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2015.02.15|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(2月13日)

岡田克也代表記者会見

2015年2月13日(金)15時02分~15時28分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。



■冒頭発言 ○施政方針演説に対する代表質問について
○財政健全化計画について
○「ハラスメント防止指針」の策定について
○個人ツイッターアカウントを開設
■質疑 ○安全保障法制をめぐる議論について
○テロ根絶に向けて
○西川農水大臣の政治資金規正法違反疑惑について
○党内のグループ活動について
○施政方針演説に対する代表質問について
○党役員人事について
○個人ツイッターアカウントの開設について
○農業団体との関係について
○衆議院の選挙制度改革について


■冒頭発言

○施政方針演説に対する代表質問について

【代表】
 昨日の安倍総理の施政方針演説に対して、月曜日から代表質問が始まります。私も質問に立ちますが準備はほぼできています。安倍さんの施政方針にはほとんど出てこなかった「格差」の問題を幅広く議論することと、戦後70年談話、安全保障法制等についてこちらの考え方も示しつつ、質問したいと考えております。その上で、その答弁ぶりを見て、予算委員会も来週予定されておりますので、なお踏み込んだ議論をぜひ行いたいと考えております。

 安倍さんは(施政方針演説で)、「戦後以来の大改革」だと、言葉は踊るのですが、中身が殆どない感じがいたします。それからやはり、いろいろな改革を進めていく中で、痛みというのは当然伴いますが、そういったことについて国民に対して説明とか、覚悟を問うくだりが全くないわけです。私は、そういったことも含めて率直に国民の皆さんに申し上げた上で、質問していきたいと考えているところであります。

○財政健全化計画について

【代表】
 それから、これは“痛み”の話でもあるのですが、2020年度の財政健全化目標、内閣府が試算(「中長期の経済財政に関する試算」)を公表いたしました。かなり楽観的なケースでも、2020年度にGDP比で1.6%、実額で9.4兆円の赤字になるということで、従来と基本的には変わらないわけですが、これに対して夏までに財政健全化プランをまとめるというのが総理のお話、これは変わらぬお話であります。

 私、総理にこの点でも2問、3問聞きたいと思っておりますが、いずれにしても丸投げではなくて、こういうまさしく国民に大きな負担も強いることになる、そして1000兆円の借金というのは国家の存亡に関わるような話でありますから、そういう問題を夏までに議論してもらうということではなくて、「日本国総理大臣としてこういうふうに考えている」という方針をまずお示しになった上で議論してもらうのが本来だと思います。歳出をどの程度やるのか、どの分野でやるのか、あるいは歳入増をどう考えるのか。場合によってはさらに増税も覚悟しなければならないわけですから、そういう総理大臣としての方針をまず示して、その上で「詳細を検討してください」と言うのが本来であって、それを言わずに丸投げしているのは非常に奇異な感じがいたします。代表質問でもそういうことは質問しようと思っているのです。

 健全化プランは誰が考えても簡単ではありません。9.4兆円を5年間ですから、毎年2兆円ずつ何とかしなければいけないということになるわけで、普通に考えれば容易なことではないわけです。そういったことについて本気でやる気があるのかと、そんな感じがするわけであります。

○「ハラスメント防止指針」の策定について

【代表】
 “ナッツリターン”、韓国の訴訟ですが、実刑判決が言い渡されたということであります。詳細を承知しているわけではありませんが、一つの典型的なパワー・ハラスメントの事例だということです。

 わが党も「ハラスメント防止指針」の策定を現在進めております。昨日も両院議員懇談会で議論がありました。ハラスメントは社会的に許されない行為であるという認識の共有を進めたいと思いますし、わが党の指針についてしっかりと議論した上で早急に定めたいと思っております。

