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2013.05.29|国会会議録

平成25年5月10日 第183回国会 衆議院内閣委員会「閣議議事録、歴史認識、社会保障・税一体改革、UR改革について」

○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 官房長官は記者会見があるということなので、最初に官房長官にお聞きしたいと思います。
 まず、内閣の件でお聞きをしたいと思いますが、閣議の議事録の件です。
 所掌は稲田大臣だということも承知しておりますが、これは、私が閣内におりましたときに、副総理と官房長官の共同議長のもとで検討組織を立ち上げまして、有識者の間で議論して、一定の結論に達しているわけであります。
 つまり、閣議の議事録をつくるかどうか。内閣制度発足以来、そういった議事録というものはつくられてはおりません。しかし、イギリスやドイツは、そういったものが、議事録がつくられている、やはり後世、その時の政権が、いかなる議論が行われ、そしていかなる判断をしたかということがきちんと国民に理解できるようにすることは、非常に民主主義にとって重要なことではないか、そういう御議論をいただきまして、三十年後に原則公開するという仕組みにいたしました。そこまで決めて、立法の形式もほぼ煮詰めた上で、政権交代ということになったわけです。
 この国会で検討法案になっているというふうに承知しておりますが、ぜひこれは、やるということについて、官房長官の御意見をお聞かせいただきたいと思います。そして、そもそもそういったことは意義があるかどうかということも含めて御意見をいただきたいと思います。

○菅国務大臣 委員の今の発言にもありましたけれども、委員が副総理のときに、閣議議事録の作成、公開制度の創設について検討して、閣議及び閣僚懇談会について議事録を作成して、今言われたように、三十年後に公開する方向で検討チームが取りまとめられたと。しかし、その後、閣議決定はされていなかったというふうに聞いております。
 本制度に係る法案の今国会への提出は検討中としておりますけれども、法制化が、公文書管理のみならず、閣議のあり方、ここに私は絡んでくるんだろうというふうに思います。政府内部で今後十分検討して、本制度の扱いを含めて決定をしていくということが大事だろうというふうに思います。イギリス、ドイツの閣議、そうしたものと比べて、今の閣議のあり方というものも我が国は違っておるわけでありますから、そうしたことも検討していきたいと思います。

○岡田委員 閣議、それから閣僚懇あわせてということでありますが、今、閣議のあり方というふうに言われましたが、具体的にどういうことが問題となって、ひっかかっているんでしょうか。具体的にお話しいただけますか。

○菅国務大臣 例えば、この制度というのは、閣議全体の運営に大きな影響を与えるというふうに思っています。
 従来、現在の閣議というのは、陪席者というのはこれで限定をされておりますし、議事録の作成方法、例えば、これは録音するだとか、陪席者をふやすだとか、いろいろなことがありますし、また、現に行われているイギリスやドイツにおいては、議論に必要な時間というものを十分にとっております。今の日本の閣議というのは、委員御承知のとおり、全体の大きな流れの中で、ある意味では事前に議論をされたものを閣議で了承するという方式を今とっていますから、そうしたことも含めて、これは検討する必要があるだろうと思っています。

○岡田委員 閣議がかなり形式化しているということは、私はそのとおりだと思います。ただ、閣僚懇では、かなり自由な議論というのは、これは内閣によって違うと思いますが、行うことは可能ですし、そして、重要な問題があれば、現に今までの内閣もやってきたと思うんですね。
 そういうときに、後から振り返って、閣僚間でどういう議論をして、最後、閣議は内閣の最高意思決定機関ですから、そこで政治家同士、大臣同士が議論して、その結論に至ったかということは、やはり後からわかるということが非常に大事だと思うんですね。
 速記者が必要じゃないかとか、録音するのかとか、そういう議論は我々もいたしました。それは一つの割り切りの問題で、本質じゃないというふうに思います。やはり本質は、後世、しっかり検証することができる、そのための議事録を残すということであって、余り形式論ではなくて、その本質に基づいて、これはぜひやるということを決断していただきたいと思いますが、いかがですか。

