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2010.04.06|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年4月6日)

外務大臣会見記録(平成22年4月6日(火曜日)17時30分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)平成22年版外交青書の閣議配付について
(2)ハイチの地震の緊急無償資金協力について
(3)外交文書の欠落問題に関する調査委員会の設置について
○外交文書の欠落問題に関する調査委員会の設置
○中国における邦人麻薬密輸犯に対する死刑執行
○米軍再編問題
○米国の核政策
○アフガニスタンにおける邦人ジャーナリスト誘拐疑い事案
○情報公開(砂川事件)
○いわゆる「密約」問題に関する調査
○米国カリフォルニア州への訪問
○クリントン米国務長官との電話会談
○沖縄における写真展への協力

冒頭発言
(1)平成22年版外交青書の閣議配付について

【岡田大臣】私(大臣)からは3点です。まず1番目は今日の閣議において、平成22年版外交青書の閣議配付を行いました。内容につきましては、特に私からご説明せずとも、もう既にご連絡がいっていることだと思っております。

(2)ハイチの地震の緊急無償資金協力について

【大臣】2番目はハイチの地震の緊急無償資金協力についても本日の閣議で決定をいただきましたが、我が国政府はハイチに対する追加支援として2,260万ドル、約21億2,400万円を上限とする緊急無償資金協力を行うことといたしました。この追加支援は3月31日にニューヨークで開かれたハイチ支援国会合において私(大臣)から表明した総額1億ドルの支援に含まれるものでございます。我が国としては、国際機関と協力しつつ、シェルター、保健・医療分野において早急にこの支援の実施をする予定でございます。

(3)外交文書の欠落問題に関する調査委員会の設置について

【大臣】3番目ですが、「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」の設置について、配付資料のとおり、本日、「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」を設置いたしました。この委員会は、先般公表された、いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会の報告書、或いは衆議院外務委員会の参考人招致などにおいて指摘された外交文書の欠落問題について、その事実関係を調査・確認するために設置したものでございます。
 委員会のメンバーは4名で、私(大臣)、武正副大臣のほか、調査の専門性と客観性を担保するための外部委員として、東京大学の宇賀教授、筑波大学の波多野教授の2人に加わっていただきました。宇賀先生は行政法の専門家で、特に公文書管理や情報公開の分野における第一人者です。波多野先生は密約問題に関する有識者委員会のメンバーであり、外交文書の取扱いに非常に精通しておられます。
 お二人には外務省参与となっていただき、守秘義務のある非常勤の国家公務員として委員会の業務に従事していただきます。今後はお二人の専門的知見をお借りしながら、有識者委員会の報告書、参考人招致の質疑などを精査した上で、関係者からの聞き取りなどを行い、速やかに調査結果を御報告したいと考えております。

外交文書の欠落問題に関する調査委員会の設置
【フリーランス 岩上氏】ただいま大臣からお話しいただきました「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」について、これは先般の有識者委員会の報告の欠落部分を補うような形で行われるものではないかなと思うのですが、その辺の位置づけと、選考した有識者委員会との関係と、それから有識者委員会のメンバーがここに含まれていなくて、また別のメンバーを選定するという違いについて教えていただければと思います。

【大臣】有識者委員会というのは、外務省の調査をした「密約」に関する資料に基づいて、密約問題についての解明を行うということでございます。今回の委員会は、性格は全く異なります。有識者委員会においても指摘をされましたが、外交文書の欠落があるのではないかという指摘もございました。そういうことについて、事実関係を調査するということでございます。

【フリーランス 岩上氏】メンバーが重なってないことはどういうことでしょうか。

【大臣】それは全く違うものでございますので、波多野先生は共通ですけれども、こういう情報公開に関する専門家の宇賀先生に入っていただいたということでございます。

【NHK 別府記者】調査は、ないものを証明するというのは極めて難しいのではないかと想像するのですが、例えば文書を適切に廃棄したとしても、その廃棄簿の記録というのも、保存期間を過ぎている時代のものも対象として指摘されていると思うのですが、実際のところ個々人の聞き取りで得られる証言以外に頼れるきっかけとか、物証があるのか、それ以外に期待できるものというのはあるのでしょうか。

