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2004.06.02|国会会議録

衆議院決算行政監視委員会


岡田委員 民主党の岡田克也です。

総理とは今まで何度か、政調会長あるいは幹事長として議論をさせていただいておりますが、民主党の代表としてはきょう初めてであります。ぜひ中身のある議論をしたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

また、この国会、まだ会期が少し残っておりますから、党首討論など毎週議論する機会をつくっていただきたい、そのことをまずお願いを申し上げておきたいと思います。

さて、まず冒頭、この問題を私総理とも何度か議論をしてまいりました、イラクの問題であります。

イラク戦争が始まって、もう十五カ月であります。そして、我々は大義のない戦争には反対ということを申し上げたわけですが、総理は、大量破壊兵器の存在を もって、そしてアメリカの始めたイラク戦争を支持いたしました。いろいろな議論の過程で、いや、大量破壊兵器は出てくるんだ、そういう総理のお話もありま した。しかし、今やそういう議論はないと思います。

そこで、もう一度、改めて総理の御意見を聞きたいと思いますが、ブッシュ大統領の始めたイラク戦争について、それをいち早く支持をしたことについて、日本国総理大臣として今どういうふうにお感じなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 今でも支持したことは正当性があったと思っております。

国連決議にのっとって私はあのイラクの戦争を支持いたしました。あの当時、国連決議で、イラクは大量破壊兵器を過去に使っていたが、それをみずから廃棄 しなきゃならない説明責任を負っていたんです。その脅威が存在していたということは国連決議が認めております。そういう点からいえば、私は正しかったと 思っております。

今後、イラクに一日も早く安定した民主的な政権をつくること、これが大事だと思っております。

岡田委員 国連決議があったかないかは、ここは議論の分かれるところでありますが、しかし、少なくとも安保理理事国の中で、アメリカ、イギリス、スペイン以外は、この国連決議は戦争を始める根拠になり得ないという判断をしました。

なぜ総理はそういう中であえてあの戦争を支持されたのか、そのことを問うておるわけです。

小泉内閣総理大臣 それは今までも何回も同じ質問をされています。何回も同じ質問だから、同じ答弁をさせていただきます。

決議一四四一を含め一連の国連安保理決議は、イラクに大量破壊兵器の脅威が存在することを認定し、その除去を求めてきていたんです。ある時点で仮に大量破 壊兵器がひそかに廃棄されていたとしても、廃棄したことが明らかにされなければ、大量破壊兵器の脅威は存在し続けているという当時の国連の状況でありまし た。

そういう一連の安保理決議の義務が果たされていなかったからこそあの戦争に突入したのであって、その義務をフセイン政権が誠実に履行していれば、戦争は起こっていなかったんです。

岡田委員 この議論は、今までずっと水かけ論です。

ただ、私が総理に申し上げたいことは、この戦争でイラク人が一万人以上亡くなりました。米兵も、既に八百人を超える若い兵士たちが命を落としています。 戦争というのはあれだけの人の命を奪う、私は国家が行う殺人だと申し上げましたが、そういう中で、総理は今、いとも簡単に紙を読み上げられたけれども、本 当に一国の総理大臣として重い決断をしたのかどうか。一万人の命、八百人の命、そこを総理はどういうふうに今感じられておられるんですか。そのことについ て私は問うているわけです。

小泉内閣総理大臣 これも何回も質問をいただき、何回も答弁していることでございますが、戦争への決断というのは大変重いものだと思います。そういう中 で、いかに戦争を避けるかということについては各国が努力してきている。しかし、その努力も実らなかった場合には重大な決断をしなきゃならない。

日本としても、今イラクの復興人道支援に取り組んでおりますけれども、一日も早くこの戦争の悲惨さを回復するためにも国際社会としての責任を果たしていかなきゃならない。

戦争を起こさないような努力は、今後も極めて大事なことだと私は認識しております。

岡田委員 私は、外務省の奥大使と井ノ上参事官のお別れの式典がありましたね。総理も御出席されました。たしか総理は、お別れのあいさつの中で途中で言葉 が途切れたと思うんです。確かに、本当に悲しいお別れの式典だったと私は思います。若い奥さんやあるいは小さな子供や、年老いた御両親や友人や同期生や、 みんながそれぞれに奥さんや井ノ上さんのその死を悼み、そして悲しみました。総理も、そういう中で言葉が途切れる場面があったと思います。

人の命はやはり重いものだと思います。しかし、その命の重さは奥さん、井ノ上さんだけではなくて、イラクの人一人一人にその命の重さはあるんだと思うんで す。若い米兵もそうだと思います。だからこそ、我々は、戦争を始めるに当たって、いかにぎりぎり悩んで悩んで慎重に物事を決断しなければいけないか。

私は、今、総理が、戦争を始めたことについて、もちろん日本は直接始めたわけではありませんが、ブッシュ大統領を支持して、そして、ブッシュ大統領の戦争 を始めるということのその一つの動機に日本が支持しているということがあったとすれば、やはり私は総理の責任は重いと思うんですよ。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 それは認識が違うと思います。日本が戦争を始めたのではありません。アメリカの対応を支持いたしましたけれども、日本が戦争を始めたという認識は全く間違っていると思います。

岡田委員 総理、よく聞いていただきたいんですが、私は日本が戦争を始めたとは言っていません。今申し上げたように、ブッシュ大統領が戦争を始めるに当 たって、日本が支持をしていたということが一つの補強材料になったかもしれない、そういう意味で責任が重い、こう申し上げたんです。

