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2015.07.01|記者会見

岡田克也代表(臨時)記者会見(6月30日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=aarULLa3Ods

岡田克也代表(臨時)記者会見
2015年6月30日(火)18時11分~18時22分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
〇「骨太の方針」の閣議決定を受け「財政健全化の基本的な考え方(談
話)」を発表
■質疑
〇「財政健全化の基本的な考え方(談話)」について
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■冒頭発言

〇「骨太の方針」の閣議決定を受け「財政健全化の基本的な考え方(談
話)」を発表

【代表】
 先ほど(「骨太の方針」の)閣議決定がなされましたが、非常に問題の
ある内容です。民主党代表としての基本的考え方をまとめ、本日のNC
(ネクストキャビネット)にも報告、その上で今、発表しています。
 中身は細かくは説明いたしませんが、最初の三つの丸が総論でありま
す。
 特に2つ目の丸のところにありますように、2020年というのはそこで終
わりではなくて、それは一里塚だという基本認識で、その後2025年問題
などもあります。したがって、さらなる税収増・歳出削減が2020年以降に
必要であります。そのためには2020年度以降の長期財政見通し、例え
ば2050年度までに(国・地方の借金を)GDP比200%以内にする。
これは我々が今検討中の財政健全化推進法案にも出てくるが、そういっ
た中長期目標が要る。
 それから、「経済成長すれば多くの問題が解決する」という甘い認識に
政府は立っているのではないか。極めて重要な財政健全化の問題をいつ
までも先送りすることは許されない。歳入・歳出、いずれの改革も非常に
厳しい道ですが、しっかりやっていくのが我々政治家の、あるいは政党と
しての務めではないか。そして国民の理解も必要であり、持続可能な社
会保障制度あるいは持続可能な日本をつくるために、世代を超えた合
意形成が要るということを強調しておきたいと思います。

 「骨太の方針」について(この代表談話に)も書いておきました。安倍さん
は「経済再生なくして財政健全化なし」ということであります。中には「(経済
再生と財政健全化の)二兎を得る」という表現もありますが、安倍さん自身
の基本的考え方は「経済再生なくして財政健全化なし」と。しかし、他方で
財政健全化なくして持続的な経済成長もできないわけで、経済成長と財政
健全化を両立させるというのが、国としての目標であるべきだということで
あります。
 今回の閣議決定の中身を見ましても、何か新しいもの、あるいは数字的
な裏付けはほとんどなく、玉虫色の作文の羅列であると考えております。
 それから、9.4兆円のPB(基礎的財政収支)赤字をどうするのか、今回
の政府の閣議決定ではよくわからない。途中ではいろいろな議論もなされ
ましたが、数字としては7月後半に出てくると、今回出てこなかったのは非
常に奇異な感じがいたします。
 民間委員からは、税収がもともと実質2%・名目3%以上という超楽観的
な前提に立っていますが、それに加えて税収がさらに増えるという、信じが
たいような議論もありました。歳出についても、最初の3年間は、歳出改革
はするけれども、生産性を高めるとか経済成長のための歳出増はその分
積み増すという議論などもありました。今はそういうものはなくなったのだと
思いますが、どうもよくわからない。

 それから歳出改革のところは、これから生じるいろいろな考慮要因がど
うなるのかよくわからない。例えば復興予算、TPP国内対策費、複数税率
などを入れれば当然税収減、それから消費税10%に伴う景気対策なども
補正でおそらく組まれるのだろうと思いますが、そういう歳出増要因を考え
れば、やはり歳出削減の深掘りが要るのではないかと申し上げておきまし
た。

最後に、社会保障については、ここに書いておきましたように、高齢化に
より増加することは当然視野に入れなければなりませんが、既存制度の
改革によるメリハリのきいた重点化・効率化が必要である。子ども・子育
てや貧困・格差対策など真に必要なところに重点的に投資する、あるい
は給付する。他方で所得・資産のある高齢者には、税・給付いずれも負
担増をお願いするという考え方であります。
 公共事業は毎年減らし、GDP比を引き下げていく道筋を示すべきだ。
 行政改革についても、職員団体との協議・交渉を通じた(国家公務員)
給与の改定、それから(国家公務員)総定員の純減計画の策定が必要
である。もちろん議員定数の削減も必要だ。

 あとは法案の中身にもなります。やがて法案の議論が整えば前原誠司
ネクスト財務大臣からご説明があると思いますが、行政監視院(の設置の
検討)とか、それからこの法案の国会提出ということで、なるべく超党派で、
党派を超えた合意形成を目指したいと考えています。

■質疑

〇「財政健全化の基本的な考え方(談話)」について

【読売新聞・前田記者】
 (談話の)最後に「『財政健全化推進法案』を国会提出する」と書かれて
いるが、これは今国会に提出するのか。

【代表】
 党内の議論もかなり詰まってきました。NCで多少の議論を残しておりま
すが、それを終えた上で今国会に提出する予定であります。我々は2年
前に一度提出していますが、中身をバージョンアップして出すということ
です。

【読売新聞・前田記者】
 具体的な時期となると、今月中とか今週、来週中とか、そういう明示的
なことは。

【代表】
 多少議論を残しておりますので、今私が「いつ」ということは言いにくい
のですが、そんなに先ではないと思います。

【朝日新聞・渡辺記者】
 推進法案の中身は数値目標等が入っているということだが、実質2%・
名目3%を前提にして計算値などを出しているのか。

【代表】
 推進法案の中身はその時にまたご説明しますが、基本的に我々、実質2
(%)・名目3(%)以上というのは、そこは変えていません。しかし、それは
一番の上限だという認識ですので、それ自身もかなり疑問もありますが、
そこまで議論し出すと非常に発散してしまいますので、そこの前提をあえ
ておいた上で、ここの談話の中身になっている。
 政府案は大甘なので、私は非常に懸念しているということです。こういう
やり方で、やり過ごしてしまっていいのか。経済も大事だけれども、同時に
財政の立て直しもないと持続的な成長というのはあり得ない。そのチャン
スを失うことになりかねないという危機感を持っております。




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