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2015.12.03|記者会見

岡田克也代表定例会見(12月3日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=O1GrxOgpYj8

岡田克也代表記者会見
2015年12月3日(木)14時00分~14時31分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○党共生社会創造本部が都内の「子ども食堂」を視察
○閉会中審査・委員長不在による委員会の開催不能について
○報道番組に対する市民団体の意見広告について
■質疑
○閉会中審査・委員長不在による委員会の開催不能について
○共生社会の創造に向けた取り組みについて
○報道番組に対する市民団体の意見広告について
○北方領土におけるロシア軍関連施設の建設について
○特定秘密保護法・情報監視審査会について
○維新の党との連携協議について
○安倍首相のメルマガをめぐる名誉毀損訴訟について
○次期参議院選挙の対応について
○2015新語・流行語大賞について
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■冒頭発言

○党共生社会創造本部が都内の「子ども食堂」を視察

【代表】
 私からは、冒頭3件。
 第1件は、昨夕、豊島区の「子ども食堂」の視察に、長妻昭さん、山井和
則さんとともに訪問をいたしました。
 運営しているのはNPOで、個人の、一人暮らしの方の自宅を月2回借り
て、約60名の食事を出しているというものです。食事を作っているのも近
所の方々を中心にボランティアの皆さん。食材は多くは周辺の八百屋さん
とか食料品店などが提供してくださって、税金の投入はなしで運営しておら
れるということです。
 貧困の問題が広がっており、なかなか親子で食事をとることも減っていて、
例えばお母さんが忙しくて、子どもに300円とか500円を渡して「これで夕
食を済ませなさい」とか、そういうご家庭も増えていると思いますが、そうい
う子どもたちが集まって、あるいは親子で来て、温かい食事を周りの子ども
達、あるいは大人達と一緒に食べるということが、いろいろな意味で子ども
の教育にとって重要な役割を果たしているということです。
 こういう「子ども食堂」、全国各地に今増える傾向にある。もちろん税金を
ある程度投入してやっているところもありますが、そうではなくて、ほとんど
ボランティアの皆さんが中心になってやっておられるところもたくさんあると
いうお話を聞いてまいりました。
 豊島区はそれ以外にも子どもの教育というか、予備校や塾などに行けな
い子どもさん達を対象に学生達が中心となって、補講というか教えている
ところも結構たくさんあって、これも都内各地に広がっていると。今の学生
達、若者達がそういう問題にしっかりと目を向けて、これもほとんど無料で
やっているというのは非常に注目すべき動きではないかと私は思います。
 こういういろいろな現実を見ることも非常に大事だということを改めて感
じた。

○閉会中審査・委員長不在による委員会の開催不能について

【代表】
 2番目に、閉会中審査が既に始まっておりますが、特に今問題になって
いるのは参議院で、厚労委は丸川委員長が大臣になり、環境委員会は島
尻委員長が大臣になって、委員長不在のままです。環境委員会に至っては
筆頭理事も不在と、閉会中審査をやろうにも協議すらできない状況。協議
したとしても委員長がいませんから、閉会中審査ができない。こういう状態
をつくり出していることに対して非常に問題があると思っております。結局、
臨時国会を開かないためにこういう事態になっている。
 内閣がかわれば、国会を開いて、それに伴う委員長人事などをやるとい
うのが普通ですが、やっていないからこういうことが起きている。もし緊急事
態が生じた場合にどうするのか。委員長不在で、委員会を開くことができな
い。こういうところにも無理な運営のツケが回っているということを改めて申
し上げ、そしてこういう状況になっていることに対して、民主党代表として強く
抗議したい。

