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1997.04.11|国会会議録

140回 衆議院・厚生委員会

岡田委員 新進党の岡田克也です。

まず、中身の審議に入る前に、この委員会についての大臣の審議の進め方についての御意見をお伺いしておきたいと思います。

先般の議論でも、非常に重要な審議であるから十分に議論したい、審議していただきたい、こういうお話が大臣からもあったように理解をしているところでございます。

確かに、二兆円という国民の負担、そしてまた同時に、重要な医療保険制度についての構造改革の第一歩としての委員会であります。したがって、私はむやみやたらに審議を引き延ばすなどということは毛頭考えておりませんが、しかし、きちんとした、国民にわかる議論というものがこの委員会において展開されなければいけない、こういうふうに思いますが、大臣の基本的なお考えをまず聞かせていただきたいと思います。

小泉国務大臣 連日精力的な御審議をいただいているということに対しては、私自身も、国民に理解をしてもらうという立場から、大変好ましい、望ましいことだと思っております。

今後の審議の方法等については、委員長を初め委員の皆様方に今お任せしているわけですので、私としては、その委員会の指示に従って、いつでもこちらに出席させていただくという気持ちでおりますので、十分な審議というのは、委員長を初め皆様方の御判断にお任せしたいと思います。

岡田委員 言い方が微妙なところがあったと思いますが、いずれにいたしましても、何か形式的に、何時間議論したからもう採決だとか、そういう方法は、特にこういう問題でありますから第一にとってはいけない、そういうふうに私は思いますし、それは委員長にお任せするということではなくて、私どもももちろんそれぞれ中で議論しておりますけれども、大臣からも、十分な審議をするようにぜひ委員長を初め与党の皆様にもお願いをしておいていただきたい、こういうふうに思っております。

さて、これから何度も議論をしたいと思いますので、きょうは、その中で、主として周辺の問題を中心に少し御議論したいと思いますが、その前に、この前の本会議の場で私が申し上げたことでありますけれども、医療における構造改革の視点の問題であります。

私、本会議で申し上げましたのは、そういった基本的な視点を欠く改革というのは、結局、利害関係者の妥協の産物になってしまう、そういうことを申し上げました。

そしてその上で、基本的な視点として重要なのは二つある。一つは、競争原理の導入である。これは、もちろん医療の特殊性がありますから、一般のマーケットメカニズムが働く、すべてにそういうものが働くわけではございません。人の命を預かるという特殊性を考えれば、もちろん部分的なものにはとどまりますけれども、完全統制経済ではなくて、そこに部分的な市場原理を導入していくこと、そして同時に、情報公開をしていくこと、この二つの視点が重要ではないかというふうに御指摘を申し上げました。

大臣からは「大筋で、基本的に私も同感」だというお答えをいただいたわけでありますが、まず、ここのところをもう少し詳しく御答弁いただけませんでしょうか。

小泉国務大臣 ほかの問題と違って、医療というのは、ほかの経済活動とは違って割り切れない面がかなりあると思います。

市場経済という枠で日本経済は発展してまいりましたが、その中で医療というのは統制経済であります。普通の市場経済だと、供給が多ければ値段も下がる、需要と供給というのはバランスのとれた動きを示すわけでありますが、医療においては必ずしもそうじゃない。病院がふえたりお医者さんがふえたりすると、逆に値段を下げるというわけにはいかぬ、医療費はますます増大していくという、需要と供給の問題が普通の経済活動と違う。そして、だれでも貧富を問わず適切な医療を受けたいという国民の要望にこたえるためには、私は、ある程度統制的な、計画的な経済規制というのは必要だと思っています。

しかし、その中でも、できるだけ質の向上を促すためにも競争原理というものを導入していく必要があるのじゃないかということで、これからの改革におきましても、例えて言いますと、今、薬価基準、いろいろ問題が出ております。これも、見直しするに当たっては、市場取引の実勢にゆだねるという原則に立って見直しを行っていきたい。そして、今いろいろ批判があります薬価の高さあるいは新薬への移行問題、そういう弊害を解決できるような方法、そういうことを考えますと、むしろ市場取引の実勢にゆだねる方がいいのじゃないかという御意見が強いものですから、これも一つの方法だなと。

