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2004.02.10|国会会議録

159 – 衆 – 予算委員会 – 7号

岡田委員 民主党の岡田克也です。今から九十分間、総理に対して質疑をしたいと思います。

まず最初に、総理がこの通常国会冒頭に、百五十九国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説を行われました。私はかなり期待をして聞いておりましたが、端的に申し上げて、がっかりいたしました。

この施政方針演説は、毎年毎年行われる、そういう性格のものでは私はないと思います。去年の秋に小泉総理が自民党総裁として再選されました。任期は三年 であります。そして、総選挙において、我々から見れば大変残念なことですが、今の政権の枠組みが続くことが決まりました。ですから、特段の大きな変化がな ければ、小泉総理はあと三年間、日本国総理大臣としてお務めになる可能性が高い。この三年間にこの国をどうするのか、総理として何をするのか、そのことが 伝わる演説でなければならなかったと思います。しかし、中身は、ことし一年間でやる各省庁の施策の羅列。総理としてのほとばしるような、そういった情熱は 感じられませんでした。

具体的に申し上げたいと思います。

総理がみずからの考えを述べている部分は非常に少ないわけですが、こういうくだりがあります。「我々が目指す社会は、国民一人一人や、地域、企業が主役 となり、努力が報われ、再挑戦できる社会であります。」ここは総理の思いの入ったところかな、そういうふうに推察をいたしますが、国民一人一人や地域、企 業が主役になる、これは実は、民主党もよく似たことを前から言っているわけですね。官から民へ、国から地方へ、そして、旧民主党の時代から、市民が主役。 ここは共通する部分があると思いますので、その後の「努力が報われ、再挑戦できる社会」、これが総理の思いのこもったところかと思いますが、この「努力が 報われ、再挑戦できる社会」ということに対してノーと言う人は、私はいないと思うんですね。

しかし、これのみを言っておられるということは、その結果、どういう社会ができるということを総理は想定しておられるのか。よく言われるように、例え ば、アメリカ型の二極分化が進むような社会になっても、この「努力が報われ、再挑戦できる」ということが確保できていればいいというふうにお考えなのか、 それとも、日本の目指す方向は違うというふうにお考えなのか、そこの基本的なところをまずお答えをいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 安定した民主的政権をつくるということは、イラクだけではありません。どの国においても、これはあらゆる施策を推進する上で最前提であり、極めて重要なことであります。日本におきましても、そうであります。

今まで、共産主義社会、社会主義政権と資本主義、自由主義、民主政権、それぞれどちらの制度が国民の生活を豊かにしていくか、幸せをもたらすかという議 論が、過去盛んに行われてまいりました。しかし、現在においては、統制経済よりも、個人、企業、自由度を生かした市場経済、これを重視した経済体制、政治 体制の方が国民生活を豊かにしていくのではないかということについては、ほぼ、この論争においては大方の決着はついているのではないか。

ソ連の崩壊、東ドイツと西ドイツとの経済状況、北朝鮮と韓国との経済状況、同じ民族でも政治体制のいかんによってはこうも国民の生活が違ってくるのかと いうことを見ると、民主的価値、市場経済を重視していくということは、これからも極めて大事なことだと思っております。私が、民間にできることは民間に、 地方にできることは地方に、個人の努力が報われる社会と言うのも、その方向に沿ったものであります。

いわば政府なり政治というのは、そのような個人の意欲を支援する、企業の意欲を支援していく、地域のいろいろな創意工夫を発揮させる、余り政治が余計な 干渉はしない、そのような個人の意欲が自由に発揮しやすいような環境をつくっていくことが、政治で極めて重要なことだと思っております。

そういう面において、私は、個人の創意工夫が発揮できるような、そして、一度や二度の失敗にくじけないで、また別のチャンスを探して、そのチャンスを生 かしていく努力が報われるような、いろいろな選択肢を社会が提供していく、政治が提供していく、あるいは法律的な整備をしていくということが重要ではない か。

結果的に、企業が、おう、こういうことをやれば自分たちの業績が上がるのか、地域も、このような創意工夫をしていけば、意欲を出せば、自分たちの地域は発展していくんだなというような体制を支援していくことが、政治で大事だと思っております。

極めて抽象的な議論ではありますが、そういう方向性におきましては、民主党と自由民主党との間においては、共通した認識もかなりあるのではないかと思っております。

岡田委員  基本的に統制経済よりも市場経済だ、これは異論を挟む人はほぼいないだろうと思いますし、私は、あるいは総理以上に市場経済主義者かもしれません。しか し、そこは経済の分野の話です。しかし、それだけでいいのかという、つまり政治が果たすべき役割というのは、もちろん、そういった自由な市場経済が行われ るようにきちんと条件整備をしていく、それは大事でありますが、しかし、その結果出てきた結果について政治が何もしなくていいということではないと私は思 います。

先ほど申し上げたアメリカ型の所得分化型の、二極分化型の社会がいいのか、それとも日本に伝統的にあるような中間層の厚みというものを重要にする、そう いった社会を目指して、政治はそこに手を入れていくのかどうか、そこを私は問うたわけですが、総理は、ここについてはどういうお考えなんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、社会保障という観点からいたしますと、政府が役割を果たすというのは大きいと思います。

年金、医療、介護というのは、日本の社会におきましても、基本的な社会保障制度として、これからも公的な役割というものをいかに果たしていくかという視 点が必要でありますし、私どもとしては、この社会保障を充実していく際に、経済の活性化を同時にどのように発揮させていくか、これが大事だ。特に、社会保 障の負担というのはこれからかなりふえてまいります。そうすると、これは企業の負担も多くなる、個人の負担も多くなる、公的な税負担も多くなる、これが逆 に、社会の、経済の発展のための活力をそいでいくのではないかという議論もあります。

そこで大事なのが、社会保障を維持するために、どの程度の国の役割が必要か、公共団体の役割が必要か、どの程度個人の意欲を助長するような対応が必要 か、両面考える必要がある。今大事なことは、いわゆる民間でできるところは民間に、それから地方にできることは地方にと同時に、やはり日本の安定した社会 をつくっていくためには、この社会保障が極めて大事だ。

どの程度の負担が必要か。これは下手すると、もう消費税二五%でもいいというような、高福祉になるのは歓迎する向きもありますが、同時に、これは大変な 負担であります。日本は、スウェーデンなりデンマークなりの高福祉を見習ってまいりましたけれども、一方では、そのような税負担には耐え切れないという人 もたくさんいるわけであります。その点が、いわゆる北欧の高福祉・高負担とは日本としては違った行き方があるだろう。

逆に、アメリカみたいに、貧富の格差がかなりあって、公的な医療の面においても日本に比べればまだおくれている、こういう点は日本としてはとらざるとこ ろだ。やはり、医療というもの、あるいはアメリカにない介護というもの、こういうものに対しては公的関与というものがあっていいのではないかという立場を とっております。

だから、アメリカにもない、北欧のすぐれた福祉制度があるがあのような高負担には耐え切れない、やはり日本は日本独自の行き方があると私は思っております。

岡田委員 総理は、社会保障の問題にかなり限定をしてお話しになったわけですが、私は、話を小さく小さくとらえられているのではないかと思うんですね。

例えば、税の問題もあります。所得配分の問題ですね。あるいは教育の問題もあります、実質的な機会の平等。つまり、いろいろな価値観がある、多様な価値 観を認める社会、実質的な機会の平等を認める社会、あるいは努力しても努力しても報われない人に対してきちっと手を差し伸べる社会、そういった価値観をや はり政治はきちっと実現していく責任があると私は思うわけであります。

総理は、今回の施政方針演説でも、最初に「構造改革なくして日本の再生と発展はない」、この言葉を繰り返されました。この言葉も結構ですが、そろそろも う、あと三年間、どういった社会をつくっていくのか、そして、その中において総理みずからが何をされるのか、そのことをしっかり述べられるべきじゃない か。お見受けしていると、そういったエネルギーが二年前と比べてもかなり薄れてきているんじゃないか、失礼ながら、何をやっていいのかわからなくなってい るんじゃないか、総理を見ているとそういう印象を非常に受けるものですから、あえて最初に申し上げておきました。

