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1998.09.08|国会会議録

143回 衆議院・金融安定化に関する特別委員会

岡田委員 民主党の岡田克也です。

きょうは、野党三会派の法案について質問をさせていただきたいと思います。質問をする以上、同じ党とはいえ、聞くべきことはきちんと聞く、そういう姿勢で聞かせていただきたいと思いますので、よろしく御答弁をいただきますようお願いします。

まず、この委員会でもたびたび議論になりました金融再生委員会の性格詮について、少しやりとりをしながら整理をしておきたい、こういうふうに思っております。

基本的に、この金融再生委員会は国家行政組織法三条の機関というふうに位置づけられているわけでありますが、なぜわざわざ三条機関ということにしたのか、その基本的考え方についてまず確認をしておきたいと思います。

池田(元)議員 岡田委員にお答えをいたします。

国家行政組織法第三条の委員会、いうところの独立行政委員会として金融再生委員会を設置すべしというのは、我々の提案の中心の一つでございます。

この三条委員会といいますのは、いわゆる国家行政組織の中で、政治的中立性、それから相反する利益の調整等、そういった事務に適するものとして考えられておりますが、この再生委員会は、まさにそれに適合するものとして三条機関としたわけでございます。

岡田委員 確かに、この金融再生委員会のいろいろな機能の中で、所管事項及び権限ということになるわけですけれども、この中で、例えば検査に係ることあるいは監督に係ること、そういうものは中立性ということが非常に要求されることではないかというふうに思うわけですが、四条の第一項第一号の「金融制度の調査、企画及び立案をすること。」ということも、つまり、今大蔵省にある金融の企画立案機能というものもこの再生委員会に持ってきているわけでございます。

こういう金融制度の調査、企画、立案をすることということは、ある意味では行政そのものでありまして、そういう意味で、三条機関、独立性を持った三条機関の行う所掌としてはなじまないのではないか、こういう議論が当然出てくるわけでございますが、それに対してどのように御説明されますか。

池田(元)議員 岡田委員の御疑問にお答えします。

この金融再生委員会の事務は、これは一般の行政機関の事務と異なりまして、まさにこれからルールにのっとった金融行政を行わなければならない。この企画立案は、主としてそういったルール、規則の制定が中心になると思われますので、まさに再生委員会は、そういった意味でそれにふさわしい機関ではないかと考えるところです。

岡田委員 そういう面の金融制度の調査、企画、立案ということもあるのだと思いますが、例えば、これからビッグバンを控えて、我が国の金融業、一つの産業としてこれをどういう方向に持っていくのか、こういう議論も当然あると思うわけですが、そういったものについては、この四条第一項第一号の金融制度の調査、企画、立案の中に入っているのでしょうか入っていないのでしょうか。

池田(元)議員 私は、現在のこの金融の情勢、そしてその背景にある金融市場の変貌を考えてみますと、やはりこれからは、民間企業である金融機関が市場規律のもとでその営業といいますか活動を行う、それが中心であるべきである。ですから、きのうも申し上げた、行政改革基本法の中にも、行政の関与は最小限にすべきである、そういう精神が、そういう考え方がますますこれから必要になってくるのではないかと思います。

もちろん、大変な金融危機でありますので、それについての破綻処理のスキーム、ルールを決めることは当然でございますが、平時になれば、まさに事後監視型の行政に転換をする、その場合には、まさに中立性、公正性が求められる行政委員会が最も適合をしていると考えております。

岡田委員 基本的な議論として、行政の関与を最小限にするというのはおっしゃるとおりでありますが、これは別に金融に限らず他の産業、例えば、現在通産省が所掌している産業も運輸省が所掌している産業も同じではないかというふうに思うのですね。基本的に、ルールをつくって、そのルールに基づいて行われるかどうかのチェックを中心にした産業政策というものに移行していく、こういうことだと思います。

そういう意味では金融も全く同じでありまして、しかもそれは、ルールといっても、そのルールをつくるところについては、やはり産業政策的な観点、我が国の金融産業というものを国際的に競争力のあるものにしていくという観点は当然加味されていなければいけないわけでありまして、そういう意味では、一般の産業に対して通産省がやっている、運輸業については運輸省がやっている、建設業については建設省がやっている、それぞれ産業を所管する省庁が行っているのと同じように、ここはやはり独立行政委員会ではなくて、金融行政を行うそういう省庁がきちっとやっていくということも私は議論としては十分成り立つと思うのですが、いかがでしょうか。