○個人ツイッターアカウントを開設

【代表】
 最後に、今日、私個人のツイッターのアカウント(@okada_katsuya)を開設いたしました。私はあまりまめではありませんし、政治家がその時々のことを発信することについてはプラス・マイナスあると思っておりますので、当面はまめに書き込むというよりは、既にブログとかいろいろな形で発信しているものを利用する、活用する形で進めていきたいと思っております。

 やろうかどうか迷ったのですが、蓮舫さんから随分お勧めいただきましたので、とりあえず始めてみることにいたしました。そういうことではありますが、多くの方にアカウントをフォローしていただければと思っております。


■質疑

○安全保障法制をめぐる議論について

【NHK・花岡記者】
 今日、安保法制をめぐる与党協議が再開された。これをどのように注目されているか。来月にも取りまとめを目指したいということだが、この議論が民主党内の議論に与える影響をどのように見ているか。

【代表】
 政府・与党の見解がまとまらないと法案は出てこないわけですね。そういう意味では多様な議論がなされることは注目しています。しかし、最終的にはまとまるというのが今の自公ですから、いろいろ議論はあってもまとまるのだろうと思います。

 そのことを横目に見ながらも、民主党は民主党としての、既に北澤調査会(安全保障総合調査会)の役員会も昨日開催されましたので、法案が出てくるタイミングにきちんと間に合って答えが出せるように、しっかり議論を進めていきたいと思っています。第1回(総会)は私も出ようと思っております。北澤俊美会長からは「1回目は真ん中に座ってもらいたいが、2回目以降は一議員として出てください」ということなので、片隅に座ってよく話には耳を傾けたいと。できるだけ出たいと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 防衛省関連予算と法案に関して伺いたい。昨日提出された予算の中に、航空機購入のための特定防衛調達に係る国庫債務負担行為を設定する予算と、防衛装備庁(仮称)の設置予算697億円が盛り込まれている。例えば総理は、戦後70年談話は内閣だけで決める、あるいは安保法制は5月からだという中で、この二つの予算関連法案が出てきた場合はどのように対応するか。

【代表】
 これは部門会議での議論もこれからですので、代表である私があまり先取りして議論することは適切ではないと思います。しっかり精査をして党としてのスタンスを決めていきたいと思います。

 一般論として言うと、防衛調達は今までも度々、問題になってきています。事件に発展したものもあります。そういうところについてしっかりとチェックできるような体制が確立されているかどうかということが非常に重要で、調達額が大きいわけですから、そういったところが一つの論点ではないかと思っています。

【産経新聞・山本記者】
 昨日、安全保障総合調査会(の役員会)が始まったが、結論を出す時期について明確なことを決められなかったそうだが、代表は見解をまとめる時期についてはどのようにお考えか。

【代表】
 昨日の役員会の議論は、私フォローしていませんのでよくわかりません。ただ、先ほど言いましたように、やはり法案が出てくるということであれば、きちんと議論できるタイミングでわが党としての考え方をまとめなければいけないと思っています。

○テロ根絶に向けて

【「FRANCE10」・及川記者】
 2001年に9.11のテロが起きた時、テロリストの拠点というべき国はアフガニスタン1国だった。それが14年たって、リビア・イラク・シリア・中央アフリカ・マリなど、フランスのあるシンクタンクによれば15ヵ国に拠点があると言われている。拡散してしまったテロの拠点をどのように減らしていくべきか、テロとの戦いをどのように進めていくべきだとお考えか。

【代表】
 これは非常に難しい問題ですよね。9.11の前も国際的なテロ活動はありました。フィリピンでもあったし、中東でもあったし、いろいろな国であって、私はアフガニスタンだけだったとは思っておりません。ただ、非常に大規模なテロ活動はアルカイダが初めてのことであったということは言えるかもしれません。もう少しゲリラ的なテロ活動は以前にも存在したと思います。アフガニスタン、パキスタンでのアルカイダの活動、それがいろいろな形で、イラク戦争やいろいろなことのきっかけでかなり広範囲に拡散したことは間違いないですね。