【大臣】基本的にはなかなか難しいことだと思います。そして、対象にするのは、現時点では東郷元局長の指摘されたファイルに関することであると基本的には考えております。

【東京新聞 佐藤記者】「速やかに」ということですけれども、具体的に調査の終了の目途はどのように考えておられますか。

【大臣】これはどの程度ヒアリングをしなければならないかということは、走りながら考えざるを得ないところありますので、具体的な目途と言われても、それはなかなか今、申し上げることは難しいと思います。半年とか1年ということはないと思っております。

【東京新聞 佐藤記者】外務委員会での指摘ですけれども、外務委員会としてはこの調査を見て、谷内さんなりの招致を考えたいということも委員長は言っておられるのですが、その辺の外務委員会の運びと今回の調査の関係について、そのスケジュール感を含めて、改めてお聞かせください。

【大臣】外務委員会は外務委員会の御判断としてお詰めになるんだと思いますが、本来これは外務省の中の問題でありますので、外務省できちんと調査するというのが必要なことだと考えております。

【朝日新聞 鵜飼記者】今も少しお話がありましたけれども、東郷さんの後任になられる谷内元外務次官ですが、谷内さんには当然聞き取りを行うという理解でよろしいのでしょうか。

【大臣】具体的なことは申し上げません。調査が終わった段階で発表したいと思っております。

【フリーランス 岩上氏】対象になるのは、東郷元局長の仰っていた紛失したファイルの件であると仰られました。聞き取りをする人物は非常に絞られてきて、東郷さん、もしくは谷内さん、その週辺の人物になるのだろうとは思いますが、こうした聞き取りは大臣自ら聞き取りをするということはあり得るのでしょうか。ご多忙だと思いますので、どなたか他の方が聞き取りをすることになるのでしょうか。

【大臣】だれに聞き取りをするかということは、私(大臣)は申し上げません。それから、委員会として聞き取りをするということでございますから、私(大臣)は委員会のメンバーであります。

中国における邦人麻薬密輸犯に対する死刑執行
【共同通信 斎藤記者】中国の死刑執行についてお伺いします。これまで日本政府は、事前通告の時点から、繰り返し懸念を表明してきたということですが、ここで実際に執行されたということになりました。今後、この死刑執行をした中国に対して何らかの対応を取るのか、また、今回の死刑執行について、どのように受け止められているのかという点についてお伺いします。

【大臣】何度も申し上げておりますように、基本的にどういう行為にどういう刑罰を科すかということは、その国の立法政策の問題であり、そして具体的な司法の問題であります。したがって、そのこと自身について何か異論を唱えている訳ではもともとございません。しかし、そういった死刑が行われるときに、今、言われているのは、合計4名ということでありますので、もしそういったことが短期間に行われるとすると、それは日本人の感覚からすると、かなり違和感を持つということになることについての懸念を伝えてきたということでございます。
 今回、死刑執行ということがあったことは非常に残念なことだと思っております。

【共同通信 斎藤記者】確認ですが、そうすると、これまでは懸念をいろんな形で表明されてきました。例えばこの前、程永華駐日大使を呼ばれて、そこで日本の立場を説明されたと聞いております。今後はまた改めて、つまり3人の方の事前通告を受けていますが、執行はまだされていません。勿論、中国の司法権、主権に関わる話ですから、実際に執行停止を求めるような通告をするのは難しいというのは理解しております。そうした中で、改めて何らかの形でメッセージといいますか、立場を表明するようなことはあり得るのかどうか、この点について教えください。

【大臣】既に先日、大使を呼んで懸念を表明したところでございます。

【テレビ朝日 新堀記者】こうした日本人が海外で麻薬犯罪に関わるケースというのは後を経たないわけですけれども、そうした中でこういった厳しい処罰がある国があるということで、海外の邦人の安全を管轄する外務省として、国民に対して改めて注意喚起というか、メッセージというか、何かお願いできますでしょうか。