と同時に、情報公開するという点も大事な問題でありますから、どういう審議が行われているのか、利害関係者間の意見の違いはどうなのかということが国民にもわかるような情報公開を進めていきたいと思います。

岡田委員 そこで、実は先ほど申し上げた二つの視点というのは、同じようなことを考えた方がいらっしゃるわけですね。それは、たまたま最近入手をしました与党医療保険制度改革協議会の座長丹羽さんの座長試案の中にも同じような表現が出てまいります。「改革の視点」、二つあります。一つは「医療における情報公開の推進と透明性の確保を図ること」、第二点が「公益性を堅持しつつ、医療における市場原理を導入すること」こういう視点が大事だと書いてある。

ところが、この座長試案がもとになっていろいろ与党の中で御議論いただいたのだと思いますが、与党医療保険制度改革協議会が四月七日に出した基本方針では、情報公開の方は多少それに触れたところがあります。しかし、この市場原理の導入というところが見事に抜け落ちている。これは、原案としてあったものが途中で落ちたということは、やはりそれなりに意味があるのだろう、こういうふうに思うのですね。

もちろん、これは与党の皆さんにむしろお聞きすべき話ではありますが、今大臣としては、市場原理の導入は、もちろん限界はあるけれども重要である、統制経済だけではいけない、こういうお話がありましたが、与党の中での議論については大臣もいろいろフォローされていることとは思いますが、こういう形で最終的な与党協議会の基本方針の中で市場原理という考え方が落ちてしまっているということについて、どういうふうにお考えでしょうか。

小泉国務大臣 文章的には落ちているとしても、この基本的な方向、考え方というのは変わっていないと私は認識をしております。

岡田委員 確かに、「医療資源に無駄がないか、効率的かどうかの観点」、こういうのは書いてあります。むだがない、効率的であるためには確かに市場原理の導入というのは一つの手段だと思いますが、今大臣は、変わっていないという御認識であれば結構だと思いますが、私は若干首をかしげている。なぜこういうふうになったのだろうか、こういう気がしております。

いずれにいたしましても、今大臣がお話しになった薬価の問題、これはまた別の機会に詳しくやりたいと思いますけれども、薬価のところでありますとか、それから診療報酬のところも、ここもいろいろ御議論のあるところであります。

出来高払いだけではなくて、これはもちろん、時と場合によって出来高払いが適切である場合があるということは私は否定いたしませんけれども、しかし、場合によっては、請負制であるとか定額制というような形で、例えば定額制を導入する中で、その中では市場原理が働く、つまり医師も、額が決まっていれば、その中で同じ薬を使うとすれば安い方を使う、同じ効能であれば安い方を使う、こういうことになりますね。出来高払いであれば、そういうインセンティブは全くありませんから、せめて差額の大きいのを使おうかというだけであります。

そういう形で定額制を導入することで、部分的ではありますが市場原理が働いていく、こういう効果があることは私は否定できない、見逃せないところだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 私も同感です。そういう仕組みで、むだのないような効率的な制度がつくられないかなと思いますので、出来高払い制と包括・定額払い制のよさが出るような組み合わせを考えていきたいなと思います。

岡田委員 そういう形で定額制を導入して、そこで市場原理が導入されれば、同じ効能であればより安いものを使うということで、薬の値段その他検査の値段などについても、そこで一つのマーケットプライスができるわけですね。そのことが出来高払い制の制度の中にも波及をしていく、こういうことになっていくのだろう、こういうふうに私は思うわけであります。

そういう意味で、もちろん、大臣も御指摘のように、出来高払い制が適している部分もある、そのことは十分に認識をした上で、しかし、定額制が適したところについてはそれをどんどん積極的に導入していく、そういうことが重要であろうというふうに私は考えております。

きょうは、時間も限られておりますので、競争原理のところはそのぐらいにさせていただきたい、こういうふうに思います。

さて、今回の改正案の中で、医療保険構造改革審議会に関する規定がございます、もちろん名前は法律上はついておりませんが。この新しい改革審議会を、今回、この健保法等の一部改正案の中で設けることにした理由、なぜ従来の医療保険審議会とか老健審ではだめなのか、そこのところについての厚生省の考え方を聞きたいと思います。

