トピックス

2015.12.10|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(12月10日)⇒ https://www.youtube.com/watch?v=CWuNaUFZyQY

岡田克也代表記者会見
2015年12月10日(木)14時01分~14時42分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

***********************************************************
■冒頭発言
○維新の党との統一会派結成方針を両院議員総会で承認
○平成28年度税制改正大綱について
■質疑
○維新の党との統一会派結成について
○安保法制反対諸団体との今後の連携・協力について
○消費税増税と負担軽減策をめぐる議論について
○「おおさか維新の会」について
○特定秘密保護法の施行から1年に当たって
○北海道5区補欠選挙の対応について
○日印原子力協定について
○田中角栄元首相の23回忌に当たって
***********************************************************

■冒頭発言

○維新の党との統一会派結成方針を両院議員総会で承認

【代表】
 まず、先ほど両院議員総会において、統一会派を維新の党と結成する
ことについてご承認をいただきました。明日の午前中に松野代表と会談
を行い、確認したいと考えております。
 それに伴う国会の人事、あるいはその玉突きで若干、党務、あるいは
NC(「次の内閣」)も替わる部分がありますが、そういう人事も速やかに
行い、次の国会に向けての態勢をしっかり整える、準備に入りたいと考
えております。

○平成28年度税制改正大綱について

【代表】
 与党の税制大綱、まだ議論は続いているかと思いますが、軽減税率
についての議論は混迷を深めている様子です。
 8000億円とか1兆円とか、数字は乱れ飛ぶが、私に言わせれば、ま
ず財政再建の旗を降ろすのかどうか、そのことを明確にしてもらいたい
と思います。「2020年・プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化」、
そのための道筋もまだはっきりしない中で、さらにプラスして6000億円と
か、あるいは1兆円とか、そういった毎年毎年の歳入が減るということで
あれば、これはPB黒字化の前提が変わってまいります。旗を降ろすの
ならば、降ろすとはっきり言ってもらいたい。降ろさないということであれ
ば、どこでどうつじつまを合わせるのか。公共事業予算を幾ら削るのか、
あるいは防衛費をどれだけ減らすのか、社会保障費はどうなのか、そう
いうことについてあわせて示されない限り、これは無責任の極みだと考
えます。
 総合合算制度など本当に弱い立場にある方々の自己負担に上限を設
けるとした3党合意も導入しないということが勝手に決められてしまった。
それに代わって、その4000億円を財源の一部にして軽減税率が入る
と。一体どっちを向いて政治をやっているのだと、あわせて申し上げてお
きたい。すべての所得層に適用される軽減税率、これと、所得の少ない
方の自己負担の頭打ちを図る総合合算制度、明らかに負担の分布が
違ってくる。
 それから先般わが党としての税制改革の考え方を示したが、我々は
現在20%である上場株式等の譲渡益課税の税率を25%に上げるこ
とも提案しております。そして、それをもって「共生社会」実現のための
財源にすると明確に示しています。
 先ほど、財政再建の旗を降ろすのかという話をしましたが、実は「新
3本の矢」の財源も示されていない。対策はあれども財源なし。我々は、
(上場株式等の譲渡益課税の税率)20%を25%にするということを財
源の一つにしたいと考えております。試算方法によってはいろいろあり
ますが、3000億円ぐらいにはなると見込んでおりますが、そういうこと
も、安倍総理は「新3本の矢」と強調されるのであれば、補正ではない、
通常の予算の中でどのように、どのぐらい財源を生み出して、そしてど
のように使っていくのかということも明確にする、その責任が当然あると
思います。
 いずれにしても、補正で議論されている3000億円のバラマキといい、
とにかく節度なきバラマキ政治に走ってしまっているのが今の安倍政
権の姿ではないか。このままでは日本は先々大丈夫かということを強く
懸念しています。

■質疑

○維新の党との統一会派結成について

【フリーランス・宮崎記者】
 まず一つ確認したいのは、NCの人事もあるということだが、これは民
主党のNCを理事の関係で替えるという意味だと思う。
 それから参議院維新の党が統一会派にしばらく加わらないのではな
いかという報道があった。参議院では、2名以上の会派はテレビ入り予
算委員会で10分、質問ができることになっている。改選で出馬する方が
何人いるかわからないが、これは補正と本予算の審議でテレビ入り10
分間の質問時間が欲しいということがあるでしょうから、これはある程度、
気持ちがわかる話だ。参議院維新の党も含めて、通常国会1月の時点、
3月、4月の時点でどういった形である程度のスケジュールを考えている
か伺いたい。