○報道番組に対する市民団体の意見広告について

【代表】
 3番目に、ちょっと話題は変わるのですが、先般、TBSの報道番組での
キャスターの発言について市民団体の意見広告が全国紙で掲載されました。
 もちろんいろいろな意見があることは自由です。ただ、私、見ていまして、
一つは、(意見広告では)メインキャスターとコメンテーターは違うと。コメン
テーターが自分の意見を言うのは自由だが、メインキャスターはそうではな
いと。一方的な意見を押し付けるようなことは放送法4条に反する、こういう
内容です。
 私は、メインキャスターが自分の意見を言ってはいけないというのは一つ
の見方かもしれませんが、しかし偏った見方だと思います。アメリカの報道
番組などではメインキャスターがむしろ自分の意見を前面に押し出している。
単なる司会ではないわけです。それを、メインキャスターは意見を言っては
いけないということになると、それこそ一つの報道番組に対するあり方を型
にはめてしまうことになりかねないと思います。
 もう一つは、この4条の解釈の問題で、政府も「一つの番組ではなく当該
放送事業者の番組全体を見て、バランスのとれたものであるかを判断する
ことが必要」と、総務大臣の見解として従来述べられているわけですが、市
民団体の意見広告では、これはおかしい、それぞれの番組ごとに見るべき
だと述べられている。
 ここは、私は政府の従来の考え方が正しいと考えております。個々の番
組ではなくて、その放送事業者の全体で見るべき話だと考えます。したがっ
て、その政府解釈がおかしいという前提に立って特定のキャスター、この場
合には岸井さんですが、岸井さんの発言に対して、それを問題視するという
のは違うのではないかと私は思っているところです。
 いずれにしてもこれは政府の問題ではなくて市民団体の一つの意見です
から、政府がこれでどうということではないのですが、やはり「言論の自由」
「報道の自由」、放送法というのはそれを守るために存在するわけですから、
非常に重要なこの「言論の自由」「報道の自由」がしっかりと確保できるよう
に、これは政府も、もちろん我々も努力していかなければいけないと思いま
す。

■質疑

○閉会中審査・委員長不在による委員会の開催不能について

【共同通信・関記者】
 閉会中審査での委員長不在の関係で伺いたい。先ほど代表は、臨時国会
を開かないからこういう形になるというようなことをおっしゃっていたが、各委
員会、委員からの要請で行われるものについてもこういった形で、ちょっと調
べたら戦後2番目という話もある。そのような状況が続くことに関して改めて
お考えを、閉中審査についてもこういう影響が出たことについて、もう少し考
えを伺いたい。

【代表】
 閉会中審査というか、委員会が動かない、そういう状態は異常です。いつ
でも委員会を動かせるように閉会中審査という仕組みもある。しかし、それ
が事実上できない。その責任をしっかりとかみしめてもらいたい。早く臨時国
会を開いて正常化すべきだ。

○共生社会の創造に向けた取り組みについて

【日本経済新聞・甲原記者】
 豊島区の視察について、共生社会の一貫としてということだったと思うが、
マニフェストにどのように活かされるかということと、細野豪志政調会長を中
心に成長戦略のほうも検討していると思うが、経済政策の枠組みの中で、マ
ニフェストをどのように両立させていくのか伺いたい。

【代表】
 マニフェストそのものは、これから具体的な作業をしていきたいと思ってお
りますが、私、今年の本会議、予算委員会でも申し上げたように、経済成長
は重要である。しかし、それだけではだめだ。その経済成長の成果を公平に
分配することも非常に重要で、その両立を図っていく必要がある、と申し上げ
ている。かつ、公平な分配ということが成長にもプラスである、そういう関係に
あるのだと思います。
 安倍政権はどちらかというと、とにかく(GDP)600兆円、パイを大きくすれ
ばあとはしたたり落ちる、こういう考え方で、そこは明らかに民主党の考え方
とは違う。もちろん、最近の安倍さんのものの言い方は「成長と分配の好循
環」とか、どんどん言葉をかぶせてきますが、中身としては基本的にそういう
ものがありません。とにかくパイを大きくすればいいのだということです。
 我々はそうではない。パイを大きくすることは大事だが、それをどう分配す
るかということも同様に重要であり、その両立を図ることこそが政治であると
考えています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 新しい矢で、介護施設の充実とか、最低賃金1000円とか、あるいは低年
金に給付とか、民主党の配分政策のお株を奪うような政策を今(政府は)打
ち出してきていて、私が見ていると、自民党と民主党の差がなくなってきてい
る。民主党はどういうふうにエッジを立てた政策をしていくのか。子どもの問
題というのは民主党が大事にしていたと思うが、代表がおっしゃる政策のエ
ッジというところは、民主党のお株を奪うようなものが目立つように見えるが、
そこはいかがか。

【代表】
 言葉で幾らかぶせてきても、実態が伴わなければやったことにはなりません。
1人3万円、1000万人に3000億円を1回きり。1回きりであれば、これはバ
ラマキと言われても仕方がない。
 我々は、年金の最低保障機能を重視しております。したがって、低年金の方
に対して補完する仕組みを作り上げることを提案している。(政府が提案する)
1回きりでは、来年は全く保障がない。そういうことではちゃんとやったことには
ならない。むしろ選挙目当てのバラマキだと、言わざるを得ない。

○報道番組に対する市民団体の意見広告について

【フリーランス・堀田記者】
 岸井さんは「マスコミは」ということを言った。あれは私はちょっと行き過ぎだと
思う。あれは岸井さんが「私個人としては」と言うのであればいいが、「マスコミ
は」と言ったことについては、あれは失敗だったと私は思う。

