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トピックス

2001.10.31|その他

定例記者会見録 2001年10月

10月25日

○中選挙区制の復活は到底容認できない—-国民的課題として活動していく

○セーフガードが本発動に至らないよう、日中両国政府は誠意を持っ て話し合うべき

○雇用対策、規制改革について中間報告—-今後議論を重ねてより充 実したものに

○株式取得機構—-政府保証を付けて国が損失補填をすることは容認 できない

○テレビ字幕番組促進—-ネット公募による法案の第1弾として今国会 に提出

○PKO法改正—-テロ対策特措法の範囲まで武器使用基準を緩和す ることは可能

与党3党選挙制度改正案

【政調会長】まずNC(ネクストキャビネット)のご報告の前に、私から 2点申し上げたいと思います。

1点目は選挙制度の問題です。昨日、与党で議論されたものが出てき ておりますが、やはり民主党としては、これは看過できないものだと思 います。「民主党としては」と言うよりは、むしろ問われているのは日 本の民主主義だという危機感を持っております。

随分長い時間をかけて、中選挙区制から今の小選挙区比例代表並立制 に変えたわけですが、その間国会でも、随分長い議論、深い議論があり ました。内閣がそのために潰れたりもいたしました。それだけの積み重 ねを持って、今の制度ができました。そういうなかで300の小選挙区制を 入れたのは、政権交替が可能な制度が望ましいという理由からです。

それが、党利党略でいとも簡単に一部中選挙区が復活するということ になりますと、国会の議論というのは一体何なのかということになるわ けで、これは到底容認できないことだと思います。

そして同時に、どこに住んでるかによって選挙制度が違うということ は、有権者から見ても誠に理屈の通らない話でありまして、そういう意 味でも到底これは容認できない。

しかもそれが恣意的に中選挙区と小選挙区が決まっているということ でありますから、こういうものが出てきたということは大変驚きであり ます。これを認めた政党あるいは議員の資質を疑うということであります。

もちろん民主党だけではなくて、我々と同じ考え方の政党もありますし、これは政党だけの問題ではありませんから、国民的課題として、間違っても国会に法案の形で上がってこないように、国民的課題として我々もしっかり活動いたしますが、国民の皆さんにも関心を持っていただきたいと。

選挙制度というものは、自分たちの1票すなわち参政権がどういう形 で議席に反映されるかという、これが選挙制度でありますから、それを 党利党略で勝手に決めるということになれば、民主主義は死んだも同然 だと思っています。

マスコミの皆さんも、同じような気持ちをお持ちの方は多いと思いますが、是非健筆を振るっていただいて、こういうものは絶対認めないという方向に持っていっていただきたいとお願いしておきたいと思います。

セーフガード

【政調会長】2点目は、セーフガードについてです。これはNCでも議論 しましたが、実は今日の参議院の農林水産委員会で決議がなされまし た。

昨日の段階で、そういう方向であるということを国対(国会対策委員 会)のほうでは聞いていたということですが、私自身も今朝聞きまし た。セーフガードについては党内でいろいろ議論を重ねてきましたが、 まだ結論が出ない状況でありましたので、党として決議に賛成するとい うことはできないと判断いたしました。

決議の中身は「暫定措置の期限である11月8日までに中国との間に協 議が整わない場合、WTO協定のルールに則り暫定措置期間終了後、速やか に本措置の発動を行うべきである」というものですが、党内ではそこま で議論が煮詰まっていないということです。

従って、我が党としてはこの決議に党として賛成するわけにはいけないと判断いたしましたので、国対とも相談いたしまして各委員の判断で 賛否を決めていただくということにいたしました。つまり、党議拘束を 解いたということであります。

結果がどうなったかは分かりません。あるいは民主党所属議員の全員 がこの決議に賛成をしたかもしれませんが、いずれにしても党としてそ ういうものを認めたものではないということであります。もちろん、反 対したということでもありません。まだ決めていないということであり ます。

それを受けまして、先ほどNCで少し議論をいたしまして、今の時点で 我が党の見解を求められれば、「本発動に至らないように、日中両国政 府が誠意を持って話し合うべきである」というのが、我々の結論であり ます。それ以上でもそれ以下でもないということです。

NC報告

【政調会長】次に、今日のNCの報告をしたいと思います。

まず雇用対策について、城島・雇用対策プロジェクトチーム(PT)座 長から報告がありました。 これは後半国会の大きな焦点の一つでありますので、今まで我々が 言ってきた「2兆円+2兆円=合計4兆円」の雇用保険の改革を中心と したもの—-これは今、法案を作っておりますが—-以外にももう少し 論点を広げて、緊急失業対策ですとか、ミスマッチ解消ですとか、ある いはもう少し中長期的な雇用創出ですとか、規制改革ですとか、そうい う点について少し中間報告していただいて、これから予算委員会その他 での本格的な議論に備えて分かりやすくまとめていただきたいというよ うなことをお願いしておいたところであります。

次に、「民主党の規制改革に対する考え方」。これは原口・規制改革 PT座長のところで精力的に今まで議論してきてもらってましたが、とり あえず素案ができあがってまいりましたので、ザッと議論いたしました。