高木(俊)政府委員 医療保険構造改革審議会、これはまだ仮称でございます。新しい時代に向けて、医療保険制度の抜本的な改革、これを進めるべきであるというこの認識については、関係者の方々もおおむね一致しているというふうに私どもも考えております。ただ、その際に、具体的な案を選択していくということになりますと、やはり関係者の利害が対立する問題が非常に多いという側面がございます。

そこで、この医療保険制度の抜本的な改革、これに本格的に取り組むためには、やはり関係者の利害というものを超えた国民的な立場からの議論、さらに開かれた議論というものが必要であるというふうに考えたわけでございます。そのような場として、今回、新たな審議会を設置いたしたいということでございます。

これまで、医療保険審議会、それからまた老人保健福祉審議会がございました。しかし、この医療保険制度の抜本的な改革、これはまさに、老人保健制度も、また各医療保険制度も含めまして、制度横断的な、総合的な議論ということがやはり不可欠であるというふうに考えたわけでございまして、そういった意味で、両審議会を統合いたしまして、そして新たな審議会として設けさせていただきたい、このような考え方でございます。

岡田委員 今の局長の御説明の中で、利害関係者の立場を超えた国民の立場からの議論、こういうくだりがありましたが、具体的に、この新しい改革審議会の構成メンバーはどういった方を予定しておられるのか。もちろん法律はまだ通っておりませんから、現在の段階では予定ということになるのだと思いますが、厚生省としてはどういった方々を予定しておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

   〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

高木(俊)政府委員 審議をお願いしているわけでありますから、そういった意味で、個別の中身まで踏み込んだ形での検討をまだしておりませんけれども、考え方を御説明申し上げますと、ただいま申し上げましたように、関係団体等の利害を超えて、まさに我が国の医療保険制度のあり方を総合的に御審議いただきたい、そういう意味で設けるわけでありますから、そういう視点にふさわしい方々にお願いをしたいということが基本であります。

そしてまた、具体的な委員の構成等については、これはまさにこの国会におかれます幅広い御議論、こういったものを踏まえて今後私どもとしては検討をしていきたい、このように考えております。

岡田委員 今のお話の中で、もうちょっと突っ込んで聞きたいと思いますが、最初に利害関係者の視点を超えた国民的視点とおっしゃったのですが、直接この医療制度にかかわる、利害関係があるといいますか関係者といいますか、そういう方の扱いというのはどうされる御予定でしょうか。

高木(俊)政府委員 利害関係者、要するに関係者のその利害を超えた国民的な立場に立った御議論をお願いしたい、こういうふうに考えておるわけでありますけれども、この医療保険制度のあり方というものを総合的に審議いただくということでありますから、そういった意味で、例えば医療に精通した方の参加、こういったことは私どもは必要であろうというふうに考えております。

そのほかの、医療保険に関係する団体等々ございますけれども、特定の団体の代表というような形で委員の委嘱をお願いするというよりも、むしろ、先ほど申し上げたような立場から、関係者の利害を超えた、国民的立場に立って御議論をいただくという立場からお願いをしたい、こんなふうに考えております。

岡田委員 私も、直接関係のある方がメンバーになってはいけないというふうには思いません。いろいろな意見を聞いて、そして議論していくのが審議会だと思います。ただ、そのメンバーの構成、数とかそういったところには十分注意をしていただかないと、利害関係を超えた国民の視点といいながら、そのことが実現できないことになってしまうおそれもあると思います。

それから同時に、こういう審議会というのは全会一致が望ましいと思いますが、これだけ大きな改革をこれからやっていくときに、もし意見が割れれば、それは、少数意見は少数意見と書いていただいて、多数決で物事をやっていただきたい、こういうふうに思っております。これは御要望であります。

先ほど、開かれた審議ということも局長は言われたわけでありますが、この改革審議会ができた場合に、審議の公開についてはどういうふうにお考えでしょうか。

高木(俊)政府委員 まさに、開かれた御議論をお願いするというふうに考えております。

そういった意味では、私は、基本的には公開でやっていただきたいと思いますが、ただ、審議会自体の運営ということにも絡みますから、そこについては、それぞれ審議会で十分御議論いただきたいということになるわけでありますけれども、やはりできるだけ公開で、開かれた議論をということを期待しております。

岡田委員 今のお話だと、審議会のメンバーが公開かどうかを決めるようにも聞こえるわけですが、基本的には、委員の皆さんも、これが公開の審議会であるのかどうかということによって、委員を受けるかどうかというのを判断されると思うのですね。

