トピックス

2015.10.02|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(10月2日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=YA12Lnh4cvw

岡田克也代表記者会見
2015年10月2日(金)13時33分~13時55分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


***********************************************************
■冒頭発言
○戦後70年と安倍総理談話について(配布資料添付)
■質疑
○戦後70年と安倍談話について
○野党協力について
○維新の党との政策協議について
○臨時国会について
○次期国政選挙について
***********************************************************

■冒頭発言

○戦後70年と安倍総理談話について(配布資料添付)

【代表】
 出がけに小沢一郎先生の「政権交代こそ野党連携の最大の目的」という
談話が示されましたので、改めて読み直しておりました。
 
さて、まずお手元に「戦後70年と安倍総理談話について」紙にまとめさせ
ていただきました。本来であれば、約束された予算委員会のお盆明けの
質疑、あるいは党首討論などでしっかり議論したいと考えていたが、そう
いう機会がないまま国会が閉会しましたので、改めてこの談話について私
の考え方を示します。
 談話が示された直後にも申し上げましたが、じっくり考えて二つのことに
集約をいたしました。
 基本的には、直後に私が示したものと同じですが、一つは、やはり間接
話法や引用が多く、(安倍総理)ご本人がどうなのかということが全く明らか
ではないということです。キーワードは入れたと。入れなければならないか
ら入れたのかもしれませんが、しかし、それが本人の言葉であるかどうか
は依然わからないまま。「こうした歴代内閣の立場は今後も揺るぎないも
のであります」と。ご自身はどうなのか。「今後」の中に、今ということですか
ら、ご自身のことも入っているのだろうと思いますが、逆に言うと安倍さん
以降の話は、それぞれの総理がどう考えるかということでもありますので、
「揺るぎないもの」かどうかということは、そこまではっきりとは約束できな
いはずです。そういうかなりあいまいさを持った中に自分自身の考え方も
入ってしまっているというのは、非常にあいまいであるということだと思い
ます。
 それから「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争
を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」と。これも一般論
として言っておられるのか、それとも日本のことを言っているのかはっきり
しない。国際紛争の解決手段としてそういった武力の行使・威嚇を行わな
いというのは憲法にも書いてあることですが、これは日本だけでなくて一般
的な、つまり国連憲章で認められたもの以外はだめだということを言ってい
るにすぎないとも言える。日本の過去の反省に基づいて、日本自身のこと
について言及したということは必ずしも言えない表現です。
 いろいろな美辞麗句に満ちておりますので、その言葉のスポットライトの
当て方によっては、今までの村山談話・小泉談話とあまり変わらずにちゃん
と言っているという、そういう評価もできるかもしれませんが、しかし注意深
く読むと、そうではないということがわかります。
 今回、外務省の「歴史問題Q&A」でも村山談話・小泉談話が単にリンク
先として紹介されるだけということになりまして、そういう意味では、今まで
の談話に置きかわったものなのかなという気もいたします。私は、談話は
それぞれ独立で、しかも今回は非常に抽象的なものですから、その根本
になる村山談話は引き続き重要な談話として政府が継承していくものだと
思いますが、もし安倍総理が自らのこの抽象的な70年談話でそういうもの
を置きかえたということであれば、これまた非常に問題だ。そういうことがど
うなのかということがよくわからないということが最大の問題であります。
 2番目は、これは一部、調査によれば国民の評価も高い、「あの戦争に
は何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたち
に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」というこの箇所が、一部
に非常に高く評価されているという事実があります。ただ、談話自身も同じ
段落の中でそれに引き続いて、「それでもなお、私たち日本人は、世代を
超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な
気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります」と。同じ段
落にこういった表現が引き続いてあるわけで、その前段だけ切り離してこ
れを評価する、もう謝らなくていいのだと、こういうことだとするとそれは大
きな誤解である。談話自身の誤解でもあるということだと思います。
 もう一つは、これは国民に対してのメセージですが、同時に政治指導者
というのは和解をなし遂げるその責任がある。もちろん「私たちの子や孫、
そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはな
りません」というのは、政治指導者に対してのものではないはずで、政治指
導者としては、そういう宿命を背負わせないために、さらに和解のための努
力をしなければいけない。しかし安倍総理は一体どれだけのことをされたの
か、ということだと思います。
 以上見解を申し上げて、今まで機会がありませんでしたので、70年談話・
安倍談話に対する私の考え方としたいと思います。