池田(元)議員 岡田委員は通産省にいらっしゃったこともありますので、産業政策という言葉が十九世紀以来ございますが、もうそういった古い意味の産業政策と決別をしなければならないのは御存じのとおりであります。我々も、官から民へと、できるだけ官の関与を少なくしていかなければならないわけでありますから、マーケット重視の経済運営、金融行政をしなければならないと思います。

しかしながら、現在の日本の金融機関の状況を見ますと、きのうも議論がありましたオーバーキャパシティーとかオーバーバンキングとか、これは当然考慮していかなければならないと考えておりまして、この金融再生委員会の中で特別公的管理に入った後、合併とかそういうことも視野に入れておりますので、そういった面は当然この委員会が取り仕切るものと考えております。

アメリカにFCC、連邦通信委員会というのがあるのですが、これは放送その他に対してルールをはっきり定めてやっている反面、新しいメディアの時代にどうすべきかということも当然この機関は考えておりますので、そういうのも参考になるのではないかと考えております。

岡田委員 今の池田さんのお答えは、一つの筋の通った答えだと思います。

ただ、観点を変えて御質問いたしますと、三条機関というのは非常に独立性が強いということであります。政治的な中立あるいは独立性を求められるという、そういう三条機関としての性格と、それからこの法律の中で、第六条で「委員長は、国務大臣をもって充てる。」こうしていることとの整合性といいますか、そこはどのように説明されるのでしょうか。

池田(元)議員 金融再生委員会は、金融担当の国務大臣であります委員長と、衆参両院の同意を得た経済、金融、法律に識見を有する四人の委員でつくられることは、岡田委員御存じのとおりです。この委員長は、会務を総理し、委員会を代表いたします。また、委員長は、再生委員会を招集することにしております。さらに、再生委員会の議事は、可否同数のときは、委員長の決するところによるとしております。まさにこの再生委員会は、国務大臣である委員長の主導のもとに運営されることになっております。

内閣との関係を申しますと、金融再生委員会の委員長は、内閣の一員である国務大臣、そして委員は、内閣総理大臣が両院の同意を得て任命する。ですから再生委員会は、委員長を通して、内閣の一員として憲法六十六条のとおり国会に対して責任を負う、十分責任が全うできるものと考えております。

また、同様の組織として国家公安委員会があり、これも十分機能していることは、委員御存じのとおりです。

岡田委員 純粋に中立性、独立性を求めていくということであれば、私は、大臣を委員長にする必要はないという議論は当然出てくると思うのですが、そこについての御検討はされなかったのでしょうか。

池田(元)議員 これが、いわゆる平時といいますか、ビッグバン時代に入りまして事後チェック型の行政のみやるということになれば、別に国務大臣である委員長を置く必要は必ずしもないと思います。しかし、この金融危機に当たり、再生委員会が主として担うとはいっても、内閣としてこの最終責任を負うという形をとる必要があるということで、国務大臣である委員長を置くということにしたわけであります。

今、お話の進め方として、三条委員会の中立性、公正さをおっしゃった後、責任ということをおっしゃいましたが、この金融再生委員会は、一元的な金融行政の組織であり、責任体制を明確にするとともに、金融行政ということから、公正さ、中立性を確保できる、いわば両方の長所を兼ね備えたものであると私は考えております。

岡田委員 今の御説明もよくわかるのですが、両方の長所を兼ね備えたということは、いわば非常に中途半端な位置づけだということも意味しているのではないかな、そういう議論もあり得ると思うのですね。

ですから、独立性の強い三条機関とするということを重視するのであれば、私は、大臣を置くべきではないし、あるいは内閣が責任を持ってやっていくということであれば、それは、もちろん大蔵省とは切り離した組織にしなければいけないわけですけれども、三条機関とせずに、政府の中の一つの大臣をいただく組織として、金融監督庁でもあるいは金融庁でもいいのですけれども、そういうものを置くというのが私はすっきりしているのではないかなという気もするのですが、いかがでしょうか。

池田(元)議員 一つのことで割り切るとそういうふうにおっしゃられるかもしれませんが、この問題、例えば現実問題を見ればわかると思うのですよ。

金融監督庁と金融企画局を例えば金融庁担当の大臣のもとに置くとした場合には、これまでの大蔵行政は隠ぺい、先送りでここまで来ているわけですね。それで、一人の大臣がそれを統括するというのは、ある意味では危険であると私は思います。そこに合議制の二人ないし四人の委員を置くことは、やはり大変重要であると私は思います。