小泉内閣総理大臣 それは、(発言する者あり)わざとずらさないでいただきたいんですね、争点を。日本が戦争を始めたのではない、アメリカを支持したけれ ども。しかし、アメリカはアメリカの考えで戦争を開始したんだと思っています。日本は日本の立場であのアメリカの対応を支持いたしました。

岡田委員 私は、もちろん戦争を始めたのではありません。しかし、支持をするということも極めて重いということを総理がどこまで御認識され、そして国家の 指導者として悩まれ、そして決断をされたのか。一連のあの過程を見ていて、そういうことが余り感じられなかったものですから申し上げたところであります。

では次に、訪朝問題、少し議論させていただきたいと思います。

私は、この日朝国交正常化の問題は極めて大事な問題だと思います。まず、これは、東西冷戦の残りかすといいますか、最後に残された、東アジアに残された 東西冷戦の、これを終わらせるという意味、そして同時に、日本の安全保障にとっても極めて大きな意味を持つ。だから、総理自身が日朝国交正常化に取り組ん でおられること自身は、私は基本的に評価をしております。ただ、今回の訪朝は、私は失敗であったと思います。

まず、総理に確認したいんですが、五人の子供たちが帰るためには総理が訪朝しなければいけない、こういう話はあったんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私は、日朝平壌宣言を重要な文書であると認識し、一昨年の九月十七日に交わされました日朝平壌宣言、いわゆる金正日氏と私との間で交わ された文書でありますけれども、この宣言にのっとって日朝国交正常化実現に努力するというのがあのいわゆる骨格であります。

一年数カ月たって、この方向になかなか進展が見られない、そういうことから、あの文書におきましては、拉致の問題も、核の問題も、ミサイルの問題も、包括 的に解決して、日朝間の国交を正常化するということになっております。そういう点から、この停滞した状況を、私が訪問しないで進展するんなら、私が行く必 要はなかったんです。しかし、私が再度訪問することによって一定の進展が見られると判断したから、私は訪朝を決断いたしました。

もとより、この私の訪朝に対していろいろ評価が分かれ、賛否両論あるのは承知しております。そういう点も含めて、私は訪朝を決断し、一定の進展が見られたということで、私は訪問に意味があったと考えております。

岡田委員 私の質問に答えていただきたいと思うんですが、私がお聞きしたのは、総理が行くことが五人が帰ることの条件になっていたのかと。これはイエス、ノーでお答えください。北朝鮮側はそのことを条件にしたのかということを聞いているわけです。

小泉内閣総理大臣 それは、今の私の答弁で入っているつもりで答弁したんです。

それを感じるかどうかはわかりません。

拉致の問題も、核の問題も、ミサイルの問題も、包括的なんです。そういうものを含めて、私が行くことによって一定の進展が見られるということであります。

岡田委員 それでは、観点を変えてお聞きしますが、会談の冒頭で、五人の子供たちが帰ることははっきりしたと思います。そのときに、総理は、五人が本当に帰ってくると確信を持ったのはいつですか。会談の途中で、確実に戻ってくるという確信を持ちましたか。

小泉内閣総理大臣 これは、私は最後まで、確信を持てたかという問いに対する答えとしては、率直に言えば、一緒に、私の飛行機と予備機、二機でピョンヤン におり立ちましたから、二機ともに日本に向かって飛び立ったというときに、ああ、これで一緒に帰国できたなと、そこで確信が持てたわけであります。

岡田委員 私は、今の総理の答弁は、かなり率直に言っていただいたと思うんです。あの五人の子供たちが建物から出てきて飛行機に乗って、ああ、これで帰ると、初めてそのときに確信を持ったと思うんです。

ということは、それまでの間は、いつ五人が、結局は帰らないんじゃないかという不安を抱えての交渉だったんじゃないですか。だから、思い切った交渉ができなかったんじゃないですか。

小泉内閣総理大臣 それは交渉事ですからね。(発言する者あり)

細川委員長 御静粛にお願いします。

小泉内閣総理大臣 実際に、独裁者の国で、交渉でまとまったものでも、話し合いの進展によっては変わる場合があり得るんですから、そういう点も含めて、私がじかにピョンヤンを訪問して金正日氏と話し合えば家族は帰国させることができるなという自信はありましたよ。

しかし、どこまでその自信が確信に変わるかというのは話し合ってみなければわからないという、そういう面はありますよ。全部がちがちに固めなきゃ行かないというんだったら、行かなきゃいいんですよ。私は、そういう態度をとりませんでしたね。

岡田委員 だから、私は、総理は間違ったと言うんですよ。つまり、五人を帰すのに総理みずからが行かなければ本当にならなかったのか。例えば、山崎さんが 大連で北側と会ったときには、政府高官という言葉になっています。山崎さん、そのときには、福田官房長官か川口外務大臣か、こういうことも言われています ね。まず、五人をしっかり日本に、政府高官を派遣して取り戻して、その上で北に行って、十人の問題や核の問題をしっかり腰を据えて交渉する、これが本来の 外交じゃないんですか。

