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2012.07.11|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年7月10日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年7月10日
(平成24年7月10日(火) 17:28~17:47  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 お待たせをいたしました。今日は参議院の予算委員会を先程までやっておりました。
 私から冒頭1点。今日の閣議で「規制・制度改革に係る方針」を決定をいたしました。中身はもう既にこの場でもお話をしたとおりでありますが、その中でも特にEPA交渉開始に向けて重要な局面にあるEUの関心にも応える取組を数多く含んでおります。そのことを改めて申し上げたいと思います。
 基本的には三つで、一つは自動車基準の国際基準との整合性の確保であります。国連欧州経済委員会規則の採用に向けた取組。それから、自動車搭載の高圧ガス容器の基準の調和。
 それから、第2に、自動車整備工場の立地の面積制限の緩和であります。必要な規模の自動車整備工場の立地を容易にするために、建築基準法改正の検討を含めた取組を推進するということであります。
 この点につきまして、本年3月、地方公共団体に対して、許可に関する技術的指針を既に発出したところであります。これによって、自動車整備工場の立地が容易になるというふうに考えておりますが、仮にそうならない場合には、必要な更なる措置を講ずるということを決めたところであります。
 3番目が食品添加物の指定手続の簡素化、迅速化であります。
 いわゆる国際汎用添加物45品目のうち、まだ15品目が指定がされておりません。これらのうち3品目については、本年度中をめどに指定を行い、残る12品目についても、指定まで概ね1年程度を標準とする今後のロードマップを策定するというものでございます。
 このことによって、日本国民が摂取できる食品の選択肢が増加することが期待されるところであります。
 いずれにしても、こういったEU側からも出ておりました日本のいわゆる非関税措置に関する要望に十分応える内容になっておりますので、今後の日EU・EPA交渉の進展にとって、非常に重要な決定が本日なされたということでございます。
 日本側の努力を受け止めていただいて、是非この日EU・EPA交渉の早期開始に向けて、EU側にも努力を求めたいというふうに考えているところでございます。
 私から以上です。

2.質疑応答
(問)【規制・制度改革に係る方針関連】
 朝日新聞の福山といいます。今の日EUのEPAの文脈で、自動車関連の規制緩和ということなのですが、これはTPP等々、別のEPA交渉にもプラスの影響を与えるようなことがあれば教えてください。
(答)今回の3点は、具体的にはEU側から出てきた非関税措置に関するものでありますので、直接的にそれに資するということでは必ずしもございません。ただ、これは別にEUに対してだけということではありませんので、そういう意味では他の国に対しても同様に適用されるということでございます。
 私はもう少し大きく考えて、やはり、これから日本とEUがこういった様々な小さな困難を乗り越えて、一つのマーケットになるという、そういう観点に立って努力していくべきだというふうに考えております。世界経済も非常に厳しい中にあって、いわゆる先進国と言われるEUと日本、あるいはアメリカといった国々がなるべくルールを同じくして、そして市場を一つにしていくということは、世界で起こっております新興国の台頭とか、そういう大きな変化の中で、必ず日本にとってもEUにとっても、大きなプラスを招くものだというふうに考えております。

(問)朝日新聞の河口と申します。この関連で、朝のぶら下がり会見では、EUと日本とアメリカとそれぞれ違うルールでやっていくよりは、なるべく一つのルールにしたほうが経済活動としてはスムーズにいくのではないかと。先進国といいますか、それがきちんとルールを作っていくことは、保護主義を防ぐというような御発言をされていました。
 ちょっと先程も質問が出たのですけれども、EUとの関係もそうですけれども、TPPの交渉においても、そういうルール作りをするためには、かなり早期に参加表明をする必要があるかと思いますが、その辺り、例えば9月上旬にはAPECの首脳会議がありますけれども、この辺のスケジュール感については、現状ではどのようにお考えになっているのでしょうか。
(答)TPPについては、今、日本国政府としては交渉参加に向けてのいろいろな検討を行っているところであります。それ以上に、今、具体的なことを申し上げる段階にはないということであります。ただ、基本的にこれはTPPであれ、あるいは日本とアジアにおける日中韓とか、あるいはASEAN+6とか、そういった交渉であれ、日EUであれ、そういったことについて、しっかりと前に進めていくということが日本自身にとっても非常に重要なことであるというふうに思います。

