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岡田克也代表定例記者会見(6月29日)

岡田克也代表記者会見
2016年6月29日(水)9時34分~9時55分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○「参議院選挙の重要争点に関する公開質問状」を安倍自民党総裁に
提出(配布資料添付「公開質問状」)
○年金積立金の運用について
○財政出動・補正予算について
■質疑
○財政出動・補正予算について
○「参議院選挙の重要争点に関する公開質問状」について
○財政出動・補正予算について
○参議院選挙制度改革について
○参院選争点「憲法」について
○参院選における疑問票の取り扱い指針について
○共産党・藤野議員の防衛費に関する発言について
○参院選前半戦の情勢分析について
○参院選争点「憲法」について
○参院選への関心・投票率について
○英国のEU離脱が与える影響について
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■冒頭発言

○「参議院選挙の重要争点に関する公開質問状」を安倍自民党総裁に提出
安倍総裁宛公開質問状

【代表】
 私からは何点か、まず冒頭申し上げたいと思います。
 一つは公開質問状、お手元に配らせていただきました。本来、各党が揃った党首討論か、あるいは私と安倍総裁の間の党首討論か、いずれかを行うようにと求めていましたが、残念ながら実現がかなわない情勢でございます。そうであれば、党首討論で議論しようと思っていたことを質問状の形で出そうということで、お手元の公開質問状を用意しました。
 先ほど自民党に提出をさせていただきました。きちんとしたお答えをいただきたい、明日中に文書で回答してもらいたいと求めています。この間、自民党に幹事長名で申し入れをした文書などを、自民党の事務方が電話一本で「できません」と言って断ってくるとか、そういうことが続いておりますので、極めて非礼、常識に反していると思います。この具体的な質問状に対して、きちんとした文書で答えが示されることを強く求めておきたいと思います。

○年金積立金の運用について

【代表】
 第2点は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の積立金運用の問題です。公開質問状にもあるが、やはり株価が大幅に下がっていることの影響は非常に危惧しております。
 (安倍政権下で)株の割合を倍にしたわけですが、我々はもともと、ふさわしくないと申し上げてまいりました。非常にリスクの高い運用というのは年金になじまない。それをきちんとした答えもないままに運用の比率を倍にし、そして我々が懸念していたとおり、昨年度も赤字を出したということが予想されます。これも発表は7月の選挙が終わってからと、昨年度だけではなくて、その後も、特に先週の英国のEU離脱などで株は大幅に下がっておりますので、非常に懸念していることは、これが年金(支給額)の引き下げにつながるのではないかということです。
 安倍総理も、今年の2月の衆議院予算委員会で、「想定の利益が出なければ、当然、支払いに影響する」ということは認めているわけで、大事な年金が減らされようとしている。第2の「消えた年金」ではないかと思っております。
 いずれにしても、もう一回運用の割合、株式の割合を元に戻すこと。それから事実関係をはっきりと明確に述べること、そのことを求めておきたいと思います。

○財政出動・補正予算について

【代表】
 補正予算についても、10兆とか20兆とか景気のいい話が聞こえてまいりますが、これは記者クラブの主催した党首討論の中で私が質問いたしました。規模とか中身とか財源、そういうものについて、「まだ税収見通しがはっきりしないから、述べることは無責任だ」、そういう趣旨のことを安倍さんはお答えになった。他方で、10兆とか20兆とか景気のいい話が出てきている。
 やはり「分配と成長の両立」という観点から、私は財政出動をすべて否定するわけではありませんが、中身のある財政出動であればいいと思いますが、従来型の公共事業のバラマキ、結果としてのまた借金の山ということでは全く意味がない。選挙前の特定の業界に対するボーナスだと言われても仕方がないと思っております。
 いずれにしても、参議院選挙期間中ですから、財源も含めて、赤字国債に対してあれだけ批判をされていたわけですが、税収の見積もりも昨年度、1月に立てた税収(見通し)が1、2、3月の状況で予定どおりいかないことが明らかになっています。為替レートも予算の前提と比べると20円ぐらい円高に振れていると思います。そしてトヨタ自動車初め各社、今年の業績予想はマイナスであります。マイナスというのは赤字という意味ではなくて、昨年に比べて、たしかトヨタは利益見
通しが半分ぐらいになっていると。そういう中ではたして財源をどうやって得ることができるのかということについて、しっかりとお答えをいただきたい。
 税収が想定以上に増えないと、安倍さんが言っている「成長と分配の好循環」というのも成り立たない。安倍さんは成長する分で税収が予定より増えた場合に、それによって“果実”が得られる、その果実を分配して出生率1.8とか介護離職ゼロを実現すると言ってこられたし、昨年は補正でそういう対応をされたわけですが、今年はそういう財源もないということになると、この介護離職ゼロとか出生率1.8もできないのかと、こういうことになりかねない。
 私は、そういった「税収が予想より増えたから、その果実でやる」ということではなくて、やはり根っこから予算を組み替えて、公共事業予算などを削減し、それで社会保障をしっかりと充実させていくべきだと申し上げています。