■質疑

○戦後70年と安倍談話について

【日本経済新聞・甲原記者】
 今回の安倍談話は、報道も含めてキーワード論みたいなことに終止してし
まい、何のために談話を出したのかわかりにくかったような印象も受ける。
例えば代表が今後、75年なり80年なり、民主党政権になって談話を出す
として、世界に向けて日本が節目にどういうメッセージを発するのがいいの
か、代表だったらどういう談話にするか伺いたい。

【代表】
 大きなフレームワークとしては、「過去の戦争あるいは侵略行為に対する
反省」と、そして戦後70年間、その時にはさらに先になっているかもしれま
せんが「戦後70年間、日本がなし遂げてきたこと」、そして「未来への展望」
という3部構成。考え方はそれでいいと思うのですが、やはり過去のところ
について、つまり70年以上前の戦争に関して、しっかりとした自身の考え
方というものが示されていなければならない。総理は評論家ではありません。
 今回の70年談話は残念ながら、いろいろな過去の談話を引いてはいま
すが、総理自身がどうお考えかということが注意深く避けられた、そういうも
のだと思います。それをもって今までを上書きした、今までのものは、村山
談話はもうないのだということになると、それはそういうことではないと考え
ています。

【朝日新聞・渡辺記者】
 今年に入ってからだと思うが、この談話を出すことへのカウンターではない
と代表はおっしゃったが、党内で歴史認識の勉強会(民主党オープンフォー
ラム「近現代史研究会」)を再開した。だいぶ回を積まれて、いろいろな議論
があったかと思うが、その中で党内で何か統一認識みたいなものが出てき
たのか伺いたい。

【代表】
 これは談話的なものを作ることを目的にしたものではありません。政治家
として、お互いの認識を深めるということです。私は残念ながら出られなかっ
たのですが、この前(9月30日)の五百旗頭真先生の会をもって一旦区切
り、70年前の戦争に関することよりももう少し範囲を広げて、引き続きやっ
ていくことになったところです。

【NHK・花岡記者】
 代表は冒頭、(お盆明けに)予算委員会が衆議院で開催されなくてなかな
か議論できなかったと。これから内閣改造もあって、予算委員会の開催など
も求めていくと思うが、今後、この安倍談話についてまた国会で総理と論争
するお考えはあるか。

【代表】
 どこかでは議論すべきだと思います。談話が出るまであれだけ議論を積
み重ねてきた、あるいはその前の総理の発言もいろいろあったわけですか
ら、出して終わりということではない。
 特に気になるのは、国民の中で一部、これは聞き方にもよるのですが、安
倍談話を評価する最大のポイントとして、将来世代が謝らなくていいのだと
いうふうに、後段の部分をわざと外して、前段だけで考えて、それを評価す
るといういろいろな調査結果が出ているということは、それはそうではない。
談話自身も前段・後段合わせて一つの段落にしているわけですから、全体
として考えなければならないということは、国民に向けてもしっかりと発信を
していかなければいけないと思います。

○野党協力について

【朝日新聞・渡辺記者】
 冒頭に触れられた小沢さんの野党かく戦うべしという談話だが、その中で
統一名簿方式に触れている。これまで何度も出ては消えていったものだと
思うが、代表の考えるメリット・デメリット、もしくはそれに対して賛意を示さ
れるかどうかについて伺いたい。