【大臣】その点については、前回も申し上げたところであります。麻薬犯罪は、我が国のみならず、国際社会にとって極めて重大な犯罪であります。そして、その対策のために死刑を含む非常に重い量刑を科している国が多いということについて、これは中国だけではありません。前回も申し上げましたが、シンガポール、その他多くの国が死刑を含む重罰を科しております。そのことについて十分に理解をし、今後、国民がこうした犯罪にかかわらない、あるいは巻き込まれることがないということを切に願っているところでございます。

【NHK 梶原記者】今回の死刑執行ですが、中国側では十分なデュー・プロセスが踏まれたという評価でよろしいのでしょうか。

【大臣】基本的にそれぞれの国の司法手続について、明確な反証といいますか、証拠がないときに、それについてコメントをすることはありません。これは日本も同じだと思います。

【NHK 梶原記者】立法政策とか処罰に関しては、なかなか私見の問題ですから言えないと思いますけれども、少なくとも司法の手続が適正であるかというのは、日本国としてしっかり検証していく必要があると思うのですが、今の段階で明確でないとすれば、ある程度調査というのを考えていらっしゃらないのでしょうか。

【大臣】この事案のうち、3人までは自ら犯罪の事実をお認めになったと聞いております。

【毎日新聞 吉永記者】確認ですけれども、今回の死刑執行を受けて、何らかのアクションは中国に対しては今回行っていないということなのでしょうか。それとも行ったなら、どういうことを、例えば懸念をもう一度伝えるなり、そういうことを何らかの形でしたのでしょうか。

【大臣】前回御出席いただいていれば当然おわかりだと思いますが、先週の金曜日に大使を呼んで、日本国民がそういったことについて、さまざまな気持ちを持つということについて、懸念を表明したところであります。

【読売新聞 川崎記者】先週、大使を呼んで、大臣自ら意思を既に伝えてあるということで、本日の執行にそれを踏まえて特に中国側に何かアクションを起こされることはしないという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】私(大臣)は「残念なことである」と申し上げました。

【読売新聞 川崎記者】確認ですが、その申し上げたというのは、この会見の場で今、申されたという意味なのか、それとも中国政府に対して大臣のお言葉を外交ルートで伝えたということでしょうか。どちらでしょうか。

【大臣】私(大臣)としては、これ以上のことは私(大臣)はないと思いますが、大使を呼んで、日本国としての国民感情、その懸念を表明したところです。それは今回の死刑執行に関するものではなくて、その後、更に3人(の死刑執行を)行うという通告があって、私(大臣)は大使を呼んだ訳です。

【フリーランス 岩上氏】関連しまして、本当に言葉の正しい意味での確認ですけれども、「懸念」というのは何を指しての懸念になるのでしょうか。それぞれの国の司法制度を重んじるということで、中国に死刑制度があるということに対して抗議とか懸念を表明したわけではないとして、容疑事実に疑問があるのか。そうではないとすると、この場合、どの点について大臣として懸念を表明されたということになるのでしょうか。その死刑自体は仕方がないことではあるけれども、スピードとかそういうことでしょうか。その点をお聞かせいただきたいと思います。

【大臣】それはもう前回の話ですが、そのときに詳しく申し上げておりますが、こういった死刑が連続して行われるということになると、それは国民感情、いろいろな感情が日本国民の中に出てくるといったことについての懸念ということを表明した訳でございます。

【共同通信 斎藤記者】関連してお伺いします。今回の一連の死刑執行をめぐって、中国は1つは日本側に事前通告をしてきた。それから、今回、死刑執行がされた方について言えば、ご家族との面会があった。更には本日、新華社が執行された直後にその事実を発表した。いろいろと中国国内のほかの死刑執行と比べて、若干対応が違うような印象も受けます。この点、中国は日本への配慮、つまり今の日中関係の重要性にかんがみて、何らかの対応をしたという側面があるのかないのか、この点について大臣のご所見をお伺いしたいと思います。