総理は弱みを抱えていたから交渉できなかったんですよ、今回。違いますか。

小泉内閣総理大臣 反対の立場から見ればそういう見方もできるでしょう。

しかしながら、私は、私が訪問しないことによって家族が帰国できるんだったら、私は訪問しないでほかの交渉もあったと思います。しかし、拉致の問題だけ じゃないんです。日朝平壌宣言全体にかかわる問題なんです。それをどのような金正日氏の部下が、日本の外務省のどういう方、あるいは日本の政府高官が会っ たとしても、独裁者自身の考えはどうなのかという確かめるすべは、私が行くしかないんですよ。拉致の問題だけじゃないんです、核の問題もそうです。そうい うことから、私が行かないで家族の方々が帰ってこれるんだったら、もうとっくに帰っていると思いますね。

そういう状況でない、この停滞した状況を、私の再訪朝によってある程度進展が見られるのだということで決断したんですから、そういう中で、私は、一定の進 展が見られた、核の問題についても、ミサイルの問題についても、日朝平壌宣言の問題についても、拉致の問題についても、進展が見られたと。私は、訪問する ことによって一つの転機になったのではないかと思っております。

岡田委員 ここは見解の分かれるところかもしれませんが、私が総理なら、五人をまず日本に取り戻して、それから北朝鮮に行って、十人の問題、核の問題、しっかり交渉する、それが本来の私は国家としての交渉のあり方だと思います。

では、具体的中身にちょっと入りますよ。

先ほどいろいろ議論が出ていましたが、北朝鮮の再調査の結果はいつ出るんですか。

小泉内閣総理大臣 これは、すぐわかる問題ではありません。日本側の資料もよく突き詰めていかなきゃなりません。日本側も参加しなくてはなりません。そう いうことによって、両国間でこの調査が進むようにこれからも努力を続けていかなきゃならない問題でありますので、いつどうかという期限を区切ることは、現 時点でできません。

岡田委員 この調査のやり方ですが、私の理解では、前回出てきたものは白紙に戻った、したがっ て、もう一回北朝鮮がみずから調査して、まあこんなの時間かかるはずないんですよ。安倍幹事長なんか、そんなのすぐできるはずだ、わかっているんだ、こう 言っていますが、しかし、その調査の結果が出てきた上で日本がそれを精査する、こういう順番だと思うんですよ。

ですから、その北朝鮮側の調査は、安倍幹事長もすぐ出てくるみたいなことを言っておられますが、一体いつごろ出てくるんですかということを申し上げているわけです。

小泉内閣総理大臣 一体いつ出てくるんだというのは、これからの協議です。この協議が必要なんです。(発言する者あり)

細川委員長 お静かに願います。

岡田委員 国交正常化交渉、これは五人の、拉致された人々の、帰ってくれば国交正常化交渉に入る、こういう議論もありますが、ここのところはどうなんでしょうか。その十人の調査結果が出てくることと国交正常化交渉というのはどういう時間的な関係にあるんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、拉致の問題を解決なしに、核の問題を解決なしに、国交正常化実現はできないわけであります。正常化交渉の過程で、お互いが誠意ある対応をしない限り、両国の国交正常化は実現できないんです。その点を確認し合ってきたんです。

岡田委員 私の質問には答えていただいていないんですが、国交正常化が実現するというのは、それは拉致や核の問題が解決することが前提であることは、これは明らかです。国交正常化交渉に入るのかどうか、こういうことを聞いているわけです。

小泉内閣総理大臣 それは国交正常化交渉の中でやり得るし、その過程でいろいろな対応が出てくる、その対応に誠意ある対応を日本は求めていくわけであります。

岡田委員 今のお話ですと、国交正常化交渉をやりながらこの十人の方の調査の問題も並行してやっていく、こういうお話ですが、そこで言う国交正常化交渉というのは具体的に何ですか。

小泉内閣総理大臣 これは、日朝平壌宣言にのっとってやるのが国交正常化であります。何回も言っているように、拉致の問題につきましても、核の問題につき ましても、ミサイルの問題につきましても、包括的に解決していかなきゃならない。そういう中で交渉を今後ともしていかなきゃならない問題だと思っておりま す。

岡田委員 国交正常化交渉の一番コアの部分というのは、これは平壌宣言にも書いてありますが、経済協力や資金協力の具体的な規模や内容を詰めることです。それが国交正常化交渉の一番ポイントのところです。

だから、それを、今、正常化交渉を並行してやると言われたから、この十人の方の調査の結果が出ないのに、そういった援助の規模とかあるいは形態について、本当に並行して進めるんですかということを私は聞いているわけです。

小泉内閣総理大臣 経済協力も、拉致の問題、核の問題、解決なしには進展しないんですよ。総合的なんです。包括的なんです。そういうものが包括的に解決さ れた後に国交正常化は成るんです。その間、交渉の中で、核の問題はどうなのか、拉致の問題はどうなのか、経済協力の問題はどうなのか、当然、具体的な話し 合いがなされなければならないと思っております。

岡田委員 総理は全然答えていないわけですが、つまり、国交正常化 交渉の中で、その交渉というのは、一番中心の部分は、経済協力の形態や規模を決めること、議論することですよ。そういう議論はこの十人の方の調査結果が出 るまでの間も並行してやっていくんですか、それとも、それは十人の方の調査結果が出て日本なりに納得した上で初めてそういうお金の具体的な話に入っていく んですかということを申し上げているわけです。