 基本はやはり民生の安定だと思います。そういう意味では日本政府も様々な人道支援を行っていますが、やはりそこで安定した生活ができるかどうかということは、一番根本のところとしてはある。阻害されているとか、あるいは生きていくことに非常に困難を伴うことがテロリズムの温床になっていると私は思います。そこが一番の基本だと思います。

○西川農水大臣の政治資金規正法違反疑惑について

【朝日新聞・渡辺記者】
 西川農水大臣が、補助金を受けている企業から献金を受けていたという一部報道がある。本人は、既に返金していて、違法性は認識していなかったと言っている。その点についての受け止めと、今後の国会論戦でどう追及していくか伺いたい。

【代表】
 これは国会で当然問題になる案件だと思います。西川さんは野党時代、しかも落選していたということで、「知らなかった」「報道されてお返ししました」ということですが、そういう説明で通るのかどうかということは今後、メディアもそうですが国会の場でも当然議論の対象になるだろうと思います。

 常識的に考えて、特定の企業から300万円というお金が寄附されたという時に、議員本人が知らないということがあるのかどうか。それから、詳細は承知しておりませんが、継続的に毎年300万円ではなく、それもかなり異常なことですが、突然300万円ということであれば、それには何か理由があったのではないか、と考えるのが普通ではないかと思うのです。そういうことについてどういう説明をされるのか。本人が「知らない」というのであれば、事務所の責任者はどう考えたのか、というようなことも含めて、これは議論が必要なところだと思います。

○党内のグループ活動について

【朝日新聞・渡辺記者】
 来週の月曜日、細野豪志さんが派閥のパーティーを開催される。代表選の一つの争点として派閥論があり、岡田さんは、在り方について今後議論していきたいという話をされていた。それを受けて今後どう議論していくかということと、代表に就任された後に派閥について細野さんと話し合いをされたことはあるか。

【代表】
 派閥そのものの在り方について議論したことは特にありません。

 パーティーについて、やりますというご連絡をいただきましたが、私は出る予定はないと申し上げました。これは1回目も同じです。

 今後、党のガバナンスという観点からどういうことまでが認められ得るのかということは、もう少し落ち着いて議論していく話かと思っています。あまり急いで議論するつもりはありません。

○施政方針演説に対する代表質問について

【北海道新聞・花城記者】
 代表質問で、「格差是正」とか「安保」とか「戦後70年」という分野で、具体的にどういうスタンスで安倍総理に臨んでいくか、今言える範囲で教えていただきたい。

【代表】
 中身は実際に質問するのを見ていただきたいと思います。

 ただ、私自身の考え方も述べた上で総理の考え方を聞くというのが私の基本的な代表質問です。あるいは、民主党ならば、私ならばこうするということも、なるべくお話しするようにしたいと思っています。

○党役員人事について

【フリーランス・宮崎記者】
 財務委員長が、2012年の海江田執行部発足の時から引き続き小川敏夫参議院議員だ。その人選に関してと、財務委員長は何年くらい続けるのが長さとしていいかという、一般的な考えがあれば伺いたい。

【代表】
 何年ということは別にないと思いますが、あまり長くなるのは望ましくないと思います。

 ただ、財務委員長はお金を集める役割と、お金のチェックの役割もあるのですね。集めるというのは、実はわが党は今、ほとんどないというか、党としては個人献金以外ないわけです。そういう意味ではチェックの役割も期待されている。小川さんのご経歴からいっても、あるいは代表が代わって自分の息のかかった人をそういうポストに据えるのはあまりよくないということもあって、留任をお願いしたところです。

 以前私が代表の時には、お金を集める役割とチェックする役割は分けてあったのです。経理局長というポストが別途あって、それは党のお金の使い方についてチェックするポストでした。党の具体的なあり方として今のやり方がいいのかどうか、両方の役割を一人がやっていることがいいのかどうかも含めて、もう少し長い目で見て、党のあり方としてもう一度議論してみたいなとは常々思っております。

