トピックス

2001.11.30|その他

定例記者会見録 2001年11月

11月29日

○政府の医療制度改革案は財政の帳尻合わせに終始した不十分なもの

○賃金や物価の下落を考えれば、診療報酬の引き下げは当然

○明確な証拠なく攻撃対象がイラクに変われば、法律上支援活動はできない

医療制度改革

【政調会長】まず、医療制度改革について今日、政府案が出るというこ とですが、それがどういった中身になるのかは分かりません。最初の原 案はなくなりつつあるのかもしれませんが、いずれにしても、我々の基 本的な考え方は、政府案は抜本的な構造改革を回避した財政面での帳尻 合わせに終わっている—-。基本的にそういうふうに考えています。

つまり、将来の医療のあるべき姿を睨んだ、本来の意味での構造改革が なされていない。例えば、医療提供体制について、我々は情報開示、病 床数の抜本見直し、病院・診療所の機能分担のさらなる促進などを言っ ていますが、政府にはそういう議論が全くないわけです。

それから、医療の標準化、根拠に基づく医療(EBM)を導入し、診療報酬 は原則包括払い制にするということも我々は述べています。

さらに、保険者機能の強化とともに、高齢者医療については「エイジフ リー」の考え方に立って、突抜け方式(継続加入)と保険者間のリスク 構造調整を噛み合わせて対応するということも我々は言ってるわけです が、そういうところが全然なくして、当面の帳尻合わせに終わってると いうことが、我々の最も申し上げたいところです。

さりとて、具体的に議論されていることについて、我々としてどう考え るかというところも議論は必要ですので、そこを今日もネクストキャビ ネット(NC)で大分議論しましたが、さらに議論を進めているところで す。

診療報酬改定については、政府・与党はマイナスという方向になるのか なと思ってますが、まだよく分かりません。全体ではマイナスであって も、医科向けはプラスという選択肢も、あるいは残してるのかもしれま せんが、基本的に我々は、この診療報酬のところをきちんとしたルール に基づいて決めていくべきだと考えています。

「ルールに基づいて」ということの意味は、物価や人件費の伸びを計算 して、そのうえで診療報酬を算定すべきであるということですが、物価 も人件費の伸びもこの2年間マイナスであることを考えれば、結果がど うなるかは明らかです。それに加えて、過去の政治加算分をどう考える かという問題が残ります。それらを総合して、マイナス幅が決まってく ると。

それから、サラリーマンの3割負担ということについても、政府と与党 でまだ議論中ですが、これはやはり抜本改革をきちんとしたうえでの話 だろうと我々は思っています。ほとんど抜本的な改革なくして「3割負 担」だけが独り歩きしてるという状況は認められないということです。

あと、これは私も予算委員会で取り上げたんですが、効率化のために具 体的に何ができるかということを考えたときに、確かに「改革先行プロ グラム」にもいろいろ書かれてるんですが、時期がはっきりと明示され ていませんので、具体的に民主党としての医療効率化プログラムを作る べきだという議論になりました。

つまり、2001年度とか2002年度というように期限を切って具体的に進め ていく。例えば、情報開示の徹底ですとか、レセプト(診療費明細書) やカルテの電子化、あるいは外部監査の義務付けとか、保険者と医療機 関の直接契約の解禁といったことについて、きちんと期限を定めたプロ グラムを具体的にまとめてみようと思っております。

あと、これもまだ議論の段階ですが、例えば「社会的入院」ということ がかなり言われているなかで、お医者さんや看護婦さんが決められただ けの数がいないというようなところについて、基本的にそういうものは 認めないという考え方も検討していいんじゃないかと。

あるいは給食費について、これは介護では保険の対象になってないんで すが、医療では引き続き対象になっていて、そのために6000億円ぐらい かかっている。これをこのままにしておいていいんだろうか—-という ような議論も党の中では出ていまして、その辺をもう少し整理してみた いと思っています。

イラク攻撃と基本計画

【記者】テロ対策特措法に基づく自衛隊派遣の国会承認についてなんで すが、民主党も賛成をして衆議院を通過したあとに、ブッシュ米大統領 がイラクへの攻撃を否定しなかったりですね、若干情勢が変わってきて ると思うんですが、明日の参議院での採決に向けて、その辺をまた議論 するというような予定はあるんでしょうか。

【政調会長】イラクの問題は、前から出ていた話で、ブッシュ大統領も 随分前から言ってるんですよね、テロ事件当初の段階で。ですから、当 然そういうことも念頭に置いて、衆議院においても議論がなされたと 思っていますし、それほど状況が変わるということではないと思ってい ます。

この前の質問に対して福田官房長官は、「法目的に沿わないような事態 があったときには、基本計画を見直すこともある」、「継続して支援し てくれという要請に対してノーということもあり得る」と言われてます ので、それで十分じゃないかと思っています。あとはその答弁どおり、 事態が変わったときに政府が対応するのかどうかという問題だと思いま す。

【記者】自民党の加藤さん(テロ対策特別委員長)なんかは、「そう いった場合には基本計画を国会に出し直せ」というふうに言われてるん ですが、それについてはどのようにお考えですか。

【政調会長】「活動の継続には明確な証拠がいる」という答弁も政府は してるわけで、仮にアフガニスタン以外の国に米国が武力行使をすると いうことになったときに、特措法に掲げた法目的、つまり「米国おける 同時テロに対応する措置」ということではないとなると、それは法律上 支援できないということになるわけですから、その第三国が同時多発テ ロと本当に関係があるのかということについて、もう一度きちっと米国 から説明してもらうということが必要になると思います。

アフガニスタンに関しては、オサマ・ビンラディンあるいはアルカイダ が今回のテロ事件に関係があるということについて、いろんな客観的な 資料、それから小泉総理自身がアメリカから聞いたうえで責任を持って 「関係がある」ということを言われたということで特措法は成り立って るわけなんで、その対象が変われば、そういう作業がもう一度必要にな ると思っています。これは、かなり重要なポイントだと思っています。

【記者】やっぱり、基本計画をもう一度作り直すということになるんで しょうか。

【政調会長】まず、「関係がない」ということであれば、法律上できな いわけですね。「基本計画を作り直せ」と加藤さんがおっしゃってるの は、きちんと関係が証明された場合に、日本としてやるかやらないか、 後方支援をするのかしないのかというのは日本の自主的な判断ですから、証明されたという前提のうえで、引き続きやるときというときに基 本計画を見直す必要がある—-。こういうことですよね。

そこは、今の基本計画とそのときにやろうとしている活動とにズレが出 てくれば、当然基本計画の変更が必要になります。大事なことは、基本 計画を出し直すということではなくて、その際に一旦きちんと判断をす るということじゃないでしょうか、日本国政府としてね。当然のように 継続するんじゃなくて。

診療報酬の引き下げ

【記者】診療報酬なんですけども、現段階で報道されている政府・与党 案についてはどのように評価されてますか。

【政調会長】ここは慎重に発言しろと言われてるんだよね(笑)。た だ、従来の算定は人事院勧告(人勧)を基準にした人件費の伸びとか、 消費者物価指数(CPI)を基準にした物件費の伸びとか、そういうものに 基づいて大体計算されてきたことを見ると、医科に関しては人件費・物 件費を合わせて、恐らく1.1%ぐらいのマイナスになるはずなんですよ ね。そして歯科もそれに準ずると。これに薬剤費が加わると、2〜3% ぐらいのマイナスになってくると思うんですね。

