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2001.02.22|マスコミ

インタビュー激白!これだけは言っておく


●自民党が崩れ始めたら早い

――森内閣、断末魔の火ダルマということで、あと一押しという段階になってきま した。しかし、敵もなかなかさるものですから、最後の一押しが難しいというふうに 思うわけですが。野党は、森内閣をここまで追い詰めて、政策論争ではなくて彼の総 理としての資質だとか、あるいは事故に対する対応のまずさ、そういう点で切り込ん でいって、土俵際まで追い込んだわけですけれども、政策的に見て森内閣というのは どうですか。

岡田 完全に先送り内閣ですよね。森さん自身が突然首相になったということもあると思いますが、小渕(恵三、元首相)路線の継承ということのみを盛んに言われたわ けで、何かをやろうという、そういう意思は全く感じられないわけです。ただ続けて いるということで。

――景気回復のための予算を早期に成立させる、それからIT(情報技術)革命を促進する、教育改革もやると幾つかは並べているようですが。

岡田 景気対策に対してスタンスが全く不明なんですね。小渕さんの場合、最初彼が 登場したときは景気対策一辺倒で、それは当時のデフレスパイラルになる危険のある 状況下では一つの考え方だったとは思います。しかし、森さん自身は同じように景気 対策を最重視してやっているのか、それとも財政の立て直しということについて目配り、気配りをしているのか、それがよくわからない。予算を見ると中立的な予算に近 いと思うのですが、財政の構造改革もやらないし、といって景気対策という言葉もな い。非常に意味不明の予算になっていると思うのです。これは一つの例ですが、そういう意味で目指している方向が全然わからない、と言わざるを得ないと思います。

――政策的にも取るに足る内閣ではないと?

岡田 それにスキャンダルが加わったということではないでしょうか。政策がない。それから、いろんな過去からの継続で、外交に成果が全く上がっていない。むしろ後 退しているということですね。それにスキャンダルという、この「三重苦」が森内閣 の現状ではないかと思いますね。

――とりあえずそういう三重苦の森内閣を、政策論争というか、国会という場で問 題点を詰めていくという作業がもっと活発であってもいいと思うのですが、スキャン ダル追求のほうが主流になりましたね。

【岡 田】 まあ、ここは二刀流でやる、政策もしっかりやりましょうと、そう思っています。ただ、最初はKSDと機密費、それに対して「えひめ丸」の話が出、ゴ ルフの会員権の話が出、と現実にこれだけ次々に出てまいりますと、結局は心ならずもそちらの方に力を入れざるを得ないという状況なんです。本来は政策論争 できちっとやりた いと思いますが。

今日、たまたま本会議をやりまして、地方財政関係の本会議だったのですけれども、答えそのものが極めておなざりなもので、政策論争ができる雰囲気ではないですね。そういう意味では完全に死に体内閣ですね。

――現在の永田町を見ますと、やはり依然として与党(自公保)はマジョリティー なので、森内閣はその上に乗った強固な内閣でではないですか。予算委員会で野呂田 (芳成)委員長の不信任案を出しても、たちまち否決されてしまいましたね。例えば 予算案ですが、恐らく民主党を初めとして野党は「組替え論」ですか。

岡田 いま組替え案を出しまして、修正要求を最終的に出す可能性が高いですね。

――それを出しても、結果はもう否決ということになりますね。ということで、や やはり森ペースというものはある程度続いていく。そうなると、野党の攻め方としては力づくで揺すっても倒れない、つまり自滅を待つしかない、こういうことにならざるを得ないという……。

岡田 民主主義は最後は数ですので、ここは野党として、今の政権を倒すために詰め るのは当然だと思いますが、今むしろ問われているのは、与党がいかにして総理を代 えるのか、そこの自浄能力が問われているんだと思いますよ。

――ところがその自浄能力がなかなか起動しない。

岡田 起動しなければ、それはやっぱり与党そのものが問われるということではないでしょうか。

――そうすると、ダラダラこのままの形をとって参議院選挙と。

岡田 それはあり得ないんではないですか。

――この雑誌が出るのは三月中旬なんですが、その頃、森内閣は存在していますか。

岡田 とっても微妙な時期だと思いますが、党大会の直後ですね。

――そう、党大会は十三日です。

岡田 いずれにしても次の参議院選挙を森さんで闘おうという人はいないと思います よ。ですから、どこかで代わるということではないでしょうか。それが予算というものを一つのきっかけにして二月、三月にかわるのか、もっとギリギリまで、ということか。