【代表】
 それは私にお聞きになる話ではなくて、松野代表にお聞きいただいた
ほうがいいと思います。
 党対党としては、統一会派を結成するということは確認をし、明日、正
式に合意できると理解をしております。
 参議院が年内にできるのかどうかということは現時点では、民主党は
問題なくできるが、維新の党内事情はわかりません。我々としては衆参
合わせて統一会派にしたほうがいいとは思いますが、最終的には維新
の判断にかかることであるということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 冒頭発言の中でNCの人事もあるとおっしゃった。これは民主党のNC
ということで、何か維新と一緒に会議をやるという意味ではないのか。

【代表】
 そういうことではありません。

【読売新聞・中田記者】
 両院議員総会で新党を求める声が相次いだが、そのことをどのように
受け止めたかについて伺いたい。

【代表】
 何人かの方からそういうご指摘がありました。私がそこでお答えしたと
おりです。単に党を新しくしたからといって、国民に信頼されると考えるの
は違うのではないかと思います。やはり我々の与党の時代の反省、私は
その最大の理由は、やはり大事な時に党がバラけてしまったということだ
と思います。ですから、「また選挙前に作って、またバラけるのか」と思わ
れている限りは信頼されない。本当に一つになって、そして巨大与党に対
抗していくということが国民の皆さんにしっかり理解されない限り、単に党
を一つにするというだけでは済まない話だと思います。

【読売新聞・中田記者】
 両院議員総会の中で代表が、12月と1月にかけて地元の都道府県連
に帰って議論をしてほしいという趣旨の発言をされたが、12月、1月に地
方で議論して、その後に何か次のステップが来るというようなスケジュール
感の話と受け止めてよろしいか。

【代表】
 いや、そういうことではなく、12月は臨時国会召集の目処は立っていま
せんし、1月には通常国会が召集される模様ですが、(年末年始は)いろ
いろ行事もありますので、県連で集まったり地方議員の皆さんと接点を持
つ機会が多いと思う。そういう時にぜひ議論してもらいたい、意見も聞いて
もらいたいということです。いろいろと新党とか言われる方の足元を見ると、
県連は全く違うということもあります。やはり国会議員だけの党ではありま
せん。地方組織に対してもしっかり理解されるような、そういう結集の仕方
でないといけないと申し上げている。12月、1月はそのいいタイミングだと
いうことです。

【共同通信・関記者】
 統一会派結成が両党で決定された形になったが、統一会派の名称につ
いての代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 まだ決めていません。いい名前を付けたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 明日、松野代表とまた突っ込んだ話をされるようだが、統一会派を作るこ
とで、国会闘争という意味では理事が増えるとか、具体的にどういう効果が
あるのか。究極にはやはり統一会派を組んで支持率が上がってこないとし
ょうがないと思うが、その道筋についてはどんなお考えを持っているか。そ
の2点を伺いたい。

【代表】
 統一会派を組むということは、それだけ固まりも大きくなりますし、統一さ
れた対応をするということですので、与党にとってはいやだと思います。分
断工作とか、そういうことはできなくなるということは少なくとも言えます。
 そして両党の精鋭が予算委員会などで(質問に)立って議論するというこ
とも、また国民からは新鮮に受け止められるのではないかと思います。そう
いう議論を通じて、しっかりと国民にアピールしていくことが大事だと思いま
す。
 さきの国会では、立憲主義そのものを否定するような内閣の姿勢でありま
したので、それに対して徹底的に戦っていくということが我々の方針でした。
次の国会は、我々として何をしたいのかということが明確に伝わるような、一
方で攻撃も徹底的にやりますが、同時に提案も行う。そういう国会にしたい
と私としては思っています。

【フリーランス・安積記者】
 今朝の両院議員総会で、政党支持率10%前後という話も出ていた。先ほ
ど、政権から転落したのはバラけたからだとおっしゃったが、今回の統一会
派の話も、一回民主党から出た人がまた戻ってくるというか、その人達ともう
一回手をつなぐというイメージも場合によってはあるが、これをどうやって、先
ほどおっしゃった「新鮮に受け止められるのではないか」という、この新鮮さ
につなげていくか、代表の秘策みたいものがあったら伺いたい。

