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2015.01.18|記者会見

岡田克也新代表就任記者会見(1月18日)

岡田克也新代表就任記者会見

2015年1月18日(日)16時49分~17時10分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。



■質疑 ○代表選での勝因について
○安全保障基本法について
○党人事について
○代表選挙の結果について
○情報発信のあり方について
○通常国会の審議について
○今後の党運営について
○野党協力について
○格差問題への対応について
○各級選挙の対応について




■質疑

○代表選での勝因について

【共同通信・内保記者】
 新代表就任おめでとうございます。今回の代表選は(細野豪志候補者と)決選投票までもつれる大接戦となった。その中で勝ち抜いた勝因について代表としてどのようにお考えか。

【代表】
 なかなか難しいですね、その分析まではまだ行っていないのですが、もともと1回では結論は出ないだろうということは予想していたとおりです。票の出具合も、党員・サポーターで私がわずかに上回って、地方議員では負けてということですから、本当に接戦だったと思います。私自身がなかなか10日間動けない中で、本当に周りの方によくやっていただいたという、そういう感謝の気持ちです。
 こういう結果を受けて、長妻昭さんも含めて3人の候補者それぞれいい戦いができましたので、そういったことをこれからの党運営にしっかり活かしていきたいと思っています。

○安全保障基本法について

【テレビ朝日・小池記者】
 先ほど「安全保障基本法はもうやらない」と明言されたが、党内からも「やるべきだ」という意見がかなり聞こえてくる。そういったいわゆる保守の方々からは、自分たちはもう切られたのではないかと、ネガティブにとらえている方も出ている。そういう方々を今後どのように説得していくお考えか。

【代表】
 これは代表選挙の最中も私、申し上げたことなのですが、有志の方の今ある案、これは私、閣議決定の中身と変わらない、読み方によってはむしろ広いと思います。ですから、それは受け入れることはできません。問題は中身、基本法という形式の話ではなく。集団的自衛権を制限的に認めるという考え方に立ってあの基本法はできていると思うのですが、本当に制限できているのかということです。
 あと、基本法を作ったとしても、政府のほうは具体的な数多くの法案を出してくるわけですから、議論がかみ合わなくなります。
 大事なことは、形式はどうであれ、党としての考え方をきちんと整理することだと私は思います。基本法の法案、見ていただけばわかりますが、集団的自衛権(行使)を広く認める形になっています。あれならもう政府の新3要件に対して「イエス」と言わざるを得なくなる。それはやはり違うと私は思っているわけです。

○党人事について

【北海道新聞・花城記者】
 肉薄した細野さんと長妻さんを幹部に登用する考えはあるか。また、人事はいつごろまでに固める方針か。

【代表】
 現時点では全く白紙です。これから考えなければいけません。
 申し上げたとおり、「オール民主」ということを考えて、しっかりとした人事をやらなければいけないと考えています。方針はそういうことですが、具体的なことはまだこれからです。

○代表選挙の結果について

【日本テレビ・加藤記者】
 「決選投票にもつれ込むのは予想どおり」というご発言があったが、決戦投票の結果については予想とどのくらい一致していたのか。それと決選投票前のスピーチでまず言及したのが長妻候補への感謝の言葉だった。あの言葉をスピーチの最初に話そうといつごろお決めになったか。

【代表】
 いろいろなことを想定して決選投票の際の演説は考えていますので、作っているのは一つではないのです。もう一つ可能性はあったわけです。つまり私と長妻さんが争うことも想定されましたので、複数の案を作っておりました。最終的に二つの案を固めたのは先ほどです。ここで始まる直前までいろいろ推敲を重ねていました。

【日本テレビ・加藤記者】
 最終的な結果については。

【代表】
 接戦だと思っていましたので、想定外とは思いません。勝てたことについても、非常に運がよかったと思います。そういう気持ちでしっかりとこれから党運営に当たっていかなければいけないと思います。

【フリーランス・安積記者】
 1回目の投票で、地方議員票は細野さんのほうが100票以上多かった。ことしは統一地方自治体議員選挙が行われるが、これは地方議員からの「細野代表」への期待という見方もできると思う。この結果についてどうお考えか。

【代表】
 地方議員の方がどういう考え方だったのかというのはいろいろな分析があると思います。私が勝手に分析するのではなくて、それは専門家の分析を待ちたいと思います。
 電話している感じはそう悪くはなかったのですが、電話できる範囲は非常に限られていますし、やはり出遅れはかなり響いたと思います。