さて、外交の問題について少し申し上げたいと思います。イラクへの自衛隊派遣の問題です。

イラクへの自衛隊派遣の問題について、なかなか議論がかみ合わなかったと思います。総理は、いや、イラクには武力行使に行くのではない、戦争をするん じゃない、こういうことを繰り返されたわけですが、そこで言う武力行使というのは一体何なのか。私は、かなり総理は狭く考えておられるんじゃないか、こう いうふうに思うわけですね。

例えば、戦闘が行われているときに米軍が、イラクのフセインの残党なら残党、あるいはアルカイダと戦闘を行っている、そして、その戦闘の結果出てきた負 傷兵に対して米軍の医療部隊が手当てをしている、そこにもし自衛隊の一部が医療活動を一緒になってやる、こういうことになったときに、それは武力行使にな るんでしょうか、ならないんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、具体的などういう事態に遭遇してくるかによっても変わってくると思いますが、今の時点でその質問に答えるには抽象的な答えしかないと思うんです、実際にそういう事態が起こっていないんですから。

それでお許しいただければいたしますが、私は、一般的に考えて、傷病した米軍の兵士に対して日本が医療活動をしていくというのは、一般的に考えてです よ、これは武力行使には当たらないんじゃないかと思っております。これは人道支援だと。赤十字においても、戦争中でも野戦病院というものがありますから、 医療活動まで武力行使には、たとえ兵士の医療活動に協力したとしても、武力行使には当たらないんじゃないか。

もちろん、そういう、どのような状況に自衛隊が入っていくか、いかないかの問題もあります。ですから、この抽象的な御質問に対しては、今のような抽象的な答弁しかしようがない。

岡田委員  今の私の質問は、戦場においてという前提が加わるんですけれども、これは、政府の従来の考え方では武力行使なんですね。政府の答弁は明確にそう述べておら れるんですよ。つまり、武力行使の概念というのは、かなり幅広く今まで政府は考えていた。直接武力行使をするだけじゃなくて、その周辺の一体的な行動も含 めて、これは武力行使であるというふうに考えてきたわけです。だからこそ、その考え方に立って、そういったことを防ぐために、戦闘地域と非戦闘地域に分け て、非戦闘地域の活動に限るということが出てきているわけですね。

そこで問題になるのが、この戦闘地域、非戦闘地域、つまり、非戦闘地域であるということがきちっと分けられるのかという議論がこの間なされてきたわけです。

少し議論を整理しますと、一つは、今の政府の線の引き方に相当無理がある。例えばバグダッド空港。委員会の答弁の中で、バグダッド空港そのものでは戦闘 行為はないから、これは非戦闘地域であると言っています。しかし、バグダッド空港の周辺からバグダッド空港に離着陸する飛行機に対してミサイルを撃ち込ま れる、空港の中だけは非戦闘地域だ、詭弁にすぎません。周りも含めて考えるのは当然であります。

そしてもう一つは、今回のイラクにおいては、テロやゲリラ活動、つまり地理的概念が非常に立てにくいわけです。きょう安心だと思ったら、あしたは戦場になるかもしれない。だからこそ、非戦闘地域だ、こういうことがなかなか言えないわけですね。

そして三番目、非戦闘地域の概念は、今非戦闘地域だけではなくて、将来にわたって戦闘が行われることがないと認められる地域。では、サマワは今非戦闘地 域、皆さんそうおっしゃるかもしれません。しかし、今シーア派は直接選挙を求めている。直接選挙ができないときに、サマワは一変するかもしれない。なぜ、 将来にわたって戦闘が行われない、そういったことが断言できるのか、説明はありません。

そういった非常にあいまいな中で、つまり、戦闘地域、非戦闘地域が明確にできないということになれば、これは憲法に抵触するおそれが極めて強いということで、我々はこの議論を展開しているわけであります。

そういう中で、総理は、きょうの大野委員の質問もありました。時代が変われば憲法解釈が変わることは悪いこととは思わない、かつて自衛隊自身は違憲だと いう意見があった、しかし、時間がたてば、今違憲と言う人は少ない、これと同様に、イラクへの自衛隊派遣もやがて反対がなくなるだろう、私は、この総理の 問題意識は極めて問題があると思うんですね。

つまり、自衛隊ができたときの議論とそして今と、置かれた状況は全然違うわけです。同じようにそういった拡張解釈を繰り返していくということについて、 総理はけさも、いやいや悪いこととは思わないと言われたんですが、本当にそうなんでしょうか。憲法というのはそういうものなんでしょうか。いかがでしょ う。

小泉内閣総理大臣  政府の憲法解釈は今まで一貫してまいりましたし、これまで積み重ねてきた議論を尊重したいと思います。

しかしながら、国民の中には、ああ、なるほど憲法解釈としてはこういうものがあるのかなという例として、自衛隊は憲法違反だと思っていた方も、今では自衛隊の存在は憲法違反ではないと言う方もふえてまいりました。

また、PKO議論のときにも、平和維持活動においても自衛隊を海外に出すことは憲法違反だということで、国会でもかんかんがくがくの議論が行われ、賛否 両論行われました。これも当時、たとえPKO、平和維持活動でも海外に自衛隊を出すことは憲法違反だという議論が、国会でも盛んに行われました。しかし、 政府としてはこれは憲法違反ではないという立場をとってきたわけでありますが、憲法違反だと言っていた方の中にも、今ではその解釈を変えて、ああ、PKO 活動だったらこれは憲法に違反しないなというふうに変わってきた方々も随分ふえてまいりました。

私は、そういう意味において、これからも、憲法の条文をそのまま受け取ると、ある場合においては自衛隊の存在も自衛隊の海外派遣も憲法違反だというふう にとる向きがあるということは承知しております。そういう面において、将来、もっとすっきりした形で憲法を変えた方がいいなということから、今、自由民主 党も憲法改正論議を進めておりますし、民主党も憲法改正論議をこれからしようということになっていると思います。

私は、本来、でき得れば、国民の間に憲法の条文によって解釈が違憲、合憲と二つに分かれるのではなくて、すっきりした形で改正することによって、そういう違憲論、合憲論の見方が分かれるというふうな状況はなくしていった方がいいと思っております。

岡田委員 まず、憲法改正の話は、私、今問うているわけではありません。私も憲法改正について決して後ろ向きではありません。

そのことを申し上げた上で、そしてPKO、総理はよく言われるわけですが、私は、PKOは大分違うと思うんですね。というのは、PKOは、あのときには 野党である公明党や民社党も賛成しているんです。社会党、共産党は反対しました、おっしゃるように。ですから、そんなに国会の中で大きく分かれているわけ じゃないんですよ。

私は、申し上げたいのは、警察予備隊がスタートしました、一九五〇年ですね。当時はGHQのそのもとにありました。自衛隊のスタートは一九五四年です。 朝鮮戦争が五三年に終わったばかりでした。そういった時代的な背景の中で自衛隊の存在というものをいかに憲法上位置づけるか、私は、先輩は相当御苦労した と思います。吉田総理の時代には、いや、軍隊は持てないと言っていたわけですから。しかし、時代がそういう時代、つまり占領時代あるいはその直後で、そう いう中で無理に無理を重ねて自衛隊を今の九条の中に押し込めた、読み込んだ。素直に読めば、私も、自衛隊というのは九条で本当に読めるんだろうか、そう思 いますよ。だけれども、当時はそれで読み込んだ。

それから五十年たちました。日本はその間、民主主義国家として成熟してきました。そうであれば、もし問題があるんなら憲法改正をきちんと議論すべきで あって、なぜ解釈を拡張していくのか。本来、憲法というのは、国民から見たときに、国と国民との関係で、国の、国家権力の不当な行使から守るという、そこ が憲法の最も本質のところですね。しかも、我が国の憲法は改正について国会で三分の二ですね、そして国民投票。つまり、国民がしっかり関与しなければ改正 できない形になっている。

そういった憲法を、単に時の国会の多数を占める、政府を構成する、そういった政治家たちが解釈を変えていく、私は、それは大変まずいことだ、そういうふ うに考えるわけです。国民の知らないところで憲法が変わっていく、国民の手から離れていく、そこについてしっかり自覚を持って議論していくべきだ、私はそ う考えますが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣  私は、今までも自衛隊の創設以来、違憲論、合憲論、盛んに議論されておりましたけれども、多くの国民は、自衛隊を合憲だとする、憲法違反ではないとする考 え方に、改正することによって自衛隊を合憲にしようというよりも、今の憲法の条文をよく解釈することによって自衛隊の存在を認めた方がいいというふうに多 数の国民がなっていると思います。国民の関与抜きじゃないんです。国会の政党が今までこの問題についてはもう違憲論、合憲論、盛んに行われてきましたけれ ども、国民もそれに参加してきたと思います。