【代表】
 「オリーブの木構想」というのは、実は菅代表の時代に盛んにイタリアを参
考にして議論されたことです。そのときは、結果的には自由党と合併すると
いうことで、この構想も言われることがなくなったということだと思います。
 一つの考え方ではあると思いますが、それぞれ長短あり、他にもいろいろ
な考え方があると思います。一つの党になるという考え方もあるし、あるいは
土井社民党党首の時代の、選挙区だけ連合型で戦う、別組織で戦うという
考え方もあるし、どういうことがいいのかということは、これから注意深く議論
していく話だと思います。この前の総選挙みたいに、候補者の調整だけする
というやり方もある。幾つかのやり方があるので、どれがいいかということは
これから党内的にも議論していかなければいけない。各党とも議論していくこ
とになると思います。

【共同通信・光山記者】
 共産党との話し合いについて、前回の第1回の場では、共産党から説明を
聞くというスタンスだった。代表は今後も話し合いを続けていきたいとおっしゃ
っているが、今後は協議という形になって、共産党との溝を埋めていくという
か、政権をつくることが何とかならないかという話し合いを進めていくお考えか。

【代表】
 こちらが「何とかならないか」という、そういうポジションではない。いずれに
しても、今、具体的なことは特に来ていません。必要があればまた話し合い
をしていきたいと思います。

【日本経済新聞・甲原記者】
 共産党の国民連合政府構想は、政権を一緒にするのはハードルが高いと
代表はおっしゃっているが、参院選では事実上、政権交代の選挙にはならな
い。衆院選が実際政権交代ということになると思うが、参院選での協力はやり
やすいとごらんになっているか。

【代表】
 その中身次第です、どういう形の協力なのか、協力の内容も含めて。現時
点では特に具体的なことを何も議論していませんので、申し上げられません。

【NHK・花岡記者】
 代表は維新の党との党首会談の後に、社民党や生活の党との認識を共有
する場をつくったほうがいいと。来週以降いろいろ動きがあると思うが、その
場で話されることは、維新の党とは政策協議と選挙という協議体をつくったが、
他の党とはどういう形で協議を進めていくか。まず維新のほうを進めてから、
それに同意できる点はという進め方になるのか。

【代表】
 やはり野党第一党と第二党が大きな方向性を合意して、その上で他党とも
相談するということが順序ではないかと私は思います。維新ともそういうことで
確認している。

○維新の党との政策協議について

【時事通信・越後記者】
 先日、第1回が開かれたばかりだが、その中で維新側から憲法改正を必要
とする、例えば道州制の導入であるとか、そういった提案もなされていると聞
いている。改めて憲法改正について今回の6項目以外にプラスアルファで付
け加えることはお考えか。

【代表】
 憲法に対する考え方は整理したほうがいいと、先般、長妻昭代表代行・細野
豪志政調会長と議論し、そういう方向性を確認した。

【時事通信・越後記者】
 民主党はこれまで、安倍政権のもとでは憲法改正の議論をしないという対応
をとられてきたと思うが、ここについては今も変わりないということか。

【代表】
 中身についてはこれから議論することですので、代表の私があまり言わない
ほうがいいと思います。

○臨時国会について

【北海道新聞・花城記者】
 一部与党からは、TPPの交渉がまとまらなければ臨時国会を開かなくてもい
いという声が出ている。こういった与党側の国会を軽視しているともとれる姿勢
についてはどのように思われるか。

【代表】
 議論すべき点はたくさんあります。TPPもその一つです。国会を開くべきだと
考えますが、まだ与党から何の発信もありませんから、代表としてあまり仮定で
物を言わないほうがいいと思います。

○次期国政選挙について

【フリーランス・田中記者】
 安倍総理は、もし来年の参議院選挙で3分の2を取ったら憲法改正の発議を
やると言っている。これをされたら、あの憲法草案を読めばわかるように、民主
主義もへったくれもないわけで、岡田代表の危機感、今度の選挙に向けた危機
感というのはいかほどか。

【代表】
 今回の安全保障法制の議論を通じて、憲法の平和主義、そして立憲主義、民
主主義が危機的な状況にあると、私、何回も申し上げている。そういう中で、参
議院選挙、衆議院選挙、ここが勝負のしどころだと考えています。「勝負のしど
ころ」という意味は、日本の民主主義にとって極めて大事な選挙になるというこ
とです。




TOP