政権の維持能力はもうほとんどありませんので、まあ、年度変わりまでには代わる だろうというふうに思っています。一番いいのは三月三十一日。年度末で株価が上がって、いろんな意味で都合がいいんではないかと、数カ月前に私は申し上げ たのですが、今でもその可能性が高いと思います。

――しかし、逆に三月三十一日までに自民党が役者を代えて、首を取りかえて、株 価がピンと上がるような顔ぶれでもって新内閣が出てきたら、野党としたらかえって 闘いにくいのではないですか。

岡田 残念ながら自民党に次の総理としてふさわしい人はいないですね。現在、名前が挙がっている人たちで株価が、瞬間的には(森総理が)辞めたということ で上がるかもしれませんが、いい総理が出てきたということで上がるとは思えないですね。結局、過去にさかのぼれば五五年体制が壊れて、まず社会党が潰れま した。自民党はまだ残っている。しかし、やっぱり自民党も耐用年数が過ぎていると私は思います。

自民党には理念がない。東西対立を反映した自民・社会の時代から、そういうイデ オロギー対立が終わって、じゃあ、自民党という政党は何のための政党かといえば、 結局現状維持以外に何もない。もう一つは手法としての利益分配の政治ですね。

ところが今はそれだけの財政の余裕がない。そういう意味で理念の点でも、具体的 な手法の点でも行き詰まっているのが今の自民党で、それはもう変えようがないわけですから。自民党が崩れ始めたら早いと思いますね。

意見を集約してエネルギーを爆発させる

――アサヒビールの樋口広太郎さんは、こういう時は大抵必ずものを言うし、注文を出す人ですが、さすがに「あとがない」と言っていました。注文のつけようがない と。

岡田 経済界はですね、もうそろそろ「自民党一辺倒」はやめたらどうだと思います よ。経済人一人ひとりにお話しすると、「もう自民党の時代ではない」という方は多 いですが、組織、経済団体という形になると、どうしても自民党の顔色を伺っている。私はそこの部分は一昔前よりもむしろ後退していると思うのですね。

――財界の方も腰が引けていると。自民党の方も財界の話に耳を傾けるという姿勢ではありませんし。

岡田 自民党をそんなに恐れなくてもいいではないかと言いたいですね。非常に遠慮していますよ。候補者を経済界から出す、経団連から出すということ自体が完全にアナクロだと思いますけれども。

――総理候補として高村(正彦、法相)さんの名前が出たりしています。あの人は及第点を取っている、外務大臣でも法務大臣でもよくやっているじゃないか、というような見方のようです。それから野中(広務、前幹事長)さん、小泉(純一郎、元厚 相)さん。しかし党内では「小泉さんじゃあ、ちょっと」という意見が強いようで す。野中さんに収斂していくという可能性もあるようですが。

岡田 国民の民意を完全に離れていますよ。熱心な自民党支持者でも、今の自民党の幹部の顔ぶれを見て、落ちも落ちたりという声はよく聞きます。ですか ら、民主党としては参議院で与野党逆転をなし遂げる。その上で民主党中心の政権を衆議院選挙で勝って作るという、そこの道筋ははっきりしているのです。そ れをやり切るかどうか ですね。

――その民主党ですが、鳩山由紀夫さんをリーダーとしてみた場合、いかがです か。

岡田 「自民党もだめだけれども、民主党は大丈夫か」という声はよく聞く話ですね。そこで、じゃあ、何が問題かというときに、リーダーの問題、それから党としてのまとまりの問題、それと政策の問題。そういうことだと思うのですね。

リーダーに関しては、まず若いんですよね。ですから、何となくそのことによる頼 りなさというのはあると思います。連戦錬磨のつわものとは違いますから。でも、だからこそ世の中を変えられるというふうに申し上げたいですね。もちろん鳩山さんが トップになって菅(直人、幹事長)さんがそれを支えるという構図で我らの政権を築 きたい。民主党政権になった時は、大臣の半分ぐらいは民間から持ってきたらいいと 思っているのです。