【大臣】それは中国政府にお聞きいただかないと、私(大臣)が憶測でものを言うという立場にはございません。ただ、想像するに、懸念をされたということが背景にあるのかもしれないと想像をしております。

【毎日新聞 吉永記者】今回の懸念を伝えたにもかかわらず、死刑が執行されたということについて、日中関係に何らかの悪影響を及ぼすと大臣自身はお考えでしょうか。

【大臣】国民感情がこのことで何らかの影響を受けるということは、可能性としてはあると思います。そう思ったからこそ懸念を伝えたわけであります。

【フリーランス 岩上氏】先ほどの私の質問に関連しまして、言葉尻をとらえるような質問になってしまって大変恐縮なのですが、大臣は連続して執行することについて懸念を表明したと仰いましたが、そうしますと、懸念の表明のねらいは、連続して行うのではなく、時間をおいて執行するのであればよいということなのでしょうか。それとも、執行についての連続という間の問題ではなく、何か別のところで配慮してほしいということを相手に希望したということなのでしょうか。

【大臣】そういう具体的なことを言っているわけではありません。ですから、4名という死刑執行が短い期間にあるということであれば、それは国民感情に悪い影響を及ぼす可能性があるということで懸念を表明したということです。それ以上でもそれ以下でもございません。

【共同通信 斎藤記者】この中国の死刑問題をめぐっては、昨年の12月にイギリスのブラウン首相が自ら中国の対応を非難した経緯があります。まずこの点をご存じかどうか確認したいということです。それと、イギリスは死刑制度を既に廃止していると私は聞いております。その死刑制度を廃止した国だからこそ、イギリスの対応と日本の対応は異なってきているのかどうか、この辺はなかなかイギリス側にも話を聞かなくてはいけない部分かもしれませんが、外形的に見ると、イギリスの対応と日本の対応というのはやはり違いがあるように思われます。この辺の違いというのはやはり、両国の死刑制度の違いにあるのかどうか、この点についてのご所見をお伺いしたいと思います。

【大臣】まず、イギリス政府がそういったことについて、中国政府に対して述べたということは、ひとつは確かに死刑制度そのものを認めていないということはあると思います。死刑制度を認めていない国が、これは日本も含まれるわけですが、死刑制度をそのまま残している国に対して、死刑制度そのものが批判の対象になって、なくしたわけですから、これを残していることに対する批判。ましてや自国民が、死刑制度はないわけですから、自国においては死刑にはならないにもかかわらず、外国において死刑になるということがひとつです。
 確か私(大臣)の記憶ではイギリスの場合には、精神的にそういう不安定な状況にあったということで、犯罪を犯したときの状況というものを考慮に入れるべきであるということもあったかと思っております。

米軍再編問題
【毎日新聞 野口記者】普天間飛行場の移設問題についてです。本日の衆議院の安保委員会でも取り上げられていましたが、太平洋軍の太平洋海兵隊のスタルダー司令官が、沖縄海兵隊の役割について、「北朝鮮が崩壊した場合の核の撤去が最重要な任務である」と発言したと毎日新聞が報じて、それについて長島政務官が承知していると、政府として認めました。海兵隊の役割はさまざまな役割があると思いますが、北朝鮮への対応ということが最大の任務となりますと、沖縄でなくても北朝鮮と地理的に近い西日本や九州でもいいのではないかという議論があると思いますが、その点は大臣、どうお考えでしょうか。

【大臣】まず、その発言を私(大臣)は確認をしておりません。それから、北朝鮮への対応というのは、一つの日本を取り巻く環境の中で、非常に重要なテーマだと思いますが、別にそれだけのためにということで必ずしも言ったものではないと私(大臣)は想像しております。