例えば、特別公的管理の判断をするというのは、これは大変重要ですね。(発言する者あり)特別公的管理に入る場合は、大変重要な判断です。これはまさに再生委員会の議事になじむのではないかと思います。今、一人では暴走するのではないかということもございまして、まさにそういうものを食いとめるために、国務大臣を委員長とする三条委員会の再生委員会を設けたわけであります。

岡田委員 私は、この設けられる金融再生委員会を一つの省のような形にして大臣を置くのであれば、同じような心配があれば、その中に金融監督庁という組織が置かれるわけですね。その金融監督庁のところに、おっしゃったような合議制の検査監督をするというところについて、客観性を確保するようなそういう仕組みをビルトインすればそれでもいいのではないかなという気がいたしますが、いかがでしょうか。

池田(元)議員 野党民主党の岡田委員にお答えをいたします。

全くそれは一方的な、一つの面だけの議論でございまして、現状は、検査監督は金融監督庁、企画立案は金融企画局に分かれており、検査監督だけに置くのは非常に一方的、ワンサイドだと思います。

というのは、先ほど申し上げたように、ビッグバン時代では金融行政の中心はルール、規則の制定でございまして、まさに企画立案も大変重要です。それをあわせ持った組織として、その上にといいますか、統括するものとして金融再生委員会を置くのが最もふさわしいと私は確信しております。

岡田委員 私がいろいろ聞くと、何か特別の意図があるんじゃないか、こういうふうに勘ぐられるかもしれませんので言っておきますが、私は、きょうは委員個人として、みずからの若干疑問を持つところを聞いているわけでありまして、特定の意図があって、私が聞いているから実は民主党もそういう考え方じゃないかとか、そういうことはもちろんございません。

その上で、次の話に行きたいと思いますが、それじゃ、今の議論の大前提として、財政と金融の分離という話が当然あるわけですが、ここについて基本的に提案者の皆さんはどういうふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。

池田(元)議員 財政と金融の分離というのは、別に神学論争ではございません。戦後の歴史で二つの大きな経済失政、今度も入るかもしれませんが、二つあったとされております。

一つは、ちょっと委員長もその場にいらっしゃったかもしれませんが、田中内閣のときの過剰流動性。日銀がなかなか財政当局の圧力に抗し切れずに過剰流動性を生んでしまった。それで、狂乱インフレという形で国民は大変な目に遭った。それから、八七年からのバブルの発生は、既に宮澤大蔵大臣は反省の弁を述べていらっしゃいますが、財政が金融にしわ寄せをして、そしてあのように長い期間、超低金利を続けてしまった。これがバブルの発生の大きな原因であるということは多くの識者が指摘するとおりでありまして、財政と金融は明らかに利益が相反しますので、これを截然と分離することが必要であるというのが我々の考え方でございます。

岡田委員 財政、金融の分離という場合に、今池田さんが御答弁になったように、完全に財政と金融を分離するという考え方と……(池田(元)議員「完全じゃない」と呼ぶ)ええ、基本的にですね。それからもう一つは、金融の検査監督だけを分ける、こういう考え方、二つ論理的にはあり得るわけで、現在は検査監督を別組織にするということで金融監督庁ができているわけであります。

しかし私は、ここ数カ月の金融監督庁のやってきたことを見ると、こういう中途半端な形での分離ではもう無理だということが残念ながら立証されてしまったのではないか、こういうふうに思うわけであります。本来、金融監督庁というのは、客観的な検査をきちんとやって、そしてその結果を予断を交えずにちゃんと出す、こういう役割を求められている。だからこそ従来の大蔵省から分離したわけであります。

ところが現実には、この委員会での今までの審議でもわかるように、例えば、長銀検査がいつ出るかわかりません、こういう答弁が出たり、あるいは総理官邸に金融監督庁の長官まで行って、そして合併相手と言われる住友信託銀行の頭取とお話をしているとか、まさしく金融監督庁をつくったことの趣旨を逸脱しているというか、いろいろ事件があって検査監督機能を別にした、そのことの趣旨を全くわきまえない、そういう最近の金融監督庁の特に長官を中心とする動きでありますから、結局、形式的に検査監督機能だけ分離してもこれは問題の解決にはならないんだということを、残念ながらここ数カ月間で立証してしまった、私はそういうふうに思うわけでございます。

そういう意味で、やはり基本的に金融と財政は分離をする、つまり企画機能も含めて大蔵省から分離をするということにならざるを得ない、こういうふうに思うわけですが、皆さんの御意見はいかがでしょうか。