――なるほど。

岡田 民主党が政権をとるときは、日本が正に正念場を迎えたときです。政界の外からも広く人材を結集することも当然必要になります。そういうところを 参議院選挙に向けてきちっと見せていかなくてはいけない。そう思っています。もちろんご本人に近い将来の日本のトップリーダーになることを自覚していただ くことが大事なことですけれども。

――ご本人は自覚していますか(笑)。

岡田 やはりトップは大変だと思いますよ。いろんな人がいろんなことを言う。全部まともに聞いていたら、とてもわけのわからない話になるので、信念を持ってやっていただかないといけないだろうと思います。

―― 「鳩山手法」を見ますと、ちょっと短機出撃というところがあるんじゃありませんか。例えば、憲法に関する鳩山発言ですね。後ろを振り返ったらだれもついてこ ない(笑)、といった心配は?

岡田 ですから、リーダーシップということの中身だと思うのですね。もちろんそういうふうにして単機出撃でも先がける、先に走って、みんながそれについていくことは必要ですが、後ろを見たらだれもついてこないようなことでは本当の意味でのリー ダーシップとはいえませんので、集団的自衛権に関する発言ではそこの見きわめを ちょっと私は誤ったのではないのかなというふうに思いますね。非常に惜しかったと思います。しかし、人間というのは経験を重ねることでさらに大きくなれるわけで、 まだ発展途上だということはまちがいないと思います。逆に可能性は非常にある。

――こういう乱世の「それ行けドンドン」の場合にはむしろ菅さんスタイルの方がいいのではありませんか。

岡田 そこはいろいろありますね。ただ、鳩山さんは理念派ですね。だから、逆に混乱期はそういう理念派が必要だという見方もできると思います。それに鳩山 さんは頑固な方です、強い意思の持ち主ですよ。鳩山さんは九月の党大会で無投票で、即ち党所属国会議員の一致で代表になったわけで、我々はとにかく鳩山で 政権を取るという ふうに思い定めているわけです。

――今の岡田さんの言葉は自民党とは違うところですね。自民党の連中は、彼らが森さんを選んだんですからね。選んでおきながら、今になって「あれじゃあ、闘えな い」とか、「いや、けしからん」「早くやめろ」とか。

岡田 彼の個人的な問題もありますけれども、全部森さんにかぶせて。そういうのは見え見えですよね。

――民主党の「まとまり」の問題はいかがですか。

岡田 意見の多様性というのはプラスでもあると思うのですね。いろんな意見があっ ていいし、大いに議論したらいい。問題は多様であることが問題ではなくて、最終的 に何らかの方法で決めたら、その方向でみんなが同じ方向を目指して走るという、そこのところが若干見えないということですね。「何か民主党というのはクラブ活動み たいだ」と言った人がいますけれども、そうではなくて、やっぱり政治家としても生 き死にをかけて責任を持ってやり抜くんだという姿が見えないと本物と思われないの ではないでしょうか。

そこには欠けるところがあるんで、これは一つは党のマネージメントの問題でもあると思います。そういうことに長けた人があまりいないのも事実で、みんな でカバーしながらしっかりやっていかなければいけないというふうに思っています。特に若い人、当選回数の少ない人が圧倒的に多い党で、私は当選四回です が、四回以下が九割近い。三回以下で七割五分ぐらいあるんではないですか。そういう党ですから、そこは丁寧にやっていく。みんなが同じ方向に向いてエネル ギーを集中できたときにはすごい力を発揮できると思いますよ。

――今、マネージメントというお話がありましたが、確かにマネージメントに違いありませんけれども、もう一つ、政党の場合には血というか、伝統というか、そういうものの力もあるわけですね。ですから、それを考えると今の民主党というのは自民 党的なもの、社会党的なもの、それから日本新党的なもの、いろんな要素が相混ざっていますね。これは生まれも違う、育ちも違うという問題であって、マネージメントでもって「右向け右」、「いや、中心に固まれ」ということで動く問題とはちょっと 違うのではないかとも思うんですが。

岡田 自民党・社会党といっても、それはもう当選四回以上の人たちの話であって、 それ以降は細川政権以降の人たちですから、そんなに根の深いものではない。民主党 にはアメリカ合衆国のように、バラエティーに富んだ人種がいて、そういう人たちが 力を一つにして発揮しているわけなんで、それは持っていき方だと思うのですね。