ただ、これからもう少し議論を深めたほうがいい部分も多々あります ので—-と言っても各部門に検討をお願いしても、角が取れて丸くなっ てしまいますので—-各NC大臣に部門に持ち帰って議論していただき、 そこで各大臣と原口座長の間で調整していただくということにいたしま した。

中身的には、雇用、医療、通信、教育・福祉の4分野に関わる規制改 革の「原案の原案」ということであります。これから党内でさらに議論 を詰めて、いい改革案にまとめていただきたいと思っています。

それから、「審議会委員の報酬等の適正化」については、先般、上田 清司議員から報告していただいたんですが、NCでも検討いたしまして、 とにかく今の状況はひどい、一般常識から懸け離れているということ で、平成13年度中に必要な法改正を行って、14年度から常識に合った線 に変えてもらいたいと。

もしそれを政府がやらないんであれば、民主党が議員立法で提出する ということを確認したところであります。あとは議運(議院運営委員 会)の場で少し議論をして、政府・与党の反応を見ることになると思い ます。そして、必要があれば我々のほうで議員立法をするということに なります。

あとは法案審査ですが、「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法 律案」は、やはり最終的に2兆円の政府保証を付けて国が面倒を見ると いうのはどう考えても容認できないということで、反対の方向であります。

それから「地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取り扱いに 関する法律案(ワンストップ法案)」は前国会でだいぶ問題になりまし たが、付帯決議のなかで「今回この法案を通すからといって、それが将 来の民営化に関する議論を拘束しない」ということを何らかの形で担保 するということで、賛成の方向であります。

最後に「聴覚障害者の利便の増進に資する字幕番組の提供の促進のた めの放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案」です が、これは皆さんご存じのように、我々がインターネットで政策募集を したときに出てきた提案でありまして、前国会に出したかったんですが 少し手間取りまして、今国会に議員立法で提出することになりました。

来週の火曜日(30日)に元々この法案のアイデアを提案していただい た方—-この前も来ていただいたんですが、同志社大学の学生さんで、 聴覚障害者の方なんですが—-に来ていただいて、NCで意見交換をするということになりました。そのうえで国会に提出したいと考えております。

ああいう形での政策募集が実際の法案になった第1号ということで、 我々も大変喜んでいるところであります。

複数区は認めない

【記者】選挙制度についてですが、民主党が狙い撃ちになっているとい うか、民主党に不利で与党に有利だということを前提にしたうえでですね、今後の対応についてどうお考えでしょうか。

【政調会長】それもだから、今回の案がいかに党利党略かということの 一つの現れだと思います。

ただ、どの選挙区がという議論じゃなくて、やはり複数区は認めない ということで—-と言うのは、一つを認めると次のステップで「じゃあ それを増やそう」という議論になってきますので—-二人区が良くて三 人区が悪いとか、あるいは数がもうちょっと減ればいいとかそういう話 ではなくて、複数区そのものを認めないということで、我々は頑張りたいと思っています。

PKO協力法改正と武器使用基準

【記者】選挙制度の話が終わったあと、PKO(平和維持活動)の話が出てくると思うんですけども、春先に民主党の案は出てきて、NCで了承され る前に止まってたと思うんですが、その議論はその後どうなったんで しょうか。

【政調会長】宿題を出してあるんですよね、部門会議に。ですから、それがどれだけこなせるかと。こなせ次第またNCに上げてくださいと言っ てあります。

一つは「武器使用基準」のところはかなり緩いものになっていたと思 いますが、今回、テロ対策特措法でああいう表現(「自己の管理の下に 入った者」)になりまして、そこまでは問題ないと思いますので、そこ で割り切っていただくのかなと思っています。あれ以上広げるのは無理 だと思います。党内的にもですね。

【記者】特措法のときに出てきたのと大体同じ内容だったと思うんです が……

【政調会長】今までは違うんですよ。今までの案は違うんで、それは無理だと思います。

ですから、特措法のレベルにまでしていただいて、NCに上げていただ きたいと。

【記者】するとそこを変えるわけですね。

【政調会長】そうそう。今まではあまりにも広すぎて、私に言わせると 「ちょっと冗談じゃない」という案だったものですから、そこは特措法 のレベルにしていただくということとです。ただまあ、他にもいろいろ 問題はあります。

例えば、「要人警護」を新たな任務として加えておりますが、それが 今の規定のなかでできるのかどうかという問題は、少し議論が必要だと 思います。

できないとは私は断言しませんが、特措法の議論の際の政府見解のな かで「人道上の見地」ということで今回は認めたわけで、もともとPKO部 隊のなかにいた通訳とか傷病兵とかが入っている部隊が危険な目に遭っ て武器を使用するという話と、わざわざ守りに行く、警護に行くという 話はちょっと状況が違うかもしれませんので、その辺がいいのかどう か、広げることにならないのかどうかということは少し議論が必要だと。もし新たな任務に加えるんであればね。そういうふうに思っています。

【記者】要人警護自体を否定するわけではないと。

【政調会長】要人警護を加えるとした場合に、今回の特措法の考え方で 読めるかどうか検討が必要であるということです。 そういう点をきちんと詰めたうえで、NCに上げていただきたいと要望 しております。