○菅国務大臣 委員は十分閣議の内容もわかっていらっしゃると思います。
 今の我が国の閣議というのは、閣議にかける前にそれらを十分議論した上で、まとめるものを閣議にかけるという方式をとっております。多分、民主党のときもそうじゃなかったかというふうに思います。その閣議決定に至る仕組み等も検討しながら考えていきたい、こう思います。

○岡田委員 しかし、閣僚懇は、安倍内閣でも、実質的な議論は時にやられているんじゃないんですか。全くの形式であるはずがないし、本来、各省のトップであり、閣議の構成メンバーである大臣、大臣というのは各省の代表だけではないんですね。閣議の構成メンバーとして、そういうものを離れて議論する立場にもあるわけで、そこで議論したことが後から検証できないというのは非常に問題じゃないですか。

○菅国務大臣 現内閣におきまして、当然、閣僚懇談会もありますし、そこでそれなりの議論もしています。しかし、今の内閣のやり方の一つとして、事前に関係閣僚会合というのをやっていまして、そうした中で、話をある程度詰めた上で、最終的に閣議決定をするというような方向で今私どもは物事を前に進めておりますので、そうしたことも踏まえて、これはぜひ検討させていただきたいと思います。

○岡田委員 関係閣僚会合も、正式なものであれば、これは議事録を残さなきゃいけない、少なくとも記録は残さなきゃいけないことになっているはずであります。ですから、閣僚懇だけ除くというのはよくわからない話で、これは、日本を代表する有識者の皆さんにかなり熱心に御議論いただいて結論を得ていることですから、ぜひ、このことについてしっかりとこの国会で対応していただきたいと思います。なお、この問題は、機会があれば官房長官や総理の御見解を聞いていきたいというふうに思っております。
 時間も限られていますので、もう一つの歴史認識についてお聞きをしたいと思うんですが、特に村山談話であります。
 村山談話について、記者会見で、官房長官も、それから総理も、いろいろとお答えになっているわけですが、村山談話の中にある言葉で、官房長官の記者会見で出てこない単語が二つあるんですね。それは、植民地支配、それから侵略、この二つの言葉は出てこない。それ以外の、その前後は引用されて、認識は同じだと言われるんですが、植民地支配とか侵略という言葉は使われません。これは何か意味があるんですか。植民地支配とか侵略ということを認めていないということですか。

○菅国務大臣 ぜひ御理解をいただきたいんですけれども、村山談話に対して、内閣の基本的な考え方でありますけれども、我が国は、さきの大戦に至る一時期、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたということ、さらに、これまで日本政府は、こうした歴史の事実を謙虚に受けとめて、改めて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するとともに、さきの大戦における内外の全ての犠牲者に対して哀悼の意を表明してきた、このことについては、安倍内閣も同様の認識であります。
 さらに、近隣の国々、日本にとってはかけがえのないパートナーであり、地域の平和と繁栄のために貢献をしていく考えであるということであります。
 そして、これは基本的なことでありまして、安倍総理の第一次内閣、二〇〇六年でありますけれども、総理大臣として、安倍内閣として、これまでの歴代内閣の立場を引き継いでいる、こういうことについては表明をいたしております。

○岡田委員 質問に答えていただいていないんですが、植民地支配あるいは侵略ということについてはどうお考えかと聞いているわけです。

○菅国務大臣 今申し上げましたけれども、二〇〇六年の安倍内閣のとき、また、今度の第二次安倍内閣のときも、歴代内閣と同じ立場を引き継いでいく、そういうことで御理解をいただけるんじゃないかと思います。

○岡田委員 歴代内閣といえば、この村山談話あるいは小泉談話、いずれも植民地支配とかあるいは侵略という言葉が出てまいります。ですから、認識は同じということは、この言葉を当然共有されているわけですね。

○菅国務大臣 今申し上げましたけれども、二〇〇六年当時もそうでありますし、現在も、これまでの内閣の立場を引き継いでいくということは全く変わりがありません。

○岡田委員 ですから、内閣の立場を引き継いでいるということは、「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」村山談話ですね。「私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、」この「事実」というのは、「植民地支配と侵略」ということを受けているわけですね。
 事実というふうに村山さんは言っていて、小泉さんも基本的に同じトーンで言われていると思いますが、この植民地支配と侵略ということについて、はっきりその言葉を挙げて言っていただきたいんですが、それは受け継いでおられるんですか、受け継いでおられないんですか。
 これ以上何も言われないと、受け継いでいないと言ったに等しくなりますよ。