(問)【その他】
 共同通信の関といいます。今日、ちょっと時間がないようなので、また次回に一部譲れればと思うのですが、行政事業レビューの関係で1点お尋ねしたいのですけれども。
 内閣府で昨日、国際青年交流事業、青年国際交流事業に関する効果測定の検討会が立ち上がって、効果測定を有識者が検討するという話がスタートしました。
 この事業自体は廃止になっているのですけれども、コメントに条件付き廃止とも、条件が整わなければ廃止とも読み取れる部分があったのを恐らく解釈して、こういう動きをされているのではないかと思うのですが、レビュー自体の評価に対しては問題がある動きではないのかなというふうに率直に思ったのですけれども、事実関係として確認しておきたいのが概算要求に反映させるということなのですが、ルールとして概算要求自体は、これは認めた上で、その査定の段階でゼロ査定をするという建て付けなのか、そもそも概算要求は基本的にしないでくださいねと、廃止した事業についてはですね。これはどういうルールとして。
(答)そのことに関しては、私は前に申し上げましたが、基本的に廃止は廃止です。ただ、あそこの公開プロセスの場で廃止と出たから、100%廃止ということではなくて、きちんとした理由があれば、それを認めないということではないと。したがって、政府の中でこの前の公開プロセスで出た議論を踏まえて、もう一度私のところでも判断したいというふうに考えております。
 ただ、タイミングとしては、この青年国際交流事業についても、効果の測定、評価に関する検討会が立ち上がったということですが、基本的にはそれは概算要求までに判断をしたいというふうに考えておりまして、勿論、予算をどうするかとか、そういう話はその後でいいわけですが、基本的にこれを認めるかどうかということの判断は、概算要求前に行いたいというふうに考えています。したがって、この検討会の結論も時間をあまりかけずに、8月の然るべきタイミングでは出していただかないと、こちらも判断しようがないと、こういうことであります。

(問)フリーランス記者の上出です。集団自衛権について、野田首相がちょっと踏み込んだ前向きな発言をしているということで、集団自衛権について政府としてこれまで議論をしてきたのか、あるいはどこまでしてきたのか、してこないのか、そういう認識についてまず1点お伺いしたいのと、岡田副総理自身としては、どこまで踏み込むべきかという、何が今一番大事なポイントなのかということを教えていただけたらと思います。
(答)野田総理御自身が、最近、集団的自衛権について踏み込んだ発言をしたということは、私は承知しておりません。総理の下でというか、国家戦略会議の下での有識者の議論の中で、そういう結論が出たということは聞いておりますが、それは政府の考え方ではなくて、有識者の御意見を集約したものということであります。それをどう扱うかというのは、これからの政府の中の議論という、そういう段階です。
 したがって、私自身の考えもあまり申し上げないほうがいいと、それは政府の中の議論で、私の考え方を示していきたいというふうに考えております。

(問)テレビ東京、吉田と申します。先週なのですけれども、平成23年度の国民年金の納付率が発表になって、過去最低となりました。これを受けて、改めて歳入庁についての認識というか、確認をさせていただきたい部分があるのですけれども。政府としては歳入庁の創設に向けた工程表を示されていて、現在検討中ではありますけれども、歳入庁を巡って民自公の三党合意の中で、歳入庁の創設を前提としない表現にとどまっていると思うのですけれども、元々閣法にあった「歳入庁の創設」という文言が消えてはいますけれども、三党合意の前と三党合意の後で、政府の歳入庁創設に対する姿勢に変化はあったのでしょうか。
(答)三党合意がありますから、よく三党で話し合わなければいけないというふうに考えています。ただ、我々の全体の工程表の中でも、最初からいきなり歳入庁を作るということではなくて、まずきちんと徴収できるような体制を築いていくということでロードマップを示しておりますので、そのことから始めると。これは別に歳入庁を作らなくても、作っても、どちらでも必要なことなので、そこはそこでちゃんと始めていきたいというふうに思います。あとは三党間での、これからの議論ということになると思います。基本的には、我々の政府としての考え方は変わっておりません。