それに、過去の政治加算をどうするかということもありますから、そう いったことを勘案して数字が出てくるんだろうと思っております。

【記者】過去の政治加算分を差し引けば、かなりのマイナスになります よね。

【政調会長】まあ、そういう誘導尋問に引っ掛かると、僕がまた何%と 言ったということになるからね……(笑)、それはまだ党の中で議論し ておりませんので、そこまでは申し上げませんが、やっぱり常識的な線 というものがあると思います。

世の中これだけ厳しい経済状況で一般の労働者の賃金が減っている、し かも物価も下がっているというなかで、診療報酬だけが全く違う動きを するということは、常識的にも社会正義の面からも許されないことだと 私は思っています。

11月22日

○自衛隊派遣は賛成の方向だが、委員会審議を踏まえて代表が最終的に判断

○米軍等の活動目的が変わったときに日本が撤退するのか審議で確認

○株主代表訴訟に関する商法改正について与党と合意の見通し

○道路公団改革—-政府は第三者機関設置の法案を今国会に提出すべき

○住金公庫廃止—-減税措置の及ばない低所得者層についてどうするのかが問題

○石油公団廃止—-油田開発に国が関与すべきかどうかという本質論が重要

○隠れ借金による2次補正予算で国債発行30兆円枠は完全に形骸化

自衛隊派遣の国会承認

【政調会長】まず、テロ対策特措法に基づく自衛隊派遣の国会承認についてですが、今日のネクストキャビネット(NC)で議論いたしまして、明確に反対と言われた方が3名いらっしゃいました。反対の理由はそれぞれですが、それに対して鹿野NC外務大臣と伊藤NC安全保障大臣から説明がありまして、そういう中で最終的にどうすべきかということになりました。

議論の前提として、テロ対策特措法の際、我々は「自衛隊派遣の事前承認は譲れない」ということで党首会談に臨み、最終的に反対したわけですが、それは事前承認が認められなかったので反対したのであって、その他の部分については我々は賛成であったということを前提として議論をしようということであります。

そういう観点から、それぞれの方がいろいろと反対の理由を挙げられましたが、特措法の審議の段階で片が付いてるものについては、今回改めて議論する問題ではないんじゃないかということを私も申し上げました。

一例を挙げれば、「航空機の燃料を運ぶのはやめたほうがいいんじゃないか」というのがありましたが、これは法律上認められている話でありますので、今さら議論するのはいかがなものかと、こういうことであります。

その結果、時間も限られているなかで、「賛成の方向」ということにいたしました。ただ、最終的な決定は、26日(月)の委員会での審議を踏まえて代表が決めるということにいたしました。

まあ、「政調会長と代表」ということにしたかったんですが、事の流れで「代表が決める」ということになりまして、恐らくもう一度、関係両NC大臣、私や幹事長も一緒に集まって、最終的には代表にお決めいただくということになると思います。多分、月曜日の午後、早い時間にそういうことになるんじゃないかというふうに思っております。

そういう、審議を見てということでありますので、今日最終的には決めませんでした。しかし、方向としては賛成ということを確認したところであります。審議の結果とんでもない話が出てくれば、そのときには再考するということで、方向性としては賛成ということであります。

コーポレート・ガバナンスと株主代表訴訟

【政調会長】次に、「商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案」および「同整備法案」(与党議員立法)、いわゆるコーポレート・ガバナンスと株主代表訴訟についてです。

これは1年越しの話でありまして、与野党の間でずっと議論が平行線を辿ってきた問題であり、我が党の中でもいろんな議論があったわけですが、民主党の意見を集約いたしまして、これから与党と折衝するということであります。おそらく合意に達するんじゃないかというふうに思っております。

中身的にはかなり我が党の意見が入って、厳しくすべきところは厳しくなるんじゃないかと思っております。

道路公団改革と第三者機関

【政調会長】それから、昨日の党首討論ですが、総理は割と威勢良くおっしゃったんですが、その後漏れ伝え聞くところによると、7特殊法人改革の全体像がほぼ決まりつつあるということです。

特に道路関係4公団について、償還期間を30年から50年に戻す、プール制は維持ということだとすると、昨日の総理の啖呵は一体何だったのかと。結局、道路族と呼ばれる皆さんの意見をそのままほとんど受け入れたと言われても仕方がないんじゃないかと思っております。

もちろん、税金を新たに投入しないという総理のご発言もありましたので、そこは生きているのかなとは思いますが、その他、高速道路建設の凍結の問題も明確には聞こえてまいりません。

そして、一番気になるのは「第三者機関」であります。第三者機関を設けると総理は言われたわけですが、第三者機関を設けるとして、一体それはいつになるのかと。今の話では、法律が必要であるから次期通常国会でということですが、それでは来年の春になるわけで、その間に事態はどんどん進んでいくわけです。

来年の春に第三者機関を法律で作って、そこから半年から1年かけて採算性や公団のあり方を議論するとなりますと、今から1年あるいはそれ以上先の話になってしまうわけで、事実上の先送りであると言われても仕方がない。族議員の皆さんは、その頃にはもう小泉総理はいないんじゃないかということで、先送りしたことで胸を撫で下ろしてるんじゃないか—-。そんな気がします。

そこで、内閣府設置法の権限がないから政令ではそういう第三者機関は設けられない、別に法律が必要だという話が政府の中にはあるようですが、もしそうであるなら、この国会に法案を出すべきだと考えます。

国鉄改革のときに「国鉄再建監理委員会」を法律で作った例もありますが、それをひな形にして、今国会に法案をお出しになれば、民主党としては基本的にはそれに賛成することになると思いますので、是非この国会にお出しいただきたい。そうすれば、直ちに審議を始めればタイムリーに結論を出すことができると。

これから、1年近く間が空いてしまえば、恐らく何もできないことになるだろうと。そして、国費不投入の話ですら、来年度の予算では3000億円は入れないかもしれませんが、その次はまた入るかもしれませんし、結局なし崩しになる。

あるいは、いろんな路線に対する税金の投入を、恐らく虫食い的に行えば、結局止められなくなりますから、この1年間でそういうことがどんどん進んでいくんじゃないかと。むしろ有望なところを後回しにして、採算性の悪いところ、地方の路線—-自民党議員のいるところと言ってもいいかもしれません—-を虫食い的に現行の公団方式で造るということで、結局後戻りできなくするということが急速に進むということも考えられますので、そういうことをさせないためにも、第三者機関の設置についての法案を、法律が必要であるならば—-政令で設置できるんであればいいんですが—-この国会に出すべきだと。そのことで私は小泉総理が本気かどうかが量られると思っております。

国債発行30兆円と隠れ借金

【政調会長】あと、国債発行額30兆円枠の話も、予想していたとはいえ、大変がっかりいたしました。もう少し工夫があるのかなと思っていたら、30兆円の枠を飛び越す、国債を新規に発行するのと全く変わらないもので、「隠れ借金」そのものであります。これでは、30兆円枠を守ったといっても何の意味もない。

それからもう一つは、この前の予算委員会でも申し上げましたが、結局それは来年度予算における30兆円の枠を楽にすることにもつながるわけで、そういう意味で30兆円の話というのは今年度も来年度もこれで完全に形骸化したと言わざるを得ないと思います。