○菅国務大臣 私ども、今申し上げたとおり、これまでも歴代内閣の立場を引き継いできたし、これからも引き継いでいく考え方でありますし、村山政権は戦後五十年に総理としての談話を出されました。小泉総理は六十年に総理大臣としての談話を出されました。
 安倍総理は、こうした談話を引き継いでおりますけれども、七十年に未来志向の談話を出したい、これが安倍政権の考え方であります。

○岡田委員 官房長官は、朝鮮半島において過去に日本が植民地支配を行ったということは、お認めになるんですか、ならないんですか。

○菅国務大臣 私、先ほどから申し上げておるとおりでありまして、歴代内閣と同じように、その立場を引き継いでいくという形が現政権の基本的な考え方であります。

○岡田委員 先ほどから全く答えていただけないんですが、植民地支配を朝鮮半島に対して行ったということについて、官房長官の認識はイエスかノーか、お答えください。

○菅国務大臣 先ほど来申し上げていますけれども、我が国は、さきの大戦に至る一時期、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた、また、こうした歴史の事実を謙虚に受けとめて、改めて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するとともに、さきの大戦における内外の全ての犠牲者に謹んで哀悼の意を表明しました。ここについては歴代内閣と同じであり、近隣の国々というのは日本にとってかけがえのないパートナーであり、将来もこれらの国々と未来志向の関係を築き上げていきたい。
 そして、安倍政権としては、これまでの歴代内閣の立場を引き継いでいく、そういうことの中でこれは御理解をいただけるんじゃないでしょうか。

○岡田委員 引き継いでいくと言われながら、今も、「植民地支配と侵略によって、」という、その言葉についてあえて引用されませんでした。ですから、この二つの言葉については、これは同意していないということですね。そういうふうに受け取られても仕方ありませんよ。それを覚悟で言っておられるんですね、官房長官は。いかがですか。

○菅国務大臣 引き継いでいくということを今私は何回となく申し上げておりますので、そのことで全てが入っているんじゃないでしょうか。

○岡田委員 植民地支配と侵略という言葉を引き継いでいるんですか、どうですかと私は何回もお聞きしているわけです。お答えください。

○菅国務大臣 歴代内閣と同じように、引き継いでいくというこの談話を申し上げているんじゃないですか。

○岡田委員 私が何度も何度も、植民地支配と侵略という言葉について聞いているにもかかわらず、歴代内閣を引き継いでいるという抽象論だけで、この言葉は絶対言われませんよね。
 ということは、やはり内閣として、この二つの言葉についてはノーだというふうに言われても仕方がありませんよ。それ以外の答えというのはないじゃないですか。どうなんですか。

○菅国務大臣 何回も委員に申し上げていますけれども、総理大臣として、安倍内閣としては、これまでの歴代内閣の立場を引き継いでいく考え方でありますということで私は御理解をいただけるんじゃないかなというふうに思います。

○岡田委員 ですから、立場といいながら、私が聞いている植民地支配、侵略ということについては具体的にコメントされていないわけです。これは非常に大きなことだと思いますよ。今までの内閣とは違う。
 そして、例えば、この談話だけではなくて、日朝平壌宣言の中に何て書いてありますか。「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、」こう書いてあるんですよ。
 でも、今の官房長官は、こういった平壌宣言の中の文章とも全くかけ離れているじゃありませんか。それが安倍内閣の考え方だというふうに理解せざるを得ませんよ。いかがですか。

○菅国務大臣 それは一方的な解釈じゃないでしょうか。
 先ほど来申し上げていますように、この大戦における一時期、アジア諸国の人々に対し多大な損害と苦痛を与えた、さらに、歴史の事実を謙虚に受けとめて、改めて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するとともに、さきの大戦における内外の全ての犠牲者に謹んで哀悼の意を表明する。ここについては、安倍政権も全く同様の認識であり、この近隣諸国については、我が国にとってかけがえのないパートナーであり、これらの国々との関係を未来志向で取り組んでいきたい。
 そして、二〇〇六年当時の第一次安倍内閣にも表明しておりますけれども、今内閣でも、歴代内閣の立場を引き継いでいくということに変わりはないということであります。