そして、一方では、違憲だから自衛隊をなくすということはできないだろう、それでは憲法を改正して、はっきりと自衛隊は合憲だ、軍隊だと認めようといっ て、憲法を改正することによって自衛隊の存在を認めるよりは、やはりこの憲法は守った方がいいということで、今の憲法の条文でも十分自衛隊の存在は憲法違 反でないという形の解釈に変えた方がいいという国民の情勢を見て、私は、今までの戦後の内閣はそのような国民的な議論を踏まえて自衛隊合憲論をとってきた んだと思っております。

これはPKOでもそうです。日米安保条約のときもそうです。こういう議論は決して国民の議論を無視したものではないのであって、国会の中での議論も踏ま えて、国民も、その憲法の条文で読める範囲内で日本の国家の平和と安全をどのように確保することが必要か、また、自衛隊の存在が必要かという議論の中で、 それぞれ憲法の条文というものはどういうものかということを真剣に考え、議論してきた積み重ねの結果だと私は思っております。

岡田委員 私は、憲法ができたころのその状況と今と、やはり民主主義の熟度が違う、だから、そこはやはりきちんと議論をすべきである、そういうことを申し上げたわけです。

総理は、国民の意識がと言われました。では、今、イラクに自衛隊を出すことについて説明が十分なされているという国民は、一体何人いるんですか、何%い るんですか。大半の国民は、説明責任は十分果たされていないと。七割、八割です、今でも。だから私は申し上げているんです。国会で議論を尽くしたんです か。私は、とてもそういう状況にないということをまず申し上げておかなければいけないと思います。

さて、日米の問題、いろいろ議論してきました。総理からは、民主党は日米関係がどうなってもいいのかと、非常に挑発的な発言もいただきました。もちろ ん、我々は日米関係は非常に重要であるという前提に立っています。しかし、国と国がどういった形でお互い話をしていくか、そこの基本が失われつつあるので はないかということを私たちは申し上げているわけです。

総理、具体的にお聞きしますから、簡単で結構ですから、それぞれおっしゃっていただきたいと思います。

最近、ブッシュ政権になっていろいろ議論されている、世界の中で議論されていること、例えば小型核の開発、劣化ウラン弾の使用、あるいは地雷問題への消 極的な取り組み、こういったことに対して、総理はどのように考えておられるんでしょうか。簡単で結構ですから、総理自身の言葉で述べていただきたいと思い ます。

小泉内閣総理大臣 日本としては、核軍縮を初め、軍縮の問題、不拡散の問題、あるいは無差別に市民を殺傷するような兵器の抑制の問題、日本として、国際社会の場においても、米国に対しても、日本の立場をはっきりと説明して、理解を求める努力を続けております。

岡田委員  今まで言われているのは、小型核については、これは技術開発で現実にできたわけではないと。そして、劣化ウラン弾については、ほとんど何も述べておられ ません。地雷問題についても、私は、アメリカがこの問題に消極的であるということについて総理からお話を聞いたことがありません。

私は、特に地雷問題を考えるときに、小渕さんを思い出すんですね。当時は、まだ総理になる前、小渕外相でした。そのときにも、アメリカは地雷問題に対し て極めて消極的。しかし、小渕外相はリーダーシップをとって、そして、対人地雷問題の解決に向けて犠牲者ゼロ・プログラムというものを提唱しました。私 は、政党は違いましたが、あっぱれだな、小渕さんの人間性も出ている、そして、これこそが政治のリーダーシップだと感じました。

総理を見ていて、そういうことが全くうかがえないものですから、結局はアメリカのやっていることに対して見ざる聞かざる言わざる、基本的にはそれに追随 をしていくというその姿勢。私は、やはり日本国総理大臣としての誇りを持って、そしてしっかり対応してもらいたい、そのことを申し上げたいわけですが、総 理、何か御感想ありますか。

小泉内閣総理大臣 日本の総理大臣として、日本の立場、日本の国益を考えて各国首脳と会談しております。日本の立場というもの、これをどのように理解していただき、そして日本の国益を追求するかということに対して、日本の総理大臣としての職責をこれからも果たしていきたいと思います。

川口国務大臣  一言だけ追加をさせていただきたいと思いますけれども、総理のリーダーシップのもとで、日本政府としては、小型核の問題につきましても、それから地雷の問 題につきましても、米国に対して、懸念ないしは地雷の場合にはオタワ条約に入るようにということを働きかけてきております。これは、総理のリーダーシップ のもとに日本政府としてやっていることでございます。

それから、劣化ウランについては、国際機関でまだこれが健康に問題があるということが出たわけではない、我が国としては引き続き今後の動向を注視している、そういう状況にあります。

岡田委員 劣化ウラン弾について一言申し上げたいと思いますが、さきのイラク戦争あるいは湾岸戦争でこれが大量に使われたと言われている。確かに、我々、映像を見ると、その影響を受けたと思われる子供たちの映像が出てまいります。

総理は、今回自衛隊をサマワに送って、そして子供たちに水を、こう言われるけれども、水も大事ですけれども、ああいったことに対してどう考えておられる のか。総理の肉声が伝わってこないんですよ。事実関係がはっきりしない、原因かどうかわからない、だけれども、現実に、統計的にはっきりとしたものが出て いるし、恐らく自衛隊の皆さんも、劣化ウラン弾に対する対応というのはしっかりした上でサマワに行かれたと思いますよ。そういったことに対しての総理の思 いというのが伝わってこないんですよ。小型核だって、被爆国である日本からすれば、もっと本気になってとめに入っていい話でしょう。それは、私は非常に残 念だということを申し上げておきたいと思います。

武器輸出三原則についてお聞きします。

ミサイル防衛との関係で、武器輸出三原則について検討が必要だと総理は言われております。具体的にどういう検討が必要なんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 弾道ミサイル防衛、これは日本の専守防衛という方針に合致するものであるということで、今後、共同研究していかなきゃならない問題だと思っております。

武器の問題、共同研究開発していく段階において、この弾道ミサイルの技術が今までの武器輸出三原則とどう関係してくるのかという問題が出てきた場合に、どのような対応が必要か、どういう検討が必要か。

過去、いろいろ議論を見てみますと、ヘルメットや防弾チョッキも武器ではないかという議論が行われました。今、ヘルメットは、実際の消防活動とかふだん の市民生活においても、国民、市民も一般に使っております。そういうものまで武器に当たるのか。あるいは、今いろいろな、輸出する場合に、多くの国々が、 日本の新製品のみならず今まで使われていたものまで輸入したいという動きが出てきた場合、あるいは安全保障の面のみならず市民生活に使いたいという場合 も、トラックを改装すれば武器になるのではないかという問題も起きてきます。

そういう点については、今後やはり、武器の今までの、三原則の問題にもかかわってくる問題でありますので、いろいろ検討するのもいいのではないか。当 面、弾道ミサイルの問題において、武器三原則とどういうかかわりがあるかということは十分検討する必要があると思っております。

岡田委員 総理は私の質問にお答えいただかなかったものですから、もう少し具体的に聞きます。

武器技術の米国への輸出というのは、今認められています。したがって、今、技術開発をして、その技術が米国で使用されるということは、これはあるんで しょう。しかし、その技術が非常に中核的な技術であって、このミサイル防衛システムの中で外せないような技術であるというときに、その技術を含むミサイル 防衛システムが第三国に供与される、そのときに、これは総理、どうされるんですか。今までの考え方では、アメリカまではいいですよ、だけれども第三国とい うのは認められませんよね。どうされるんですか。

中川国務大臣 武器輸出三原則については、時間の関係でもう省略させていただきます、御存じだと思いますから。

その中で、今、総理からも答弁がありましたように、幾つかの例外的な扱いというものがございまして、例えば、法律上例外となっているものでありますと か、あるいはまた自衛隊の海外活動に伴う武器輸出であるとか、そして今委員御指摘の対米武器技術供与取り決めというのが、これは八三年から行われておりま すが、ここには三つの原則がありまして、そのうちの一つとして、取り決めとして、第三国への移転はしないということになっております。