小泉内閣総理大臣 それは、拉致の問題も核の問題も話し合いの中でどういう話になるか、これが解決しない限り経済協力の話もできませんから、それはよくわかっています。

いろいろな腹の探り合いもあるでしょう。そういう点については、日朝平壌宣言全体を見ながら、日本の立場、北朝鮮の立場、アメリカ、韓国、中国、ロシアの立場、よく連携しながら対応していきたいと思っております。

岡田委員 今の総理の御答弁では、結局わかりませんでしたね。

つまり、最後は調印をする、国交正常化交渉、調印をするというのなら、その調印というのは、拉致の問題や核の問題を解決しなければ調印しないというの は、それはそのとおりですよ。だけれども、具体的な中身の詰めは今もう並行してこれからやっていくのかどうか。

確かに、総理の任期中に国交正常化交渉をやり遂げようとしたら、今からそういう話をやらなきゃできないはずですよ。でも、こんな状況で本当にそれをやるんですかと、そのことを私は申し上げているわけです。今、総理はやらないとは言わなかったということは確認できました。

核の問題についても一言お聞きしておきたいと思います。

核の問題について、いろいろ総理はお話しになったということですが、何か新しい話はあったんでしょうか。今まで事務方の確認してきたような、それを金正 日国防委員長がみずから言ったという部分はあるかもしれませんが、何か今回の訪朝で、核の問題について具体的進展はあったんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 核の問題も当然議論になったんですが、金正日氏は、朝鮮半島の非核化が目標であると。これは、新しい発言だったなと。同時に、凍結とい うのは検証を伴うものだということであり、こういう点については、本心のところでは、国際社会に復帰することが北朝鮮の最も利益にかなうことであるという のがだんだんわかってきたのではないかなという感じも私は受けました。

しかし、これは、今後の相手方の対応、そして日本を含めた関係六カ国間の対応が大きなかぎを握っておりますので、この点に向けては、今後、日米間とも、日韓とも、中国、ロシアともよく連携をとって何とか北朝鮮を核廃棄の方向に持っていきたいと思っております。

岡田委員 今、総理のおっしゃったことは、六カ国及びその他で実務的には確認されていることですね、それを金正日国防委員長が言ったことはそれなりの意味があるのかもしれませんが。

では、例えば具体的に、安全の保証の問題、これは北が一番求めていることです。ここについて、何か具体的な議論はしましたか。どういう議論があったんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、核の問題は、金正日氏は、基本的には米朝の問題だという主張をされておりましたけれども、それは米朝間だけの問題ではないと私 が言いまして、微妙な問題でありますので、すべてこの場で金正日氏がどう言ったかというのは差し控えたいと思いますが、私は、核の問題は北東アジア全体、 世界の安定に大きくかかわっていますので、米朝間だけの問題とはとらえておりません。日本も深刻な問題である、各国と協議していくべき問題だと思っており ます。

岡田委員 核の問題が日本にとって極めて深刻な問題であるということは、私が常日ごろから申し上げているところであります。恐らく、今、安全保障上、日本にとって具体的に最大の脅威は何かと言われれば、私は、テロか、それとも北朝鮮の核だ、こう思います。

したがって、それについて日本がみずからの問題として交渉するというのは当然のことでありますが、先ほどの総理のお話は、結局、六カ国協議をなぞった、そ して具体的に今までの話し合いからさらに一歩進めて何か議論がなされたという感じは私は受けないわけですね。先ほどの十人の方の調査の問題についても、や はり期限は明示されませんでした。

そういうのを見ますと、最初に戻りますが、私は、今回の訪朝は、それはたくさん カードは切られましたよ、二回目の訪朝。そう何回も行けないと総理はおっしゃいました。そのとおりですよ。そう何回も日本国の総理大臣が一方的に北に、国 交もない国に何回も行けるはずないんです。そのカードを切りました。二十五万トンの食糧支援、十万ドルの医療支援、そして制裁は平壌宣言が進んでいる限り 発動しない。そういったいろんなカードを切りながら、私にはそれに見合っただけの成果がとてもあったとは思えないから、私は、失敗だった、外交的には失敗 だったと。そして、それは、突き詰めて考えていけば、五人の方をまず戻した上で総理が行くのであればもう少しまともな交渉ができたんじゃないかというこ と、私が総理ならそうしたということを申し上げたわけであります。

もし総理に何か感想があればお聞きしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 それは、私、日朝間の交渉というものは容易でないということは理解しております。しかし、家族の方々が一日も早い帰国を願っている、そ ういう中にあって、このまま、核の問題があるし、あるいは他の問題もあるからしばらくほっておけという議論も確かにあります。安否不明の方もいる、拉致さ れた家族は、今、日本にいる御家族だけじゃないという議論も十分承知しております。

そういう議論は議論としてわかりますが、それでは、よく冷静に考えていただければ、私が今回行かなかった場合、この進展はありませんでした。その辺は理解していただけると思うのであります。(岡田委員「何の進展」と呼ぶ)今まで言った進展はなかったと思いますね。

核の問題についても、この凍結は検証を伴うということについて、私は、これからサミットに、会議に出た場合にも、北朝鮮に対して国際社会が平和的解決をし ていくべきだと。そして、ブッシュ大統領を初め、金正日氏は、サミットに出席する首脳、プーチン大統領以外とは会談したことありません。