○情報発信のあり方について

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 代表選を行うにあたって、街頭演説の告知が不十分だとか、ブロック集会は党員・サポーターしか入れないとか、サポーター(の受付)は昨年6月で締め切っているとか、岡田さんはツイッターのアカウントがないとか、まだまだ民主党は内向きだと思わないか。

【代表】
 いろいろなことは言えると思いますが、それをもって「内向き」と言うかどうかは、これは別だと思います。

【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
 今後ツイッターはやられるか。

【代表】
 代表になったので、少し考え方は改めなければいけないかもしれませんが、政治家はあまりしょっちゅう発信するようになると大局を見失うこともありますので、そこはよく考えてみたいと思います。

○通常国会の審議について

【テレビ朝日・川村コメンテーター】
 いよいよ国会が始まり、まず注目されるのが党首討論だと思うが、岡田代表が取り急ぎ安倍総理にこれをただしたいという優先順位を伺いたい。

【代表】
 順番がどうなるかというのは、党首討論よりも予算委員会、あるいは代表質問になるのだと思います。補正予算の予算委員会の質疑がまずあって、2月に入り代表質問、そして本予算の予算委員会質疑という流れだと思います。私は国会審議の先頭に立ちたいと思っていますが、どこでどういうふうに出るのかはこれからよく考えてみたいと思います。
 中身はそれぞれに、その場によって何を中心に議論するのかということが異なりますので、一概には申し上げられませんが、今年1年ということで見ると、一つは経済。もう一つは戦後70年。安倍首相は談話も出すと言っておられます。3番目はやはり安全保障法制。そういったことを中心にしっかりとした議論が必要だと思っています。

○今後の党運営について

【産経新聞・楠城記者】
 決選投票になって長妻さんの陣営が割れたと我々は解釈しているが、長妻さんは代表選の中でも集団的自衛権には明確に反対し、原発再稼働についても原則反対という姿勢を出している。昨日、赤松広隆さんと会談されたという一部報道もあるが、今後の党運営にあたって、党内で“リベラル”と言われる議員の方々の政策は党の方針とはちょっと違うと思うが、どのように整合性を持たせていくお考えか。

【代表】
 丁寧に議論したいと思います。私の立ち位置は大体、安全保障に関しては真ん中だと思います。ですから、それぞれの立場の方々の意見もよく聞いて、そして最終的にはまとめていきたいと思います。
 長妻さんとも、集団的自衛権というか、言葉は違うのですが、長妻さん自身も個別的自衛権を少し広げて対応しなければいけないケースがあるということは言っておられる。つまり日本自身に対する攻撃がなくても、(直接攻撃以外の)攻撃はあるのですが、その攻撃の「着手」というものを少し広く見るということも言っておられます。ですから、今のままでは対応できない事態があるかもしれないという認識は長妻さんも私も持っています。あとはそれをどういうふうに法律で構成するかという話ですから、あまり言葉にとらわれて議論しないほうがいいと。「日本として自衛権を行使する必要がある事態というのは、どういう事態だ」ということをきちんと議論していけば、私はおのずと合意形成できるのではないかと思っています。

【産経新聞・楠城記者】
 今回の決選投票で(岡田候補に投票した)長妻陣営につかれたリベラル系の意見に、今後党運営が左右されることはないということか。

【代表】
 左右されることはないとかあるとか、そういうことではなくて、私としては幅広く皆さんの意見を聞いて合意形成をしていきたいと思っています。

【朝日新聞・渡辺記者】
 以前の共同インタビューの中で、党の目指す方向性として「中道リベラル。自民党でいえば宏池会」という話をされた。今回の選挙結果を受けて、その目指す方向性について何かしら変化はあるのか、それともこれまでどおりなのか。自民党との対立軸という意味も含めて伺いたい。

【代表】
 「宏池会」と言ったのは、私自身の立ち位置です。党としてどうかというのはもう少し広がりが双方にあるのだと思います。そういう中で私は大体真ん中だということです。
 自民党は随分、ある意味では右にシフトしていますので、そういう意味でもど真ん中が空いていますから、民主党はそこも含めてしっかりと対応できる、そういった政策展開が必要だと思います。

○野党協力について

【NHK・花岡記者】
 今回の代表選挙の序盤に、野党再編のあり方を巡って議論があった。代表になられて政権交代を目指す上での他の野党との協力のあり方について伺いたい。
 岡田さんは、現時点では維新の党と一緒になることは考えられないとおっしゃっているが、将来の可能性についてはどのようにお考えか。

