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ソーラーシェアリング―課題を見極め更なる推進を

 昨年末に、小田原市のソーラーシェアリングの現場を、田嶋要、本庄さとし両衆議院議員、千葉県の地方議員の皆さんとともに視察してきました。
 ソーラーシェアリングとは、営農型太陽光発電とも言われ、農地に支柱を建てて太陽光発電を行いつつ、農業生産も継続するというものです。2030年に向けて、太陽光発電の拡大が期待される中、その立地に限界があると指摘されています。広大な農地を発電に活用することで後継者難、収益低下など厳しい状況にある農業を支えるとともに再生可能エネルギーを拡大することを目指したものです。立憲民主党の「エネルギー転換戦略」では、2030年にソーラーシェアリングで50百万kWの設備容量で613億kWhの発電量を想定しており、その実現のための課題を検証するための視察です。

 まず訪れたのは小田原桑原地区。案内してくれたのは小田原かなごてファーム代表の小山田さんです。約1200平方メートルの耕作放棄地を再生し、米を作っています。地上3m程には役200枚のソーラーパネルが発電し、固定価格買取制度を利用して、140万円程度を売電しています。同じく耕作放棄地を利用した曽比地区では大豆や玉ねぎなどを作っていました。(写真参照)この地区の電力は固定価格買取制度を利用せず、電力会社の送電線を活用して送られ、契約した需要家によってグリーン電力として消費されています。

 実は私の地元菰野町でも小椋緑化の小椋さんが平成24年からソーラーシェアリングに取り組んでおられます。これまで何度かお訪ねしてお話を聞いてきました。お二人に共通するのは、道を切り拓いてこられたご苦労と使命感の強さです。農業がおろそかになるのではという疑問、新たな試みに対する行政の無理解、設備投資に対する金融機関の慎重な対応などの問題がありました。

 先人達の苦労もあって、ようやくソーラーシェアリングを導入する件数が増えてきました。少し古い統計ですが、令和元年度新規導入件数は661件、累計2653件です。野菜(枝豆、大豆)、果実(ブルーベリー、キウイなど)、米、お茶などが生産されており、ソーラーパネル設置が作物の生産に影響を及ぼすことはあまりないようです。農地転用(パネルを支える支柱部分について農地転用手続きが必要となります)手続きが荒廃農地の場合などについて規制緩和されたこと、令和2年に閣議決定された「食料・農業・基本計画」で、農村の所得向上、地域内循環を図るために促進することが明記されたことなど、国(農林水産省)の姿勢も変わってきています。

 ただ、まだまだ課題はあります。規制緩和によって農地の一時転用期間が2年から10年に延長が認められる場合の要件が緩和されたとは言え、投資回収に20年程度は必要で更なる期間延長が求められています。農業者が借りやすく、金融機関にとってもリスクを減らすための保証制度なども検討の余地があります。ある程度の規模を持った農業法人や農協が事業主体となること、発電されたグリーン電力をやや高値であっても安定的に購入する需要家と長期契約を結ぶ仕組みも必要ではないかと思います。これらの点について、議員立法によって対応することができないか、立憲民主党内で更に検討を進めたいと思います。



コメント
  1. オオニシGテツヤ より:

    サウジアラビアの皇太子や中国政府が
    中東やアフリカの広大な土地や砂漠地帯に日本円に換算して何十兆円という大規模な次世代太陽光エネルギーの開発投資に着手しています。2、3年前にヨーロッパの研修に行った際にEUはかなり、この次世代太陽光エネルギーを多様な形で社会基盤、人々の生活に浸透させています。
    アジア他地域に置いてはまだまだ未開発、未開拓なので 日本国もまだまだ早々に法整備して生産は出来なくても、流通他分野で一つのエネルギー、次世代エネルギーの経済の一翼を担う事が出来ます。
    乗り遅れないで、NEW JAPAN !!
    岡田克也先生の民主主義とはお互いが全てを否定してしまえば民主主義ではなくなる。と言う言葉をヨーロッパの人達に伝えたら、もちろん積極的で感慨深いと言っていました。変わらなければ庶民の生活、未来はどうなるのですか
    村上宏幸GOOD M.A.N

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