そういう中で、私と金正日氏と会談した中身という問題については、日米関係を考えればいろいろ大事な問題もあります。北が一番気にしているのはアメリカの 対応であります。そういう点について、私は、金正日氏の真意というものはどういうものかということは、今回会談したことによって、よりブッシュ大統領に も、アメリカ側にも伝えることができると思います。

そして、私は、金正日氏に対して、そのような平和的解決を望んで いるならば、朝鮮半島の非核化を最終目標としているんだったらば、なぜ六者会議の場でもっとそういう真意を説明しないのかということで、金正日氏は、六者 会議をこれからも活用していきたいという話もありました。

いわば、会ってじかに話した首脳というのは今の西側の首脳 にいないわけでありますので、私は、今後とも、日朝間の国交正常化問題というのは日朝間だけの問題じゃない、韓国もアメリカも中国もロシアも関心を持って いる中でありまして、これからもそういう関係国との協力連携をするためにも、やはり今回の話し合いというのは意味があったのではないかと思っております。

国交正常化に向けて、正常化が満点だといえば、当然、今回の私の訪朝というのは何点かという点数をつけることはできませんけれども、正常化に向けた一つの大きな転機である、ステップであるということは言えるのではないでしょうか。

岡田委員 この議論を幾らしてもお互い通ずるものがないと思いますので、これでやめますが、もう一言だけ申し上げます。

総理の座というのは重いんですね。その総理がどこでみずから訪朝するか。何回も行けないんですよ。そのことがとても大事で、私は、先ほど申し上げたよう に、訪朝すること自身について批判をしているんじゃありませんよ。しかし、まず五人を手元に取り戻してから訪朝することでもっと大きな果実が得られたはず だということ、そのことを私は申し上げているわけです。

次に、政治とお金の問題について一言申し上げたいと思います。

この政治と金の問題について、私はやはり民主主義の根幹の部分だと思うんですね。我々がきちっとルールを守ってやっている、そういう視点で見ると、自民党は十数年前と全然変わってないな、残念ながらそのことを言わざるを得ません。

例えば日本歯科医師政治連盟、今具体的な警察の捜査も進んでおりますが、そこと自民党との関係を見てみますと、私も友人ですから余り具体的な名前は出した くありませんが、閣僚でもある石原伸晃さん、二〇〇〇年七月からの二年間で一千万ずつ四千万の金が、自民党本部から石原伸晃さんが支部長を務める自民党東 京第八区総支部に出ています。ほかの自民党議員には見られないお金の流れですね。

そして、それはなぜかと見ていくと、その自民党あるいは国民政治協会に対して、日歯連からその十日から二十日前にやはりほぼ同じお金が出ているということですよ。つまり、これは迂回献金じゃないかという疑いが濃厚ですね。

あるいは、自民党の各都道府県連の歯科医師政治連盟総支部というのがありますね。各都道府県ごとに歯科医師政治連盟、自民党、つくっています。そこと日本 歯科医師政治連盟とのお金の流れがほとんど合っていませんよ、収支報告上も。例えば東京や佐賀の支部では、日歯連は出しているんだけれども、受けた記載が ないんです。

逆に、日歯連が出していなくても、それぞれ都道府県の自民党の歯科医師政治連盟支部が受けているという記載があったりする。でたらめなんですよ、これ。

なぜそんなことになっているんですか。それは結局、裏金がたくさんあって、その中の一部が記載されたり記載されたりしないからこういうことが起こるんじゃないんですか。そういうことに対して、自民党総裁としてきちんと説明する、改める、その意欲はおありですか。

小泉内閣総理大臣 これは、政治資金の取り扱いにつきましては、個々の議員が政治資金規正法にのっとってきちんと対応すべきだと思っております。

岡田委員 そう言われるだろうと思って私は申し上げたんですよ。自民党本部から石原さんの総支部へのお金の流れであり、そして、自民党の都道府県歯科医師 連盟総支部の、そのお金の流れなんです。全部、自民党が関係しているんですよ。だから申し上げているんです。もう一回答えてください。

小泉内閣総理大臣 政党活動ですから、その時々、どういう支部にどのような政治活動が行われるか、支部によって私は違うと思いますよ。政党としても支部としても個人としても、きちんとした政治資金規正法にのっとった対応をすべきだと思っております。

岡田委員 ですから、自民党本部からそういった偏ったお金の流れがあることについて、きちんと説明責任を果たすべきだ。我が党は、自民党の経理局長に対し ても、参考人として出てきて説明するように求めています。そういった説明をきちんとすべきだということを申し上げているんです。そこで個々人の話にすりか えないでください、自民党の問題ですから。

小泉内閣総理大臣 自民党としてきちんと処理しているということでございます。

岡田委員 総理、ここは本当に私は大きな問題だと思いますよ。ですから、歯科医師政治連盟の問題はもう司直も入っていますから、これからいろいろなことが 出てくるんでしょうけれども、自民党は、三年間で十五億円、本部はですね、その他も含めれば大体二十二億円ぐらい三年間で資金提供を受けているわけです よ。そこがこういう問題を起こしているわけですから、やはりそれは有権者に対して、国民に対してきちっと説明する責任があるんじゃないですか、あるいはお 金を返す必要もあるんじゃないんですか。総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 政党としては、政党交付金のみ ならず、各党員、党友、支持団体の協力を得て政治活動を賄っていかなきゃならないという点についてはおわかりだと思います。そういう多くの方々の協力を得 られるように、常に襟を正して活動していかなきゃならないというのは言うまでもありません。