岡田委員 例えば、こういうケースはどうでしょうか。

そういった中核的な技術として欠かせない、ミサイル防衛システムに欠かせない技術を日本が開発した、そのミサイル防衛システムを第三国、例えば台湾に供与する、このときに日本政府はどうするんですか。

中川国務大臣  まず、今総理から冒頭お話があったように、日本の安全保障上の問題ということが一つあって、そのときに、武器輸出三原則という議論が出てきたときに、私が 出てきてこうやってお話をしているわけでございますが、その中で、日米間の取り決めでもって、こういうものについて技術の供与をしますとか、そういう議論 があったときに、それが第三国に移転するかどうかということも当然判断材料になるわけでございまして、そのときに、日本としては第三国に移転すべきではな いという判断をしたときには、それをアメリカに通知をし、そしてアメリカもその合意に基づくということでございます。

岡田委員 技術的な話を私はしているんじゃないんですが、そういった中核的な技術で、それがなければミサイル防衛システムが成り立たないようなケースで、そういう第三国への配備について日本がノーと言ったら、システム全体が配備できなくなりますね。そんなことができるのか。

そういったことについて、やはりきちんと今から政府としての考え方をまとめ、そして国民に対しても説明しておかなきゃいけない。ずっと先送りして、そし ていざそのときになったら、もう間に合いませんといって、そして事実が先行してしまう、そういうやり方はぜひやめていただきたい。それが長い目で見て、日 米関係をしっかりしたものにしていくためにも大事なことだ、そのことを申し上げておきます。

何ら答えがなかったことは、非常に残念であります。

もう一つ、これは日米関係ではありませんが、お聞きしたいと思いますが、総理は、一月一日に靖国神社に参拝されました。総理は、A級戦犯の合祀という問題をどのようにお考えなんでしょうか。

小泉内閣総理大臣  私は、A級戦犯の合祀を問題にして靖国神社に行ったわけではございません。A級戦犯がいようがいまいが、多くの戦没者に対する、犠牲の上に今日の日本の平 和と繁栄はあるんだ、二度と戦争は起こしてはいけない、そういう思いを込めて靖国神社に参拝いたしましたので、A級戦犯の合祀の問題について、とやかく言 う立場にございません。

岡田委員 A級戦犯を合祀するかどうかは、確かにこれは靖国神社側が決める問題ですね、国の機関ではありませんから。ですから、そのこと自身は、それが国としていいとか悪いとかいう問題じゃありません。靖国神社側が決める、あるいは御遺族の皆さんが決めることです。

しかし、そこに総理が行くとなれば、これは話が違うんですね。本当に御遺族の皆さんの総意でA級戦犯の皆さんが合祀されているのかどうか、これはかなり 異例ではあります。つまり、軍人ではない人も合祀されています。それから、もちろん戦場で亡くなったのではありません。戦後そういうふうになったわけです けれども、私は、靖国神社にお参りするときに、やはりそこに戦争について責任を持つ人たちが一緒に祭られているというのは非常に抵抗感を覚えます。総理は いかがですか。

小泉内閣総理大臣 私は、抵抗感を覚えておりません。

岡田委員  ここは、日本とドイツのかなりの違いかもしれません。ドイツは、ニュルンベルク裁判で同じようにしっかりと戦争責任を追及しました。そしてその後も、占領 が終わっても裁判は続けて、戦争犯罪に対してはきちんとけじめをつけていきました。日本は残念ながらそうはならなかった。あやふやに終わりました。

私は、この問題は、総理が参拝をされるのであれば、やはりA級戦犯合祀の問題、もう少しきちんとした方がいいと思うんですね。例えば、中国や韓国が言っ ているのはまさにそのこと。靖国神社参拝そのものを言っているんじゃなくて、A級戦犯が合祀されているということについてそれぞれの国は問題にしているわ けですね。

総理は、この靖国参拝の問題について、きちんと説明をするとおっしゃったけれども、中国に対してどういう説明をされているんですか。

小泉内閣総理大臣 私はきちんと説明しております。

先ほども申し上げましたように、今日の日本の平和と繁栄は多くの戦没者の犠牲の上に成り立っている。こういう、心ならずも戦場に赴いて命を失わなければ ならなかった方々、こういう方々に哀悼の誠をささげたい、家族を残し、あえて命を失った方々に敬意と感謝をささげたい、そして、二度と戦争を起こしてはい けないという気持ちで靖国神社を参拝しているのであって、私は、日本に死者までむちを打つという感情は余りないのではないか。

中国には中国の立場があります。韓国には韓国の立場があります。しかし、死者を弔うことについて、韓国、中国がどのような対応をとろうとも、私は文句を 言うつもりはありません。批判をするつもりはありません。日本の一つの伝統といいますか、歴史を大事にする、二度と戦争を起こしてはいけない、そして戦没 者に対する哀悼の誠をささげるというのは、私は人間としても自然な感情ではないかと思います。そういうことについて、よその国から、ああしなさい、こうし なさいと言われて、今までの気持ちを私は変える意思は全くありません。

岡田委員 死者に対して哀悼の誠をささげたいという気持ちは、私も全く一緒であります。しかし、その死者に対して責任のある人たち、本来責任を負わなければならない人たちも含めてというのは、私は異論があります。

いずれにしても、これは水かけ論かもしれませんが、そういう中で、アジアの中で生きていく国として、果たしてどれだけ説得力のある説明が総理はできてい るのか。もし総理が、みずからの言い方で説得できる、それが正しいと信ずるなら、そのことをしっかりとアジアの中で述べてもらいたい。結局、そういった説 明を回避する中で誤解が高まり、そしていつまでもアジアの中で日本という国の居場所ができないというのが、私は現実だと思います。

それでは、次に参りたいと思います。経済の問題。

お手元に配らせていただきましたが、これは世界経済フォーラムの国際競争力ランキング。総理、これは覚えておいでだと思うんですが、総選挙の最中から盛 んに自民党はこのことを取り上げたんですね。総合的な順位がこの二年間で二十一位から十一位に上がりました、これは小泉改革の成果です、そういうふうに何 度も何度も説明されました。確かに、十一位になったことは、これはいいことだと私は思います。だけれども、それは本当に小泉改革の成果なのか。

中身を見てください。大きく三つあります。まず、マクロ経済環境。悪化をしています、十八位から二十四位。公的制度の効率性、十九位から三十位。よく なったのは科学技術のところです、二十三位から五位。では、科学技術の中は何か。企業の新技術の取り入れ、これは二位ですね。企業の研究開発投資三位。

その他の指標を見ますと、企業の経営戦略六位、しかしそれに対して、経済政策決定の集中度八十二位、創業の際の行政手続の負担八十位、農業政策のコスト 百位、銀行の健全性最下位。つまり、政府が絡むような話はみんな悪いんですよ。だから、小泉改革、小泉改革、その実態は民間企業が頑張ったということなん です。

小泉構造改革、この成績表で見ると完全に落第じゃないですか。いかがですか。

小泉内閣総理大臣  私は、日本の国際競争力ランキングが何位から何位に上がったということなんというのは、演説でも一度も使ったことはありません。どなたが使ったか、それは わかりませんが、私自身が、そういうランキングが上がったから私の改革の成果が出ているなんということは一言も言っていないということだけ御記憶願いたい と思います。

私が言っているのは、改革なくして成長なし、ようやく経済に明るい兆しが出てきた、改革の種をまいてきた、この種にようやく芽が出てきた、企業にやる気が出てきた。これは、やはり政治の環境、改革がだんだんわかって理解されてきたなと。

企業の業績も上がってまいりました。そして、やる気のある企業も出てまいりました。今まで、お金がないと会社をつくることができないということも、先ほ ど申し上げましたように、一千万円の資本金がないと会社を立ち上げることができなかったけれども、それでは、お金のない人も会社をつくる意欲があるんだっ たらつくってもらおう、一円の資本金でも会社を立ち上げることができるようにした結果、一年足らずで八千件を超える新しい企業が誕生しております。意欲が 出てきたなと。

雇用もだんだん改善してまいりました。不良債権処理を進めないと経済の活性化にならない、私の就任前、盛んに言われていました。この改革を進めていく と、不良債権はふえるばかり、失業率はどんどん高くなるばかり。現実は、失業率もだんだん減ってまいりました。不良債権処理も、額においても比率において も順調に予定どおり進んでおります。企業も、余り公共事業を政府やってくれと言わなくても、やはり自分の力でやらなきゃならないんだなという意欲を持って 業績を上げてくれました。

