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2014.01.23|夕刊フジ

普天間問題、政府はブレない判断を 辺野古移設を丁寧かつ慎重に(夕刊フジコラム「ズバリ直球」14年1月23日号)

 沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同市辺野古への移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が、移設を容認する無所属で元県議の新人、末松文信氏(65)を破って再選された。

 同県の仲井真弘多知事が、辺野古沿岸部の埋め立て申請を承認した後だっただけに、大変残念だ。

 ただ、この選挙で、普天間飛行場の危険性除去のために辺野古沖に移転する-という考え方が必ずしも否定されたわけではない。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。

 日本政府は、「なぜ、沖縄だけが負担を背負わなければならないのか」という、沖縄県民や名護市民の思いを真摯に受け止めるべきだ。そのうえで、より丁寧に、より慎重に、そしてブレることなく、辺野古移設を進めていく必要がある。困難な道だが、それ以外に答えはない。

 さて、東京都知事選(2月9日投開票)が23日の告示前から白熱している。舛添要一元厚労相(65)は、かつて除名された自民党から支援を受けたり、細川護煕元首相(76)は、「脱原発」で一致する小泉純一郎元首相(72)の後押しを受けるなど、話題続きだ。

 2020年東京五輪を控えた、大切な首都のリーダーを選ぶだけに、都民の方々には、候補者1人ひとりの政策や主張をよく聞いて、じっくり考えて投票していただきたい。

 民主党は、都連が勝手連的に細川氏を応援する方針だ。ただ、細川氏は原発「即ゼロ」やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対といった公約を掲げるとも報じられている。仮に、党本部として正式に応援するということであれば、こういった点について、よくすり合わせることが必要だろう。

 私が注目しているのは、東京都の行政改革についての各候補者の考え方だ。例えば、都庁OBが多くの関連団体に天下りしている問題をどう受け止め、見直すつもりなのか。そして、最近の五輪は国威発揚とばかりに華美になりすぎているが、そうではない、日本らしい東京五輪を実現するアイデアについても関心がある。

 細川氏に対して、「東京佐川急便からの1億円借り入れ問題がある」とか、「東京五輪を辞退すべきと発言していた」といった、一部報道には違和感を覚えている。舛添氏への批判報道も含めて、スキャンダル合戦のような選挙戦になれば、首都・東京の知事を選ぶのにふさわしくない。「東京をどうするのか」「都民の生活をどうするのか」といった、骨太の政策論争を展開してほしい。 (民主党衆院議員)




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