そういう意味では、この30兆円があり、特殊法人がありということで、かなり重大な局面で小泉総理は後退を続けていると言わざるを得ない。もう少し頑張っていただきたいと申し上げておきたいと思います。

隠れ借金の話は、5月の予算委員会で私が小泉総理に訊いたんですが、モゴモゴとした答えしか返ってこなかったんで、あのとき言質を取っておけば良かったのかなというふうに若干反省をしているところであります。

住金公庫・都市公団・石油公団の廃止

【記者】特殊法人改革では、道路関係の他に住宅金融公庫とか都市基盤整備公団、石油公団がありますが、小泉総理はそれぞれ廃止の方向とおっしゃってるんですが、それについてはどのようにお考えですか。

【政調会長】まだ議論中ですが、今日、関係する野田NC行革担当大臣、北橋NC経済産業大臣、樽床NC国土交通大臣と少し協議をいたしました。それで来週、各部門会議で議論して、木曜日ぐらいには報告してくださいというふうにしてあります。

方向性は大体議論いたしましたが、政府のほうも廃止とは言ってるんですが、実は廃止じゃないんですよね。形式的にはなくなるけれど、機能は残るという部分がありますので、そういう意味では、かなり不十分なものだと思っています。

我が党の考え方は、今私が言うとちょっと言い過ぎになりますが、住宅金融公庫は小泉総理は「税制でやればいい」とおっしゃいましたが、問題は税制でできない部分なんですね。つまり、所得税を払っていない所得者層の方に対してどうするのかという問題は残ります。

それについては考え方が二つあって、昔は住宅を持つことが資産形成の一方法だったけれども、そういう時代は終わったので、所得の低い方に国が後押しをしてかえって重荷を負わせることにつながりかねないようなことはやらないほうがいいんじゃないか—-。こういう意見が一つあります。

しかし、そうはいっても最終的にはこれは個人の選択の問題ですから、そこの部分について住宅金融公庫が今果たしている役割をグッと縮小して、恐らく融資規模でいうと10分の1ぐらいにして残したらどうかと。ただ、そこまで縮小したときには住宅金融公庫というような形よりは、他の特殊法人なり政府系金融機関なりがそういう役割を担う—-。こういう二つの考え方があります。

そこはよく、これから詰めて議論していきたいと思っていますが、小泉さんはそこまでまだ議論が行ってなくて、それより少し上の所得者層について「減税でできる」とおっしゃったんだと思いますが、一番の本質は今申し上げた、税金を払っていないような低所得者層についてどうするかということであります。

それから、都市基盤整備公団については、これも今日議論しましたが、特に住宅の部分については、これ以上は造らないということは当然として、今持ってる部分をどうするかという話については、私などはそれを一つの特殊会社にして、将来的には民営化していくということを考えますが、そういう方向がいいのか、別のやり方があるのか。例えば、都道府県や市町村に譲り渡していくという考え方もあります。その辺はもう少し議論を詰めましょうと。こういうことであります。

あと、石油公団ですが、これは根っこの部分として、国が関与して石油開発をしていくということを必要だと認めるのか認めないのかということを、きちんと議論しましょうと。

政府のほうは、自民党の堀内総務会長も含めて、それは機能としては必要で、石油公団は廃止するんで、あとは別の特殊法人にやらせようという方向のようですが、やっぱりそこは本当にいるのかどうか、つまり、自主開発油田を持つということが税金を投入してやるべき話なのか、それだけの意味はないのかということをきちんと議論しましょうと。こういう整理にいたしております。

もし必要でないということであれば完全になくなるわけですよね。そして、必要だということであれば、我々は石油公団は廃止の方向を確認しておりますから、別の特殊法人なりにそういう機能も担わせるということになると思います。

第三者機関設置法と償還期間50年

【記者】道路公団改革に関して、先ほど「今国会で出せば賛成する」というお話でしたが—-

【政調会長】まあ、中身次第ですけどね。あんまり変なものを出してきても困りますけど。

【記者】それは償還期間50年というのであっても……その辺は?

【政調会長】いや、道路公団ではなくて、第三者機関設置の法案をこの国会に提出すれば賛成するということです。で、50年償還かどうかということも含めて、その第三者機関で検討されることだと思いますね。あるいは最初から法律に、例えば「税金は絶対投入しない」というふうに書くということも考えられるかもしれませんが、基本的には第三者機関で公団の分割民営化のあり方、それからもう一つは、整備計画の中でやるべきものとやめるべきもの、あるいは別の形でやるものという仕分けを第三者機関に我々は期待してるわけで、それは早く設置しないと意味はないと。間が空いてしまうと、そのうち小泉内閣も終わってしまうかもしれない—-。こういうことです。

自衛隊派遣承認のポイント

【記者】自衛隊派遣についてですが、月曜日の委員会審議を見て最終的に判断するということですが、ポイントとしてはどういった……

【政調会長】今出ている、基本計画および実施要項の概要について、具体的にここが問題であるというふうには思っておりません。ですから、審議の中で何か問題が出てくればということであります。

ただ、今日のNCでのご指摘の中で一つあったのは、活動している米軍の目的が変わった場合にどうするのかという問題ですね。例えば、アフガニスタンが内戦状態になって、目的がタリバンを排除するということから変わってきて、それでもなお米軍が関与し続けているという場合に、それに対して日本は後方支援をするのかと。こういう議論は出ました。

そこのところは、「平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」ということで法律上書いてありますから、活動の目的が違ってしまえば、それに対する支援は法律上できないわけですが、その辺のことについて、もう少し国会の質疑の中で確認しておく必要があるということは一つ出ました。あとは、イージス艦の話なんかも出るかもしれませんね。

小泉改革に対する民主党のスタンス

【記者】昨日の党首討論で、鳩山代表は「改革するなら小泉総理を応援する」とおっしゃったんですが、今日、政調会長は「先送りではないか」と。そうすると、民主党のスタントというのは……

【政調会長】ですから、私が申し上げたのは伝聞情報ですから、まだ。政府として、今私が申し上げたようなことを正式に認めてるわけではありません。ただ、そういう話が大分聞こえてまいりますので、もし政府がさっき言ったようなことで決めれば、それは「小泉改革は変質した」と言わざるを得ないわけですね。

そういう、今伝えられていることが事実だとすれば、ということで私は申し上げました。鳩山代表が言ったのは、小泉さんの言われたこと、あるいは言ってこられたことを前提にして議論してますから。

【記者】もし、これが事実であった場合には、政策的にサポートしていくという民主党の立場も変わらざるを得ないということでしょうか。

【政調会長】まあ、中身が出たうえで考えたいと思いますが、「これが事実」という「これ」がはっきりしないしないんだけどね。もし、税金不投入以外は全部、道路族の言うとおりということだと、これは論外だということになってきますよね。それは国民に対する責任を果たしていないと。小泉さんは、「民営化・国費不投入・整備計画見直し」の三つをちゃんと言ったわけですから。

NC会議と党議決定過程

【記者】今日、NC会議と党議決定過程についての話は出たんですか。

【政調会長】ええ。1月の党大会で菅幹事長が報告された文書を配布いたしまして、我々はこういう考え方であるということを申し上げておきました。それには、最終的に決めるのはNCであるということが書いてあるんですが、恐らくどこかで全議員総会か懇談会が開かれるようなおりに、そのことについて改めて配布して確認しておく必要があるのかなと思っています。

自衛隊派遣の反対意見

【記者】自衛隊派遣についてですが、「賛成の方向」ということですが、これは採決はしたんでしょうか。

【政調会長】採決はしてません。

【記者】それじゃあ、誰かが「賛成の方向で議論しましょう」というような……

【政調会長】私が集約しました。最終的には代表に一任すると。代表には委員会の審議を見て、最終的に決定していただくと。月曜日にですね。しかし、現時点ではNCの議論を見る限り、賛成の方向であるということは確認いたしました。 【記者】反対意見の理由というのは?