10月18日

○個人情報保護法案—-法案の撤回と問題点を修正した新法案の再提出を求める

○マスコミ人としての見識を持って、客観的・公正な報道を求める

○政権を目指す党として、「議論はするが決定には従う」という文化が出来つつある

○民主党の方針を正確に総理に伝えなかった山崎幹事長の責任は重い

○交渉決裂で最もキズが付いたのは総理—-合意得られず、指導力にも疑問符

○今回の政府見解によって、無制限な武器使用の拡大は事実上出来なくなった

NC報告

【政調会長】今日のネクストキャビネット(NC)では、「個人情報保護 法案に対する民主党の基本方針」について、担当の枝野幸男NC特命担当 大臣(警察・防災担当)から中間報告がありました。

この問題は前国会で政府案が出て、そして我が党で修正案を作った り、マスコミ界始め関係者の皆さんから意見を伺い、最後にはシンポジ ウムもやったという案件であります。ここで一旦、基本的考え方をまと めようということで、今日、枝野大臣から報告がありました。

今回合意された基本方針は、まず「個人情報を保護するための法整備 は、早急に実施すべきである」と。 そのことをまず述べたうえで、「しかしながら、政府提出の法案は、 以下の点で問題があり、賛成できない」と。その理由は四つあります。

第一に、「個人情報保護法制の基礎となるべき『自己情報コントロー ル権』についての規定が不明確、不十分である」。断片的には法案のな かにいろいろ書かれてありますが、基本的に「自己情報コントロール 権」というものを認めて、その結果としていろいろな効果が発生すると いう構成にすべきであるのに、それが不明確・不十分であると。

第二に、「個人情報取扱事業者に対する主務大臣の権限が強大であ り、公権力による民間への不当介入を招くおそれがある」と。

第三に、「報道に関する適用除外範囲があいまいな上に、基本原則が 適用されることで取材・報道活動の萎縮を招き、表現の自由を侵害する おそれがある」と。

第四に、「本来先行してなされるべき行政機関等に関する法整備が後 回しにされている」と。

こういうことで賛成できないということであります。「よって民主党 は、政府提出法案に賛成できない。政府は、本法案を撤回し、上記の点を踏まえた新たな法案として再提出すべきである」という内容でありま す。このことがNCで了承されました。

引き続き、いろんな関係者からもヒアリング等を通じて意見を求めて いきたいと思っています。

あと私から、NCもいよいよ本格的に動き出しますので、A法案(特にNC で重点的に議論しなければならないもの)についての中間報告を次回以 降、随時やってくださいと。

それから、法案ではありませんが、セーフガードに対する考え方—- もうすでに暫定的に発動されてますが—-についての報告を早くしてく ださいということをお願いしておきました。

あと、狂牛病とか政治改革についても精力的に議論していこうという ことが確認されました。

今回、総括副大臣会議を作りまして、そこで細かい問題は議論すると いう形にいたしましたので、今日のNCは1時間で終わったんですが、これ からもう少し大括りの問題をしっかり議論する場にしていきたいと思っ ています。

総括副大臣会議で議論されたことはあまり細かい説明をせずに、資料 は読んできてもらってるという前提で結果だけ報告して、その賛否を問 うということを原則にしていきたいと思っています。

テロ法制関連

【政調会長】テロ対策の問題についてですが、まずは今日のテロ対策特 別措置法の採決の問題で、一部マスコミが「民主党分裂」とか、どこかの政党の機関誌になったような、客観性・公正さに欠けた報道をされてますが、そこはマスコミ人としての見識を持ってもらいたいと、この 際、明確に申し上げたいと思います。

やはり報道というのは公正でなければいけない。一つの公党について 「分裂」という見出しで書くのであれば、その根拠を明確に示すべきだ と。そういうふうに申し上げておきたいと思います。

そこで、今日の採決の結果ですが、1人が政府案に対して賛成ということになりまして、大変残念な気がいたします。 ご本人の気持ちも分かるんですけれど、私が申し上げたのは、法案に 反対ということは言ってもらっていい。個人的にいろんな意見があるの は当然であると。しかし党で決めたことには従うんだということを態度 で示してもらいたいと。

そして、政府案には反対をしたうえで、例えば記者会見を開いて、 「私は党の考え方に従って、反対はしたけれども、私自身は賛成であ る」ということを言われたほうが、しっかりメッセージとして伝わるん じゃないかと。 そういうことを申し上げましたが、ご本人の決意が固かったというこ とであります。もう少し、事前に良くコミュニケーションを取っておけ ば良かったかなと。私も親しい人ですので、そういう意味では残念に 思っています。

ただ、マスコミには事前にいろいろと書いていただきましたが、1人 だけの賛成に終わったということは、この党も政権を目指す党として、 「議論はオープンにやる、しかし決まったことに対しては、それに従っ ていく」という、そういう一つの文化が出来つつあるんじゃないかと。 そういうふうに期待をしているところであります。

それから、修正協議から時間も少し経って、いろんな話や経験もあり ますが、今日たまたまこういうことがありました。

九段の議員宿舎で、朝エレベーターに乗ってましたら、ある大臣が 「岡田さん、昨日総理に会ったけど、『幹事長から民主党は折れると聞 いていたが、民主党は折れなかった。予想外だった』と言ってたよ」と いう話を頂きまして、それは一体何なのかなと、やや意外に思った次第 であります。