今後の資金をどのように国民から協力を仰いでいくか、そしてどのように活動に費やしていくかという点については不断の見直しというのが必要ではないか、やはりこれからも政治資金の扱い方についてはより注意深く配慮していかなきゃならないなと思っております。

岡田委員 私は、十年ぐらいたって自民党も少しは変わっているかなと思っておりましたので、ここは本当に残念なところであります。小泉さんは自民党の総裁ですから、ぜひしっかりとした対応をしていただきたいと思います。(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします。

岡田委員 委員長、ちょっと理事を注意してください。余りにばかげたやじだ。余りにもばかげています、やじが。(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします

岡田委員 いいですか。――それでは次に、年金の問題に移りたいと思います。

私は、年金の問題というのは、国民生活の老後の保障ですから、極めて大事。ですから、国民一人一人がすごく関心があるというのは当然のことですね。そう いう中で、今、政府案に対して、調査によっては六割から七割、この法案は今成立させるべきでないという国民の声というのが厳然としてあります。

私は、この年金の問題を議論する際に、例えば政府案でよく言われる、毎年一兆円ずつ十四年間上がり続けるとか、給付が下がるとか、そういったことのみを問 題にしようとは思いません。年金の問題というのは、これは結局は、今のままでは持続不可能、少子高齢化の中で、負担をふやしていく、そして給付は将来的に 減っていく、その大きな流れは変えようがないわけですから、もう少ししっかり、具体的なところで議論したい、そういうふうに思っています。ですから、揚げ 足取りの議論はしませんので、誠実にお答えをいただきたい、こう思っています。

そこで、まず、今までの政府の御説明 が私は非常に不誠実だったと思う。非常に誤解を招いた説明が多かった。例えば、国民年金保険料の上限を一万六千九百円にします、これはいろいろなパンフ レットで断言してあるわけですね。しかし、審議の中で、現実にはそれは、二〇一七年には二万八百六十円であり、二〇三七年には三万一千六百十円であるとい うことはわかりました。なぜ最初からこのことを言わなかったのか。ずっと一万六千九百円でいくかのごとき誤解を国民に与えたことについてどう考えるのか。

そして、現役世代の平均収入の五〇%を上回る給付水準を将来にわたり確保する、この制度の一番の売りはここだったんですね。五〇%保証。しかし、五〇%の 保証というのは、それは夫婦ともに四十年間、そしてその中で、御主人はフルタイムで働き、奥さんは専業主婦、そして年が同じ、そういう場合に初めて五〇% が保証されるのであって、夫婦ともに四十年間フルタイムで働いた場合には三九%であり、あるいは独身男性の場合には三六%にしかすぎない、このことも審議 の中で明らかになったことです。

それからもう一つは、最初は五〇%、だんだん減っていくということも、五〇%保証と いえば、それは死ぬまで五〇%保証される、こう思うのが普通だと思いますが、現実には、六十五歳では五〇%でも、七十五歳では四五%、八十五歳では四〇 %、今四十歳の方はこういうふうになっちゃうんですね。

こういった非常に誤解を生むような説明をしていたことに対し て、一体、総理、どう考えているんでしょうか。こういう説明をどうして前広にしっかり、国民に対して理解しもらう努力をどうしてやってこなかったんでしょ うか。そういったことをきちんと説明をして理解していただくということが、私は、年金制度についての国民の信頼感回復につながっていくと思うんですよ。

だれも、負担がふえるから嫌だとか給付が減るから嫌だとか、もちろんそれは人間ですからありますが、今、国民の多くが、この法案は成立させるべきでないと 言っているその多くは、これが抜本改革じゃないからだ、そしてちゃんと説明されていないからだ、ここに尽きるんですよ。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 今御指摘のそれぞれの点は、今までの審議でも議論されてきたんです。民主党も、審議拒否されないで、早くから審議していただいていれば、こういう点も十分審議できたわけであります。

それで、最初の、国民年金保険料の上限を一万六千九百円に固定と言っておりますが、これは現時点でのいわゆる数字ですから、将来、二〇一七年あるいは二〇 三七年、その時点においては、物価も賃金も考えなきゃならない、今と同じようであるとは、そうじゃない。今までの改正の例でもそうです。現時点での値段と いいますか数字を挙げているんです。当然、年金だって物価、賃金に応じてスライドしていくわけですから、そういう点は、私は、国民の皆さんも御理解いただ いているんじゃないかと思います。いずれにしても、それは審議の場で議論すればわかることです。

そして、現役世代の平均収入の五〇%を上回る給付水準という点についても、一つのモデル世帯を出さなきゃなりません。

年金というのは、それぞれの仕事も違いますし、就業形態あるいは賃金も違います。そういう点からいえば、実に複雑で、個人個人、態様が違いますが、それだ けに、一つの一定のモデルというものをあらわさないと、国民には説明しにくいんです。これは、この時点ではこうですよ、こういう年齢はどうですよ、こうい う給料の場合はこうですよという説明をしたら、なおわかりにくくなるでしょう。だから、一定のモデルの状況を示して説明するというのは、私は政治として あっていいと思います。

全部それぞれの態様に説明しなきゃならないんだったら、時間の制限もあります、また複雑であ ります。だから、私は、一つの案であって、これが全部に当てはまらないじゃないかというその議論は認めます。しかし、全部当てはめていったら、どれだけ説 明して、ややこしい説明をしなきゃならないか、そこも考えていただかなきゃならないと私は思っております。(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします。