【政調会長】理由はいろいろですが、例えば「米兵を運ぶのはおかしい」とか「航空機の燃料を運ぶのはいかがなものか」とか、あとは「地域がちょっと広すぎるんじゃないか」とか、そういう意見は出ましたね。

【記者】今日、「賛成」と決めてしまわないで、「賛成の方向」としたのは?

【政調会長】まだ1回も審議してませんから。慎重に、民主的にやってますので。

国会改革

【記者】綿貫衆議院議長がやってる国会改革の答申が出ましたが、その中に「勤続25年表彰の廃止」というのがありますが、それについてはどのように思われますか。

【政調会長】これは議運(議院運営委員会)の話ですが、我々にもプロジェクトチームがありますから、そこで少し議論をしてみたいと思っています。私自身は 25年表彰は廃止すべきだという意見ですから、それは非常に結構なことだし、あと「文書交通費の領収書を取れ」というのもありましたが、非常にいいんじゃないかと思いますね。当然のことです。

国会承認とシビリアン・コントロール

【記者】自衛隊派遣の反対意見の中に、シビリアン・コントロールの観点から撤退条件といったことに疑問を呈するようなものはありましたか。

【政調会長】ええ、ありました。撤退の話は先ほど申し上げた、活動の目的が変わったときの話ですよね。

あと、シビリアン・コントロールというのは、意見は出たんですが、ですから、この法律に基づいて議論することがシビリアン・コントロールなんだと。「これじゃ漠然とし過ぎてる」という意見もあったんですが、法律上は基本計画や実施要項そのものを承認するわけじゃありませんから。自衛隊を派遣することについて良いか悪いかということですから、そこは最後は総合判断になります。

11月15日

○株主代表訴訟、エネルギー基本法案等について経団連と意見交換

○テロ法で示された法制局見解の解釈変更の有無がPKO法改正のポイント

○前回改定時の政治加算を差し引いたうえで診療報酬を引き下げるべき

経団連との朝食会

今日、経団連と朝食会をやりまして、久し振りの意見交換会だったんですが、経団連からは株主代表訴訟の問題、COP7と京都議定書の問題、医療制度の改革、税制といったテーマについて説明があり、我々の考え方も示して、いろいろ意見交換をしました。そのことをNCにも報告しておきました。

その中で特に意見が出たのは、株主代表訴訟とコーポレートガバナンスの問題でありまして、これが「吊し」になってなかなか審議されないじゃないかと。「自民党に聞くと、『民主党が吊してる』ということなんですが、どうなってるんですか」というお話がありました。

我々は、「それは確かに吊しになってるかもしれないけれど、与党に熱意があればそんなのは降ろすことができるんで、与党のほうも民主党のせいにしてるけども、本当は他の案件もいろいろあるんでそちらを優先してるんじゃないんですか。法務委員会は今国会もいろいろ課題が山積していて忙しいですよ」と説明しておきました。

ただ、党内的にも意見を取りまとめなければいけない時期に来ていることも事実で、江田NC法務大臣にも経団連との会合には出席していただきましたので、少し党内の意見集約をしていただきたいとお願いしておきました。

我が党の中でも、株主代表訴訟は今のままでいいじゃないかという法曹出身の議員と、もう少し制限することに合理的な理由があるんじゃないかという議員とで、まだ意見がこなせておりませんので、その辺を早急に詰めたうえで、党としての考え方をまとめたいと思っております。この国会で審議に入る可能性もありますので、少し急ぐようにお願いをしておきました。

また、与党が検討中のエネルギー基本法案について、たまたまご出席者の中に東京電力の副社長がおられましたので、「これは自民党の加納参院議員が中心になってお作りになってる法案だと聞いてるけれども、その中で『エネルギーの安定供給』ということを非常に重視しているが、それは確かに重要だけれども、その中でやはりコストを下げるために競争原理をより強く導入するというのがエネルギー政策の大きな方向性なので、それに水を差すことになるのではないですか」と。

そして、「経団連にもいろんな産業・企業があって空洞化も進むなかで、なるべくコスト削減、特にエネルギーコスト削減ということは重要な課題のはずなので、本当にこの法案でいいんですか」ということを敢えて申し上げておきました。いずれにしても、党の中でこれからしっかり議論していきたいと思っております。

武器使用基準ついての法制局見解

【政調会長】それから、PKOについて時々皆さんに聞かれますが、この間の記者ブリーフィングで私の考え方は申し上げました。

あれ以上話すと、「政調会長が部門会議での議論を待たずに意見を述べるのはあまり良くない」というお叱りも某筋からいただいておりますので(笑)、これ以上は言うのは控えたいと思いますが、結局ポイントは、この国会で示された、武器使用基準についての新たな内閣法制局の解釈を変えるのか変えないのかということだと思います。

先ほど、公明党の北側政調会長とエレベーターで会いましたので、その点について聞いたら、「それは変えない」とおっしゃってました。変えないということであれば、何の問題もないわけですが、本当にそうなのかどうかというところが、大きな論点なんだろうというふうに思っております。

住宅金融公庫廃止と診療報酬引き下げ

【記者】昨日の予算委員会で総理が住宅金融公庫の廃止と診療報酬の引き下げを明言したんですが、この点について民主党の考え方はどうなんでしょうか。

【政調会長】あんまり自分の意見を言うといけないのかもしれませんが(笑)、診療報酬のほうは我々も下げるべきだということは、すでに部門会議でも決めて、NCにも報告されております。ただ、どれくらい下げるべきかというところまでは議論は煮詰まっておりません。

私も予算委員会で、テレビ放映が終わったあとだったんですが、この問題について質問いたしました。そのときはやや煮え切らなかったんですが、もう少しはっきり総理が言われたということは、結構なことだと思います。

ただ、そのときも私が申し上げたように、結局、前回の診療報酬改定のときの政治加算—-これは明らかに自民党と日本医師会との間でなされたわけですが —-大体、従来の考え方は人勧(人事院勧告)のアップ率ですね、ボーナス込みの。それから、消費者物価指数(CPI)。それを一定の基準にして報酬額を決めてるわけですが、しかし前回の改定時の人勧のアップ率はボーナス込みだとマイナス、CPIもマイナスというなかで、2.0%だったと思いますが、なぜか上がったわけですね、医師のほうは。

だから、そこの政治加算をどう考えるのかと。人勧とCPIは今回さらにマイナスですから、やはり前回の政治加算はベースから差し引いたうえでマイナスにすべきだと。こういうふうに思っております。

それを、前回の分はそのままにして今回こうだ、名目的にわずかにマイナスにするというのでは、これは全く十分じゃないということで、予算委員会でも申し上げましたが、「三方一両損」と総理は言われるけれど、今までは「二方一両損」で「一方二両得」だったわけですから、やはりその分を公平にベースを揃えるべきだと。こういうことであります。