○岡田委員 最後まで植民地支配と侵略については触れられませんでした。安倍内閣としては、この二つについては歴代内閣と異なる解釈をしているというふうに受け取らざるを得ません。これは、私だけじゃなくて、このやりとりを聞いていた人は普通そう考えるというふうに思います。
 私は、それは大変不幸なことだということを申し上げておいて、きょうは、時間がありますから、このあたりにしたいと思いますが、機会を得て、また総理にもぜひこの問題についてお聞きしたいというふうに思っております。
 それでは、社会保障・税一体改革、甘利大臣に来ていただいていますので、一言。
 きょうも本会議でもやりとりがあったんですが、やはり国民会議で高齢者医療と年金についてきちんと議論すべきだというふうに思うわけですね。もちろん、政府の考え方はよくわかっております。年金についていえば、百年安心プランを出したときの考え方、現状で、それで大丈夫だ、やっていけるというお考えだろうというふうに思います。
 ただ、我々は、必ずしもそういう考え方には立っていないわけであります。
 例えば、百年安心プランといっても、マクロ経済スライドをやっていく中で年金の額が目減りしていく、実質的にはそれは年金としての意味をなさないような額になるかもしれません。それから、そもそも年金に加入していない人たちがたくさんいる。つまり、年金の世界だけでは収支が仮に合ったとしても、しかし、年金に加入していない人のところについてこれをどうするか、未加入者をなくすために今の制度でできるのか、こういう問題もあります。そういうことに基づいて、我々は、年金の大きな改革を主張しているわけです。
 それから、みんなの党は、一体改革の議論でも何度も御主張になりましたが、積立方式を主張されている。
 ですから、政府の考え方と我々民主党の考え方、そして積立方式、それぞれについて、やはり専門家のそろった国民会議の場できちんと議論すべきじゃないかというふうに思うわけです。年金不信というのは国民の中にこれだけある。我々も、この年金の問題でいつまでも政治が答えを出さないというのはよくないと思うんです。
 ですから、お互いの問題意識をしっかり出し合って議論する、そういう機会として国民会議を生かすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○甘利国務大臣 きょうの本会議でも一部この話が出たことは承知いたしておりますが、これは委員よく御案内のとおり、昨年の六月の三党合意で、年金の問題については、「あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議する。」というふうにされているわけでありまして、ダブルトラックではありますけれども、この三党協議の行方を有識者会議が見守りつつ、ではその間何もしないというわけじゃなくて、消費税の社会保障の強化部分、充実強化二・七兆円部分のうち、まだ具体的な内容が固まっていない医療と介護の分野についてまず優先的に議論すべきじゃないか、こういう意見が多かったので、そういうことでやらせていただいているわけであります。
 三党協議の結論が出るまで何もしないかというと、そうではありませんで、医療・介護分野での議論に続いて、きのうは少子化についての議論を行いました。そこで、次回、第十二回になります五月十七日には、年金分野の議論に入るということになっているわけであります。
 最初の方に全体的な議論をして、それから各論に入ってきました。消費税について、まだ詳細が決まっていない部分について固めておく必要があるということで、医療、介護を取り扱った。そして少子化。その後に今度は年金ということで議論を進めていくという予定にいたしております。

○岡田委員 スケジュールは私も承知していますが、お尻が切れていますよね、八月という。ですから、私は、消費税引き上げを責任大臣として担当してまいりましたけれども、やはりあのときに、一つは経済状況を見きわめるということ、それからもう一つは、やはり社会保障改革をしっかりやるということが国民に対する約束だというふうに思うわけです。そういう観点で国民会議もできているということです。
 いろいろな議論を今までしてきたことは理解していますが、やはり大きな改革ということになれば、年金制度、それから高齢者医療制度、この二つについてはきちんと議論する必要がある。三党の間でいろいろ議論してきました。与党の自民党、公明党の委員も大変真摯に対応していただいたと思いますが、ただ、残念ながらお互い合意に至っていない、そういう状況であります。
 そういったことを考えれば、やはり国民会議の場でちゃんと議論するということが必要だと思いますが、そのことをお約束いただけませんか。