山崎拓・自民党幹事長には、「国会の事前承認」は民主党が譲れない 一線であるということは、いくつかのルートを通じてきちっと上がって いたはずですし、少なくとも久間章夫筆頭理事(自民党)はそういうふ うに上げていた—-今日も確認しましたが、そう言っておられました —-ので、何があったのか分かりませんが、幹事長から総理に上がると ころで誤解が生じていたということで、山崎幹事長の責任は相当重いん じゃないかと私は思っています。

どういう事情でそうなったのか分かりませんが、与党も相当混乱してるなという感じがいたします。そういう意味では、少し残念だった気がいたしますし、もう少しで事前承認ということで合意が出来たんじゃないのかなという思いは今も残りますが、これは過ぎてしまったことですから、やむを得ないことなのかなと思っています。

まあ、マスコミの皆さんもみんな間違ったわけですから、そこはあま り民主党を責められないんじゃないかなと思います。

我々が与党と交渉する前から、事前承認でまとまると堂々と報道され た新聞社もたくさんあるわけですから—-少なくとも民主党はそんなこ とは言ってませんから。目指してたのは事実ですが—-与党のほうがそ ういう情報を漏らして、そのウラが取れたからこそ皆さんもお書きに なったんだと思うんで、それがなぜ変わったのかということを検証する のが皆さんの務めじゃないかと(笑)。そんなふうに思っています。

小泉総理の傷

【記者】今後、また国会で構造改革関連法案等、いろんな法案があると 思うんですけど、与党内で賛否両論あるような場合に、今回の修正協議 が一つの前例というかですね、次へのステップにつながっていくという ふうに感じていらっしゃるんでしょうか。

【政調会長】いろいろ議論・協議した経験は生きると思いますね。我々 が小泉政権の出してくるものについて、案件ごとに判断をして、いいも のであれば賛成するし、中身の悪いものは反対すると。そのときは極 力、対案を出したいと思ってますが、そういう基本方針のなかで、我々 が賛成に回るというときに、今回の経験は生きるだろうと思います。

私もいろんな経験をさせていただきました。総理のリーダーシップが いかほどのものか—-私は批判して言ってるわけじゃありませんが—- 幹事長あるいは官邸の位置付けとかですね、いろんなことが経験則としてかなり分かりましたので、次に同じような交渉の場面が来れば、それを生かしながら進めていきたいと思っています。

今回のことで私は、交渉がこういう形で決裂して一番キズが付いたの は小泉総理ご自身だと思うんですね。民主党としては皆さんに申し上げ ていたとおりの方針で、事前承認が得られなければ賛成できないということを貫いたわけですし、その前提として、新法を作って対応するとい う考え方には賛成であると明確に申し上げておりましたので、私は対応 としては非常に分かりやすかったと思います。

もちろん、合意出来なかったのは残念ですが、失われるものはそれほ ど大きくなかったと。小泉総理は前日まで「出来れば民主党の合意を得 て新法を成立させたい」言っておきながら、結局、幹事長との意思疎通 が悪くてそのチャンスを潰したということになれば、やはりリーダー シップ・統治能力に疑問符が付くということで、最もキズが付いたん じゃないかと。そんなふうに思いますね。

PKO協力法改正

【記者】政府はPKO協力法の改正も目指していると言われてますが、武器 使用基準についていろいろ意見があったなかで、PKOを巡る党の対応が、 今回のテロ法案の影響で若干変わるということはあるんでしょうか。

【政調会長】それは、これからの党内議論次第ですが、武器使用が理論 的な説明のないまま、どんどん拡がっていくということに対して私は非 常に懸念しておりましたので、そこに歯止めをかけるということも今回 の交渉の大きな目的の一つでありました。

そして、そこは歯止めがかかったと思っておりますので、別にあの範 囲(武器使用基準を「自己の管理の下に入った者」の防護にまで緩和す るに当たり、従来の「自己保存のための自然権的権利」に「人道的見 地」を根拠として加えた政府見解)まで拡がることは、私自身は構わな い—-これは党内のこれからの議論ですが—-と思っております。

あれ以上拡げる、例えば「任務遂行に必要な範囲」とかですね、そう いうことになると今回の説明では明らかに読めませんので、事実上それ は出来ないことになったと思っています。

【記者】そうすると、最大の障害であった武器使用の問題が、その範囲 でクリアされれば、法改正に向けて前向きに対応出来るというふうにお 考えですか。

【政調会長】ほかの問題もありますけども、一番大きな障害がそういう 形でクリアされたことは事実だと思います。 あとは党のなかでこれから議論していかなければいけませんので、私 が断定的に言うことは出来ませんが。

10月11日

○ある程度説得力のある、犯人特定の証拠が提示されなければ採決は あり得ない

○周辺事態法と同様に国会承認の規定を置くことは譲れない一線

○武器弾薬の輸送が武力行使と一体化しないためには、明確な法律上 の線引きが必要

○武器使用基準緩和—-政府の説明は納得できず、結果的に武力行使 に至る可能性あり

○武器使用は憲法問題の核心部分であり、決して神学論争ではない

テロ防止特別委員会質疑

【政調会長】私からは、今日から始まったテロ防止特別委員会についてお話ししたいと思います。

今は同僚の桑原議員が質問中ですが、今日は党を代表して鹿野議員に まず、全体的・基本的な我が党の考え方を含めて、まさしく基本的なと ころを訊いていただき、そして安住議員と桑原議員には各論をかなり 突っ込んで訊いていただきました。