――例えば横路(孝弘、副代表)さんとか赤松(広隆、国対委員長)さんと話をし ていますと、「旧社会党的なもの」がチラつきますね。やっぱりここに行っちゃうの かなあと思うところがありますが。

岡田 そうですか。私は横路先生と安全保障の問題なんかをよく議論させていただきますが、違和感はそれほど感じませんよ。人間的には経験を積んだ立派な方です。

――自民党から来た人たちの話を聞きますと、やっぱり自民党だなと。

岡田 私も自民党三年半、そしてそれ以外が七年半ですので、まあ、あまり自分では自民党とは思わないのです。

既得権益と決別できるかどうかがカギ

――ところで、民主党の強みは若さですね。若い人たちがだんだん育っていって、 主流になってくると民主党は変わったな、ということになるのでしょうね。

岡田 時代がそれまで待ってくれませんので、若い人を早く育て上げて、一人ひとりが力を発揮できるようにしないといけないと思います。人材は確かに優秀で すよ。官僚の人たちに話をしても、当選一、二回生にいろんな政策とか法案を持って回っても、理解能力は自民党と民主党は違うといわれますから。

――ああ、なるほど。

岡田 自民党は小選挙区の中で新たに国会議員になれる人は二世や先代と関係の深い 地方議員などに限定されてしまう。民主党の場合には広くいろんなところから人材が 集まりますので、若手の五十歳以下は絶対負けないと言っているのです。そうすると 上のお二人が文句を言いますので、鳩山さん、菅さんの前では「五十五歳以下は絶対に負けない」と言っているのです(笑)。

――岡田さんは二十八年生まれでしたね。

岡田 はい。

――二十八年というのは岡田さんをはじめ人材が豊富ですね。自民党では中川昭一 (元農相)さん。船田元(元経企庁長官)さんもそうですね。

岡田  「花の二八(にっぱち)」と言われたこともあるんですけれどもね。

――そのハイブリッドな力をこれから大いに発揮してもらわなければならないのだけれども、政策理念、政権構想をお聞かせ下さい。これがはっきりしているよ うではっきりしていない(笑)。つまり自民党的でない民主党というのが国民に徹底しているか、といえばむしろ漠然としているようなんですが。

岡田 一つは五五年体制の残渣(ざんさ)が残っていて、社会党というのはイデオロ ギーが違いましたから、非常にわかりやすかったですね。今は同じ土俵の上に乗っているわけなんで、そこがやや物足りなさを感じる。従来からの延長で考える とそういう部分はあると思います。

安全保障などはそう大きく違うわけではありません。民主党は日米安保における事 前協議制度の活性化や基地協定の改定など、より対等な日米関係というか、アメリカに対して日本の自立ということを強調していますが、日米安保を否定してい るわけで はもちろんありません。自民党と民主党の政策において一番の違いは何かと言われれ ば既得権との関係でそれを断ち切れるかどうかということだと思いますね。地方分権、財政構造改革、規制改革など主要な政策の方向性は日本という国はそうい う意味では非常に基盤がしっかりしているというか、大体だれに言わせても大きな流れは変わらないですね。これは自民党もそうだし、シンクタンクとか、いろ んな人が言って いる方向性も大きな方向性はそんなに違いないと思います。

ただ、それをやりきれるかどうかの問題だと思うのです。それは結局既得権がない、あるいは少ないと申し上げますが、民主党にはやり切る可能性があるとい うことだと思いますね。国民の皆さんがそこを本当に実感した時に、先ほど私は覚悟と言いましたが、民主党なら本当にやってくれると思った時に政権が変わる んだと思うので すね。個々の政策の話や内容よりも。

――自民党と民主党は基本的にどこが違うんだという意見はいかがですか。民主党 がせっかく政治改革あるいは行政改革というようなことを言っても、同じことを自民 党が言うわけです。

岡田 ですから、本当にそれができるかどうかというところが一番大事だと思います。自民党もいろいろ言いますけれども、何もできていないわけでしょ。既得権にとらわれてできない。

――民主党はできますか。

【岡 田】 民主党は権力の座にありませんので、既得権との関係は薄く、これを変えることは可能です。今の政治や日本経済の停滞が、既得権保護の中で身動きがと れなくなっていることに、国民の多くは気付いています。既得権のある人ほど、自民党を支持しています。民主党の使命は、これを破壊することで、これができ ないなら民主党 の存在価値はありません。