あと、予算委員会で総理がいろいろおっしゃったんだけれど、「医師会のご理解も得て」ということを総理はいつも言われるんですが、「国民の理解を得て」ということは全然言われてないんで、そういう意味では発想の原点がやっぱり医師会に対する配慮なのかなと。

ここは是非、筋の通った削減幅にしていただきたいと思っています。 それから、住宅金融公庫はこの前の会見でもお話ししたと思いますが、中間報告をもらいました。

そこで議論になったのは、1つは税制で代替できるんじゃないかという話ですね。それからもう1つは、民間の融資でも同じような効果が期待できるんじゃないかと。こういうような話が出ております。

ただ、税制でやるといった場合に、所得税を払っていない低所得の人は減税の恩典を受けられませんので、そこの部分についてやはり税制以外に何らかの政策的な配慮が必要なんじゃないかという意見も出ております。その辺はもう少し精査してみたいと思っています。

そして、その辺を配慮した結果、例えば今の住宅金融公庫の規模が半分になるのか、あるいは10分の1になるのか。それによっても全然違ってくるんですね。

私は、半分ぐらいならほとんど意味がないと思っておりますが、10分の1ぐらいに圧縮されるんなら、それなりに意味があると思います。しかし、そのときにはもはや住宅金融公庫を維持する必要はなくて、他の政府系金融機関に持っていってもいいわけですね。国民生活金融公庫とかそういうところにくっつけてもいいわけなんで、その辺りの議論をもう少し野田NC行革担当大臣のところで詰めてもらうということであります。

総理がおっしゃってる「廃止」というのは、また例によって歯切れはいいんですが、具体的にじゃあどうするんだというのがですね、必ずしも見えてないところがありますので、もう少し総理の考えを詰めてみないと分からないというふうに思います。

自衛隊の活動に関する基本計画

【記者】テロ対策特措法に基づく自衛隊の活動の基本計画が明日まとまりますが、現時点で報道されてるような内容について、どういった評価をされてますか。

【政調会長】ちょっとこれ、現物を見てみないとね。しかも、部門会議でも議論が必要ですので、私が今申し上げることは避けたいと思います。現に報道以外は分からないわけですから。

ただ、一般論として言えば、大きな問題がない限りは、きちんと議論したうえで承認したいという気持ちはあります。法案も、本来は賛成ということだったわけですから。

事後承認になったからこれも反対すべきだという議論はあまり成り立たないんじゃないかと。承認が事後になったのは残念ですが、そのことと中身の問題は別ですから、それは大人の対応をすればいいと思います。

まあ、そういうふうに言ってしまうと、変なものが出てきたときに対応できなくなりますが、あとはスピードですね。予算委員会でも「この国会できちんと承認できるタイミングで出してくださいよ」ということは申し上げておきました。

法律上は、この国会で事後承認をしないということになりますと次の国会ですから、もう自衛隊の活動が始まってますので、やはり自衛隊の皆さんの立場から見ても、それからこれだけ大きな話だということを考えてみても、しっかりこの国会で議論し、そしてできるなら承認をして、送り出すのはもう先に出ていってますが、実際の活動は承認の下で始まるということが望ましいと思っています。

【記者】関連して、イージス艦の派遣について政調会長のご意見を……

【政調会長】それはまだ分からないですから。仮定の質問はあまりしていただいても、困るんですが。

【記者】政調会長、「大きな問題がない限り」と先ほどおっしゃいましたが、「大きな問題」っていうのは……

【政調会長】それは「計画の中身を見てみないと分からない」というぐらいの意味ですから。まだ二転三転する可能性もありますからね、PKOみたいに。

他国のPKO要員の防護

【記者】PKOに関して、法制局の見解を変えるか変えないかという話ですが、法制局の見解を変えないままで、他国のPKO要員を「自己の管理下に入った者」として防護することは可能だと思われますか。

【政調会長】まあ、怪我をした人なんかが部隊の中に入っているということはあるわけでしょ。

【記者】怪我をしてない、武装した要員なら?

【政調会長】そこはいろいろ議論があるでしょうね。まあ、一度政府の説明を聞いてみないといけないだろうと思っています。

ただ、テロ対策特措法のときに示された解釈を変えるということになると、それはやはり問題がありますよね……と思ってますが、それ以上言うと……これからの議論ですから。今日はちょっと慎重に(笑)。

PKOについての意見集約の時期

【記者】外交・安保部門会議には、PKOの議論について大体いつ頃までにまとめてくださいというようなことは?

【政調会長】今日、最初の議論をやりますが、そこでの議論次第でもありますよね。閣議決定されたあとということでしょうね、NCに上がってくるのは。

11月8日

○補正予算—-国債30兆円枠を守ったことは評価するが、2次補正があれば無意味

○道路公団改革—-本四公団の扱いは要検討だが、「一時凍結」の文言は重要

○自民党のタリバン化現象—-政府・与党は完全にバラバラ

○アメリカが核廃絶決議に反対したことは大いに憂慮すべきこと

○石油公団は廃止、住宅公庫は低所得者向けに特化する方向で検討

○自衛隊派遣の基本計画は是非、今国会中に提出してもらいたい

NC報告

【政調会長】本日のNC(ネクストキャビネット)のご報告から始めたいと思います。

まず、「補正予算及び関連法案」ということで、大まかな方向性について議論いたしました。NCの前に関係部門で会議を開きましたので、それ を踏まえてのものであります。

補正予算について、国債発行額30兆円の枠を守りながら、そして内容的に必要最小限の公共事業にとどめて、雇用対策と構造改革に資する予 算措置の必要なものにかなり絞り込んで出してきてるということは、一 定の評価ができると思っております。

ただ、問題がいくつかあって、一つは、もうすでに2次補正の話が公 然と唱えられているということであります。平沼経済産業大臣や、政府 の一部といっていいと思いますが、経済財政諮問会議の民間委員の学者 等には、そういったことを声高に唱える方々もいらっしゃるわけで、もし2次補正があるということになりますと、30兆円の枠にとどめたとい うことも全く無意味になるわけでありまして、そういう意味では、「2次補正がない」ということが前提であれば、先ほど申し上げたような評 価ができるということであります。

逆に言いますと、2次補正について完全に否定されない—-聞けば、 「考えていません」とか「今のところありません」とかいうような答え が返ってくるでしょうが—-2次補正の余地が残っているということであると、今言ったような評価も全く意味のないことになってしまうということであります。

それから、雇用対策の中身については質・量ともに不十分なものであ りますし、構造改革を進めるための対策も、必ずしも十分とは言えない と考えております。

そういう意味で、我々の考え方は、まだ賛否は決めておりませんが、 30兆円に収めながら、そういった対策をより充実させていくという観点 から、予算の本格的な組み替え、2兆円ぐらい公共事業は残っていると いうことでありますから、そういったものを財源にして、30兆円の枠を 守りながら、充実した内容にすると。これが、私どもが今考えていると ころであります。

しかし、もう少し予算委員会での議論も踏まえたうえで、賛否につい ては考えていこうということで、今日、役員会に一任をいただくという ことにしました。

次に、「道路4公団の改革」についてですが、樽床NC国土交通大臣か らご説明がありました。樽床さんもご苦労されてるということはよく分 かるんですが、そのうえで大きな論点として今日上がったのは、本州四国連絡橋公団(本四公団)の扱いで、菅幹事長から「やはり既存の分割 ・民営化した道路公団と一緒にすべきじゃないか」というようなお話が ありました。