ご覧になったとおり、相当論点が明確になってきたんじゃないかと思 います。私はテレビを通しては見ておりませんので、テレビを通して見 たときに、視聴者の皆さんがどういう印象を持たれたのかよく分かりま せんが、かなり熱の入った議論で、現在までの3人全体を見る限り、分 かりやすいものだったんじゃないかと思います。

安住議員については、党本部のほうにいろいろ「言葉遣いが悪い」と か「態度が悪い」とか、そういう電話が相当寄せられているという話も ありますが、もともと彼はそういうタイプですから(笑)、そういうこ とはある程度想定していたわけですが、それに遙かに優る熱意と分かり やすさで、良かったんじゃないかと思っています。

その安住議員の質問の中で、証拠の話が出てまいりました。つまり、 「犯人の特定についての説明を国会に資料の形でちゃんと出してくれ」 という話で、イギリスはそういう形を取っております。

これは理事会預かりになりましたが、今日、残念ながら理事会は明日 の昼ということで決めてしまいましたので、それまで理事会は開けませ んが、今日、委員会終了後の午後5時から理事懇を開きまして、そこで この問題について—-理事懇ですから公式にということではありません が—-協議をするということであります。

我々としては、誰が犯人なのかということが特定していないと、とん でもないことになると思うわけですね。もし今言われているビンラディン氏が、実は犯人でないということになれば、アメリカは違法な武力行 使をしてしまったことになり、我々はそれを支援したということになり ますから、ここは全体の議論のスタート地点だと思います。

従って、きちんとした証拠—-もちろん我々はアメリカから提出され たものを全部、国民の前にさらせと言ってるわけではありません。そん な非常識なことは言っておりません—-が、しかし我々も含めて、国民 がある程度納得できるようなものが示されるということは必要なこと で、鳩山代表を始め、我々が当初から申し上げていることであります。

それが示されれば、その後その件に関して、国会・委員会での具体的 な質疑ということが必要になりますので、逆に言いますと、そういうも のが出てきて、それを踏まえて委員会質疑をしない限り、この法案につ いての採決ということはあり得ないと私は思っております。

そういう意味でも、審議を急ぐのであれば、早く説得力のあるものを 出していただきたい。そういうふうに思っております。続きは明日の委 員会で、私もこの問題を取り上げたいと思っております。

あとは、相当今日のところで論点が出ましたので、私も明日何をやる か、今日のいろんな議論を踏まえたうえで、もう少し詰めた議論をしな ければいけないと考えているところであります。まあ、これだけの法律 ですから、来週ももっと時間をかけてやらなきゃいけないと思っています。

国会承認

【記者】委員会の質問を聴いていると、鹿野さんも安住さんも国会の事 前承認が必要だということを言ってたんですけども、それは法案に賛成 するには譲れない条件だということでしょうか。

【政調会長】朝日新聞によれば、民主党は交渉するに当たってプライオ リティ(優先順位)すら付いていないという話でありますが、交渉に当 たって、こういう場で何がどうと言うことは交渉のやり方に制約を設け ますので、あまり言うつもりは私はありません。

もちろん、代表や幹事長には—-今日、役員会を開くことになってま すが—-これから与党と交渉していくなかで、最終的にある程度具体的 な姿が固まってきたところで、何を取り、何を断念するかということ は、具体的にお話ししなければいけないことだと思っております。

その上で、私について申し上げれば、基本的に国会承認の規定、周辺 事態法と同じような規定を置くということは、我々としては譲れない一 線であると。もちろん、それだけではありませんが、重要な一つの項目 であると思っております。

武器弾薬の輸送

【記者】武器弾薬輸送の関係で、委員会の理事でもある安住さんは 「ポート・ツー・ポート(港から港までの海上輸送)」ということに理 解を示しているようですが、これは党としての見解なんでしょうか。

【政調会長】いや、そういうことではありません。まあ、委員会の質問 は、ある程度個人の意見が入ることもやむを得ないと思います。ただ、 党としての意見ではありません。

彼が最後に質問した武器使用基準のところも、国連のルールのほうが いいんだというような言い方もありましたが、それも党としてそういう 見解に立っているわけではありません。

そこはいろんな議論をしていくなかで、多少は幅がないと、党で決め たことをそのまま読んでるだけでは迫力のある議論になりませんから、 いろんな議論が出ますが、最終的には私のところで集約をしてみたいと思っています。

【記者】武器弾薬の輸送については、岡田さんの認識としては、憲法は クリアしてるとお考えでしょうか。

【政調会長】それも明日の議論ですけどね、周辺事態法で公海上までは 武力行使と一体化しないという判断をしたわけですね。ただ、今回は第 三国ということになるんで、一体化の可能性が高まるということです が、きちっとした線引きがあるかどうかということは、我々も論点とし て当然考えています。

【記者】先日、民主党はテロ対策に関するペーパーをまとめましたが、 武器弾薬の輸送というのは、違憲だから認めないというのではなくて、 立法政策として認めるべきではないという判断なんでしょうか。