【朝日新聞 鶴岡記者】大臣は本日の同じ委員会で5月末までに政府の案を出すと答弁されましたけれども、基本政策閣僚委員会を開いて政府案を決定するのが5月末になるという段取りでお考えでしょうか。

【大臣】政府としての案を最終的に作ると、決定するというのが、5月末であるということは従来から答弁してきているところです。

【共同通信 井上記者】普天間に関連してですが、大臣は「今後米国と、これまでに現状を説明して、これを踏まえて今後実務的に詰めていく必要がある」と仰いまして、「ルース大使に伝えてから間がないので、今回の訪米については詳しい話にはならないだろうと、実際にならなかった」と仰っていますが、今後実務レベルの協議の見通し、いつごろから始まるのか、そういった点について、今の段階での見通しについてお聞かせください。

【大臣】それは適宜やっておりますけれども、具体的な内容については、お話しすることは避けたいと思います。

【琉球新報 滝本記者】普天間に関してなのですけれども、今月の25日に沖縄の方で、県民大会というのがありまして、県民が「県外、国外を」ということで、県内移設反対の意思表示という形の取組みが進んでいるところです。まず、この県民大会というものが開かれるということについて、やはり一つの民意の表れという形になると思うのですが、これをどのようにごご覧になっておられるかというのをまずお聞かせいただきたいのですが。

【大臣】それは沖縄県民の皆さんが、そういう県外、国外というご意見をお持ちの皆さんが集ってその意思を表明されるという大会であると認識をしております。

【琉球新報 滝本記者】引き続きまして、今、まさに仰られたのは、県外、国外を望んでいる方が参加するという仰られ方だったと思いますけれども、ただ、先般、沖縄県知事も上京されて平野官房長官、北澤防衛大臣とお会いになられたり、その際にも、やはり沖縄県内には県外移設等を求めるボルテージが上がってきているという県民世論の意思をお伝えになられたり、或いはご存じのように、県議会でも全会一致の県外移設要求、或いは県の市長会という組織でも県外移設要求など、それぞれさまざまな段階、レベルの県内の決議なりが、「県外」ということを求めてきています。更にそういう中で改めて民意というものを示す格好で県民大会というものが開かれなければならないというか、県民が開こうというような形にもっていくという気持ちになるというのはなぜなのか、大臣はどのようにご覧になられておられますか。

【大臣】それは難しいご質問です。やっておられる皆さんがどのようにお感じになっているかということですが、もちろん、はっきりと意思を表示したいという方々が、会を主催されて、そこに集われるということだと思っております。

【J-CASTニュース 野口記者】普天間について鳩山首相は腹案があると言って、岡田外相は、政府の中でコンセンサスがあると言っておりますけれども、実際に政府の中で腹案があるとしても、それが実際に米国にどのように受けとめられるのか。例えば、基地機能として、徳之島になるのではないかとか言われていますけれども、分散した場合とか、1か所になる場合とか、例えば米側の戦略として、うまく受けられない場合があると思うのですけれども、それに対してどうやって対処していくのか。

【大臣】本日初めての参加なので、初歩的な原点に戻った質問かと思いますが、国会などでも何度も答えておりますように、5閣僚の間で、共通の認識を持ち、そして、それを米国側、或いは地元と順次意見交換を行う中でより具体化していくというプロセスに現在あるとお考えいただければと思います。

【日経新聞 山内記者】先ほど大臣が5月末までに政府として案を最終的につくると、これは米国政府がのめる案という前提なのでしょうか。

【大臣】これは何度も申し上げていることですから、米国も理解をし、地元にも理解されるという案として政府が決定するということは、何度も申し上げているところであります。

【共同通信 比嘉記者】今の質問に関連しまして、5月末までに米国も理解し、地元にも理解されるということですが、具体的にどこという話ではないのですけれども、地元の理解というのはどのレベルで理解されれば、それは地元の理解を得たと大臣はお考えでしょうか。