【代表】
 もちろん国会での協力は非常に重要だと思います。国会で協力していくためには、政策のすり合わせも必要です。ですから、そういうことはしっかりと可能な限りやっていく責任が野党第一党にはあると思っています。
 維新の党は、選挙期間中も申し上げたのですが、橋下前代表のお話は、民主党の一部と一緒になるという言い方ですよね。これは私としては認めるわけにはいかない。党の分裂を前提としたような言い方は受け入れられない。それから特定の労働組合に対して非常に批判的。我々と連合の関係というのは非常に大事だと私は思いますので、ことさらに批判するのはいかがなものかと思います。そういう意味で、現時点で維新と同じ党になることは到底考えられないわけです。
 維新が変わればいろいろな可能性はあるのかもしれませんが、どういうふうに変わるかとか、そういうことを私が言うべきではない。それは維新の中で決めていただく話で、私としてはなるべく距離を縮める努力をしていただきたいとは思いますが、現時点ではそれはちょっと考えられないということです。

○格差問題への対応について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 長妻さんの格差是正の主張は非常に勉強になったということだが、新代表の“サムシング・ニュー”ということでいうと、これまで格差などの問題について必ずしも新代表の発言が多かったとは思わない。アベノミクスと戦う意味で格差という問題を新代表のもとで一つの旗にしていこうという意味だったのか。特にこの代表選は「格差」が一番のキーワードだったように思うが、その辺も含めて新代表の考えを伺いたい。

【代表】
 長妻さんの演説は非常に力があったと思う。実は私は衆院選の最中に長妻さんの応援に入った時に彼の演説を聞いていて、「あぁ、いい演説をしているな」と思いました。彼の選挙区でも給食代を払えず補助を受けている人がたしか3人に1人とか、就学援助を受けている人ですね、そういうことも言っておられて、「東京でもそうなのか」と改めて気づかされました。
 もう一つは、これは世界的に先進国共通の現象で、それがいろいろな政治的不安定にもつながっているわけで、私は日本がその問題に率先して取り組む、一つの答えを出していくことは非常に意味のあることだと思います。したがって、広い意味の格差是正、その中にはいろいろな問題が含まれますが、そういうことについてしっかりと外部の有識者の意見や、いろいろなことを聞いて、政策の一つのパッケージとして打ち出していきたいと思っています。

○各級選挙の対応について

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 演説の中で、政権交代、政権奪還を目指すということだった。来年夏の参院選時に衆参ダブル選挙という見方もあるが、政権奪還を目指す具体的時期について伺いたい。

【代表】
 まずは次の総選挙でしょうね。総選挙がどういうタイミングで来るかわかりませんが、「政権奪還」と言うには衆議院で多数を取るということですから、次の総選挙ということになります。
 ただ、ダブルかどうかはわかりません。参議院選挙のほうはもう時期が決まっています。ここでしっかり勝つということも非常に重要です。多数を狙う。つまり与野党逆転を目指す。民主党だけでは難しいとは思いますが。
 少し問題なのは、土俵がまだ決まっていないことです。ですから定数是正、そのために選挙区を合区するとかいろいろなアイデアがあります。わが党はわが党できちんとした案を出している。自民党のほうがまとまらない。これ、うかうかしていると時間切れになって、違憲状態のままの選挙になりかねませんから、まず早く土俵を、自民党もしっかりしてもらって固める。その上で候補者を当てはめていく。参議院はもちろん内々にはなるべく候補者の擁立を準備していくということだと思います。

【毎日新聞・葛西記者】
 総選挙に関して長妻さんなどは、民主党は原則として全選挙区に立てるべきとおっしゃっている。今後、統一地方選などの地方選挙、参院選は、維新と選挙区調整をしてやっていくべきと考えるのか、それともできるだけ多く立てていくべきか。

【代表】
 まず春の統一地方選挙についてはもう候補者はほぼ固まっています。もちろん女性の候補とか追加して出していきたいという思いがあります。ただ、限界はある。それぞれの地域ごとに他党との関係は異なります。協力している地域もあれば、対立しているところもあるということですから、それはあまり中央で一律に決めないほうがいい。地域の自主性を尊重していかなければいけないと思います。一部に、民主党は枠を広げて、三重県などはもともとそうですが、ローカルパーティー的なものとして戦ったほうがいいという動きもありますね。私はある程度弾力的に考えていかなければいけないのではないかと思います。
 参議院選挙や衆議院選挙を考えた時に、理想は全選挙区から立てるということですが、これは細野さんも長妻さんもそうおっしゃったのですが、できるだけそうしたい。しかし現実を考えるとそう簡単ではないと思います。お互い立て合えば、自民党を利するだけだということになりますね。特に1人区はそうです。ですから、そういうことについてある程度、選挙区の候補者の調整が必要な場面も出てくると思います。それは現実だと思います。




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