■質疑

○財政出動・補正予算について

【フリーランス・宮崎記者】
 補正に関して、昨日、安倍総理は石原経済再生担当大臣に取りまとめを指示した。昨年秋のものは加藤「1億総活躍」担当大臣に取りまとめを指示したもので、例えば低年金者3万円の件とか、そういった形で一つ見えてくるものが違うのではないかと思う。公明党の山口代表は、昨日のBS日テレで、イギリスのEU離脱に関しては影響を見極めていくことが大事だということで、すぐにそれに関する補正には否定的な発言をはっきりとした。こういった中で、今回の補正に関して参議院選挙の前にどうお考えか。

【代表】
 山口さんの発言は確認しておりませんので、そういう趣旨かどうかわかりません。コメントできません。
 基本的には補正は財務大臣に指示をされるということだと思います。

【NHK・花岡記者】
 代表は、中身のある財政出動だったらいいとお話をされたが、公共事業が、予算が消化できずに余っているという現状もある。代表の考える、中身のある、しっかりとした財政出動、具体的にはどういったものを想定されているか。

【代表】
「中身のある」、つまり今回(来年)4月1日から予定されている年金(最低加入期間の短縮)や、介護保険料の軽減、低年金者に対する給付、これは4月1日ですから補正ではないかもしれませんが、そういったこと。あるいは、子ども・子育て、そういったことについてしっかりとやっていく。我々で言う再分配の政策、分配の政策、それを予算の裏付けを得てやっていくということであれば意味があるということを申し上げています。

○「参議院選挙の重要争点に関する公開質問状」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 公開質問状、おもしろく拝読したが、こういうのを選挙期間中に出したことは今までなかったのか、あったのか。
 それから、これは総花なので、たぶん明日までに返事は出てこない。例えばGPIFの月内でどれぐらいになっているのかとか、1点だけ聞けば、向こうも答えざるを得ないのではないかと思うが、やや総花だ。代表のご主張で一番国民が知りたいのは、年金資金がどれだけ毀損したのかだと思うが。

【代表】
 基本的な問題ですから、質問は幾つかありますが、答えられると思います。答える気があれば。
 それからこういうことは今までなかったかもしれませんが、そもそも参議院選挙、国政選挙で後半2週間で1度も党首討論がないということは、今までなかったこと。それに代わるものとして出しました。

○参議院選挙制度改革について

【東京新聞・清水記者】
 憲法改正と「一票の格差」について伺いたい。今回の参院選の
「一票の格差」は3.08になり、また裁判所から厳しい指摘を受ける可能性もある。自民党は、都道府県で少なくとも1人選出されることを前提に、憲法を含めてそのあり方を検討する、と公約に書いている。現場では「合区解消は自民党」とも訴えている。参院選の選挙制度改革で憲法改正をするという意思を表明していると思うが、これについてどう思うかということと、参院選の一票の不平等の解消は改憲によるものか、それとも現行憲法の枠内でできることを探るべきか、お考えを伺いたい。

【代表】
 それは両方あり得ると思います。どちらが、ということは私、ここで申し上げるつもりはありません。
 ただ今回の3倍を超える状況ということに対して、我々の案ではそうならない。それを否定して、3倍を超える案でまとめたのが与党と、そして維新です。特に片山さん(現・おおさか維新の会・共同代表)主導で。これは片山さんが主導して、片山さんや荒井さんがやっていく中で自民党が乗っかったような形になりました。公明党は、むしろ当時の民主党と一緒に違う案を志向していた。やはり中途半端な改革だなと思います。
 片山さん自身、「3割減」とかいろいろなこともおっしゃっていますが、
1議席も減っていない、そういう案を自ら主導しておられて、選挙では「3割減」とか言っておられるのは、私には全く理解できないことだと申し上げておきたい。言っていることとやっていることが違い過ぎるじゃないかと、維新は。特に片山さんは。
 それから憲法を改正しないということになると、私達のような案、つまり合区をさらにやっていくということになるか、あるいは当初、西岡元議長が提案された案、つまり比例中心のブロック別比例のようなものになるか、そういうことしか答えはない。そういう選択にするのか、憲法を改正して、東京都も、そして今回合区の対象になるようなところも、それぞれ1人ずつ選ぶというふうにするのか、それはこれからの議論だと思います。

○参院選争点「憲法」について

【東京新聞・清水記者】
 安倍政権は3年前に96条改憲を持ち出して、批判されると引っ込めた。今年前半には緊急事態条項という議論が一旦盛り上がったが、これも今しぼんでいるような状況。今回、公約には参院選挙改革ということを言っている。公開質問にも関係あるが、本丸とされる9条を避けたようなやり方についてどのように思われるか。