これは、やはり政治環境を整えることがいかに大事か、政府が余計な、不必要なことをやらないことがいかに大事かと。歳出を抑制する中で、財政出動をする ことなくして経済が明るい兆しを出してきたな、この意欲を守り立てていくのが改革でも必要だなと。やはり、日本の経済を興していくのは、個人個人、個人企 業、地域、これが意欲を出してもらう、その意欲を支援していくのが政治として極めて大事だということを言ってきたわけでありまして、私は、別に国際競争力 のランキングが何位に上がったからいいというようなことは一度も言っておりません。

竹中国務大臣 世界経済フォーラム、IMD、そういうところがランキングを出しておりますが、そういうランキングの作成にかかわったこともありますので、それなりの私なりの解釈を申し述べさせていただきます。

そのフォーラムのランキングというのは、昨年の暮れ、秋だったか冬だったか、暮れぐらいに、後半に発表されておりますが、それは、世界の有識者にいろん なヒアリング、アンケート調査を行います。どの時点でかといいますと、去年の春ぐらいの情報に基づいてそういったランキングがつくられたというふうに認識 をしております。

どういうことかというと、去年の四月末に株価が非常に悪い段階、そういう状況で、しかし企業の収益は改善しておりました。その企業の収益の改善の部分は そこにきっちりと織り込まれている。しかし、その後、三月決算が六月ぐらいに出て、不良債権が下がっているということがはっきりとし出した。それで、今回 の予算で、財政のプライマリーバランス、基礎的収支も改善しているということがはっきりとしてきた。そうした評価はこの半年ぐらいであります。

したがって、その評価は、企業部門がよいという部分だけ入れていただいているんですが、政府がよくなったという最近の部分は、ことしのランキングに入ってくると思っておりますので、私は楽しみにしております。

岡田委員  総理は随分長くお話しになりましたね。人間、やはり苦しいときは雄弁になるんですね。そう思って聞いておりました。この今の表は、安倍幹事長初め、自民党 の皆さんがしょっちゅう使っていましたよ。総理は知らない、そんなこと言わせませんよ。自民党としてやってきた話です。そのことだけ申し上げておきます。

その上で、それじゃ、競争政策、先ほど最初の話にもありましたが、私は非常に大事だと思うんです。

ちょっと具体的な話を一つだけ聞いておきますが、公正取引委員会が独禁法の改正案を今検討していますね。これは、施政方針演説の中にも出てまいります し、自民党マニフェストの中にも出てまいります。独禁法の改正というのは、いつもなかなか難航して、政府の中で、あるいは経済界の反対もあったりして、で きない、あるいは時間がかかるわけですが、この国会に必ず出してくる、そのことを確約していただきたいと思います。

○竹島政府特別補佐人  昨年十月に公正取引委員会がお願いいたしました研究会から報告書をいただいておりまして、これを踏まえてパブリックコメントをお願いしました。一カ月ぐら いでございましたが、百十に及ぶパブリックコメントをいただきまして、それを踏まえて、公正取引委員会として、今度は独禁法の改正のいわば大綱というよう なものを発表させていただきました。それに基づいて今、政府部内、与党、経済界等々と同時並行的に鋭意問題点の詰めをさせていただいております。

公正取引委員会としましては、この通常国会に改正法案が具体的に御提案できるように、それを努力目標にして、これからもやらせていただきたいと思っております。

岡田委員 私は、公正取引委員会の見解を求めたわけじゃありません。しかも、努力目標だと言っています。

だけれども、自民党ははっきり言っているんですよ。自民党のマニフェストの中に、公正取引委員会の権限強化や課徴金の引き上げなどを行う独禁法改正案を 二〇〇四年中に国会に提出すると。まさか、この二〇〇四年中というのはこの通常国会じゃなくて秋の国会だなんて言うんじゃないでしょうね。総理は総裁です から、マニフェストに書いてあることはきちんと守る、そのことはちゃんとはっきり言ってください。

小泉内閣総理大臣 マニフェストに掲げておりますように、国会に改正案をできるように、今、努力目標として鋭意検討し、各方面の意見を聞いて努力しているところでございます。

岡田委員  今のを聞くと、かなり怪しくなってきますね。しかし、マニフェストというのは、きちんと守る、そういう性格のものですから、ぜひこれはやっていただきたい し、この国会に出てこなければ、あるいは最後の最後になって出てきたらこれは審議できませんから、時間がありませんから。それはやはり次の参議院選挙で、 マニフェストというのはいかにいいかげんなものかということになりますよ。ぜひそこはしっかり出していただきたいとお願いしておきたいと思います。

次に、規制改革について若干具体論でお聞きしたいと思います。昨年の十一月にいずれもお聞きした点なんですが、まず、幼保一元化についてであります。

総合的な施設をつくるということで、文部科学省と厚生労働省の間で話し合いが実務的に進んでいるというふうに理解をしていますが、私は、お役所同士で幾 ら実務的に話しても、結局、新しい第三の、総合施設という規制の塊のような施設ができるだけだと思うんですね。やはり、スタートするに当たって、政治的な リーダーシップというのはどうしても私は必要だと思う。

それは何かといえば、具体的に申し上げますが、二つあると思うんです。

一つは、総合規制改革会議が答申しているように、国の規制の基準を、現在の幼稚園と保育所に関する規制のどちらか緩い方の水準にする。幼稚園と保育所の規制の基準の緩い方に合わせるということですね。

そして、もう一つは補助金。例えば、今、私立保育所に対する補助金二千五百億、幼稚園関係補助金五百億、そういったものを一本化して、そしてこれを一般財源化して、都道府県、市町村に任せる。

この二つの枠組みをきちんと決めて議論を始めないと、結局、議論はしたけれども現実は変わらないということに私は必ずなると思います。この点について、総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣  現実に、幼稚園と保育園の問題についても、お子さんを持っている親の立場で利用しやすいように、一体化なり一元化なりという言葉が適当かどうかわかりませ んが、弾力的に運用できるようにしていこう、また、教育の費用の問題につきましても、これは地方に裁量権を与えるような形で改革していこうというその方針 に沿って、今、鋭意進めております。

岡田委員 方針は結構なんですが、お役所に任せておくと、それはそうなりませんよということ、まず大きな枠組みをきちんと決めて、その中で具体案を詰めさせないといい結果は出ませんよということを申し上げております。

一年後には結果は出るでしょうけれども、しっかりとした、子供さんたちを持っている若いお父さんやお母さん、あるいは子供自身のためにいい施設をつくってもらいたい、そのことをお願い申し上げておきたいと思います。

財政の重点化、効率化について少しお話をしたいと思います。

こういった、これは政府のものですけれども、つくってまいりました。二〇〇三年度「改革と展望」そのものではありませんが、その資料の中に出てくるものであります。

これは、要するに、いろいろな前提を置いておりますが、これから実質GDP成長率がほぼ二%で二〇一三年までいきます、そしてその間、名目成長率は次第 に上がっていきます、そういう前提を置いて、二〇一三年には基礎的財政収支がプラスになります、こういう数字であります。

私は、これ自身、随分楽観と期待と願望を込めた数字だと思うんですね。ずうっと二%で本当にできるのか。名目成長率がこんなに順調に上がっていくのか。そして、ここには出てきませんが、歳出の削減ができるのか。そういった議論があるわけです。

しかし、これを一応前提にしたとして考えたいんですが、これは竹中さんにお答えをいただきたいと思いますが、このときの公債発行残高、この二〇一三年あるいは二〇一〇年代前半で、私は一千兆ぐらいいくと思うんですが、いかがですか。

竹中国務大臣 数字は公表しておりませんが、当然のことながら、中ではいろいろな計算をしております。一千兆というお話でございますけれども、我々の試算では九百兆円強というふうに思っております。

岡田委員  そこで、問題は、この名目GDPが四%近くいくというときに、名目金利はどうなっているかですね。これは一定の前提を置かなきゃいけませんが、通常、名目 GDP成長率に二ポイントぐらい上の名目金利になるということは、そうおかしな前提ではないと私は思うんです。例えばそうなった場合、あるいは、そこまで いかなくても、例えば四ポイント、名目GDPと同じだけの名目金利になる、そういった場合に、公債費というのは一体どうなるのか。