こういうご提案もありまして、今日は結論を出しませんでした。本四 公団はそのままにして、問題があるということが分かるほうがむしろい いんじゃないか。他とくっつけてしまうことで、問題が分かりにくくなるんじゃないか—-。こういう指摘も他方でありましたので、今日のところは結論を出しておりません。

それから、一部のマスコミの皆さんにお書きいただいたわけですが、 高速道路建設の「一時凍結」ということについて、「一時凍結」という 表現はすでにNCでも何回か申し上げたことなので、もっと分かりやすい 表現がいいとか、いろんなことがあるんでしょうが、やはりメッセージ 性という意味で「一時凍結」という言葉は大切にしていただきたいとい うことは私から重ねて申し上げておきました。

明日(9日)部門会議があるということですので、そのうえでもう1回NCに上がってくることになります。 それから、「都市基盤整備公団・住宅金融公庫・石油公団改革」につ いて、これも11月中に結論を出す方針でありますので、今日大きな方向性についての説明を、野田NC行革・規制改革担当大臣からいただいて、 少し議論したうえで大体その方向性でいいだろうということにいたしま した。

あと法案審査では、「ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案」(与野党共同提案)について今、自民党といろいろ詰めてるところですが、あまり我々の案が変わってしまうのは問題があるということで、私と枝野政調会長代理に一任されましたので、これから与野党協議 を見守っていくと。

某紙に大変大きく取り上げていただきましたので、与党のなかで「そんな話は聞いていない」ということでかなりモメたという話も聞いてい ますが、なかなか三角関係というか、与党のなかも大変だなというふう に感じております。

補正予算と景気対策

【政調会長】補正予算については先ほど申し上げたとおりですが、他に 私から申し上げておきたいことは、我々も景気の現状が放置しておいて いいとは思いませんので、景気対策・経済対策が重要であると認識していますが、それは従来型の公共事業を増やすことではないと。

構造改革に資するような歳出を充実させていくということが重要だと 思っておりますので、先ほど申し上げたように、政府の構造改革に資す る歳出では不十分だと。これをもう少し大きくして、景気対策にも資す るようにする。さらに、雇用対策についても充実させると。そして、そ の財源は従来の公共事業その他を組み替えて準備するというのが基本的 な考え方であります。

補正予算の議論を聞いていて思うのは、とにかく内閣のなかがまと まってない、あるいは政府と与党がバラバラだということを非常に感じ るわけで—-特殊法人の問題も一緒でありますけれど、これが「小泉流」ということかもしれませんが—-とても一つの政府とは思えない状 況になってると。

まあ、よく私は「自民党のタリバン化現象」という表現を最近使うん ですが、ますますそういう状況になりつつあるんじゃないかと。総理は 非常に孤立してるんじゃないかというふうに思っております。

あるいは総理自身もそれに乗っかってるのかもしれませんが、いずれにしても構造改革ということがどんどん遠のいていくという印象を持っ ております。

核廃絶決議

【政調会長】それから、少し話は変わりまして外交関係になりますが、 日本政府が国連に提案した、核廃絶に向けての決議が、決議そのものは 通ったわけですけれど、アメリカがそれに反対したと。

これをどう見るかということですが、アメリカが反対するなかで腰砕けにならずにやったということは、それはそれで私は評価しておりますが、しかし問題はより深刻で、アメリカはどうなるのかということであります。

8月にアメリカ政府の国務次官補とCTBT(包括的核実験禁止条約)に ついて話をしたときにも、本当にアメリカはモラトリアム(暫定的な核 実験の停止)を続ける気があるのだろうかという不安をちょっと感じた わけであります。

最近の動きを見ていると、まさしく危機的状況ではないかと。アメリカが核実験を再開する可能性があるんじゃないかということを大変心配 しております。

もし、アメリカが核実験を再開するということになりますと、中国とかインドあるいはパキスタンですとか、その他の核保有国も、それに追 随することが当然予想されるわけで、そういう意味では、核実験停止と いう流れが大きく変わるということになります。それには、大変な危機 感を持っております。

あるいは、そういうふうになってしまいますと、今度はCTBTがそうい うことならNPT(核不拡散条約)も、つまり「核保有国が勝手なことを やってるのに、何で我慢しなけりゃいけないんだ」ということで、核の分散にも繋がりかねない話、いわばパンドラの箱を開けるような話にな るわけで、ここはやはり、よほど深刻に見ておかなければいけないと 思っています。

総理もこれについては関心を持って、アメリカのブッシュ大統領に対 して、より慎重な対応をするように働きかけをすべきじゃないかと私は 思っています。

高速道路建設の「一時凍結」

【記者】道路公団改革についてですが、国土交通部門から上がってくる 文書に「一時凍結」という文言を入れるという了解が取れたと考えてい いんでしょうか。

【政調会長】樽床さんの話では、今9合目まで来てるんで、ここで迂闊 なことを言うと、いろんな合意が崩れてしまうので、ご主旨はよく分か りましたと。しかし、絶対に「一時凍結」という言葉を入れるというこ とは、今の段階ではちょっと堪忍してくださいと。こういうことです。

ただ、かなりその問題で話をしましたので、NCの雰囲気は十分感じ 取っていただいていると思っています。まあ、部門会議で議論したとしても、またNCに戻ってくるわけですが。

【記者】NCとしては、「そこは譲らない」という構えなんでしょうか。

【政調会長】ただ、あまり刺激すると、また明日の部門会議がモメますから、そこは慎重にと思いますが、事実問題としては、部門から上がってきた文書そのものに「凍結」という文言が入っていたということですね。

都市公団・住宅公庫・石油公団の改革

【記者】野田さんから説明のあった「都市基盤整備公団・住宅金融公庫 ・石油公団改革」の中身は?

【政調会長】まず石油公団ですが、これは廃止するという前提で、石油 開発に関するリスク・マネーは政府系金融機関が融資をするということ にしてはどうかと。

あるいは開発企業に対して税制上の特典を与えるというような形で支 えたらいいわけで、現在、石油公団がやってるようなことは必要ない と。開発技術を維持しなければいけないというような話もありますが、 それは別に国がそういうことをする必要はないんじゃないかと。

備蓄については、現在、今はそれぞれの基地ごとに備蓄会社がありま して、民間資金も入ってますけれど、それを集約するような形で、国が 直接見るという形でいいんじゃないかと。そういう意味で、石油公団は 必要ないというのが方向性であります。

それから、住宅金融公庫ですが、これは予算委員会の2日目に野田さんが随分やられるとは思うんですが、住金は低所得者向けに一定の範囲 で残す必要があるんじゃないかという声が強いという説明でした。

ただ、低所得者向けに残すということになると、それ以外は税制でやるということですね。ローンじゃなくて、税金を負ける形で住宅金融政 策をやるというのが基本的考え方であります。

そこで問題になるのが、所得税を払ってない人ですね。そういう人た ちには税制の恩恵がありませんから、それをどうするのかということ で、そこだけはローンの形で手当てするということを残さなければいけ ないんじゃないかと。こういう議論であります。