(問)月刊誌のFACTAの宮嶋です。先週、木曜日に国会の事故調で報告があって、歴代政権、規制当局、東京電力ですね。この三者の意図的な先送り、不作為、人命の軽視、人災であるという非常に重たい報告が出ているのですけれども、勿論、御担当外ではございますけれども、これは非常に重い意味があると思うのですけれども、現段階でこれについてどういうふうに受け止めておられるか。
 これには実は非常に簡易な概要なども付いているのですけれども、そういうものも含めまして、岡田副総理はそれを御覧になっておられるかどうか、この2点を伺いたいのですけれども。
(答)私は昨日も少し読んでいたのですが、まだ概要しか読めておりませんので、もう少し時間をかけて、週末などを使って、じっくりと読みたいというふうに考えております。
 人災であると断じたところについて、これは3月11日以降のことも言いつつ、それ以前も含めて、そういうふうに指摘しているわけで、いろいろな意味で反省が必要だと。
 具体的なことは、よく注意深く読んでみたいと思いますし、政府の検証結果もこれから出てまいりますので、そういう意味ではあまり先走ってものを言うつもりはありませんが、なかなか読み応えのある、しっかりと我々受け止めなければいけない、そういう報告書であるというふうに私は思っております。

(問)NHK、岡崎です。社会保障制度国民会議についてなのですけれども、今日、総理が予算委員会の答弁で、委員の人選については、法律の規定や参議院での審議、三党の意見などを踏まえて、会議の運営方法等と併せてしっかり検討したいという話を答えられていますが、これはどういった委員にするかで、会議の中身の議論が大分左右されると思うのですけれども、委員の人選の段階から三党の意見を踏まえて決めていくということなのかというのが1点と、また国会議員の割合、20人中何人ぐらいにしようとお考えになっているのか、お願いします。
(答)総理のその答弁の前に私が答弁しているわけですが、同様の趣旨のことをですね。そこでも申し上げたのですが、この法律は公布と同時に立ち上げなければいけないと、国民会議が。それから、1年しかないということですから、ある程度法案成立の見通しがついたところで準備していかなければいけないというふうに考えております。
 今の御質問については、それは勿論、三党で作り上げたものですから、しかも国民会議の中で議論するということについて、これも三党で合意しているわけですから、人選についても各党の意見もお聞きしなければいけない。最終的に決めるのは総理大臣ですけれども、意見はよくお聞きしなければいけないというふうに思っております。国会議員の割合とか、そういうことはまだ決めておりません。

(問)朝日新聞の河口です。先程の集団的自衛権の関係でちょっと確認ですが、昨日の総理の答弁では、これにつきましては、政府内での議論も詰めていきたいと考えているとおっしゃったと思いますが、従来ですと、このようにおっしゃっていなかったのですが、何らか前向きな検討を始められる御予定があるようには聞こえるような表現だと思うのですが、そういうことではないということなのかというのが1点と。
 もう一つは、一体改革の三党協議と絡めて、先延ばしにしてきたテーマで結論を出せるようにすることは国民にとってもプラスだというふうに総理はおっしゃって、それで例えば憲法などというふうに例として出されておられましたが、こういった憲法改正などについても、そういった三党で枠組みで協議していくような考えというのも、総理にはおありになるのかと、この点を。
(答)それは総理に聞いてください。
 それから、今のお話は集団的自衛権について、総理がそういうふうに言ってますか。

(問)おっしゃっていました。私、聞いてました。
(答)私の理解だと、全体の報告書全体について言われたように理解しているのですが。

(問)あの点については、小池さんが完全に集団的自衛権について、ということで聞かれてます。
(答)答えもそれについて具体的にされたのですか。

(問)そうですね。
(答)私のちょっと理解と違いますね。
 最初に申し上げた日EUの件は、EUの各国の中にもいろいろな御意見があるやに聞きますが、そもそもお互い市場を一つにして経済を強くしていこうという考えですから、個別のいろいろな事情、いろいろな意見がおありかと思いますが、ここは大きく捉えていかなければいけない問題で、是非、日本も一生懸命やっておりますので、がっかりさせないようにしていただければ大変ありがたいというふうに思います。
 アジアの中でも、TPPもいろいろな選択肢がある中で、私は日EU・EPAというのは非常に重要だと思っておりますので、お願いしたいと思っております。
 以上です。

(以上)




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