例えば四ポイントだとすれば、一千兆近い公債残高があって、そして利子が四%ということになれば、それだけで四十兆円、公債費がふえるということになり ますね。つまり、基礎的収支はプラスになっても、その外の、外枠のところでどんどんどんどん公債費が膨張して、これは大変なことになっている、こういうふ うに私は思うわけです。

したがって、この非常に楽観的な前提に立っても、私は、財政の現実というのは物すごく厳しいということをしっかり認識しなきゃいけない、こう思いますが、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 財政の現状は非常に厳しいという御指摘は、我々はまさにそのように思っております。であればこそ、どのような形でこれを、この問題を解決していけばよいか。

名目金利と名目成長率の関係について、名目金利の方が高いというふうにおっしゃいましたが、これはちょっと違うと思います。もしも名目金利の方が高いような状況が出現すれば、恐らくどこの国の経済も財政も破綻的な状況になると思います。

歴史的に見て、名目成長率と名目金利を比べると、名目金利の方が名目成長率より低い。であるからこそ、基礎的収支を均衡させることによって長期的に財政 を安定させることができる。これは、非常に幅広く世界の専門家の間に共有されている考え方であろうかと思います。

我々は、だからこそ、厳しい状況の中でまず基礎的収支を均衡させたい。その間どうなっていくのか。これは、こういう試算を行うことの意味は、金利そのも のを、前提ではなくて、モデルの中での内生の変数として、名目成長率とともにある程度名目金利も上がっていく、そういうことを踏まえた上での試算を行って おります。

財政の状況は厳しいです。しかし、厳しいからこそ基礎的収支を均衡させる。その中で、名目金利の上昇も踏まえながら財政を何とか切り回していって、基礎 的収支が均衡すれば財政が破綻することは避けられますので、そのような形でその狭い道をしっかりと運営していきたいというふうに考えているわけでございま す。

岡田委員  二〇一三年には小泉さんも総理ではないですし、竹中さんもおられないでしょうから、結局はこのことに対して責任を持つ立場じゃないんですね。私は、そこ で、できることからしっかりやっていく、つまり、財政の重点化、効率化、そのことがどれだけ今なされているのかということ、これが大事だと思うんですね。 同僚議員がいろいろ、これからその点についても質問をしていくと思います。

また、一つだけ申し上げたいのは、国家公務員のことなんですね。

国家公務員について、これは、平成十二年度の閣議決定で、十年間で一〇%削減と決めました。あのとき私は純減かあるいはどうなのかと聞いたら、はっきり 答えられませんでしたが、結果的にはこれは純減ではなかったわけですね。しかし、純減ではないにしても、平成十三年度は五千九百六十五人減りました。純減 です。平成十四年度は九千二百七十一人減りました。しかし、平成十五年度、つまり小泉さんになった後、二千百三十二人。十六年度予算においてはわずか五百 五十三人しか減っていないんですね。

やはり、人を減らすというのは、これは時間もかかります、国家公務員ですから。制約があります、動かすことに。であれば、やはり新規採用を抑えて、そし てここのところをしっかりやっていかないと、いつまでたっても、人件費の割合というのは非常に大きいですから、財政の問題というのは解決しない。そこの意 欲が非常に私は薄いんじゃないかと総理をお見受けして考えるんですが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 今年度、十六年度予算におきましても、警察官等を増員する中で、全体の公務員は減らしております。また、二〇〇七年には郵政民営化を控えておりますので、こうなりますと、二十八万人の公務員が公務員でなくなる。これはもう実に大きな公務員削減案であります。

民間にできることは民間に、そういう点を考えて、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、民間の意欲を引き出す、地方の意欲、やる気を出 す、これは極めて大事な構造改革でありますので、今後この推進に向けて全力を傾けていきたいと思っております。

岡田委員  総理、かけ声は結構なんですけれども、先ほど言いましたように、総理になられてから、それまで九千二百人純減で減らしてきたのが、二千百人になりそして五 百五十三人になっているということなんですね。郵政の話は、これはもう既に除かれているんです。その上での話をしているんです。

私は、やはりこれは、今のような積み上げ方式で、それぞれの担当のお役所が定員の増と定員の減でつじつまを合わせているやり方では無理だと思うんです。 やっぱり政治がしっかりと、純減、例えば何年間で一〇%、目標数字をつくって、そしてその上で進めていかないと結局何も進まないという、そこにまさしく政 治的なリーダーシップが求められているということを申し上げておきたいと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。

さて、残された時間を使いまして、改革の問題について申し上げたいと思います。

これらの問題をこれから同僚議員が深く質問をすることになると思いますが、私のところで、まず入り口のところ、少し議論を整理したいと思います。

まず、総理、かつてこういうふうに言っておられたのを思い出しませんか。これは道路公団の問題ですね。五十年、六十年かけて公団の借金を償還するようで はもう私は死んでいる、少なくとも三十年以内で、かつ税金も投入しないでやるべきだと。これは、二〇〇一年十月にこういう発言を総理みずからされているん ですが、御記憶でしょうか。

小泉内閣総理大臣 そのような発言をしたと思いますし、そのような方向に沿って、四十五年でもう債務の確実な返済を目指しております。

民主党はたしか五十年を目途に債務返済するということを考えているんじゃないでしょうか。三十年から、上限が四十五年だと思いますので、やはり税金を投 入しないで、民間にできることは民間にと。民間にどの部分、道路ができるか、有料道路ができるか、民間にできないところはどうやって、国の税金、地方の税 金、あるいは国民の負担によって、必要な道路はどうやってつくっていくかということが大事でありまして、私は、道路公団方式ではそういう効率的な運営が無 理だろう、また債務の返済もなかなか返済することはできないであろうということから、やはり民営化方式がいいということで、民間の委員の方にも御協力いた だいて、その意見を基本的に尊重し、今ようやく法案づくりの段階、抜本的な改革が実現に向かって動き出したわけであります。

これは極めて大きな大改革でありまして、民主党の言う高速道路無料化論に比べれば、はるかに大胆な、税負担の少ない中で必要な道路をつくる画期的な改革案だと自負しております。

岡田委員 総理はあと四十五年間生きられるおつもりだということはよくわかりました。五十年じゃなくて、四十五年なら御本人もまだ生きられるということなんでしょうか。

さて、この道路公団の問題で、ちょっとこれを。一月二十六日の予算委員会で我が党の前原議員の質問に対して、何のために民営化するのかということについ て総理は幾つか述べられたんですが、順番に行きますと、実は三つ以外にもう少し言われたんですが、むだな高速道路はつくらない、それからコストを削減す る、これはつくる道路についてもコストを削減するという意味、それからファミリー企業の見直しを行う、こういうふうに言われましたね。

それらについてちょっとお聞きしたいんですが、まず、むだな道路をつくらないと言う以上、例えば、今ある整備計画九千三百四十二キロの中で、何キロメートルつくらない道路があるんでしょうか。

小泉内閣総理大臣  具体的な実際の数については国交大臣にお願いしますが、私は、今までの公団方式で予定どおりに今の高速道路はつくることはできないということを申し上げた わけでありますし、むだな道路はつくらないんだ、当然規格の見直しがあるだろう、そういう点を申し上げたわけでありまして、できるだけ多くの道路をつくっ てくれという要望は各地域において出ているのも承知しております。そういう際には、むだであるか、必要であるか、また、どのような負担だったら必要な道路 ができるか。民間道路ができる、民間の会社ができる部分と、民間がつくってくれないんだったら税金投入してもつくりたいという地域が出てくるでしょう。そ ういう点では、どの程度の費用対効果、採算性、十分考えてやっていただきたい。

コスト削減も、今まで二十兆円程度でできるというのを、今度は十兆五千億円、半分近くに減らして、いろいろなコスト削減を図らせているわけであります。 ファミリー企業の見直しもそうであります。いわば、今までにはできないような画期的な改革案が今できつつある。それを国会審議にお願いして、民主党の無料 化案と政府の考える民営化案とどちらがいいか、よく国民に議論していただきたいと思っております。

岡田委員  総理、今の答弁、ちょっとおかしいんですよ。まず、規格の見直しの話を私は聞いたんじゃないんです。規格を簡単にして、そしてつくるということを聞いたの ではなくて、つくらない道路はどれだけあるんですかと聞いたんです。それに対して、総理は公団方式とそれから税方式というようなことも言われましたが、公 団方式であろうと税方式であろうと、それは高速道路である限りはこの整備計画に入ってくるわけですよ。