そういう意味では、やはりこれは、最初のスタートのときから、この審議会は全部公開です、こういうことを言った上で、その上で覚悟して委員を受けていただく方にやっていただかないと、委員の独自の判断にゆだねるのであれば、結局は、委員が勝手に、都合の悪いところは非公開にしてしまえば、それでだれも何も言えなくなる、従来とほとんど変わらなくなるわけであります。ここのところはどうお考えでしょうか。

高木(俊)政府委員 ちょっと言葉が足りなかったかもしれません。

まさに、委員に委嘱をいたすときには、今先生からお話がありましたように、当然これは公開ということで、そして、そういう中でそれぞれ自由に御発言いただくということを当然申し上げた上でお引き受けいただくということを考えております。

岡田委員 これは国民注視の非常に大事な審議会になる、こう思いますので、ぜひ、今私が申し上げたようなことに十分配慮していただいて、そして、その審議会を聞いていた人が納得する、そういった実のある審議をしていただきたいと思います。

次に移ります。

先般の予算委員会、二月五日でありますが、そのときに、例の医療食の問題で独禁法違反の問題を取り上げた際に、医療食とか寝具とか、厚生省関係の企業・団体の中で大変問題のあるものがある。この医療食の問題なども、私の常識からすればとんでもない話であります。たしか小泉厚生大臣も、ひどい話だと思う、こういうふうに言われたと思います。それが一般の国民の感情だと思いますね。

そのときに私が申し上げたのは、厚生省所管の七十五の公益法人に対して同じようなことがあるかもしれない、だから、そこのところについて徹底調査をしてくれ、こういうふうに申し上げました。

たしか谷局長の方からは、いや、指導については通知をいたしました、こういう御答弁をいただきましたが、私は、単に通知をしたのでは、それでわかりましたというような、そんな生易しい話ではない。この寝具の例を見ても、医療食の例を見ても相当悪質だ、だから、ちゃんと厚生省が責任を持って調べてくれ、それだけの責任があるのではないか、そういうふうに申し上げたわけでありますが、それに対して大臣から、適切な指導をしたい、こういう御答弁をいただきました。

二月五日以降、厚生省はどのような調査をされたのでしょうか、お伺いしたいと思います。

中西政府委員 岡田委員の方から七十五法人という話がございましたが、厚生省といたしましては、今、それに限らず、所管のすべての公益法人につきまして総点検を行うということをやってきておりまして、その過程で、予算や事業計画それから内部規約なんかも具体的にチェックいたし、また、必要に応じて法人からじかにヒアリングを行うなどして、改めて、おっしゃっておられます独禁法に触れるような、そういった競争制限的な行為がなされていないかどうか、これについても点検を行ってきておるところでございます。

その結果、競争制限につながるような仕組みを有しておる、そういった法人は認められていないわけでございますが、私どもといたしましては、そういう仕組みが仮にないとしても、競争制限的行為がなされないという保証はないわけでございまして、そういう目で見て、今後、適正な指導監督を各部局を通じてやっていかなければならない、かように考えております。

岡田委員 診療報酬の世界というのは統制経済である、何度も言われているわけでありますが、そういう中で、どうしてもこういう不正あるいは競争制限的な行為というものが起こってくるのですね。だから、そのおそれはいつもあるということを理解していただいて、そして、責任を持ってそういうことが発生しないように対応していただきたいと思います。

結局、医療食だけでも一千五百億円ぐらいの国民の税金や保険料が払われた。私は、歴代の担当課長や担当局長は一体何をしていたのだろうか、率直にそういうふうに思いますよ。これだけのことをやっていながら、知らなかったのか、あるいは知っていて見過ごしていたのかわかりませんが、本来であれば処分に相当するような話だ。少なくとも国民は当然そう思っている。そのことを厚生省として真剣に受けとめていただきたい、こういうふうに思います。

そういう中で、先般、ある雑誌を見ておりましたら、これは団体の話ではありません、企業の話でありますが、具体的事実ですから具体的に名前を言ってもいいと思いますが、株式会社パラマウントベッドが公正取引委員会から立入検査を受けた、こういう報道がなされておりました。長野県の国立病院の入札に関しての独禁法違反の問題である、こういうふうに承知をしておりますが、詳細について厚生省は承知しておられますでしょうか。