【代表】
 個々の中身はいろいろあるのだと思います。ただ、市民団体の皆さんが問
題にしているのは、メインキャスターが明確に自分の意見を述べたということと、
もう一つは放送法4条の政府解釈を変えるべきだと、この2点です。その2点に
ついて、(冒頭発言で)私の意見を申し上げた。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 野党第1党の党首が、あの意見広告の異様さを問題提起したのは実に大き
な、勇気のある問題提起だと私は思う。もともと、これはどちらかと言うと安倍さ
んの応援団的な媒体の新聞に広告が出て、雑誌もそう言われているところでこ
れをフォローするような応援団があって。結局、代表がおっしゃりたかったことは、
マスコミの状況がおかしいということをおっしゃりたいのか。結局、マスコミの中
での言論空間に対する感度の問題が問われているわけで、それを野党第1党
の党首に言っていただくことは私は恥ずかしいと思う。別にああいう広告が出る
ことは私は悪いとは思わないが、今のようなマスコミ状況についてどうご覧にな
っているか伺いたい。

【代表】
 コメンテーターと言われる人達も含めてですが、政府に対してはっきりものを
言う人が随分減ってきたなというのが私の実感ですね。もちろん批判するばか
りがマスコミの役割ではありませんが、しかし権力に対してチェックをするという
のはマスコミにとって非常に重要な役割のはずで、局ベースのことを私は言っ
ているわけではないが、個人、コメンテーター、キャスターと言われる人達をず
っと見た時に、随分自重しておられるのか、気をつけてものを言っておられる
のか、はっきりものを言う人が減ってしまったなと思います。それは決して望ま
しいことではない。今の状況について、国民も結構息苦しさを感じている人は
たくさんいらっしゃるのではないかと思います。

○北方領土におけるロシア軍関連施設の建設について

【産経新聞・松本記者】
 ロシアの国防大臣が、北方領土にロシアが400の軍事関連施設を建設して
いることを明らかにした。ロシア側の狙いはどういうところにあると見ているか、
それと日本側はどのように対処していくべきか、ご所見を伺いたい。

【代表】
 その報道を承知しておりませんので、あまり正確に申し上げることにはならな
いかもしれませんが、日本領土に既成事実が次々に積み重なっている。いろい
ろなインフラが整備され、軍事施設までということは、日本としては抗議しなけれ
ばならないということです。

○特定秘密保護法・情報監視審査会について

【東京新聞・石川記者】
 今日、参議院の情報監視審査会が午前中に開かれた。政府に要求した警察
・外務・防衛の3件について秘密指定の開示を求め、政府側から説明があったと
いうことだった。ただ、その後の金子会長の記者団へのブリーフでは、「中身は
当然言えない」ということで、我々国民側には具体的な中身や妥当性等々、全く
わからない状況だが、これについてどのように受け止めるか。

【代表】
 中身について言わない前提で仕組みができている、その限りにおいては会長
の言われたことはそれなりの理屈があると思います。
 ただ問題は、秘密にしておくことが妥当なのかどうかということも含めてチェッ
クをするためにこの仕組みがあるわけですから、そのことについてどう会長がお
考えなのか。内容的にはとても外に出せない、つまり秘密指定することは妥当だ
ったとお考えなのかどうかについては、はっきりしませんよ。できれば、そういうこ
とも会長に聞いてもらったほうがよかったかもしれません。

【東京新聞・石川記者】
 我々も会長に(質問したが)、中身は言わずとも、その妥当性についてはどの
ようにお考えかということについては、ただ「妥当ではある」という考えのみを示
された。それ以上でも以下でもないが、ただ、国民側にとって、審査会がより機
能し、あるいは国民の「知る権利」がより保障されるために、改めてこの情報審
査会のあり方をどのようにお考えになるか。

【代表】
 まだ党として特に議論はしておりません。ただ、今回のこともありましたので、
これからいよいよ動き出すわけですから、どういうふうに改善していけばよりよ
く機能するかということは議論していかなければならないと思います。こういう仕
組みができたこと自身は、私は一歩前進だとは思いますので、それをどう育て
ていくかということはこれからの課題だと思います。

○維新の党との連携協議について

【読売新聞・中田記者】
 維新の党の松野代表が、代表選の中でだが、「民主党」という名前の政党と合
流することはないという趣旨の発言をした。代表選の中でこのような発言をしたこ
とについて、代表はどのように受け止めたか伺いたい。

