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2001.07.16|その他

不幸な出来事と友好関係、両面から日韓関係を見つめたい

 ”新しい歴史教科書をつくる会”が発行する『新しい歴史教科書』(市販本)の「歴史を学ぶとは」の項に、「歴史を固定的に、動かないもののように考えるのをやめよう。歴史に善悪を当てはめ、現在の道徳で裁く裁判の場にすることもやめよう」とあります。私は今の価値観一〇〇パーセントで過去のことを判断することは、間違いだと思いますが、他方で歴史に善悪がないとか、現在の価値観で歴史判断をすべきではないとの考え方には賛成できません。「歴史に善悪がない」と言ってしまうと過去を反省するということもなくなります。五十数年前に起こったことを、善悪なしと言うとすれば、「違う」とはっきり申し上げておきたいと思います。

検定制度については、党としてはなくしていくべきだという考え方です。自由に採択してけばいいと。これも一つの考え方であって、魅力も感じますが、私自身は、特に歴史教科書のように価値観が問われるようなものには最低限のチェックが必要ではないかとも思っています。教科書の場合には、一人ひとりの子どもには教科書を選択することは実質的にはできず、教育委員会や学校の判断に委ねられているからです。もちろん今の検定制度は検定のプロセスがあまりにも不透明です。検定制度がどういうものか、現状では不明の点も多い。もっとオープンにすべきでしょう。検定を行う当事者以外の人、マスコミも外国の人も政治家もさまざまな意見が言えるようになったほうがいい。その意見を採用するか否かは検定の当事者の判断に委ねられるべきことは当然です。

金大中大統領が来日した際、「日本と朝鮮半島、不幸な時代もあったが、長い千五百年の友好の歴史があった」と前向きな発言をされてました。やはり両国の歩み寄りはその歴史をしっかり認識することから始まるのではないでしょうか。過去の不幸な時代のこと(その部分の記述をめぐって、”つくる会”の史観が問題にもなっているわけですが)を清算することはきわめて重要なことです。本来なら二十世紀のうちに解決しておくべきでした。できなかったのは残念ですが、これから先の課題として解決に向けて前進していくことが大切ですね。日韓共通の利益を生むような、お互いの信頼に基づいた関係を築きあげるためにも、過去のことに目をつぶっていてはだめでしょう。

日本と朝鮮半島の関係、若い人のレベルでは歩み寄りも見られますよね。もちろん反日感情もあるとは思いますが、その一方で両国の交流が積極的に進められていることも事実。あえて韓国側に申し上げたいのは、大統領が千五百年の友好関係があったとおっしゃるのであれば、それが少しでもわかるような教育を行ってほしいということ。過去の日本の過ちを教えることには、何の問題もありませんが、同時に良好な関係もあったことも教えていただかないと、今後日韓の関係は前進していかないのでは。韓国では愛国心を育てる教育が徹底していますから、若い人たちが反日感情を抱いていても不思議ではない。念のため申し上げれば、だからといって「向こう(韓国)がそうだから、こちら(日本)もそうしてもいいだろう」と考えるのはおかしい。今後、両国に共通の歴史認識をもてるような議論がなされるべきだと思います。(談)

構成・文◎松本麻子(編集部)




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