【大臣】定量化することは非常に難しいです。ただ、最終的には政府の責任で決めるものと考えております。これは、基地の移転だけの問題ではなくて、例えば8,000人のグアムへの移転、その結果としての基地の返還、これは全体で1つの話でありますので、それは全体として理解していただくということが必要であると考えております。

【共同通信 井上記者】先ほどの質問に戻るのですが、米側と適宜やっていると仰ったのですが、これは、ルース大使に今の考え方を伝えて以降、米側からやりとりが始まっていると、米側から今の日本政府が伝えた考え方や案について、米国政府から何らかの反応があったととらえてもよろしいのでしょうか。

【大臣】詳細はお話ししません。

【琉球新報 滝本記者】先ほどの県民大会の件に戻りますけれども、「県外を希望する人たちが開催され、集うということになるんだろう」と仰られました。当然タイトルとしては県外移設を求める大会ということになっているわけなので、そこの県民大会が開かれるということを県民の民意としてどれくらい出ているのかということについては、大臣はどのようにご覧になっているのでしょうか。一部のそういう意見の方がそのように集まってやられるというだけのことだとお考えなんでしょうか。

【大臣】「だけのこと」という表現は、私(大臣)は全く使っておりませんので、そういった表現をされることは適切ではないと思います。基地を「県外に、国外に」と願う人たちが集まって集会をもたれるということだと思います。

米国の核政策
【朝日新聞 高橋記者】本日のニューヨーク・タイムズでオバマ大統領が会見で『核なき世界』に向けて、「非核保有国に対してはNPTを順守しているということを前提に核兵器は使わない」ということを言われました。それについての大臣の受け止めをまず教えて下さい。

【大臣】私(大臣)はニューヨーク・タイムズの記事そのものは確認をしておりません。ですから、NPRがまもなく発表になりますので、それを踏まえてコメントしたいと思っております。今朝、国会でも申し上げましたが、クリントン米国務長官からNPRの中身についても説明を受けましたが、それは公表するまでは言わないという約束で説明を受けておりますので、若干の意見交換もいたしましたが、そういうことは実際に公表された上でコメントしたいと考えております。

アフガニスタンにおける邦人ジャーナリスト誘拐疑い事案
【フリーランス 畠山記者】先週からアフガニスタンで行方不明になっている常岡浩介さんの件についてお伺いします。平野官房長官は記者会見で「誘拐されたことは承知している」と発言されました。岡田大臣は先週の会見で「コメントしません」というお言葉を4回繰り返されましたが、その状況は現在も変わっていないのでしょうか。

【大臣】アフガニスタンでの誘拐の疑いもある邦人の行方不明事案については承知をしております。

【フリーランス 畠山記者】承知をしていらっしゃるということですが、それ以上コメントされないというのは人道上の観点からと考えてよろしいのでしょうか。

【大臣】被害にあっている可能性のある方の安全に影響しうるということでコメントはいたしません。

【フリーランス 畠山記者】コメントされないという大臣のお考えは分かりましたが、各メディアがこのような疑いがあると報じた事実というのは残るのですが、この情報は外務省から漏れたものなのか、それともどこか他からも漏れたのか、大臣はどのようにお考えでしょうか。

【大臣】憶測でものを言うことは避けたいと思います。若干何名かの方が電子メディアを使ってその旨言われているということは承知をしております。

情報公開(砂川事件)
【ビデオニュース・ドットコム 竹内記者】砂川事件の関連についてです。砂川事件の時の日米間で行われた裁判についての会議記録が今まで不存在とされていたものが、先週の金曜日、4月2日に公開されたと報道されています。それについて、今まで不存在となっていたものが何故実際には存在していて、どこから見つかったのかという経緯を伺いたいのと、今まで不存在となっていたものが実際には文書があったとすると、有識者委員会での4つの密約についての調査や西山太吉さん等による沖縄返還についてのいわゆる密約の情報開示請求訴訟で国側が主張している文書が存在しないという主張の信頼性等にも影響を与えると思いますが、その点についても見解をお聞かせ下さい。