【政調会長】そこは若干難しいんですけども、即違憲と言えるかどうか については、私は留保したいと思っています。ただ、審議を非常に急い でいるなかで、より安全度を見て、法律の枠組みを決めたほうがいいん じゃないかと。

周辺事態法のときに出した結論は、時間をかけて認められたものであ りますが、それを踏み越えるものについては、もう一度、一から議論し なければいけないところもあって、それは議論してもいいんですけど も、もし、ある程度のタイミングをもって法案を成立させていくという ことであれば、それはやっぱり安全度を見て、武力行使との一体化から より遠いところに法律上の線引きをしておくべきじゃないかと。その上 で将来的に、もう少し詰めた議論をしたらいいんじゃないか—-。

そういう考え方で、武器弾薬の輸送については、党の見解としてこれ は認めないということになっていると私は理解しています。

【記者】総理は国会答弁で、「武器弾薬の輸送ができるということと、 実際にやるということは別だ」と言ってるんですが、そこはどういうふ うに思っていらっしゃいますか。

【政調会長】それは国会承認がないとほとんど意味のないことですよ ね、我々にとっては。それに国会承認があったとしても、最後は多数決 ということになりますから、それはやっぱり一般論として、できること とやることに差があることは当然なんですが、かなり明確であれば最初 から法律で、あるいは法律を直している時間がないと言うんであれば、 それに準ずるような形ではっきりしておくほうが意味があることだと思 います。

【記者】「それに準ずるような形」というのは、国会答弁ということで しょうか。

【政調会長】そういうものも含めてね。法律で書くのが一番いいんです よ。はっきり書けるんであれば。

ただ、今の事態の中で行ける場合と、時間が経てば変わりうる場合とがありますよね。例えば、パキスタンの国内情勢なんかも、どっちにも まだまだ変わっていくわけなんで、そういうときに、今だけの状況だけで判断して、「パキスタンには行かない」と法律ではっきり書いてしま うのがいいのか、それとも、将来大きく事態が変われば行けるような形 にしておくのがいいのか、その辺はいろいろ議論があるんだろうと思います。

武器使用基準の緩和

【記者】武器使用基準の緩和に関する安住さんの質問に対して、法制局 長官は「PKO法の基準を膨らませた」という答弁をしたんですが……

【政調会長】法制局はかなり圧力をかけられたんでしょうね。不満なん でしょう、法制局は。 でも、さっきの法制局長官の説明は、説明になってないですよね。こ れは明日やりたいと思います。

【記者】武力行使と武器使用の境目っていうのはこれまでの議論で線引 きがされてると思うんですが、以前、政調会長は武器使用基準を緩和す るためには、新たな論理的説明が必要だとおっしゃっていましたが……

【政調会長】さっきの説明では、私は理解していないということです。

【記者】あれでは…… 【政調会長】駄目です。

【記者】憲法解釈の変更になるっていう……

【政調会長】憲法解釈っていうか……PKO法でいう従来の説明を膨らませ たと長官は言ったんですけども、合理的な説明になっていないと。結果 的に武力行使ということにもなりかねないということです。

もっときちっとした説明ができれば、それは線引きができるんでしょ うけども、今日の説明では納得できないということです。

【記者】今日の説明のままで、もし法律がそのまま通ると、憲法違反の 法律ができるということですか。

【政調会長】即憲法違反ということではないと思いますが、かなり紛ら わしいということにはなるでしょうね。

【記者】そうした議論について小泉総理は、「神学論争であって、早く やめたい」という答弁をされたんですが…… 【政調会長】まあ、うちの安住もそれに近いようなことを言ってたけど もね。(笑)

【記者】……それについてはどのように思われますか。

【政調会長】ですから、これは憲法の禁ずる武力行使に当たるか当たら ないかの一番コア(核心)の部分ですよね。総理は「武力行使はしな い」と何回も言われるんだけど、そのことの具体的な、一番重要なとこ ろが武器使用基準の項目なんで、神学論争だと言うんなら、「武力行使 はしない」と言い切るべきではないですよね。「武力行使するかもしれ ない」と言うべきです。

私は内閣法制局が今まで築いてきたものを金科玉条のごとく考えるつ もりはありませんが、法制局が作ろうが政治家が作ろうが何でもいいん ですが、やはり論理的にきちっとした説明、いろんな議論に堪えうる説 明ができるかどうかということだと思います。

【記者】その問題で昨日、鳩山代表が「法律で書き込むのは難しいかも しれない。国会答弁という担保の取り方もあるんじゃないか」とおっ しゃってるんですが、あくまでこの問題は憲法問題のコアの部分であっ て譲れないと……

【政調会長】法律で書くかどうかは別ですよね。私はまず、説明をき ちっとできるかどうかということを言ってるわけですから。

今の書き方が駄目だと言ってるわけではありません。今の書き方で あっても、きちんとした説明ができればいいと。しかし、今日の法制局 長官の説明は、説明になっていないということを申し上げたわけです。

【記者】党内にもいろんな意見のグループがあって、勉強会なんかを やってますけども、党内の意見集約はこれから難航しそうですか、それ とも順調に行きそうですか。

【政調会長】それはやってみないと分かりませんね。相当、順次やって いただいてるというふうには理解してますが。

【記者】説明できない場合、武器使用基準にある、「自己の管理下に 入った者」という部分は削除を求めるということですか。

【政調会長】説明ができなければ、そうなるかもしれませんね。あるい は書き換えるとかね。

【記者】書き換える……もっといい表現に?