【代表】
 それは私が常に街頭などで申し上げているとおりです。そういうやり口です。

【フリーランス・宮崎記者】
 憲法改正についての反応だが、演説は経済、社会保障、憲法の順番でされることが多いかと思う。「まず2/3を取らせないこと」という設定の中で、いきなり憲法の話からとなると、たぶん聴衆の反応というのもあるのだろうけれども、実際この1週間の反応を見て、どのくらいの関心や理解が進んでいると思われるか。

【代表】
 憲法の話は非常にうなずく方も多いのですが、ただ、数字を見ると争点としてまだ1番手・2番手ではないことは事実です。これをやはり1番手・2番手に持っていくことは非常に重要だと思っております。まだ、その危機感というか、共有されていないというところはあると思います。

○参院選における疑問票の取り扱い指針について

【ニコニコ動画・七尾記者】
 総務省が、参院選比例に関して、判別が難しい疑問票の取り扱いに関する指針をまとめ、「民主」と書かれた場合には、民進党の有効投票として明示されなかった。ただ、一方で最終的な取り扱いは、各開票所の開票管理者に委ねられるということと、「民」という1字に関しては認めるという方向が出ている。特に「民主」が認められないことについてご所見を伺いたい。

【代表】
 特にコメントはありません。「民主」と書かないようにと。

○共産党・藤野議員の防衛費に関する発言について

【共同通信・高城記者】
 昨日、共産党の藤野政策委員長が辞任されたが、「人を殺す予算」という発言についてのご認識と、共産党の対応について伺いたい。あと野党共闘への影響についてはいかがか。

【代表】
 私の対応は既に申し上げているとおりです。「適切でない」ということは申し上げました。
 野党共闘に影響があるというふうには、特に考えておりません。

【産経新聞・松本記者】
 藤野氏の発言は共産党の見解とも異なるものではあるが、それでも与党のほうは、「人を殺す予算と発言した共産党と協力している民進党」と、民進党に対するネガティブなイメージを流布しようとしている。これに対する反論を伺いたい。

【代表】
 反論すること自身が土俵に上りますから、無視です。こんなことで、何でもかんでも批判しようとする安倍総理初め自民党の有力者の皆さん、非常に残念だと私は思います。国民はわかっています、そういう姿が。

○参院選前半戦の情勢分析について

【NHK・高橋記者】
 先ほども選挙の対策会議がされたと思うが、今どういうふうに選挙の情勢を考えていらっしゃるか。それを踏まえて後半の選挙戦どういうふうに戦っていこうと考えているか、伺いたい。

【代表】
 それはなかなか言えないよね。
 ただ、しっかりと、特に接戦、競っているところ。あるいは追いかけていて伸びのあるところ。そういうところ中心にしっかり応援に入ろうということを確認しました。

○参院選への関心・投票率について

【毎日新聞・松本記者】
 投票率について伺いたい。先日、期日前投票の結果が発表され、前回の1.8倍という結果だった。その一方で、世論調査では「必ず投票に行く」という人の割合がまだ高まっているわけではない。街頭に立たれていて、国民の参院選への関心、投票率の見通しについてどう感じているか伺いたい。

【代表】
 ぜひ高い投票率になることを期待したいと思います。

○英国のEU離脱が与える影響について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 英国のEU離脱、これで国内的には安定した政治を求めているというようなことを自民党の人は言うわけだが、この英国のEU離脱、逆風が吹いているとご覧になるか、どうご覧になるか。選挙に影響はあるか。

【代表】
 EUからの英国離脱を真正面から受け止めるならば、金曜日に主要閣僚が東京にいないというようなことにならないと思います。何でもかんでも選挙に利用しようと、そういうふうに思えてならない。
 そして、アベノミクスの前提がもう成り立たない。既に1月から円安でも株高でもないわけで、その影響は既に税収見通しに現れてきていますが、今回のことで、残念ながらさらに円安に持っていくことは見通しとしても非常に難しくなっている。そうすると、円高に振れていくことになると、今までの3年半のアベノミクスの事実上の牽引車が円安・株高ですから、これがもう機能しなくなっているということ。
 安倍さんの言うように「成長の果実」、つまり税収が増えた分を介護や、あるいは子ども・子育てに充てるとか、そういうことができなくなる。私たちは根っこから変えるべきだと、そのことで財源をつくるべきだと言っているのですが、安倍さんは上乗せ分を使ってやると、そういうこともできなくなるし、あらゆる面で破綻を来していると。そのことが、1月からの傾向なのですが、今回の英国のEU離脱に伴うさらなる株安あるいは円高によって、より明らかになったということだと思います。




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