池田(元)議員 財政と金融の分離の必要性を先ほど申し上げました。

私は、国の組織の中で最後まで財政と金融を分華するという考え方はとらないのは当然です。マクロ経済政策としてそれを総合調整する。しかし、財政の役割は財政の役割、金融の役割は金融の役割、それをはっきり国民や市場に示して、その上でマクロ経済政策を立てるのは当然のことであります。

そして、与党の中のいろいろな経過がございました。きのうも、九六年九月の合意では、いろいろ自民党からも異論がありますが、自民党自身も公取型の三条機関を基本にして具体化を図ると言っていたわけであります。また、その年末には、財政と金融の分准については明確にするという合意もなされているわけでありまして、それが一部反映して中央省庁改革基本法になったわけです。

この法律によりますと、早ければ二〇〇一年一月を目標に金融監督庁を改組して金融庁にするということになっておりまして、我々の提案はまさにそれを先取りする。しかも、現状からいいまして、実態問題からいっても、先ほども言いましたが、今のばらばらな金融行政のあり方ではなくて、まさに一元的に再生委員会を置いて、同時に合議制の委員会として公正な判断をする。まさに両方の面を生かして、この危機にある我が国の金融について明確な判断をしていくということを考えているわけです。

岡田委員 そこで、先ほどたしか池田さんの午前中の答弁の中で、通貨に関することは、これは大蔵省に残しておくんだ、こういう御答弁があったと思うんですが、国際金融に関すること全般について大蔵省に置いておく、残しておくという御趣旨なんでしょうか。それとも、国際金融に関することの大部分は金融庁あるいはこの再生委員会に持っていくというお考えなんでしょうか。いずれでしょうか。

古川議員 金融再生委員会につきましては、現下の危機的な金融の状況、これを二〇〇一年三月までという期間を区切って短期集中的にこの間に処理する、そういうものでございますので、その形でそのことに集中することにしておりますが、この金融再生委員会をつくることによって、ここに金融行政に関する権限を一元化することによりまして、将来の金融庁への移行も視野に入れており、先ほどから池田議員が答弁をさせていただいておりますように、財政と金融の完全分離というものも先取りしていこうというものでございます。

ですから、御指摘のとおり、国際金融に関する部分も、この部分を将来的には、ここだけを大蔵省に残してもいかがかというふうには考えておりますので、今の岡田委員の御指摘は貴重な御意見として、今後の検討課題として、それは金融庁になったときには、そのときには移すというような方向で考えていきたいというふうに考えております。

岡田委員 そうすると、今の段階でははっきり答えは出さないで、金融庁が二〇〇一年でしたかにスタートするときにもう一度考える、こういう趣旨ですね。

それから、もう一つ確認なんですが、検査組織の地方組織ですね。今は財務局の中にあると思うんですが、これはどういうふうにするおつもりなんですか。どこか法律に書いてあるのかもしれませんが。

古川議員 これは、大蔵省設置法の方を一部を改正いたしまして、従来の、要は、金融監督庁の指示のもとでやっていた、あるいは大蔵省の指示のもとにやっていた部分は、これは再生委員会の指示、委任、委託を受けてやるような形になるという感じになると思います。

ただ、この部分につきましても、検査体制の将来的な増員とかそういうものから考えれば、地方組織というものも、やはりこれは将来的には独自のものをつくっていく方向にしていかなきゃいけないのじゃないか。

与党の議員からも御指摘ありましたように、こうした再生委員会、急につくるといってもできないのじゃないか。監督庁をつくるのに時間がかかったというお話がございました。ただ、私たちのをよく見ていただければわかりますように、金融再生委員会というもの自体はそれほど大きな組織を目途としているわけではなくて、今の大蔵省の金融企画局あるいは金融監督庁、そうしたものをこの金融再生委員会のもとにまとめる。そういった意味ではそれほど組織的に大きな変換を伴うことじゃなく、一つにまとめるといった意味では、今のところ、急にやらないという形では、やはり財務局を使うという形になるというふうに考えております。

岡田委員 ここは、できれば私は財務局から外すべきではないか。人事がそういう形で大蔵省財務局という中で行われるということになりますと、やはりいろいろな意味で独立した検査というものに障害が出てくるのじゃないか。これは現行法でも同じ問題があるわけですが、そういう指摘をしておきたいと思います。

それじゃ、次に参りたいと思いますが、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案の方なんですが、ここで裁判所というもののかみ方の問題があります。