【政調会長】説明のできる表現ですよね。まあ、ここは明日議論してみ て判断することになると思いますけども。

10月4日

○総合テロ対策および新法への対応方針をNCで了承

○後方支援—-武力行使を伴わない以上、個別的・集団的自衛権の問 題には該当しない

○自衛隊法改正案—-要件を厳格にしたうえで、対象を拡大するのが 妥当ではないか

○武器使用基準の緩和には、自然権的権利を根拠にした従来の論理と は違うものが必要

NC報告

【政調会長】今日のネクストキャビネット(NC)の中心は、同時多発テ ロ関連の話でした。この件については、連日精力的に7〜8回部門会議 をやりまして、その中で、総論に当たる部分を「米国における同時多発 テロへの対応について」という形でまとめまして、一部異論がありまし たがNCでも了承されました。

それから、各論に当たる「今回の同時多発テロに関わる国際的協調行 動(米国等への後方支援活動など)をとるための特別措置への取り組 み」についても、一部異論がありましたが—-もっとも、明確に異論を 述べられたのはそれぞれ1人だったんですが—-現時点で了承するとい うことになりました。

「特別措置への取り組み」のほうは、明日(5日)閣議決定されて、 法案が出てまいりますので、これからは議論の中心は法案のほうになる ということで、現時点で了承ということですが、これにカチカチに拘っ てしまうと、委員会の審議というものがあまりにも幅が狭くなってしま いますので、現時点での方針はこういうことだということであります。

これから委員会の審議等を通じて、これらを基に議論していくわけで すが、相手もあることですから、最終的にどういう形になるかということは、やや遊びを残しておくということにいたしました。

部門会議では、週明けから今後は政府提案の法案について積極的に議 論をするということにしております。委員会がいつから始まるか、まだ 正式には決まっておりませんし、我が党は委員会の設置には恐らく現時 点では反対していると思いますが、どういった形にせよ、国会で議論が 始まったときに素早く対応できるように来週の前半で一通り議論をして おこうと。こういうことであります。

今までの記者レクチャーでもお話ししたように、いろんな議論がある ことはご承知いただいてると思いますが、大きな方向としてはこういう ことでまとまったわけですし、鹿野・伊藤両NC大臣のご努力・ご尽力に 対して私からも敬意を表したいと思います。

以上がNCのご報告でありますが、加えることがあるとすると、この法 案については委員会が始まってみないとこれ以上私も申し上げることは ありませんが、基本的には新規立法が必要であるという立場に我々は 立っておりますので、なるべく我々のまとめた線に政府・与党が歩み 寄っていただくなかで合意ができれば、それが一番望ましい。こういう ことであります。

しかし、相手が頑なであれば、それは我々としては賛成できないとい うこともあり得るわけで、そこは実際に委員会が始まり、交渉が始まる なかで方向が見えてくるだろうと。

今のところ、そういう意味での意見交換を政府・与党としておりませ んので、今の時点で私から申し上げられることは、これ以上にはありま せん。

NCでの一部の異論

【記者】NCでの「一部の異論」というのはどういった……

【政調会長】部門会議でも出てましたが、「これは集団的自衛権の行使 にあたる」というご意見ですね。しかし我々の見解は、「武力行使では ない」というものですから、集団的・個別的自衛権の話ではないと。

それは周辺事態法の審議の中で、我々のとった立場でもありますの で、そういう意見があるということは分かりますが、それは我が党が従 来からとってきた考え方ではないということであります。

【記者】「だから国連決議が必要だ」というような……

【政調会長】いや、国連決議が必要だということではなくて、集団的自 衛権にあたるからできないということです。 【記者】武器使用基準の緩和は駄目だということですか。

【政調会長】いや、武器使用基準の緩和云々じゃなくて、もう少し丁寧 に申し上げますと、「国連の決議がちゃんとあれば集団安全保障であ る。しかし明確な決議はないなかでは、アメリカの個別的自衛権の行使 である。個別的自衛権の行使に協力するのだから集団的自衛権の行使に あたる。従って認められない」という論理です。

そこは、単に協力するだけなら集団的自衛権の行使にはあたらないと 我々は考えていて、これは政府も同じです。武力行使をしない限りは集 団的自衛権の行使ではないという立場を我々は従来からとっております ので、それにはそぐわない意見でした。

自衛隊法改正案に関する議論

【記者】自衛隊法改正についての議論は何かありましたか。

【政調会長】報告は一応いただいたんですが、ペーパーは出てきません でしたので、議論してません。

【記者】どういう報告……

【政調会長】若干の方は警察でやるべきだという意見がありましたが、 これは少数です。むしろテロに対して、警察で対応できない場合がある ので自衛隊で対応するということについては認めつつ、いろんな意見が 出たと。

いろんな意見という意味は、1つは、やはり要件をもうちょっと絞っ たほうがいいと。政府案が要綱の段階ではすでに出ておりますけれど、 「総理大臣が特に必要と認める場合」という感じの書き方になってまし て、もう少し客観的な記述にすべきだと。これ、実は私の意見なんです が。