【代表】
 もし秘策をお持ちでしたら後でこっそり教えてください。
 維新の党、いろいろな方が集まっておられます。みんなの党から来られた
方々や、わが党にかつていた人ばかりではないわけで、あまりそういう一方
的に決めつける必要はないと思います。

【「ニュースソクラ」・土屋記者】
 維新と統一会派を組む上で政策合意を持たれているが、ほとんどは従来
から民主党が主張していることが盛り込まれていると思われる。維新の血を
入れることで、政策的にどんな点が変わるのか。政策合意の中で、維新サ
イドで追加したものがあれば伺いたい。
 それと究極的には、統一会派あるいは野党再編をしていくのは、次の参院
選、国政選挙で挽回するためだと思うが、維新との間で候補者調整や選挙
協力は今どんなふうに話し合っていて、代表の心づもりとしてはどのくらいの
ところで統一ができると考えているか伺いたい。

【代表】
 政策はご覧いただいたとおりです。わが党の考え方を大きく変えるもので
はない、しかし維新の党の意見をかなり反映した。そもそもそんなに大きな
開きはないということだと思います。
 選挙協力の話は必要に応じて行っておりますが、特に参議院の1人区に
おいてバッティングしないようにすることは最小限必要だと思います。現時点
では、複数区でそういうケースがあるかもしれません。それはこれからの調
整次第です。

【日本経済新聞・甲原記者】
 両院議員総会で長島昭久さんから、安保法制について(政策合意におい
て)憲法違反だから白紙だという話をされるが(4月にまとめた党見解では)
憲法違反とは一言も言っていない、という発言があった。党の見解としてど
のような整理をされているか、改めて伺いたい。

【代表】
 4月の見解(安全保障法制に関する民主党の考え方)の読み方は若干幅
があるかもしれません。集団的自衛権一般を憲法違反だとは言っていない。
だからといって、政府の出してきた今回の法案に憲法違反の部分が含まれ
ていないということも書いていない。特別委員会でさまざま議論していく中で、
やはり「存立危機事態」、これは現行憲法上認められないということは党とし
て確認されたことだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 衆議院予算委員会の理事は2人になると思う。これは民主党と維新の党
1人ずつということになるか。

【代表】
 人事のことは現段階で申し上げません。でき上がったものをご覧いただき
たいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 野党第1党と、半分になったとはいえ野党第2党が統一会派を組むと。す
ると当然、支持率の目標としては、統一会派で2桁、これぐらいにはしたいと
いう、そういうお心はあるか。

【代表】
 私は支持率を見ながら政治をやっているわけではありません。それは結果
だと思います。統一会派を作って、より強力な国会審議ができるかどうかとい
うことだと思います。

○安保法制反対諸団体との今後の連携・協力について

【毎日新聞・影山記者】
 昨日、野党4党の幹部と反安保の市民団体の方々が意見交換会を開き、
そこで反安保の野党系の候補者を団体として支援するという話になったと思
う。候補の擁立の仕方だが、団体側が見つけてきた候補者を野党として応援
するのか、それともあくまで候補選定は政党のほうが主体になるのか。その
辺のお考えを伺いたい。

【代表】
 それは場合によっていろいろなバリエーションはあると思います。そういう市
民団体が中心になって擁立するということですが、見つけるのはどちらかという
のは、それはいろいろなケースがある。別に何か決めなければいけないという
ことではないと思います。

○消費税増税と負担軽減策をめぐる議論について

【共同通信・関記者】
 総合合算制度の見送りが固まったようだが、2017年4月に予定されている
消費税10%の引き上げに対する代表の考えを、賛否も含めて改めて伺いたい。

【代表】
 我々は基本的に、消費税を引き上げないと財政再建の道筋は描けないという
ことで10%を決定しましたが、前提が付いています。経済状況はもちろんですが、
行革、議員定数(削減)、それから社会保障制度の充実、そういったことがほと
んど今ないがしろにされていると感じています。そういったことがどこまで満たさ
れるかということが極めて重要だと思います。

