありましたらお願いします。

【大臣】ドリルかどうかはわかりませんが、過去になかった新しい機材が搬入されたことは確認されております。その機材の内容については、現在分析・確認中です。生産のためのドリルであって掘削作業が始まったのではないかという見方もありますが、掘削作業の開始というものは確認されておりません。このことに関しては、数日前に確認されましたので、ハイレベルを含めて中国側に対して複数回、この機材の目的等について事実関係の確認の申し入れを行ったところです。中国側からは「修理のための作業を行っている」という説明がありました。この問題は、「もし掘削作業を始めるとすれば、それは約束に反する」と私(大臣)が揚潔チ外相と会談したおりに申し上げてありますので、そういったことはないものと強く期待をしているところです。

民主党の党外交のあり方
【日本テレビ 野口記者】これから岡田大臣は幹事長になられる訳ですが、党外交のあり方についてお伺いしたいと思います。小沢前幹事長は、大勢の国会議員を連れて中国を訪問されたりしておりましたが、政府として、大臣としての外交活動と比較して、党外交というのはどうあるべきだとお考えかということと、今、構想していらっしゃる「このようにしたい」ということが、もしあればお答えください。

【大臣】率直に言うと、そこまで考えておりません。党幹部が海外に行くということは、これはあっていいと思いますが、与党でありますので、政府ときちんと整合性のとれる党外交でなければならないと思います。議連のあり方等も含めて、どんなやり方がいいのかということをよく検討してみたいと考えております。

政府と党の一体化
【フリーランス 岩上氏】政府と党の一体化ということがこれまでにもいろいろと議論されておりました。幹事長のまま国務大臣として入閣をして政府と党の一体化を図るという議論もかつて出たことがあると思います。鳩山内閣のときに小沢幹事長、実現はしませんでしたけれども、改めて菅内閣の下でこうした政府と党の一体化について、何かこうした国務大臣として入閣のような手が打たれることはあり得るのでしょうか。また、大臣自身のお考えをお聞かせ下さい。

【大臣】菅政権としては、今までは政調会長の玄葉さんが政府に入るというやり方を行ってきたわけであります。今後もそういう方向ではないかと想像しております。幹事長が政府に入るというのは、なかな時間的に非常に厳しいと思います。幹事長というのは東京にいるだけではありません。地方も行かなくてはいけません。国会に縛られるというのは現実的ではないと、私(大臣)は思っております。

日米同盟の深化
【テレビ東京 秋山記者】先ほど、外務大臣としてもし続けるのであれば、日米同盟の深化の問題について、やはり取り組みたいというようにおっしゃっておりましたけれども、安保50周年を前に、改めて日米同盟の再定義というものが必要かと思うのですけれども、今どういうことをお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

【大臣】「再定義」というよりは「深化」なのですね。私(大臣)は再定義は必要ではないのではないかというように思っておりますけれども、より深めるということが重要だと思っております。ただ、今まで高級事務レベルではかなり議論を積み重ねてきておりますので、それを政治レベルで議論するということです。そろそろ一回ぐらいやる必要があるのかな、というように思っておりましたが、いずれにしても、もう私(大臣)は去る者でありますので、今後のことについては、新しい大臣のもとでご検討頂ければいいのではないかと思っております。

政治家と官僚との関係
【ニコニコ動画 七尾氏】ユーザーの質問を代読いたします。その前に大臣にお答えいただきまして、ユーザーにとっても大きな自信と政治への関心の高まりになりました。どうもありがとうございました。
 最後の質問をしたいと思います。よろしくお願いします。先ほど大臣は、冒頭でも触れられていましたが、官僚との思い出などを語られていました。政治家と官僚との関係というのは、ともすれば、対立軸で語られることが多いのですが、政治家と大臣と官僚との関係について、経験を通して、政治主導や官僚支配という二元論について、実際に活動されまして、どう思われましたでしょうか。

【大臣】私(大臣)は別に、官僚は敵だということは全く思っておりません。しかし、一つは、真剣勝負というか、緊張関係は必要だと思います。それはやはり、信頼関係に裏付けられていなければならないと考えています。いろいろな議論をこの間やってきましたが、私(大臣)も納得すれば、私(大臣)の考え方を取り下げるということもたくさんありましたし、納得しなければとことん議論するというスタイルでやってまいりました。辟易した官僚もいるかもしれませんが、楽しんでいただいた皆さんが多かったのではないかと思っています。あと、外務大臣として心がけてきたのは、外相同士の議論というのは、私(大臣)は「タフだけど信頼できる」と相手から思われる外相になろうと心がけてまいりました。ですから、率直にものを言うこともありましたが、基本的に信頼関係をそれぞれ築いてきたと思っています。




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