ですから、私が聞いたのは、整備計画の中で高速道路としてつくらない、有料無料問わず、つくらないものは何キロあるんですかと聞いたんです。それに対して明確に答えていただきたい。

石原国務大臣  この御議論は前原委員と私の間でもなされたわけでございますけれども、ただいま総理が御説明になりましたように、この残存二千キロの中の事業評価というも のを初めて行いました。これは委員もう既に御承知のことだと思いますけれども、費用対効果、あるいは収支率、あるいは基幹病院までの距離といったような外 部効果や、これには原発があるとかいったような外部要因のものも含めております。

それで評価をした結果、どういうことが起こったかといいますと、残存区間すべてのBバイCを見ると一を上回った。すなわち、公共事業で一を上回ったとい うことは、必要性がある。しかしながら、有料道路でやった場合に管理費も出ない、こういうものが新直轄。必要性がBバイCであることがわかったわけですか ら、新直轄にすると総理が御答弁いたしました。

そして、委員の御質問は、では、抜本的に見直す百四十三キロを全部つくるのかつくらないのかという御質問の趣旨だと思います。前回もそういう議論でござ いました。(岡田委員「そんなこと言っていない」と呼ぶ)ちょっと聞いていただけますか。百四十三キロにつきましては、今の計画のとおりつくりません。一 たん中止して、規格すべてを見直しますので、したがって、何が言いたいかと申しますと、何キロつくるかということを議論すること自体、今回は、今の段階で は意味がないということを申したいと思います。

岡田委員  まず、この百四十三キロについては、抜本的にコスト削減はする、こう言っていても、つくらないとは言っていませんよ、国土交通省は。しかも、私が言ったの は、これはこの百四十三キロだけの話なんですか。私はつくらない路線というのはもっとあると思っているんですよ。しかし、そのことについて結局は答えはな いんですよ。

だから、総理、最初に、公団を民営化法人にすることの最大の意味は、むだな道路はつくらない。しかし、そこのところは、お役所の方は全部つくるという前 提で、それを税金でつくるか、会社がつくるか、そして一部はコスト削減して、しかしこれもつくるんですから、全部つくるんだという前提で考えているんです よ。そこにトリックとごまかしがあるんですよ、総理。

石原国務大臣  これは全部お話しさせていただいていることなんですけれども、BバイCが一を全部上回ったんですね、二千キロの。しかし、有料道路でつくる管理費も出ない 道路ができたので、そういうものはさすがに考えて抜本的に見直さなきゃならない。すなわち、工事は一切中断して、抜本的に見直さない限りはつくらないわけ です。

そのほかの、大まかな数字で言いますと千八百五十キロにつきましても、いろいろな計画があるんですね。中には、都市計画でそこに工場団地をつくるとか、 そういうものがあるから高速道路を敷こうというようなことになっているものもあります。しかし、そういうものも、外部要因、経済の変化によって、そういう 大規模な施設等々ができなかったら外部要因の効果が下がってきますから、そのとき見直さなければなりません。

この二つをもってしても、一体、では、二千キロのうち何キロつくるのかという議論を今することに意味がないという話をさせていただいているわけでございます。

岡田委員  これは意味がないんじゃないんですよ。今の九千三百四十二キロ、整備計画というのは、高速自動車国道法五条に基づいて計画で書いてあるわけでしょう。やは り、それをそのまま維持していくのか見直すのかということは、それはまず、政府として、総理としてきちんと、そこがまず入り口じゃないですか。だって、そ のために民営化法人にしたわけでしょう。だから、全然話が逆転しちゃっているわけです。何のために民営化したのかわからなくなっているんですよ。

コストの削減もそうですよ。総理は半分になると言いました。違うんですよ。二十兆円あって、税金でやる部分がありますから、正しくは二十兆円が十三・五 兆円になる。六・五兆円が縮減される、こういうことですが、しかしその根拠は何も示されていないんですね。六・五兆円、どうやって縮減するのか。民営化し たら縮減されるとおっしゃる。しかし、この民営化法人は、高速道路を自分でつくりますね。最終的には、その高速道路と借金は違う機構に移行されるわけです よ。自分のものなら安くつくろうというインセンティブになりますよ。だけれども、どうせ借金と一緒に持っていくんなら、それは安くつくろうというインセン ティブにならないじゃないですか。

何のためにこの民営化法人をつくるんですか。そこの説明が全くないじゃありませんか。いかがですか。

石原国務大臣 先ほどの冒頭の質問の中で、いわゆる厳格な評価基準を設定して、残りの七十路線について評価を行ったという話を冒頭述べさせていただきました。

それはどういうことかといいますと、どの道路がむだなのか、むだじゃないのか、むだというのはすごく主観的な概念でありますから、これを指標によって明 らかにしたわけです。その結果、管理費も出ないようなものが百四十三キロ、もちろん第二名神の部分も入れてですけれども、三路線あった。こういうものは今 の現行計画ではつくらないと何度も答弁をさせていただいております。

ですから、むだな道路は何かというところで、それを評価したことによってこの議論がスタートしているということをぜひ御理解いただきたいですし、先ほど 申しましたように、大規模な改良事業というものが近隣にあって、それに変更があった場合は、すなわちこの評価が下がるわけでございます。(岡田委員「そん なこと聞いていない」と呼ぶ)聞いております。一番最初の問題として質問をされているから、お答えしているわけであります。

ですから、何が必要な道路か、必要じゃないかということをはっきりと御理解いただきたい。では、不必要な道路は何なのかということがあるなら言っていただきたいと思うんです。

それと、後段の質問にお答えしなくてよろしいでしょうか。説明がないという、六・五兆について説明がないというお話がありましたが、それはこれから説 明、二番目の質問として今お答えしようと思っておりますので、御許可をいただければお答えさせていただきたいと思います。

すなわちどういうことか。これは、何度も実は説明をさせていただいているわけでありますけれども、平成十五年の三月二十五日に決定いたしましたコスト削 減計画で四兆円。そして、国と地方の負担により整備を行う、すなわち客観的な事業評価を行った中で、有料道路方式になじまないけれどもつくらなきゃいけな いものを三兆円と決めさせていただいた。そして、昨年末の基本的枠組みにおいて、二・五兆円のさらなるコスト削減を行うということでございます。

委員に御説明しなければならないのは、四兆プラス二・五兆円をどうやって出すのかということだと思います。

これは、四兆円部分につきましては、インターチェンジのジャンクションのコンパクト化。御存じなことだと思いますけれども、今、大体台形の形をしており ます、これをトランペットのような形にすることによりまして、構造が大体三分の二の費用でできるようになります。さらにトンネル、第二名神、第二東名等々 を見ていただければわかりますように、六車線で計画されております。これを四車線にいたしますと、これは立方体でございますので、コストはかなりの削減に なるわけでございます。それと、今申しました六車線の道路を四車線にする、こういうことを行いまして四兆円を捻出いたします。

さらに、二・五兆円についてのお答えをさせていただきたいと思うんですが、これは、民営化いたしましたときに、サービスエリア、パーキングエリアは分割 された公団の民間会社が引き取ることになります。その負担の区分の見直しや、あるいは高速道路等々をつくるときの、これは公共事業全般でも言えることです けれども、契約の見直し等々を行います。さらに、大規模改修事業。今、中央高速の方で、上野原のあたりのところが、下りが四車線、上りは三車線になった、 こういう大幅な改良工事を行う計画がございます。これは数千億のオーダーでございます。これはやらない。そういうようなものを積み上げることによりまして 二・五兆円。

詳細につきましては、次回の国幹会議に、具体的に、どこの路線でどういう改修工事をやめる、あるいはサービスエリアをどういうふうにする、インターチェ ンジをどういうふうにするというような形で六・五兆円、さらに新直轄の三兆円も含めまして、十兆円程度の経費を削減するという案を個別にお示しさせていた だきたいと思います。

岡田委員  今の大臣のお話を聞いていまして、結局、役所からいろいろなことでレクをされて、すっかりその気になっちゃうという一つの典型例ですね。石原さんだっ て、道路公団の民営化について、自分の熱意を持って頑張ってきたわけでしょう。そのあなたは一体どこへ行ったんですか。

そして、私が聞いたのは、民営化することでコストが削減できると総理はおっしゃるから、では、どこが民営化することによってコスト削減できるんですか。 今言ったような、例えばインターチェンジの形を変えるとか、トンネルをどうのこうのとか、それは国がやることであって、民営化の意味がコスト削減にあると いうのであれば、民営化が具体的にどういったところでコスト削減につながるのか、そのことを明確に述べろというふうに私は聞いているわけです。