これは与党の議員からもいろいろ今まで質問があったところでありますが、例えば八条で「業務及び財産の管理を命ずる処分」というのがあります。そして第九条の「裁判所の認可」があって、 裁判所は、前条第一項の認可の申請があった場 合において、当該申請が同項に規定する要件に該当すると認めるときは、当該申請のあった日又はその翌日において、当該申請に係る管理を命ずる処分の認可をしなければならない。この九条で言う「同項に規定する要件」というのは、八条の一項の一号、二号だけを指すのか、あるいは八条の一項の柱書きの部分も含む概念なのか、いずれでしょうか。

古川議員 基本的には、裁判所の認可につきましては、今おっしゃいました柱書きの部分も含めて、委員会が決定をしました事項について、これは基本的には裁判所の方がそれほど、実質的なことを決定するというよりも、むしろそこは客観的条件がそろっているか、ある意味で条件を満たしているかというものを、集められてきた資料に基づいて、まさに、金融再生委員会が考えるような形ではなく、裁判所に求められるような、いわゆる証拠認定的な話になるかと思いますが、そのような形で、そうした資料がそろっているか、そのようなものを判断した上で最終的に認可をするということになると思います。

岡田委員 そこで、この八条の柱書きの中で、債務超過というケースが書かれていますね、「金融機関がその財産をもって債務を完済することができない場合その他」云々かんぬんと。そうすると、債務超過であるということを裁判所が認定をする、本当にできるのだろうか。これはかなり精査をしていかないと債務超過かどうかなんということは簡単には出てこないと思うのですが、これが本当に可能なのかどうか、これが一点。

もう一点は、一号、二号の二号の部分で、

その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合 には、当該金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。大きな支障が生ずるかどうかというのは、これは私は、規範に照らした判断ではなくて行政判断じゃないかと思うのですね。ここの部分を、認可とはいえ裁判所に係らしむるということが適切なのかどうか。この二点についてお聞きをしたいと思います。

一番主張しておられる西川さんがおられないのが非常に残念なんですが。

石井(啓)議員 一番主張しております西川さんにかわりましてお答えをいたします。

まず、この法律の構成からいいますと、第八条にいたしましても、あるいは第二十八条にいたしましても、金融再生委員会が、金融整理管財人による管理あるいは特別公的管理に該当するかどうかをまず第一義的に判断をする、こういうことでございますので、今おっしゃいました第一番目の、債務超過状態になっているかどうか、これもまず金融再生委員会が把握をする、こういうことで考えております。

その上で、この第八条なり第二十八条に当たる要件に該当するのかどうか、これを裁判所に申請を行うということでございますから、金融再生委員会は、裁判所が迅速な判断を要するような十分な説明資料、判断資料または口頭での説明を行う、こういう状況を想定しているわけでございます。

岡田委員 二号の方は今お答えいただきましたか。――ああ、そうですが。

私は、やはり裁判所をかませるということであれば、もう少し時間が必要なんじゃないかなと。それから、二号の方はやはり行政判断なんじゃないかなという気がいたしますので、無理にここで裁判所をかませる必要はないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、あえてここで裁判所の認可を必要とした理由は何かございますか。

石井(啓)議員 今回、この処理に当たります主体は金融再生委員会でございますから、現在の行政機関から比べますと公平性というのは格段に向上するものとは思ってはおりますけれども、やはり行政機関でございますので、行政機関がある意味で恣意的にいろいろな裁量行為等を行わないようなチェック・アンド・バランスという観点から裁判所の認可を求めた、こういうことでございます。

岡田委員 それは別に裁判所をかませないとできない話ではないように私は思うのですが、ここはなお検討課題だというふうに申し上げておきたいと思います。

それから、金融整理管財人のもとでいろいろ、最長二年間やっていくわけですが、ここで言われている最終的な処理というのは、合併とか営業譲渡ということをまず念頭に置いて組み立てられておられるのか、原則清算ということを考えておられるのか、いずれなんでしょうか。

石井(啓)議員 清算という言葉に若干いろいろな意味が、意味がといいますか誤解が含まれるような要素があると思いますけれども、ここで私どもが言っておりますのは、単に会社を単純に清算をして全部なくしてしまうということではなく、原則営業譲渡あるいは資産の売却等を行うということを考えておりまして、残った法人を清算する、こういうことでございますので、先生おっしゃるとおりでございます。