岡田委員 今までであれば、例えば二〇〇三年度価額でとかそういったことはきちんと書いてあるんですよ。今回それがないから言っているんですよ。それはごまかしているわけですよ。

それから、モデル年金といいますけれども、御主人はフルタイムで働き、奥さんは専業主婦で、同じ年で、四十年間、そういう、ある意味では数字が一番高く出るものを例に挙げて、そしてそのほかのものを挙げていないというのは、これまた非常に誤解を招くんですよ。

だから、そういうことについて、国会で、委員会で議論しないからと言う前に、しっかりとまず政府として説明する責任があったんですよ。

もう一つ申し上げますよ。今回の改革案の中で、四割の人が保険料を払っていない国民年金について、今の状況が抜本的に改革されると思いますか。

小泉内閣総理大臣 これは、今言った御指摘の点は、まさに審議すれば出てくる話なんですよ。政府案を出している、そして民主党の案も出した、そこで、審議を拒否することなく審議をすれば出てくる問題であります。

それと……(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします。

小泉内閣総理大臣 一定の水準、問題だと言いますけれども、どのモデルをとるかということについて考えてみれば、将来はわかりませんよ。しかし、現時点 で、夫が働いて妻は専業主婦であるという分野が、給付している世代では一番多いんですから。将来はどうなるかわかりませんよ。将来、共稼ぎが多くなるかも しれない。そういう一つのモデルをとって説明するというのは、私は、別に不自然じゃないと思っております。

それで、国民年金の問題です。

だからこそ、私は、三党合意したんじゃないですか。岡田さんが幹事長の時代に、年金一元化が望ましいと。だから、年金一元化を含む社会保障全体を協議していく場をつくろうと。これは、与党と、野党である民主党と合意したんですよ。

そこで、この問題は、国民年金と厚生年金と共済年金を本当に一つの制度にするということについては、実に難しい問題があります。だからこそ議論しようと しているんです。これは、私は、与党、野党という対立を乗り越えて、いつ政権交代があるかわからない。そのときに、政権交代があったらくるくる変わる制度 じゃ年金というのは困る。やはり、与野党の対立、立場を超えて安定的な制度をつくろうということで与党と民主党が合意したんですよ、協議。だから、ここ で、私は、国民年金がこのままの制度でずうっといっていいとは思っていません。これについて……(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします。

小泉内閣総理大臣 よりよい案があるんだったらば、民主党もよく議論して、与党も一緒に加わって、建設的な議論をしていきたいと真摯に受けとめております、あの合意を。だから……(発言する者あり)

細川委員長 お静かにお願いします。

小泉内閣総理大臣 今後、一元化を含む議論を与野党で私は早く進めた方がいいと思うのであります。これは、単に与野党の対立とかそういうことじゃありませ ん。岡田さんも、幹事長時代にみずから署名されたんですから、署名されて、党首になったんですから、この合意については、やはり責任を持って、早く――民 主党がこの政府案がいかぬと言っているのはわかっています。いかぬと言うんだったらば、それではどういう形で一元化に持っていくかという案を、その場で、 その協議会の場で議論を進めていく方が建設的ではないでしょうか。

岡田委員 最初に申し上げましたように、年金とい うのは国民生活にとって極めて重要ですよ。ですから私も三党合意にサインしましたが、つまり、この法案に対しては我々は反対ですが、しかし、もし本当に与 党が真剣に一緒になって議論しようというのであれば、まさしくスウェーデンであったように、八割の議席を占める五つの政党が、与党、野党を超えて議論し て、抜本的な年金改革をやった、私は、それができるならそれは理想ですよ、だからこそサインしましたよ。

しかし、で は、その後の与党の態度はどうなんですか。今、総理は、国民年金も含めて一元化が望ましいという、そういう御発言だったと私は理解しました。では、それで 公明党と自民党の間はまとまっているんですか、あるいは自民党の中はまとまっているんですか。総理だけでしょう、そんなことを言っているのは。違うんです か。

小泉内閣総理大臣 政党ですから、議論が重ねられて一定の結論が出るまでは、いろいろな賛否両論があるんです。 それは、民主党もそうでしょう。一枚岩でぴしっと、全く異論がない政党なんてそんなにないですよ、数が多ければ。自民党は一番多い政党ですよ。いろいろな 議論がありますよ。しかし、その議論を一々取り上げて、まとまっていない、まとまっていないと言うのじゃなくて、議論をしていくうちにその賛否両論の意見 が集約していくんですよ。

だから、今、民主党の案といわゆる政府案とは違います。違うけれども、お互い協議しようと いう合意をされたわけでしょう。それを、今、自民党は真剣に受け取っていない、与党は受け取っていないというのは、それは誤解ですよ。我々は、この合意を 真摯に受けとめて、早くこの協議会を立ち上げようとしているんですよ。そして、政府も、この与野党合意に向けてどういう資料が必要かというんだったらば、 それを言ってください、この資料をできるだけ出しますと。そのために、私は、早くこの協議会というものを、意見が違ってもいいんです、意見は違ってもいい んです、与党と野党ですから。しかし、違った中でも、お互いよりよい案をまとめていこうという機運ができたということを、お互い尊重すべきじゃないでしょ うか。

