TPP─交渉経過が全く不明ということでは、議論は成り立たない
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の議論が本格的に始まりました。我が党も若手の論客を揃えて、論戦に挑んでいます。
まず、しっかりとした交渉の過程が明らかにされていないということが、最大の論点として出てきています。特別委員会の審議も早速、不正常となっています。
外交交渉の結果をすべて明らかにすることはできない。それはその通りだと思います。しかし、なぜ現在の合意に至ったのかということについて、資料に基づく説明が全くなされないということは、理解できないことです。
民進党が求めた資料要求に対して、真っ黒に塗りつぶされたものしか示されませんでした。これでは、どういう経緯を経て、現在の結論に至ったのか、議論することすら全く不可能です。
重要5項目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖)について、農林水産委員会で決議がなされたにもかかわらず、その決議に違反していると言わざるを得ない結果となっているのも問題です。なぜ関税の撤廃や大幅引き下げが必要だったのか、交渉の経緯が説明されないままです。
5項目以外の1つひとつの品目について、しっかりとした議論もなされなければなりません。しかし、いずれにしても、交渉の経過について全く明らかにされないということでは、議論は成り立たないわけです。
政府は国民に対して、きちんと説明責任を果たす責任があります。情報開示について、もっと前向きに示すという姿勢をとらない限り、実のある議論はできないことは明らかだと思います。