岡田委員 そこで、二十六条の「管理の終了」というのがそこに当たるわけでありますが、原則一年以内、場合によっては一年に限りこの期間を延長する、こういうことになっているわけです。ここが政府・与党のお出しの法案と長さの点において違いがあるわけですが、基本的に原則一年、例外二年ということでそういう合併相手あるいは営業譲渡先というものが見つかるのかどうか、あるいは、これを長くしたときにどういう弊害があるのかということについて御答弁いただきたいと思います。

石井(啓)議員 その点は非常に重要な点でございまして、実は、私ども北海道拓殖銀行に調査に行きましてお話を聞きました折に、拓銀の場合は、北海道分の引き受けは北洋銀行でございましたが、昨年十一月に破綻した時点では、本州分については引き受け手が決まっておりませんでした。それで、破綻した後、預金の流出がやはり拓銀もあったと。ただ、北海道分については、北洋銀行が、引き受け手があるということで二週間程度でおさまった。本州分については、最終的に引き受け手が決まるまでの間はやはり預金の流出が続いた、こういう話を聞いてまいりました。

この経験から考えますと、私どもは、預金者保護をしているとはいいましても、やはり早急に引き受け手となる金融機関を探すということが非常に重要であると考えておりまして、いたずらにこれを引き延ばすということになりますと、預金の流出のみならず資産の劣化も招いてしまうということでございますから、私どもは原則一年、ないし長くても二年の間で行われなければ、これより先に延ばすということになりますと、資産の劣化も続き、預金の流出も続き、結局大変なくず債権ばかり残るようなそういう銀行になりかねない、こういうふうに思っております。

岡田委員 今の御答弁を整理しますと、だれでも早く合併の相手とか営業譲渡先を見つけたい、一刻も早くそうしたいというのはこれは当然のことでありますから、ポイントはむしろ今の御答弁の後半にあったのであって、最長二年を超えてしまうと結局非常に劣化したものしか残らずに、かえって公的負担がふえてしまう、だから原則一年、例外二年ということで切った、そこが政府と考え方の違うところだ、こういう答弁と理解してよろしいですね。

それでは最後に、時間が参りましたのでもう一問だけ。

公的管理のところに関係するわけですが、第五十三条に「金融機関の申出」という規定がございます。金融機関は、その業務又は財産の状況に照らし預金等の払戻 しを停止するおそれがあるときは、その旨及びその理由を、文書をもって、金融再生委員会に 申し出なければならない。こういうふうになっておりますが、このことと、それから二十八条の「特別公的管理の開始の決定」というものはどういうふうにリンクしているんでしょうか。

古川議員 今委員の御指摘の「金融機関の申出」は、御承知のようにこれは雑則のところに入っておりまして、これはそもそも、金融再生委員会が、いわゆる特別な公的な管理に入るか、あるいは金融整理管財人をつけるか、その判断をする前のところのアクションを起こすときの両方にこれはかかっているんですね。

別に、この申し出があったら必ずこれは特別公的管理に入るというわけではなくて、そういう申し出があれば、これは事実上、つまりあしたの資金繰りもつかないというような状況に金融機関が立ち入って、そこで、今そういう状況ですということを再生委員会に申し出てくるということになりますから、そこでは、これは前の方で言っておりますように、その場合にはこの再生委員会でいわゆる破綻した金融機関というふうに認定をして、それによって、ある場合には金融整理管財人、そしてある場合には特別公的管理、そういった従来のスキームの中でこれを判断していくということになると思います。

岡田委員 ですから、客観的な条件が二十八条の適用のためには必要ですが、そういうものを満たしておれば、みずからが払い戻しの停止のおそれがあると認めてそういう申し出をしてくるわけですから、原則的には、金融再生委員会は二十八条でそれを受けとめて、そして一定の要件がそろえば手続に入っていく、その導入のための規定になるということですね。

これは、おそれですから、実際に債務超過であるとか実際に停止であるということは必要ありませんので、銀行自身がみずからおそれがあると思ってこの申し出をすれば、おそれがあると自分が言っているわけですから、二十八条でそれを受けとめて、その手続に要件がそろえば入っていく、こういうふうに理解していいですね。

枝野議員 まさに今御指摘のとおりでありまして、そういったことから公的管理等に入っていくというケースが、むしろ場合によっては、特に初期の段階は、金融再生委員会が立ち上がっても、そのしっかりとしたルールに基づいての検査というのが終わるまでの間というのは、もしかするとそういったケースの方が多いのかもしれないというふうに思っています。

岡田委員 これで終わります。




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