岡田委員 まず第一に申し上げておきますが、もう我々の案はあるんです。具体的な案を持っているんです。そし て、それは政府案と対比されるようなものじゃないんですよ。我々の一元化の案、もう既に総選挙で大きなところはお示ししていますし、具体的に詰めたものは あるんです。だけれども、自民党にはそれがないんですよ、具体案が。ないから議論できないでしょうと言っているんですよ。

総理、今、一元化が望ましいと言われたけれども、例えば安倍幹事長は、私は言いましたよ、安倍幹事長に、総理が国民年金を含む一元化が必要だと言っている から、党内をまとめてくれと。安倍さんの答えは、いや、総理は総理ですから。全くやる気がないじゃないですか。そういう不まじめな態度に対して、一体どう やってまとめろというんですか。まず、自民党の案をしっかりまとめた上で我々と議論してください。

小泉内閣総理大臣  それは、今まで岡田さんも十年以上国会議員やっているんでしょう。そして、党首になったんでしょう。わかるでしょう。政党の、与野党の協議の場ができる 前に各党案をまとめて出してこいと言ったら、ますますまとまるものもまとまらなくなっちゃいますよ。だから、それは与野党で協議してどういう案がいいかを まとめていくという方が建設的じゃないですか。

もし、じゃ、与野党で、自民党、公明党、民主党が一緒に入った、協議 を始める前に各党案をまとめてこいと言ったら、まとめた人の立場はどうなるんですか。もしまとめてきたら、民主党の立場もあるでしょう、公明党の立場もあ るでしょう、自民党の立場もあるでしょう。では、どうやって協議していくか。みんな、この案がいい、この案がいいと言ったら、これはまた、まとまるもので もまとまらなくなっちゃうんです。

だから、きっちりとした案が出る前に、お互い、それでは、一元化に向けてどういう 問題点があるか、論点を整理して、賛否両論があるけれども、本当に一元化がいいんだったらこういう状況になりますよというのは、各党が案をまとめる前に一 緒に協議していった方がはるかに私はいい結果が出せると思いますが、いかがでしょうか。

岡田委員 総理も自由民主党 の総裁であれば、少なくとも、一本化、一元化の中に国民年金も含まれるんだ、国民年金を含めた一元化が望ましいんだ、必要なんだということぐらいは自民党 の中をまとめてから、具体的な交渉をしていただきたいと思います。そういうこともせずにばらばらで議論したって、進むはずないじゃないですか。

時間が限られておりますから、最後、総理、数日来、総理御自身の厚生年金の問題が取り上げられています。

私は、総理はこの際ちゃんと謝った方がいいと思うんですよ。いろいろ言いわけしているのは見苦しいですよ、日本国総理大臣として。普通の人ならいいです よ。日本国総理大臣が厚生年金制度を、実態はないのに、それを利用して、年金としての資格に入っていた、やがては給付も受ける。やはりこれはどう考えても まずいですよ。ですから、私はちゃんと謝られた方がいいと思いますよ。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 三十五年ほど前の、しかも議員になる前のことで、私は、何がおかしいのか、いまだにこれを問題にする方がおかしいと思っています。何のために私が謝らなきゃいけないのかも理解に苦しんでおります。

私は、多くの方々のとうとい支援によって国会議員に当選させていただきました。支援者の中にはいろいろあります。私の支援者の中には、身銭を切って小泉に何とか当選させてやろう、そういう方々も多くいたからこそ当選することができたんです。

そして、社員はこうだと言いますけれども、人生いろいろ、会社もいろいろ、社員

もいろいろです。全部社員が同じように、一定の時間に会社に出て、一定の時間に会社を退出して、そして机を並べている社員も多いでしょう。しかし、うちに いてもいいよ、あるいは、海外旅行してもいいですよという会社もあるんです。それでも社員です。恐らく岡田さんの関係の会社だって、全部社員が同じように 働いているという社員ばかりじゃないと思いますよ。

私が落選中に極めて太っ腹の人情味のある社長さんにめぐり会って、ああ、小泉君、一回ぐらい選挙に落ちてくじけちゃだめだ、私も応援してあげるからと、そ ういうことで、あなたの仕事は次の選挙で当選することだと言って、極めてありがたい言葉をもらって、熱心に応援してくれたんです。そういう極めて善意の、 見返りを求めない貴重な人々の支援があったからこそ私の今日があるのであって、今でも私はその社長さんに感謝しております。

こういうことについて、何らやましいこともないし、何で謝らなきゃなんないのか。しかも、三十五年前のことが今のこの国会でそんなに議論しなきゃならない問題なのか、私は理解に苦しんでおります。

岡田委員 私は、一言だけ申し上げますが、今の総理の発言を、この方が日本国総理大臣なのかと非常に寂しい気持ちで聞いておりました。

つまり、それは、太っ腹で支援してもらうのはいいですよ、ちゃんと法律にのっとって政治資金の寄附をする。だけれども、これは、厚生年金制度という国の立派な制度を、それを活用して、そして本来入ってはならない人が入ったという事件ですよ。

もし、総理がそういうふうに開き直れば、これから同じような、日本国民がこういった厚生年金制度を利用して、例えば、自営業の人が籍だけ会社に置いて厚生 年金に入る、入りたい人はいっぱいいますよ、有利ですから。そういうことに対してノーと言えるんですか。国の制度の根幹が揺らぎますよ。それが総理大臣の 言うことですか。




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