結局、治安出動に至る前の話ですから、今回のように、かなり正確な 情報は入ってるけど相手の姿は見えないというような時点での警護の話 だと思うんですね。相手が見えれば治安出動の命令を掛けられるわけで すから。武器を持ったテロリストがいるということになればね。

ただ、もう少し具体的に法律に書いておかないと、単なる情報だけで 警護出動を命令できるということになると、総理大臣の判断でいとも簡 単に武装した自衛隊を街の中に出せることになりますので、そこはもう 少し要件を絞ったほうがいいんじゃないかという意見。

それから、治安出動の場合には、20日以内に国会の事後承認が必要な んですね。それと同じような要件を加えるべきじゃないかというような 意見。

また、むしろ対象は自衛隊と米軍の基地の2つに絞らずに、要件をき ちっと絞ったうえで、もう少し広げておくべきではないかという意見 —-。そういった意見が出ておりました。

譲れない一線

【記者】「幅を持たせておく」ということなんですが、鳩山代表が自衛 隊の活動領域と武器使用基準の緩和については譲れない一線だというこ とをおっしゃってるんですが、そのように譲れないラインだという前提で意見をまとめられたのか、そうではなくて、それは交渉次第だという ことなのか、どちらなんでしょうか。

【政調会長】我々としては、まず「任務の場所的範囲」については、原 則的には他国の領域でも認めますよと。しかし、テロの特性とか活動範 囲が航海上を越えて第三国まで行くので、「さらなる限定が必要かどうか検討する」ということになっています。

また、「武器使用基準」については、現行の周辺事態法や自衛隊法な どの規定を「参考とする」ということで、それぞれ若干の遊びは持たせ てあります。 鳩山代表がおっしゃったのは、もし地域を限定するんであれば、武器 使用基準を変える必要がないということだと思います。

もちろん、その前提として、国境地帯のような危険なところへ行くべ きではないという判断をされたうえで、そう言われたと思うんですが、 その辺は確かに、パキスタンまでは行くべきじゃないという意見もかな りありましたし、今の時点で言われれば、武器使用基準は変えないとい う前提で、あまり危険なところに出すということは避けるべきだと思い ます。それはこれからの議論ということもありますね。

武器使用基準

【記者】民主党は集団的自衛権の行使は認めないという前提で議論を進 めてると思うんですが、武器使用基準の緩和については、政調会長の見 解としてはどういうふうに……

【政調会長】私は集団的自衛権の問題じゃなくて、むしろ個別的自衛権 の問題だと思うんですね。つまり、武力行使と武器使用というのは表裏 一体ではなくて、そこにはズレがあるということは、PKO協力法の審議の ときに認められたことなんですが、しかしかなり近い概念ですから、今 までは自分の生命・財産を守る、あるいは自分の所属する部隊の生命・ 財産を守るために武器を使うことは自然権的権利であるから、憲法の禁 ずる武力行使にあたらないというのが政府の見解だったわけです。これ は集団的自衛権というよりは個別的自衛権の話ですね。

今回、政府案を見ると、それがだいぶ広がって、難民の保護のためな どにも武器を使えると。つまり、自分の生命・財産は危なくないけれど も難民が危ないときに、自分の武力の範囲にある難民のために武器を使 えるということになってるわけです。

じゃあ、それを自然権的権利という論理で説明できるのかというと、 やや苦しいように私は思いますね。その辺について、いい説明があるか どうか、自然権的権利に代わるようなきちっとした、武力行使にあたら ないという説明ができれば—-必要性という意味では、常識的に必要だ と私は思っていますが—-認められるかもしれませが、今のところそう いう説明はない。そうすると、憲法の禁ずる武力行使にあたるおそれが 大きいということです。

【記者】そうすると、実際の国会答弁を聞いたうえで判断をするという ことですか。

【政調会長】すべてがそういうことでしょうね。まあ、答弁だけでいい かということも含めてね。 PKOのときに、ここは随分ともめたところですね。そして、政府見解と して、ペーパーを出して納めたという経緯もありますから、やはりそう いう経緯も踏まえなければいけないと私は思います。

【記者】武器使用基準についてはどういった議論が……

【政調会長】武器使用については両論ありましたね。

【記者】「緩和すべき」と「緩和すべきじゃない」と?

【政調会長】ええ。だた、それは「パキスタンまで自衛隊を派遣するな ら緩和すべきだ」という意見でした。この2つはかなりリンクしてる話 ですよね。そのリンクの部分と、今私が言った憲法の禁ずる武力行使の 部分と、両方詰めていかなきゃいけない部分なんじゃないでしょうか。

自衛隊法改正案についての意見集約

【記者】自衛隊法改正についてもう一度確認なんですが、今日は部門会 議の報告を受けただけで、何かを決定したということではないと?

【政調会長】してません。ですから、自衛隊法のほうは法案を見ないと なかなか議論しにくいところもあるんで、先ほど言いましたように、来週の火曜日・水曜日ぐらいに、自衛隊法と新法と、あと海上保安庁設置 法でしたか、3本出てきたものについて党の中で議論して意見を集約し ていくことになると思います。




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