小林(秀)政府委員 公正取引委員会が病院のベッドの購入等について調査に出られたということは承知しております。

岡田委員 厚生省の承知しておられる具体的中身をお話しいただけませんでしょうか。

小林(秀)政府委員 具体的中身とおっしゃられましても、公正取引委員会が実際に入られたのは、どういう点で入られたのか、実際は私ども、詳しくは存じておりません。

岡田委員 局長は御存じなくても、少なくとも事務方はある程度承知しておられたと私は理解しております。

いずれにしても、国立病院です。国立病院の入札で、パラマウントベッド仕様のベッドでなければだめだよという条件を付しているわけですね。そうしたら、パラマウントベッド以外なかなか応札できないじゃないですか。そういうことを堂々と国立病院がやっているということについて、公正取引委員会が調査に入ったのであれば、同時に厚生省としても事実関係をしっかり把握するのが当然ではないでしょうか。いかがでしょうか。

小林(秀)政府委員 国立病院でベッドの購入につきまして、パラマウントベッドでなくてはならないというふうに指定をしたことはございません。

今先生のおただしの中の話でいきますと、国立東信病院におけるベッドの入札仕様書では、パラマウントベッド社の商品名とともに、「同等若しくは同等以上と認められるもの。」と記載をいたしておりまして、御指摘のようにパラマウントベッドそのものを指定した仕様書とはなっていないのであります。

ただ、今回の仕様書については、銘柄指定ととられかねませんものですから、適切さを欠いた点があったのではないか、このようには思っております。そのため、本年二月に、銘柄指定と誤解を持たれることのないように当該病院に指導を行ったところであります。

岡田委員 パラマウントベッドの特定の商品と同等もしくは同等以上の機能、こういうことでありますが、具体的にそこで言う機能というのは、ベッドの機能といってもいろいろあると思うのですが、その中のどの機能を指しているのでしょうか。

小林(秀)政府委員 ベッドの中のどの機能とおただしでございますけれども、私の方では、今回の平成九年一月二十二日の仕様書なんですが、それには電動リモートコントロールベッドということでございますから、安全性、堅牢性それから利用しやすさ、もう少し具体的に言うと、ベッドの横の手すり等についてのいわゆる患者さんの使いやすさとか、そういうようなことが多分入っているものと思っております。

岡田委員 安全性とか使いやすさとか、いろいろなことを今おっしゃいましたが、そういうものはきちんと入札の中に具体的に記載されているのですか。

小林(秀)政府委員 仕様書の段階では、電動リモートコントロールベッドと書いて、パラマウント社製の商品名が書いてございまして、そして「上記仕様と同等若しくは同等以上」のもの、こう書いてありまして、具体的に利用しやすさとか堅牢さというのが、例えば何年使っても壊れないとかなんとかというふうに具体的に書いてあるわけではございません。

そういう意味で、先ほど申し上げましたように、銘柄指定ととられがちである、だからこういうような書き方はよくないと私どもは考えておりまして、それで指導をしたところでございます。

岡田委員 局長もおわかりだと思いますが、具体的に機能が特定されていて、これと同等あるいはそれ以上というのなら、それは確かに客観的にわかりますが、そういうものがなくして、何かわけがわからぬけれどもこれと一緒かそれ以上ということであれば、果たして、安全性なのかクッションのやわらかさなのか耐女性なのかわかりませんから、結局、当該商品以外は応札できない、あるいは応札してはねられても文句を言えないわけです。ということは、入札制度といいながら、効果としては、このベッドしかだめだよというふうに国立病院が指定をしたのと結局変わらないわけですね。何でそんなことを許しているのですか。

しかも、この会社は病院用ベッドで七〇%のシェアでしょう。もしちゃんと自由に競争をさせれば価格が下がったかもしれません。そうしたら、その分、税金や保険料も安くなるわけでしょう。私は本当にこれは理解できないのですが、こういうことは一般の国立病院で、ベッドに限らず一般的にやっておられるのですか。

小林(秀)政府委員 国立病院で購入する備品等はいろいろな種類がございます。それで、もちろん医療機器のような機能の違いとかそういうものがあるものと、それから、どこの会社でもそう差がないものといろいろありまして、その物ごとによって違ってくるわけであります。