所得税を払ってない人に本当に家を建てるような人がいるのかとか、 いろいろありますが、現実はそういう方がかなりいらっしゃるというこ とでありますので、じゃあ、どのぐらいのボリュームでそういうものを 残すのかと。例えば、融資規模を今の半分にするのか10分の1にするの か—-。その辺はもう少し詰める必要があるということになりました。

もう一つの都市公団は、これは幹事長が大変ご関心のある、非常に専 門的な知識を持った分野なんですが、基本的にかなり民間がやってるこ とをやってるわけですが、問題は賃貸住宅の部分をどうするのかという ところについて議論が残るということで、ここはあまり結論的なものは 出ておりません。

これを民営化するというときに、中に入ってる人の権利が侵害される んじゃないかという意見も一方であり、あるいは民営化するときに、か なり税金を注ぎ込まないと、とても借入金に見合っただけの資産になっ てないんじゃないか—-バブルの頃は良かったんですが—-というよう な意見もありました。

あるいは一旦そういう、70万戸ぐらいあるんですか、一つの法人にま とめて、そしてそれを次第に民営化していったらどうかというような意 見もありました。

その辺については具体的なことはまだ決まってませんが、基本的に公 団そのものは賃貸住宅以外のところは必要ないんじゃないかと。賃貸住 宅といってもいろんなアイデアがあるけれども、基本的には国が持ち続 けるというようなことではないというような方向で、今日のところは議 論されたと。

いずれにしても、11月一杯には政府も方針を決めるということであり ますので、さらに検討を急いでいただくということにいたしました。

【記者】すると石油公団は「廃止」、住宅金融公庫は……

【政調会長】ですから、所得税を払ってない人の部分がどのぐらいのボ リュームになるのかと。それが非常に小さなボリュームであれば、例え ば国民金融公庫のなかで、一般の中小企業に融資するのと同じように住 宅ローンで融資するということも可能かもしれないし、半分ぐらいの規 模にしか縮小できないとすれば、それはそれでどこかにくっつけるとし ても数合わせに終わって、事業としてはかなり残ると。

ですから、そういう所得の低い方に対してどうするのかというところ の検討が先ですねということになりました。

【記者】今日は結論は出てないということですね。

【政調会長】はい、はい。

【記者】都市公団は大きくは民営化の方向ということで……。

【政調会長】ディベロッパー部門は、基本的に国がやる必要はないということですね。賃貸住宅の部分について、どういう形で入ってる人も保 護しながら国の関与を少なくしていけるかということについて、さらに具体論を詰めてくださいということです。

ホームレス自立支援法

【記者】ホームレス支援の法案なんですが、先ほど与党3党の政策責任 者会談がありまして、3党で法案を出すという話なんですが……

【政調会長】あ、そう?その話が事実だとすれば、それはちょっと 「過剰反応」だね。どっかの新聞社が「自民・民主」って並べて書いた から、過剰反応して白紙にしちゃったということじゃないの。自民と民 主が一緒にやるのが嫌な人たちがいるんじゃない?テロ対策特措法と よく似た構図かもしれないですね。

予算委員会での道路公団改革に対するスタンス

【記者】道路公団について何ですが、見解をある程度まとめて、来週月 曜日からの予算委員会に間に合わせるという意図が多分あったと思うん ですが、これで文書が出てくるのは次の火曜日のNCということになっ て、対応が遅れるわけですが……

【政調会長】まあ、方針は決まってますから。明日の国土交通部門会議 の結果を聞いて、予算委員会ではそれをある程度踏まえながら、ある程度勝手にやるということになると思います。

NCとしては、大枠は固まっていると考えております。もし、全然違う ようなとりまとめになれば、関係大臣と協議しなければいけないとは思 いますが。

【記者】今固まってるのは、どこら辺まで……

【政調会長】それをあまり声高に言うと、また部門が刺激を受けるか ら。一応、今までの記者会見で2度ほど報告してるわけですから、NCと してはそういう方向で集約してるわけです。

【記者】本四公団の扱いについてはどういうふうに……

【政調会長】ですから、先ほど申し上げたように、幹事長からもご意見 が出て、両論あったということですね。

パキスタンへの医務官派遣

【記者】今日、アフガニスタンの関係で、パキスタンに医務官を派遣す るという話なんですが、それについてはどのようにお考えですか。

【政調会長】医務官を基本計画に基づいて出すわけ?

【記者】難民支援の一環で、医務官を派遣すると。

【政調会長】まあ、基本計画が出てから判断しますけど、どの程度の規 模で、そしてパキスタンがどういうふうに考えてるかということも重要 だと思いますので、ちょっと今すぐお答えすることは避けたほうがいい と思いますが。

ただ、この基本計画の問題は、とにかく国会が閉会すると、法律上、 次の国会で審議するということになりますので閉会中審査ではありませんから、そうするとやっぱり気の抜けたビールみたいになってしまうわ けですよね、1月になると。

そういう意味では、是非この国会で承認手続きを取ってもらいたいと 思います。この国会で慎重に手続きがとられて—-我が党が賛成するか 反対するかは、計画を見てみないと分かりませんが—-手続きがちゃん と取られたうえで活動するほうが、派遣される自衛隊の皆さんにとっても、いいことには間違いないわけですよね。どのくらいの数になるのか 分かりませんが、国民の代表である国会で承認があって活動するのと、 それがない状態で活動するのとでは、だいぶ違いますから。

そうやって見ますと、多分1月の通常国会の冒頭までは、承認手続き は取られないわけなんで、そこは是非、政府に考えていただきたいと思います。

PKO法改正

【記者】与党3党がPKO(国連平和維持活動)協力法の改正について、 PKO5原則の武器使用基準に関して、公明党が急に、今国会でやっていい というふうに変わったんですが、これへの対応はどのように……

【政調会長】何かいろいろ言うと、それと違う方向に進んでいくような 感じがあるんで、あまり言わないほうがいいのかもしれないけど、まだ 議論中です。

ただ、私の感じから言わせていただければ、テロ特措法の範囲ではい いと思います。法制局の説明もあるわけですから。それを超えるという ことになると、さらなる議論が必要だと思いますね。

PKF(国連平和維持軍)の凍結解除については、我々はすでに解除の方 針を打ち出してますから、それは結構だと思いますね。

11月1日

○郵政改革—-信書送達への全面的民間参入や郵貯限度額の引き下げ 等の方向で了承

○悪質交通事故の厳罰化等、民主党の議員立法が形を変えて実を結び つつある

○選挙区確定審議会の勧告凍結に総理が合意していることは理解しが たい

○失業率悪化—-雇用保険の拡充等、実のある雇用対策が急務

○靖国訴訟—-「おかしな人たちがいる」という発言は総理として軽 率

NC報告

【政調会長】始めに、今日のネクスト・キャビネットのご報告から始め たいと思います。

まず、郵政3事業改革についてですが、今年の6月、参議院選挙の前 に総務部門の荒井聡議員が作ったメモがありまして、それを基に部門会 議でも2回ほど議論をしているということを踏まえて、今日、報告があ りました。

メモの内容は、基本的にはどういう形で公社化するかというもので、 全国2万4700のネットワーク体制は原則維持するという前提ではありま すが、例えば、信書送達については全面的な民間参入を認める。ただ し、その場合にはユニバーサル・サービスを義務付けるということ。