――国民はそういうふうに民主党に信頼を寄せつつありますか。

岡田  「敵失」に支えられているということもありますが、やっぱり今の自民党よりはいいだろうというふうにはかなり思っているんではないでしょうか。もうあと一押しなんですよ。

――だとすれば、各紙の世論調査を見てもわかる通り、自民党の減った分だけ民主党が太らなければだめですね。ところが民主党が自民党の凋落と正比例して増えているかというと、必ずしもそうではなくて、自民党の減った分は無党派へ行っている。

岡田 はい。僕は無党派でいいと思っているんですよ。何が何でもこの政党だという時代ではないと思う。ただ、最後の投票の瞬間にどこをチョイスするかの問題ですから。

――なるほど。我が国に二大政党対立という概念は定着しないのかもしれませんね。

岡田 従来の意味でのイデオロギー対立を背景にした二大政党の対立はないですよ。 自民と民主の対立軸は、都市か地方か、働く世代か高齢者か、そして改革か現状維持 か、ということだと思います。ただし、決定的な対立軸はなく、何が何でも一つの政 党を支持するという層は、少なくなっていますし、そのことは当たり前だと思うのです。しかし、対立軸が鮮明でないことは政権交代がないということを意味するわけで はありません。できの悪い経営者が交代したり、知事が交代するように政権政党が代 わることは大きな改革を可能にするのです。

――それは民主党も自民党も同じ。

岡田 自民党も一緒です。特定のイデオロギーの共産党とか、一つの宗教をバック ボーンにした公明党は別ですが、基本的には「どっち」が自分に近いか、その時点で 判断するという、そういう政治に日本の政治が変わっていると思います。ただ、既得 権を守ってほしい人々がいますので、何が何でも自民党という人はまだいる。特に年 配の方でいらっしゃるのですが、それも今剥げ落ちつつあって、大きな無党派の固ま りができてきている。それはその時の状況によって、民主党と自民党をチョイスす る。そういう政治だと私は思います。

自分が政治家ではなかったら、どこかの党の党員になるだろうかといったら、僕はないと思いますね。ですから私自身、「党員になってください」というのを非常にためらうのですね。とっても時代と合っていないような感じがして。「支持者になって ください」というのは言えると思うのです。

――なるほど。

岡田 それじゃあ、選挙は勝てませんかね(笑)。それから政界再編成についていいますと、私の考えでは、政界再編成はもう終わったという感じがします。もし政界再編成があるとしたら、野党になった自民党が分裂することだと思うのです。今、民主 党にとって大切なことは、ありもしない政界再編に力を注ぐより、民主党がいかに早 く強く大きくなるかという勝負だと思っています。今さら他党からややこしいいろん な人を連れてきて、民主党がさらにほかの党と合併するという必要はなくて、それより若い新しい人を当選させてもらいたい。それはいろんなところに名のある立派な経 歴の方はいらっしゃいますけれども、もうそういう時代ではなくて、そういう人と新 しく手を組むことを考えるよりは、若いフレッシュな人を新たに当選させることで民 主党自身が大きくなるべきだと思っています。

――しかし、それには時間がかかりますよ。

岡田 いや、それは小選挙区ですから一発でかなりの変化が期待できます。

――仮に新しい人が出てきても、この人が一つのコマとして活躍するにはやっぱり時間が必要でしょう?

岡田 民主党の場合、当選二回生は大きな顔をしてやっていますよ(笑)。

――要するに、民主党は公認候補者がかつてのような苦労をしなくてもいい人材が 集まってきていると。

岡田 そうなんです。むしろどの人を選ぶかというのに困っている。どういう人をリクルートして選挙に立てるか。そういう意味でも次の衆議院選挙で民主党中心の政権を作る下地が整えられつつあると私は思います。

――問題はその風向きに乗れるか乗れないかだ。

岡田 はい。ここでうまく乗れないと民主党に対する失望感は非常に高まる恐れもあります。

――ちょうど加藤(紘一、元自民党幹事長)さんに対する期待の裏返しになって、 あれはだめだというのと同じですからね。あの二の舞だけは避けなければなりませんね。

岡田 そのときは、そもそも政治全体に対する取り返しのできない失望になる可能性 が高いですね。自民党がだめなだけに。ところで他党のことをいうのはどうかと思いますが、私は自民党の自己改革能力には相当悲観的です。自民党が再生する 方法というのは一つだけしかないと思っています。それは野党を五年ぐらいやることです。そうしたら自民党自身も世代交代するし既得権がとれますから、そう いう意味で今度の 衆議院選挙で民主党が政権をとって、五年ぐらいやる。そこで自民党が再生したら、 本当の意味での政権交代可能な政治ができる。