【大臣】今回、密約に関する徹底的な調査を行った結果として従来不存在としていたものが、そうではないということが明らかになったということです。

いわゆる「密約」問題に関する調査
【毎日新聞 内藤記者】先月公表されました、いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会の報告書の関連で一点教えて下さい。沖縄の返還協定では、日本から米国に支払う支払額は3億2000万ドルということで、その中に報告書では土地の現状回復費400万ドルとVOAの移転費1600万ドルを3億ドルに積みまして3億2000万ドルという経緯を明らかにしましたが、これまでの政権は積み増しを認めてきませんでした。岡田外務大臣はこの有識者委員会が報告したようにこの肩代わり、この積み増しが含まれていたというご認識であると理解してよろしいでしょうか。

【大臣】今回の調査委員会の報告書は今、手元にありませんが、そこにも書いてありますが、国会答弁等でも3億2000万ドルについて、それを何に使うかは米側に委ねられているという答弁も当時も行っておりますので、したがって現状回復費、本来米側が払うことになっているものについて、それを隠したというように言えるのかどうかというのは報告書もそこまで明確には言ってなかったと思います。したがって、「広義の密約」という表現をとっていたと思います。

【毎日新聞 内藤記者】そうすると、「広義の密約」という報告書のとおりのご認識ということでよろしいのでしょうか。

【大臣】この場でも何度かお話を申し上げましたが、有識者の皆さんが専門性に基づいて議論した結果「広義の密約」という結論を出されました。それについて外務省がそれが正しいとか間違っているとか、そういう立場にはございません。これからも、さまざまな議論があり得るのだろうと思います。現に第3の密約の沖縄の核再持ち込みに関する問題については、有識者委員会は「これは密約とは言えない」という結論ですが、それに対してさまざまな学者の先生方からも異論を述べられている訳で、そういう議論が行われることを私(大臣)は歓迎したいと思います。そういう議論を通じて、より真実と言いますか、考え方も含めて明らかになっていくということですので、外務省として何か断定をするということは避けた方がいいと考えております。外務省は事実関係だけはきちんと明らかにさせていただきましたので、後は解釈にあたる部分はそういう意味で外務省が一義的に決めるのではなくて、そういった議論の中で固まっていくということだと思います。現時点では有識者委員会の報告書、そこでは「広義の密約」というように位置づけているということです。

【世界日報社 山本記者】西山記者の関連で、3月12日の記者会見で大臣は「西山記者が有能で素晴らしい記者だったが、ジャーナリスト界から追放されるような形になった」というようなことを言われたという報道がありましたが、その時(会見時)私はいなかったものですから、どういう形で取材してもいいというようなニュアンスに受け取れられかねないかもしれませので、その辺りは大臣はどのようにその問題についてお考えなのかご所見をお聞きしたいと思います。

【大臣】取材の方法において問題があったということは同時に言えると思います。また、そういう判決も確定をしているということです。そのことは横において、ただ「記者として能力のある人、そういう方がメディアの世界から去らざるを得なかったということは惜しいことだ」と申し上げた訳です。

米国カリフォルニア州への訪問
【フリーランス 大川氏】米国カリフォルニア州で6年に亘って連載をさせて頂いています。大臣はこの前もカナダに行かれたりしておりますが、歴代政権はいつもワシントンやニューヨークだけに行って、最大の日系社会であるカリフォルニア州は必ず無視されてお帰りになっています。私は何度も言っているのですが、やはり今回もトヨタの問題で声を上げるのも米国の日系社会であり、イラク戦争があったときも「イラク人を第一に差別するな」と一番最初に声を上げたのはカリフォルニアの日系社会でございます。是非とも北海道で「外務大臣と語る会」をやられるのであれば、カリフォルニア州でもそういったお考えはあるのかということをお伺いしたいと思います。