あるいは郵貯の限度額について、現行の1000万円を引き下げる。課税 については、旧3公社(国鉄・電電公社・専売公社)に対する課税を念 頭に、一定の課税を行う。また、預金保険料相当額を国庫に納付する と。

それから、職員の身分は国家公務員とする。企業統治の関係では、経 営責任者は総裁として、内閣が国会承認に基づいて指名する。そして、 総裁は総務大臣の指揮監督を受けるが、郵貯・簡保に関しては、金融担当大臣と協議をする。それから、経営監査委員会を設ける。あと、ディ スクロージャー、企業会計原則などは民間企業並みにすると。

特定郵便局については見直しをして、公平性・公正性の観点から世襲 をなくして一般公募あるいは部内昇進にすると。「かんぽの宿」等の施 設の運営は原則中止する。

というような中身で、2回ほど議論したという報告がありまして、こ の中でも、限度額1000万円の引き下げの問題でありますとか、特定局の 世襲公務員の身分の扱いでありますとか、あるいは民間参入を全面的に 開放するといったところについては、まだ意見が分かれているという説 明がありました。

それでNCでもいろいろ議論をいたしまして、例えば郵貯・簡保につい て、我が国の金融全体を歪めているというような、もっとマクロな面からのアプローチも必要ではないかというような指摘もありましたが、現 時点で判断を求められれば、基本的に荒井メモの方向性でいいんじゃな いかということを、NCとして確認いたしました。 ただ今後、党内の部門会議でさらに議論をしていただくという前提付 きではありますが、今の時点で問われれば、この方向性でいいんじゃな いかということであります。

次に法案審査ですが、まず「テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約」および「同国際条約締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」が今、テロ対策特別委員会(テロ特)において審議中でありますが、私も昔のことのように先ほど懐かしくテレビを見ておりました。今日、テロ特をやってるということすら忘れていたんですが(笑)、基本 的には賛成ということです。

それから、「租税特別措置法等の一部を改正する法律案」および「地 方税法の一部を改正する法律案」、いわゆる証券税制改正ですが、緊急 投資優遇措置(改正規定の施行日以後、平成14年末までの間に購入した 上場株式等のうち、購入額が1000万円に達するまでのものを平成17〜19 年の間に譲渡した場合における譲渡所得等について、一定の要件の下で 非課税とする措置)は短期的な売買を念頭に置いたもので構造的な改革 になっていないということで、我々は修正案を出そうということになり ましたが、それが否決されたときにどうするかということについては、 賛成の方向で議論していこうということに今日の段階ではなりました。 まだ最終決定はしておりません。

その他の法案については賛成ということなりましたが、一つだけコメ ントしておきたいのは「刑法の一部を改正する法律案」についてです。

これは悪質な交通事故に対する重罰化の法案なんですが、前国会に我々が刑法ではなくて「危険運転致死傷処罰法案」という特別法として 出したものと同じ中身です。そのとき与党は反対をしておりまして、名 前と形は変わりましたが、実質的に同じものを今度は政府が出してきた ということですあります。

今日、本会議で議論された無認可保育所の届出制の話も、若干プラス アルファの部分もありますが、基本的な核心部分は無認可保育所に届出 制を導入するというもので、これも前国会で我々が法案を出して、同じ ようなものが今度は政府から出てきたということでありますので、我々 の議員立法活動というものが、実を結びつつあるということだと思って おります。我々が出したことが一つのきっかけになって、こういった動 きになっていると。

この他にも、今日NCで出た話で、ホームレスに対する特別措置法とい うものを、我々は前国会で出しまして、そのときは笑われたんですが、 しかし現実の政治的ニーズは非常に高い問題でありまして、実は今国会で与党が同じような法案を出してくるということで、中身をだいぶ詰め てるところです。

形式的には我が党の法案を取り下げて共同提案という形になると思い ますが、内容的にはほとんど我々の出した法案に基づくものでありまして、新しいニーズを我々が議員立法で出すことで掘り起こしたと。

放っておいたら、恐らくこういう法案はできなかったと思うんです ね。そういう意味で—-我々の法案そのものが成立することがやはり望 ましいわけで、こういう形であることは少し残念ではありますが—- 我々の活動というものが実を結びつつあると思います。

選挙制度に関する与党3党首合意

【政調会長】あと、私から申し上げたいことは、一つは選挙制度の問題 で、ご案内のように1年間の先送りという結果になったわけですが、小 泉総理も入った3党党首の合意として、衆議院議員選挙区確定審議会の勧告が出たあとにそれを凍結して、法案化を遅らせるような中身を含ん でるということは理解しがたいことです。

勧告が出れば、直ちにそれを法案化して国会に提出するのは総理大臣 としての責務でありますので、それが法律に書いてあろうがなかろうが 当然のことでありますので、敢えてそれを踏みにじって合意文書を出されたというのは理解に苦しむところであります。

党の代表として、せいぜい幹事長間の合意であればまだ分かるんですが、総理が名前を連ねてるということは、大変残念でおかしなことだと 思っております。

失業率の上昇と雇用対策

【政調会長】それから今朝、連合と雇用対策についての意見交換をいた しました。失業率5.3%という非常に厳しい数字の中での議論で、補正予 算の中での話にもなると思いますが、十分実のある雇用対策を出すことが急務だと思っております。

もちろん、短期的問題と中長期的問題があります。中長期的には、や はり経済が成長していかないと本質的解決にはならないと思いますが、 しかしこれだけの失業者がいるときですから、我々がかねて主張しております失業保険の切れた人に対する手当でありますとか、あるいは廃業 した自営業者に対する手当といったものは—-我々は法案を用意してお りますが—-是非やらなければならないことだと思いますし、その他考え得ることはあらゆることをやっていくということで、これから1週 間、さらに詰めていきたいと思っております。

連合とも相談しながら、必ずしも意見が全てピタッと一致するわけで はありませんけれども、なるべくお互いにいい知恵を出し合って実のあるものにしていきたいと思っております。そして、そういったことが補 正予算の最大の争点であるということであります。

解散権の制約

【記者】選挙制度の問題についてですが、総理の解散権が制約されるんじゃないかという見方が出ていますが、その点に関してどのようにご覧 になっていますか。

【政調会長】だからああいう文書に軽々しくサインしちゃいけないんで すね。官邸は「解散権は縛れない」と言ってますが、しかし、憲法上 望ましい状態の下での解散かと言われれば、必ずしもそういうことでは ないと私は思います。

解散権は自由に行使したい、しかし制約はある。そのパズルを解くカギは、早く選挙区確定審議会の勧告を実現するということしかないわけ ですから、3党合意もありますが、より重要なのは1票の格差の是正という憲法上の要請ですから、総理には合意に囚われずに勧告が出れば早 急に法案化して国会に出していただきたいと思います。

靖国参拝訴訟

【記者】靖国神社への参拝に関して、大阪地裁のほうで違憲じゃないか という訴訟が起こされたんですが、そういう動きについての感想と、それに対して総理が原告団について「おかしな人たちがいる」というよう な発言を記者団にしたことについての感想を。

【政調会長】ちょっと私は訴状を見てませんので、どういう人たちが訴 えておられるのかわかりませんが、いずれにしても裁判を求めるという ことは基本的な権利ですから、一国の総理大臣として、中身は十分に検討されたうえでのご発言だとは思いますが、そういうコメントを出され るということは軽率の誹りを免れないと思います。




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