【朝日新聞・村松記者】
 軽減税率と消費税率引き上げは来年の通常国会で大きな論点の一つになる
と思うが、その前提で伺うのは、2012年に自・公・民で取り決めた3党合意、こ
れは現時点でも生きている、合意はなされたままであると代表は認識されている
か。また、これ以降、合意が破棄されたと認定する可能性はあるのか。その場合
はどういった点で判断されるのかについて伺いたい。

【代表】
 先ほど申し上げましたように、いろいろな約束事があります。そのことをしっかり
履行するように求めていくというのが我々の立場です。

【時事通信・小松記者】
 消費税10%への引き上げが必要であるという前提で、前提条件としていろいろ
言っていると。維新との基本的政策の中でも10%の話が入っているが、これは今
後、統一会派に加わる議員には10%引き上げが必要だという基本認識は共有さ
れるということが前提で入ってもらうことになるのか、確認したい。

【代表】
 我々は財政再建が必要だということで10%への引き上げを決めた。しかし、
その時には条件が付いている。その条件が今、満たされていない。それ以上の
ことを
私は今、述べておりません。私が言ったことと解釈が少し違うのではないかと思
います。

【フリーランス・宮崎記者】
 3党合意に関して約束の履行を求めるとおっしゃった。基本的には、社会保障
財源への活用や、身を切る改革、給付付き税額控除の検討、幾つかあるが、優
先順位、一番求めるのは何か。

【代表】
 3党で合意しているわけですから、1番も2番もない。きちんと約束を果たしても
らいたいということです。

【時事通信・小松記者】
 3党合意については与党に履行を求めるということだと思うが、民主党としても
合意した主体として、今後、会派に加わる議員にはこの3党合意の遵守を求める、
あるいは3党合意を遵守することを前提に会派に加わってもらうという基本認識
でよろしいか。

【代表】
 会派というのは国会における統一行動で、3党合意について新たに法案が出て
くるということでは必ずしもありません。具体的なことは、会派の中で歩調を揃える
ために話し合っていくことになると思います。

【フリーランス・堀田記者】
 軽減税率のことで伺いたいが、大手マスコミ、特に新聞は加工食品のことばか
りを言っているが、これは新聞の代金が入っている。それを全然出さなかった今
までの報道についてどうお考えか。

【代表】
 新聞についての軽減税率の適用は、私は反対です。そのことは与党の時から
一貫して申し上げているとおりです。メディアは事実をきちんと伝える責任がある
と思います。お伝えになられるのだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 今の続きになるが、「軽減税率」という表現に関して。3党合意では「複数税率」、

法律の中でも「複数税率」という言葉を使っていた。3党合意の直後から公明党
の斉藤税調会長は「軽減税率」という表現を使っていたかもしれないが、野党・
自民党も含めて、自・民の税調会長は「複数税率」という言葉を使っている。一
方新聞は、その時から「軽減税率」という言葉を使っていたと思う。私の記憶で
は、おそらく読売新聞が最初から、社説も含めて「軽減税率」という表現で統一
し、その直後から各新聞が「軽減税率」という表現になり、その後、国会議員も
含めてほとんどの人が「軽減税率」と言うようになったかと思う。こういったところ
にやはり新聞の、経営というのもあるから仕方がない、わかる面もあるが、やや
民主主義を歪めるような行為があったのではないかと思う。そういった件に関し
て、岡田さんは時には「複数税率」という言葉も使われるが、今回の一連の行動、
最終的に新聞は10%ということで対象から外れたが、新聞社の偉い人の振る
舞いはいかがだったとお考えになるか。

【代表】
 「軽減税率」「複数税率」という言葉の問題が、おっしゃるような意味があるの
かどうか、私にはわかりません。私自身は意識せずに、使っておりました。
 いずれにしても新聞に適用があるということであれば、それは国民に誠実に
伝える責任があると思います。そのことも含めて、我々は(軽減税率に)反対で
す。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 軽減税率については「節度なきバラマキ」とおっしゃったが、やはりこの問題
の本質は、参議院選挙を前にこの制度の議論をせずに、先ほどからの新聞
の問題もあるが、これを選挙対策に使っていること自体が問題なのではない
かと私は思う。この制度自体が単にバラマキという議論ではないのではないか。
その歪みこそが問題で、それが額に反映していると思うが、その点はいかがか。
要するに今の額を含めて、与党内でやっているのは参議院選挙対策向けにや
っているようなものであると私は見ている。軽減税率自体は、これを景気対策と
見てもいいし消費の喚起と見てもいいわけで、この制度自体が「節度なきバラマ
キ」ということにはならないと私は思う。むしろ選挙対策でこういう税制の根本の
ところをやっている政府自体が問題ではないか。それに対して一体新聞は何を
やっているのだという議論だと私も思うのだが。