○甘利国務大臣 国民会議は、三党協議でいろいろと出された方針に沿って議論をしているつもりでありまして、あらかじめ公的年金制度に係る改革については三党で協議するから、そういう方向が出て、ある程度それが先導的な議論になるんでしょう。その後、それに沿って議論を詰めていく。
 しかし、なかなか三党では方向性が見えてこない。しかも、前政権の中でも、では、この年金制度が本当に長期の使用にたえ得ないものかどうかということに関しては、当時の総理みずから、今の制度は、五年ごとでしたか、財政再計算、今は財政検証というのでしたか、それがあって、きちんと長期にたえ得るものにしてあるから、それは長期をしっかり支え得る年金であるという御答弁もあるわけでありまして、国民会議の中でも、三党協議の行方をずっと見守っているだけではなくて、いずれにしても、どういうことになるにせよ、現行の年金制度の改正し得る部分について、部分的にも議論をすべきではないかということになって、その議論もしていこうということになっているわけであります。
 期限は八月の二十一日ということを清家議長以下よく承知をされておりまして、その中で、年金の議論も次回入ろうということになっております。

○岡田委員 最初に申し上げたように、今この年金制度が壊れているとか、そういうことを我々は言っているわけじゃないんですね。ただ、先ほど言ったように、例えばマクロ経済スライドということで額が減っていくということも考えられるし、それから、今の百年安心プランをつくってから、この数年間のいろいろな前提条件の変化もあるわけで、やはり、そこは国民の安心感を高めるためにもちゃんとした議論は必要だというふうに思っておりますので、ここはぜひお願いを申し上げたいと思います。
 最後、稲田大臣に来ていただきましたので、URの問題ですね。URの改革について、私が担当していたときに、有識者に非常に議論していただいて、一つの改革案をつくりました。
 URというのは、今、十三兆円という巨額の借金を抱えた独立行政法人で、毎年の支払い利息が収入の四分の一、二千百億円。これは、金利が上がればあっという間に膨れ上がっていく。当然、住宅の方はだんだん劣化していくわけですね。現在は七十年の償却期間で計算していますけれども、七十年もつというのはちょっと考えにくいので、普通に考えれば、財政状況は本当はもっと厳しいんだろうというふうに思います。一方で、人口が減っていきますから、空き家率も高まっていくことも当然考えられる。
 そういう中で、やはり、持続可能にするために、今住んでおられる方で所得の少ない方に対してはしっかり手当てをしながら、しかし、タワーマンションとか、そういうのも結構持っていたりして、高額のものも抱え込んでいるので、そういうものは民営化すべきではないか、そういうことで一つの絵を描かせていただきました。
 これは今、凍結状態ということですが、いかがお考えですか。

○稲田国務大臣 岡田前副総理からは、十二月二十五日付の大変詳細な引き継ぎ書をいただきまして、そしてその中で、四十分、二人でいろいろと引き継がせていただきました。今お話しになったURの件についても、非常に重たい問題である、そして、報告書が出ていて、おっしゃったような内容の報告書にまとまっているんだというお話も伺ったところでございます。
 その上で、そのURの改革に関しては、昨年一月の閣議決定に基づいてなされておりまして、今回、政権交代を受けて、見直しをした上で改革をするということで、閣議決定自体は当面凍結をいたしているところでございます。
 URについては、先ほど委員が御指摘になったように、多額の有利子負債を抱えるなど、脆弱な財務状況になっていて、非常に問題であるという認識は共通をいたしております。収益力の改善、コストの削減などを進めて、改革に取り組んでいかなければならないと思っております。報告書も検討させていただきながら、国交省と緊密に連携をして検討を進めていくことにしたいと思っております。

○岡田委員 このURの問題やあるいは独法改革全体、特会改革、こういうものを、我々は法案を用意したり報告書をまとめたりいたしました。政権がかわれば、それをもう一回再吟味するという時間が必要だということは私はわかります。わかりますが、ぜひこれがうやむやにならないようにしっかりと受けとめていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 終わります。




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