今の、総理、ずっと目をつぶって聞いておられるんですけれども、そのことが私は典型だと思うんですね。一番根幹のところですよ、根幹のところ。何のため に民営化するのか。それは総理のおっしゃるとおりです。むだな道路をつくらないために、そしてつくる道路もコストを削減するために。しかし、そこの説明が ないんですよ。そして、総理は、答弁すら石原大臣にゆだねて、みずから語ろうとしないじゃないですか。一番骨格のところですよ。

結局、かけ声はかけて、民営化にスタートしたけれども、でき上がったものは全く似ても似つかないものができた。だから、総理、答弁できないんでしょう。小泉改革の一つの姿を私は語っていると思いますよ。

時間も限られていますから、次に年金を少し申し上げたいと思います。(小泉内閣総理大臣「答弁できるよ」と呼ぶ)答弁、どうぞ。

小泉内閣総理大臣 答弁すると、話を説明しているのにわかろうとしない人に、幾ら説明してもわかろうとしない、改革だと言うと改革の名に値しないと言う。私は実におかしいと思いますね。

私は、民主党の高速道路無料化、これは評価していません。いずれこれ、無料化がいいと言ってくるんでしょうが、私は、民営化議論が出てきて、民営化しよ うという形になってきたからこそ、むだな道路をつくらないようになってきた、コストも十兆円程度削減することになってきた、ファミリー企業も見直すことに なってきた。すべて民営化の議論の中でこの改革が進んできたんです。まさに画期的な改革なんです。

それは野党の立場だから、政府の言う、私の言う改革は改革の名に値しないと批判するのは結構ですよ。これだけ一生懸命説明しているのに、説明になってい ない、説明になっていない。わかろうとしないという人に対して、どこかの本で、話せばわかるなんというのはちょっとおかしいんじゃないかという本もあった けれども、なるほど、これだけ説明しても、これだけ改革が進んでいるにしても、改革の名に値しないと切り捨てれば、いかにも批判して政府は何もやっていな いというふうにとられる野党の気持ちはわかりますが、さる国幹審の会議でも民主党の議員が出ていて、政府の方針に賛成しているんですよ、民主党の議員は。 野党の議員までも賛成して評価している。これは、民営化の議論が出てきて、野党もその必要性を感じているからだと私は思っております。

岡田委員  総理は説明しているとおっしゃったけれども、この高速道路の問題について、ずっと今石原さんに説明させていたじゃないですか。あなたは目をつぶって、説明 していないじゃないですか。そして、わからないと言う人にとか、それからこの前のイラク特措法のときにも、どうせ民主党は反対なんでしょう、こうおっ しゃった。私は、とんでもない発言だと思いますよ。

つまり、例えば私、今質問しています。それは、私に対して総理がお答えになると同時に、私の後ろで、本当にこの道路公団民営化が必要かどうかわからない と思っている国民の声を反映して私は聞いているんですよ。それに対して、あなたのその答弁は一体何なんですか。極めて無礼でしょう。

小泉内閣総理大臣 無礼と言うなら、これほど総理に対 して失礼な質問をしているのはないじゃないですか。私は言いませんよ。これだけあることないこと批判されて、私は黙って耐えて、静かに丁寧に答弁していま すよ。人を批判する無礼な質問をする、失礼な質問をすることに対しては、私は黙って耐えていますよ。

私は、質問に誠実に答えているつもりであります。今まで基本方針を述べている。総理は、細かいことまで、詳細なことまで、担当大臣が答えることまで私は 答弁する必要はないと思っています。基本方針を述べて、この方針に沿って担当大臣が答える。いかに丁寧に基本方針を説明しているか。私は、十分説明してい ると思っています。

岡田委員  先ほどの総理の答弁は、民営化の話をする過程でコスト削減の議論が進んだ、そういうふうにおっしゃいましたね。だけれども、民営化することがなぜコスト削 減になるのか、あるいは要らない道路をつくらないことになるのか、そこの説明は全く総理はしていないんですよ。だから、それを総理に説明していただきた い。もう一度答弁を求めます。

小泉内閣総理大臣 何回も説明していますよ。

民営化の会社になれば、これは将来、債務の返済ができない、採算性が合わない、会社の利益が上がらないということなら民営化の会社はつくりません。これ は、民営化になったらどういう形態の経営方式を導入しなければならないかということで議論が出てきているから、コストの削減も出てきたわけでしょう。民営 化の議論がなかったら、こんなコスト削減できませんよ。

そして、民営化できた際には、将来上場を目指すというんですから、利益を上げなきゃならない。利益を上げるためには、むだな道路、採算性を無視した道路 なんかできるわけない。しかし、住民がどうしても必要だ、民間の会社がこの高速道路はできないといった場合に、住民の要望にこたえて、地域の住民あるいは 地方公共団体、国が、この道路はどうしても必要だというんだったらば、どの程度の税金負担だったらできるかということを考えるでしょう。そうした場合に は、民営化の会社は、できない部分については、お互い地域の住民がどのような負担でどのようないい道路が、必要な道路ができるかということを考えればい い。

私は何回も説明している。これを説明していないなんというのは、理解に苦しみますね。

岡田委員 総理、もう一回聞きますよ。総理は、僕は、基本的なことを踏まえて言っておられるのかどうかちょっとわからなくなりましたよ、今の御答弁の中で。

例えば、利益を上げる。利益を上げるのは、これは、民営化法人は将来上場を目指している。そうです。サービスエリア、そこで利益を上げる。いわば不動産 業ですよ、サービス業。そこで利益を上げるんであって、道路そのものから利益を上げるんじゃないんですね。道路そのものは、四十五年後にそれは戻して、そ して無料になるんですから。だから、道路で利益を上げるんじゃないんですよ。むしろ、道路はどんなに高くつくっても、その道路の資産とそして負債は機構に 持っていかれるんですから、だからインセンティブがないんですよ、つくる。

そのことについて、総理にお答えいただきたいと思います。

石原国務大臣  岡田委員の御質問の中で若干事実と違う点があるので、そこをちょっとお話しさせていただきたいのは、民間会社は、総理がお話をしておりますように、新しく 道路をつくるときには、その道路から、料金収入から上がるであろう、すなわちキャッシュフローをもとに市場からお金を借りるわけですね。ですから、管理費 を除いた部分は全部リース料として四十五兆円の債務の返済に当たるわけでございます。そうしますと、むだな借金をして、料金収入を上回る、管理費を除いて 上回るようなものを民間企業が借りるわけないと私は思うんですね。

それで、岡田委員の御懸念は、これまでのプール制の問題をきっと御指摘されていると思うんです。すなわち、東名高速の上がりで北海道とか、ちょっと問題 があるかもしれませんけれども、採算の非常に合わない道路をつくるということがけしからぬ、そういうことはないようにするんだろうなという御質問であると するならば、九州、北海道、九州と北海道は別の会社に間違いなくなりますから、九州、北海道の道路を所管する会社が責任持ってつくるし、それは仕掛かり品 二千キロでございまして、その外でも必要な道路があるという話は何度もさせていただきました。それは、申請して自分たちがつくりたいと言わない限りは、押 しつけてつくらすことはいたしませんから、今言ったような御懸念は当たらないのではないかと思います。

岡田委員 詳細はこれから議論していけばいいと思いますが、市場から借りるとおっしゃいました。確かにそうです。しかし、最終的には政府は担保するんでしょう。しないんですか、借金。

石原国務大臣 これは今、法律で検討させておりますけれども、四十五年後に必ず債務を返済すると法律に法定化しようと思っています。そのことによって必ず債務を返済するということを政府としてギャランティーさせていただきたいと思っております。

岡田委員  JRのときも、最後は国がその借金の穴埋めをしたわけですよ。だから、法律で書いたからできるなんというものじゃないんですよ。絵そらごとなんですよ、そ れは。だから、もともと何のために民営化したのか、そこのところのスタートが全くおかしくなっているんだ。いろんな妥協の中で、結局形だけだ。これは、こ の改革をやってきた田中さんが言っておられるじゃないですか、結局公団方式の焼き直しにすぎないんだと。それが結論ですよ。

なお詳細はまた議論していきたいと思います。玄葉議員とかわります。




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