【代表】
 選挙対策でやっているというのが「節度なきバラマキ」だと思います。
 参議院選挙対策でやったとしても、一旦入れたらもう変えられせん。毎回毎
回消費税を上げるたびに、その部分が対象から外れているわけで、その分、
税率を上げなければいけないということになるのでしょう。しかもこれは、「20
20年・PB黒字化」ということであれば、もう一度上げるという議論にもなりか
ねない。そういう話だということも含めて、国民にきちんと説明していく必要が
あると思います。いや、(財政再建の)旗を降ろすというのであれば、それはい
いですよ。それを政府はちゃんと説明する責任がある。

○「おおさか維新の会」について

【NHK・花岡記者】
 今日「おおさか維新の会」の松井幹事長が、来年の参議院選挙については
関西の全選挙区で擁立する方針だと発言した。野党の協力については、野
合だという批判を受けるような協力はしないということで、独自の政策を掲げ
て戦っていく方針を明らかにした。民主党としては他の政党との協力という点
で、「おおさか維新」に選挙区調整を呼びかけていく考えはあるか。

【代表】
 「おおさか維新」がどういう考え方でいかれるのか、まだわかりませんので、
協力するとか協力しないとか、そういうことを断言する必要はないと思います。
ただ、野党を名乗っておられる以上、ぜひ巨大与党を利するような行動はと
らないでいただきたいということはお願いしたいと思います。

【NHK・花岡記者】
 民主党、関西地区ではかなり厳しい戦いが予想されているが、「おおさか
維新」の考えが明らかになった場合、民主党のほうから協力を呼びかける
こともあり得るということか。

【代表】
 現時点でニュートラルです。つまり、どういう考えが明らかになるかわかりま
せん。野党を名乗るのであれば、巨大与党を利するようなことをすることは、
これはどの党もそうですが、適切でないと思っています。あとは見極めの問題
です。

【フリーランス・安積記者】
 参議院選で「おおさか維新」が関西で候補を立てる件だが、関西での民主
党の「おおさか維新」に関する感覚と東京を通じた感覚とはかなり温度差が
あると思う。先ほど「政策を見てから」とおっしゃったが、そういった地元の意
見というのは取り入れられるのか。

【代表】
 もちろん地元ともよく相談しながら考えていかなければいけない問題だと
思います。ただ、(「おおさか維新」は)新しい党になので、少し間を置くとい
うことも重要かなと考えている。国会での言動などを見て、与党なのか野党
なのかと、はっきりしてくると思います。その見極めをする必要があると思い
ます。

○特定秘密保護法の施行から1年に当たって

【共同通信・関記者】
 特定秘密保護法の施行から今日で1年を迎える。施行後の秘密指定は既
に400件を超えていて、国会の監視機関の活動や情報を開示する制度につ
いてさまざまな議論があるが、代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 法律ができた時のさまざまな問題は、全く解決されていないと。第三者とい
うのは、内閣府の中に作ったお役人が“第三者”として見ているということなど
はその典型ですが、非常に問題がある制度であることは間違いありません。
引き続きそういったことについて、しっかり目を光らせていかなければいけな
いと思います。

○北海道5区補欠選挙の対応について

【フリーランス・堀田記者】
 参議院選挙の前に、北海道5区の補選がある。これは国政選挙だ。
 この前、自公の候補者の励ます会が東京プリンスで行われた。その時に
自民党の伊達参議院幹事長は、大阪ダブル選挙ではとても惜しかった、だ
からこれは必ず勝たなければいけないと言っている。しかも候補者は清和
会だ。安倍さんのところだから、当然安倍さんも応援に行くと思う。「弔い選
挙」なので、はっきり言って向こうが勝つことは大体わかっている。その励ま
す会に、三菱商事のOBなので、三菱商事の会長、それから三菱商事出身
の三菱自動車の会長も来ていて、大変盛んだった。
 かつては小林千代美さんが町村さんに勝ったこともあるが、これはとにか
く国政選挙なので「自公対野党」ということになるが、岡田さんとしては候補
者を考えているか。