ベッドの場合でいきますと、このメーカーさんは、今先生おっしゃられたように、大変大きなシェアを病院ベッドではおさめていらっしゃいます。それは、この企業がそれまで病院用のベッドを一生懸命研究し開発をしてきた関係で、他社との間に開きができている。私は、実はこのベッドで、病院で手術をしたことがあるものですからよく存じていますけれども、使いやすさとか、そういうふうに企業が努力してきてその技術が商品にあらわれているというものにつきましてはやはり差がついてくる、そういうものもあるし、そうでないものもあるということでございまして、一概に国立病院で全部銘柄を指定する、そんなことはないわけであります。

病院経営ですから、できるだけ安くていいものがあれば、それは、それを購入することによっていわゆる運営費が、今赤字補てんを実際には一般会計で入れていただいているわけですから、それを減らしていくということが我々も大変大切だと思っております。もう一方で患者サービスというのがあって、患者サービスでは、安全であり使いやすくなくてはまた困るし、堅牢でなくては困る。また、故障しやすくても困る。そういう両方ありまして、そういうことを総合的に判断して、いろいろな品物、備品等を購入しているものだと我々は思っております。

岡田委員 いろいろその会社が御努力されていいものをつくっているというのはある面では事実かもしれませんが、私に言わせれば、こういう形で高く買ってもらうことによって利益を上げて、そしてほかのメーカーが、競争相手が育たないように排除している、そういうふうにも思えるわけであります。

もちろん、私は、いいかげんなものを国立病院が購入したらいいなどと言っているわけではありません。しかし、やはり物事には一定の限度というものがあると思うのです。今のお話を聞いても、今の国立病院が果たして本当に努力して、そして患者の身になって、あるいは国民の立場に立って効率的な病院経営をやっておられるのかどうか、私は非常に疑問に思うわけであります。そういうものを一つ一つきちんとしていくことが負担増について国民に理解を得るための前提条件だ、私はこういう視点で申し上げたわけであります。

私は、大臣にお願いしておきたいと思いますが、この国立病院の入札問題、これは一回全部洗い直していただけませんか。そのぐらいの価値のあることだと思いますが、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 国立病院が備品を購入する際に、できるだけ質がよくて値段の安いものを選択するということが必要であると私も思います。そのためには、各企業は競争するでしょうし、競争することによって質の向上にも価格の安さにも反映できる、そのような契約ができるように、今後適切に国立病院にも指導を行っていきたいと思います。

岡田委員 ぜひ今までの入札の書類を調べていただいて、類似のことが恐らくあちこちであるのだろうと思うのですね。そういうものについて、今後再発がされないように、二度と起きないようにしっかり指導していただきたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

最後に、今度のこの健保法の一部改正案の施行日について、ちょっとお伺いしたいと思うのです。

五月一日ということになっておりますけれども、もう現在、四月の十一日であります。衆参での審議ということを考えれば、なかなか五月一日はきついだろう、そう言っても私は決して間違いではないだろうと思います。この施行日が一カ月おくれることによって、それぞれ、健保財政も含めていろいろな影響が出てくるわけですが、一般会計の部分でどのぐらいの予算措置が必要になるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

高木(俊)政府委員 施行が一カ月おくれた場合のいわゆる国庫負担関係でありますが、国庫負担は三百三十億円必要になってまいります。

岡田委員 一カ月三百三十億円ということであります。

それで、この施行日について大幅におくらせたらどうか、こういう御見解が一部にあるやに聞いておりますが、私は法案の審議はきちんとしなければいけない、審議が足らなければもちろん国会の中で日程をやりくりし、それでも足らなければ延長して、最後はきちんと採決をしなければいけないと思うわけですが、この施行日をおくらせるということがどういう意味を持つのか。

私は、例えば五月一日を十月とか十二月とかおくらせるということは、それ自身は何の意味もないのじゃないか。むしろ、そのことによって、ことしについて言えば、患者負担が先送りされたということで喜ぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなものは何の解決にもならないのであって、それならむしろ、今回のこの法の中身をきちんと改めるべきだ、こういうふうに思うわけでございます。

単純に施行日を先送りする、こういう発想について、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

小泉国務大臣 五月一日に施行できるようにできるだけ御審議に協力いただきまして、速やかに御採決をいただきたいと思います。




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