――細川政権の時(の自民党野党時代)はあまりにも短かすぎましたね。

岡田 それは細川さんにも責任がありますよ。辞めちゃったわけですから。

――自民党がもう少し野党の苦しみを本当に味わったら、自民党は再生したか、あるいは空中分解したか、そのどっちかですね。

岡田 その通りです。全く同意見です。

――しかし、一党でもってマジョリティーということは不可能ですね。

岡田 うん、直ちには無理です。

――となると野党共闘ということが焦点になってくるんですが。

岡田 選挙協力はかなり進んでいます。それは相当先行していますね。

――熊谷(弘、幹事長代理)さんに言わせると、二十七の一人区ね。「よりどりみどり、お取りください」というぐらいの超協力と。それならまとまるかもしれない。

岡田 はい。かなり熊谷代理のご努力も実を結びつつあるんじゃないですか。政界再 編成を十年間やってきて、これからは民主党を育てる時代だと私は思います。いつまでも再編成の夢、青い鳥を追うのではなくて、やっぱり民主党そのものを政権党に 作っていく時代だ、それだけの条件は整っている、というふうに私は思います。現実は小選挙区ですし、なかなかそんな再編成というのは無理がありますよ。

――自由党の小沢(一郎)さんの動きはいかがですか。あの人はいまだに政界再編成にかけているというところがあるようですが。それに対して拍手を送る野党勢もいるし、民主党の中にもそういう分子がないとは言えない。

岡田 先ほども言いましたが、私たちは再編というものを十年間続けてきたわけで す。十年間やってきましたので、そういうことの限界も非常に感じるわけです。党の中をしっかりまとめていくということがものすごく大事なことだと思います。

――小沢さんはかつてけんか別れした熊谷さんとも会っているようですね。

岡田 それはそれでいいんです。あれはなるべく協力していくというのでいいんです。できれば僕らもずっと一緒にやっていきたいと思うのです。しかし、再編 成といったって、野党の中でくっついたり離れたりしても意味ないですよ。中心はあくまで民主党であり、民主党が強く大きくなることなんです。

――自民党の策動はどうですか。野中さんなどが民主党の中に手を突っ込んでくる、といった可能性はないですか。

岡田 だからこそ、民主党をいかに一つにまとめていくかということが大事なんです ね。じゃあ、我々は自民党に手を突っ込むか、それはなかなかできないでしょう。向こうは一応衆議院は多数を占めているわけですから。来る人は拒みませんよ、いい人 なら。

――共産党はどうなるのでしょうか。

岡田 まあ、一緒にやることがあったとしても、大分先ですね。今の共産党では無理です。我々が民主党中心の政権を作る時に共産党はパートナーたり得ないし、自民党も違う。逆にいうとほかの党ならパートナーはたり得ると思います。

――社民党はどうですか?

岡田 社民党自身はかなり変わってきましたね。議員レベルではもうかつての社会党 とは違う。今、女性中心に変わっているんです。新人が非常に多いわけですし、そういう意味で、議員が変わったということは全体の体質も変わっていくだろう と思いますので、それは十分やっていけると思います。

――土井(たかこ、代表)は変わってないですよ。

岡田 土井さんはね。でも、社民党をパートナーにしないと民主党だけで単独政権ができるわけはないんですから。ただ、我々が将来目指すものは民主党の単独政権です。それは過渡期の問題ですから

――小沢さんに対する好き嫌いはそれぞれあると思うんですが、あの人がやっぱり キーマンですね。あの人の持っているノウハウというものは貴重ではありませんか。

岡田 貴重ですね。私も政治家として小沢さんには多くのことを教えられました。時代の流れは速いといっても小沢さんが依然としてキーマンの一人であることは事実です。

――小沢さんを利用できなくちゃ。手玉にとられるのではなく手玉にとるというぐらい(笑)。 (平成13年2月22日)




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