○個人ツイッターアカウントの開設について

【フリーランス・安積記者】
 蓮舫さんのツイートをリツイートされているが、(代表が)フォローしているのは「民主くん」のアカウントだけで、蓮舫さんのアカウントをフォローしていない。その理由を伺いたい。

 フォロワーを見ると、自民党関係者とか民主党に批判的な人が結構多いように思う。これから結構ツイートが飛んでくるのではないかと思うが、そのことについての気構えみたいなものを伺いたい。

【代表】
 特にございません。楽しみにしております。

※岡田代表のツイッターでは、「民主くん」はフォローしていません。質問者の事実誤認です。

○農業団体との関係について

【日本経済新聞・恩地記者】
 昨日の両院議員懇談会で一部の方から、今回の農協改革に絡んでだと思うが、農業関連団体との距離のあり方を見直したらどうかという意見があったと聞いている。JA全中は政治的には民主党と距離を置いてきたと思うが、来年は参院選もあるということで、この関係の見直しは何かお考えになっているか。

【代表】
 JAとの関係は別にわが党の中でも、全中はともかくとして、それぞれの地域、地域ではいい関係を築いている議員もいると思います。それは個人個人の努力の問題だと思います。

 私自身はJAとはつき合いはないというか、選挙で応援してもらっているとかいうことはないのですが、ただ、JAの役員、つまり農家ですね、そのかなりの部分は私の後援会の幹部だったりする。だからJAという組織としては動けなくても、個人個人は私の支持者であることは当然ある。そういう関係ですね。

 組織ということになるとなかなか、自民党の色彩が非常に濃いので、民主党という旗を揚げるのは簡単ではないだろうと思いますが、それをなお越えて応援してもらっている人も現実にいるわけです。そういう自民党支持団体の支持を少しでもこちらにというよりは、少し違う視点で、実質的には応援してもらうようなやり方のほうが、意味があるのではないかなというのが私の24年間の経験ですね。

○衆議院の選挙制度改革について

【NHK・花岡記者】
 選挙制度の佐々木調査会(衆院議長の諮問機関「衆議院選挙制度に関する調査会」)の佐々木毅座長が「アダムス方式」を軸に検討していることが明らかになった。結論の導き方は野党5党案とは少し違うかもしれないが、この方式を検討されていることの評価と、いよいよこれから定数削減の議論に入っていくと思うが、これに期待する部分を伺いたい。

【代表】
 まず「アダムス方式」というのは基数配分1を行う方式だと書いているメディア・新聞もありましたが、それは間違いです。「切り上げ方式」と言うべきだと私は思います。

 この前も少し申し上げましたが、野党5党の案も「アダムス方式」という意味では共通です。ただ、今の佐々木先生のほうは定数295を変えずに「アダムス方式」で都道府県に人口比例で割り振っているということであるのに対して、野党5党案は「50万人で1議席」ということで展開している。したがって3増18減・定数280になるわけです。これからも人口が減っていけば定数もどんどん減っていくというのが野党5党案で、そういう意味では違うのですが、「アダムス方式」という意味においては共通しているわけです。

 佐々木先生のところの調査会、今まで非常にいい議論を展開していただいていますが、定数削減についてどうお考えなのか。ぜひ早くそこに議論を移していただきたいと思います。選挙制度の話とかそういうところに時間を取られますと遅れてしまいますので。

 私としては年内に法案を成立させることが必要だと思っていますので、この国会中に調査会の結論が出るということでないと。そして秋の国会で法案を成立させて、その上で区割りをやらなければいけません。区割りというのは、小選挙区をかなりいじることになると1年近くかかります。そして周知期間を考えると、次の選挙までに間に合わせようとするならば、今言ったように夏までに結論を出していかないと間に合わない。

 そういうことは、今度、調査会のヒアリングも各党別にありますので、そういう場で私が出るのか幹事長に出ていただくのかわかりませんが、しっかり佐々木さんのほうには申し上げたいと思っています。




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