【代表】
 補選の候補者は今、市民団体が中心になって擁立作業を進めていると理
解しています。

○日印原子力協定について

【東京新聞・宮尾記者】
 総理がインドに行かれて、原子力協定の締結が進むと言われている。民
主党政権時代に、ベトナム、ヨルダン、ロシア、韓国でしたか、原子力協定
の承認を進め、岡田代表は当時、民主党政権の外務大臣も務めていたが、
今度やろうとしているインドとの原子力協定は、相手国がNPT(核兵器不拡
散条約)に入っていないなど少し異質な問題が指摘されている。これに対し
て、民主党としてはどのように臨まれるか。

【代表】
 民主党内でこの問題を議論しているか私は承知しておりませんので、党と
しての見解を聞かれると、まだはっきりとしたものは決まっていないというこ
とだと思います。

【東京新聞・宮尾記者】
 安倍政権になってから、トルコとUAEとの原子力協定、これは民主党も賛
成し、当時衆参で造反者も数人出たかと思う。今回もその線で基本的には
賛成なのかなと承知していたが、そうではないと。

【代表】
 私、承知しておりません。ただ、インドと日本の原子力協定というのはずっ
と引きずっている問題で、そう簡単に今回合意するのかどうかも私よくわか
らないのですが。詳しくは私の本をお読みください。

○高木復興大臣の慶弔費支出をめぐる問題について

【時事通信・小松記者】
 復興大臣の香典の問題がだいぶ追及されているが、民主党でも髙木国
対委員長や北澤元防衛大臣に似たような問題が指摘されている。基本的
なスタンスとして、支部からの支出には問題ないというのが民主党の見解
ということでよろしいか。

【代表】
 詳細は、昨日の閉会中審査も含めて承知しておりません。もちろん党と
して質問する以上、矛盾のない形で質問・質疑がなされていると考えてい
ます。

○安保法制反対諸団体との今後の連携・協力について

【共同通信・関記者】
 昨日、SEALDsなど5団体が、安保法廃止を掲げる候補者を支援する
「市民連合」を共同で設立することを明らかにした。代表はかねてから市
民主導型の無所属候補の応援について発言されている。地域によっても
異なるとは思うが、他の野党とどこまで、どのような形で各地区で協力を、
無所属候補の応援という意味においてされていくのか。また、場合によっ
ては野党統一候補という形で、明確にそういった連携についても打ち出す
考えはあるか伺いたい。

【代表】
 市民が主体となって擁立する候補者ですから、それに対して民主党とし
て推薦し、ともに戦うかどうかという判断。他党のことは、それは他党が市
民団体と協議をしながらお決めになること。基本的にわが党が何か言うこ
とではないと思います。

【NHK・花岡記者】
 代表は、参院選の候補者については年内に一定のめどをつけたいとお
っしゃっている。最後の常任幹事会が22日にあると思うが、ここに来て市
民団体との連携など新しい動きもいろいろ出てきたが、その候補のめど
については少し柔軟に考えるという姿勢になってきているのか。

【代表】
 年内に全部決め切るのは難しいと思います。選対委員長には「全部決
めろ」と言ってハッパをここ半年ぐらいかけているのですが、現実には、次
回の常幹でどのぐらい出てくるか。積み残しは当然出てくる。しかし積み
残しも、全く何もない選挙区もないわけではありませんが、多くは仕掛り品
で、こういうものは少なくとも3ヵ月、普通は6ヵ月ぐらい、半年ぐらいかけ
ながら固まっていくもので、もうちょっと時間がかかりそうなものが残ると
思います。

○田中角栄元首相の23回忌に当たって

【フリーランス・堀田記者】
 個人的なことを聞いて申しわけないが、12月16日は田中角栄さんの
23回忌に当たるが、催し物かなにかで田中家からお呼ばれがあるか。

【代表】
 ございません。残念ながら田中角栄さんと直接お目にかかったことが
ない。テレビでは見ていますが。




TOP