【大臣】カリフォルニア州も非常に関心はあるのですが、非常にタイトな日程の中で動かざるを得ませんので、具体的な案件がないとなかなか行く機会がないということで、どうしても会議とか、或いは政府の人間との会談ということが優先されるということであります。ただ、私(大臣)は1月13日にハワイでクリントン米国務長官と会談を行った際に、日系人の代表者の皆さんと懇談するという機会がございました。そこで様々なお話も聞かせて頂いたところであります。

【フリーランス 大川氏】シュワルツネッガー知事とかは、トヨタのプリウス等ハイブリッド車を優先レーンに走らせるとか、大変親日的なことをいろいろやって頂いています。日系社会の方がいつも仰っているのは、大臣並びに総理がご希望であれば、そういったセッティングをボランティアでしたいと仰っているのですが、もしそういうご要請があったら、会って会談されるということはお考えでしょうか。

【大臣】ですから、なかなか行く時間が取れないという根本的な問題がありますので、機会があれば是非西海岸の方にも行ってみたいという気持ちもありますが、先般もハイチに行ったときも、帰りはマイアミで一泊しましたので、マイアミにあるJICAの(緊急援助物資用)倉庫だけは見る機会があったのですが、それ以外には時間が取れませんでした。マイアミも非常に特徴のある都市ですので、これも少し時間をかけたいと思ったのですが、全くそういうことはできませんでした。そういう状況にあることを是非ご理解いただいて、機会があればということでお願いできればと思います。

クリントン米国務長官との電話会談
【共同通信 井上記者】今朝のクリントン米国務長官との電話会談なのですが、これはまず一つ確認したいのは、先方から「NPRについて説明したい」ということで申し入れがあったのかどうかという点と、「内容について、公表するまで明かせない」ということですが、内容は聞かれているということで、今回のNPRによって、核抑止力とか、そういったことで日本への抑止力提供ということに影響はないのかどうか、その点についてどう見ていらっしゃるのか、お聞かせ下さい。

【大臣】電話はクリントン米国務長官の方から説明したいということで架かって参りました。おそらく日本だけではなくて、手分けして同盟国中心に連絡されているのだろうなと想像はいたします。中身は現時点ではお話できません。もちろん、全体を説明するだけの時間もありませんので、話していたのは15分か20分ぐらいだったかと思いますが、日程的なことについて長官からお話があり、私(大臣)が2、3質問をしたという形でございます。クリントン米国務長官からは「先般のG8外相会合で、私(大臣)が核に非常に関心を持っていることは分かっているので」というお話でした。

【共同通信 井上記者】核抑止力への影響があるかどうかについて、どう見られているかについて、お聞かせ頂けますか。

【大臣】ですから、中身については発表された時点でコメントしたいと思います。

沖縄における写真展への協力
【琉球新報 滝本記者】本日の外務委員会でもお話があったのですが、外務省沖縄事務所の米軍関係者が撮られた写真の写真展の件で、今朝の閣議決定された答弁書でもありましたけれども、予算は本省から出しているというようにあったのですが、写真展で賞を与える場面で、商品とか景品とかいうことについては、ポケットマネーで職員の方が買われて払われていたということについて、公できちんとするものであれば、ポケットマネーで使うことではなく、そういう景品の部分も含めて、きちんと公費処理をすればいいのではないかと思います。私費の部分でポケットマネーでそういうものを買われてやられるというのは、何かやましい部分があるのではないかという指摘もあったりするのですが、ポケットマネーで景品を買って賞として与えるということについて、如何ですか。

【大臣】先ほど国会でもご質問ありましたのでお答えいたしました。照屋先生の質問だったと思います。そういった写真展を開いて、沖縄の皆さんと米軍の関係者の皆さんとの交流を深めるということは、私(大臣)は意義があることだと思っております。従って、100万円と少しだったと思いますが、予算を使って、そういう一連の展示会といいますか、そういうものを行ったということであります。基本的にはそれで完結している訳ですが、賞だけではなくて景品もということで、気を利かせて外務省の職員が自らのポケットマネーでそういった景品を付けたということであります。そのことが何か問題であるとは考えておりません。




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