【代表】
 他党の代表選挙ですから、それについてコメントすることは適切でないと思いま
す。代表選挙が終わって、維新の党の代表が決まれば、議論したいと考えていま
す。

【NHK・花岡記者】
 代表選が終わった後のスケジュール感というか、どういったスパンで動いていか
なければいけないかということについて、改めて伺いたい。

【代表】
 相手のある話なので、こちらで勝手に決めるわけにはいきません。
 ただ、通常国会はもう1月早々に始まるということを考えると、あまり時間はない。

もし統一会派を作るということが合意されれば、当然、国会における委員会の人
事とか、そういうことも必要になります。時間をかけずに前に進めることができる
のであれば、そうしたいと思います。
 ただ、あくまでこれは相手がある話なので、私だけで決められる話ではございま
せん。

【NHK・花岡記者】
 先ほどの質問に関連するが、党名について、代表は常々「看板のかけ替えでは
国民の理解は得られない」ということだったが、「民主党」という政党名について代
表はどのようにお考えか。

【代表】
 それは随分気の早いご質問で、我々は統一会派を作ろうとしているわけですか
ら、「統一会派の名前はどうするつもりですか?」とか、そういうふうに聞かれるな
らわかりますが、なにか一足飛びに言われても、お答えのしようがない。

○安倍首相のメルマガをめぐる名誉毀損訴訟について

【フジテレビ・木村記者】
 菅直人元総理が、安倍総理を福島原発の件(に関するメールマガジンの記述を
めぐって)で訴えていた問題について、菅さんの訴えが東京地裁で棄却された。受
け止めを伺いたい。

【代表】
 裁判ですので、党の代表が裁判の結果について、しかもまだ地裁レベルですか
ら、一々コメントすることが妥当かどうか。まだ中身をよく読んでおりませんので、
コメントは控えたい。

○次期参議院選挙の対応について

【読売新聞・中田記者】
 代表は以前、市民団体などが擁立した無所属の候補を党として推していく形が
多く出てくるとおっしゃっていたが、その後の準備状況というか、今後の見通しに
ついて伺いたい。

【代表】
 こういうものは数ヵ月かけてだんだん出てくるものですが、年内にそういった話が
幾つか具体化してくることになると思います。ただ、我々は、「公認」ではないもので

すから、そういう人を政党として推薦するかどうかということで、公認認定とかそうい

うのとは違うのですが。
 地方支部レベルではいろいろな名前が挙がっていることはご存じのとおりですが、
党本部に上がってくるというのも年内に幾つかはあるのではないかと思います。

○2015新語・流行語大賞について

【NHK・花岡記者】
 今年の流行語大賞のトップ10の中に「アベ政治を許さない」「SELADs」「1億総
活躍社会」と、政治に関わる言葉が三つもランクインしていて、今年は政治が国民
にとって身近になった年だったのではないかという声もあるが、代表はこれらの現
象をどうご覧になっているか。

【代表】
 それ自身はいいことです。国民の関心が高まったということです。
 ただ、大賞を取ったのが、「トリプルスリー」「爆買い」。「トリプルスリー」というの
は、大賞を取るほどなじんだ言葉なのかなと、ちょっと私、疑問に思いましたが。
最初は、一体何のことかなと思って、説明を聞いてわかりました。「爆買い」は、
みんななじんだ言葉ですが、ちょっと意外な感じがしました。

○社会保障と税の一体改革に関する三党合意について

【日本経済新聞・甲原記者】
 軽減税率の議論について、週末、枝野幸男幹事長が、3党合意が守られていな
い状況で10%への引き上げを守る責任はないというような発言をされた。代表は
今の状況、総合合算制度を見送って軽減税率を導入するという政府の議論、今の
状況で消費税を10%に引き上げなければいけないかどうか。今後の税制に関す
る議論をどのようにご覧になっているか。

【代表】
 正確に言うと、軽減税率(の検討)も3党合意の中に入っています。それと給付付
き税額控除(の検討)。したがって、それ自身が3党合意違反ではないが、それに
伴って総合合算制度をやめるというのは、少なくとも3党合意の当事者であるわが
党に説明があってしかるべきだ。
 法律の中には、他にも様々、盛り込んであります。それらがはたして満たされて
いるか。例えば行財政改革。あるいは、これは法律の中にはないが、国会議員の
定数削減も同じ文脈の中に盛り込まれている。そういったことがしっかりなされる
ということは、私は10%に上げる時の前提として必要だと。それがどれだけなされ
ているのかということについても、しっかり説明を求めたい。




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