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2012.06.14|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年6月12日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年6月12日
(平成24年6月12日(火) 17:08~17:25  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 それでは、私から時間も今日は限られておりますが、2点。まず歳入庁の創設であります。
 今朝、5大臣会合を開催をいたしまして、全体の資料はもうお手元にいっているかと思いますが、考え方についてまとめたところでございます。
 作業チームとなっていますが、間違えで、5大臣というふうに直しておかなければいけないのですが、5大臣として、この考え方について合意をしたということでございます。
 それから、第2点は行政改革に関する懇談会、昼間開催いたしました。私も途中からの参加ということになりましたが、まず国家戦略との関係について、いろいろ御議論いただいた上で、やはり各委員の皆さん、現在のこの財政的な、財政の危機的状況に対する基本的認識をしっかりまず見据えた上で、国家戦略というものを考えるべきだと、認識が甘いのではないかという御指摘を前回に続いて、何人かの委員の方々から言われたところであります。
 その上で、こちらで少しまとめました今後の検討課題などについて、概ね御了解をいただいて、次回以降、三つの項目があるのですが、順次これを議論していくということに御了解いただいたかなと、いうふうに思っております。
 まだ2回しか開催しておりませんが、なかなか熱い議論になりまして、非常に啓発されること大でありますので、国会の合間というか、国会がどうなるか、まだ延長も決めておりませんので、非常に言い難いのですが、多忙な中でしっかりと時間を確保して、行革懇談会について、引き続き開催をしていきたいと、そのことによって行革の基本的な考え方についての方向性を取りまとめたいというふうに考えているところでございます。
 私から以上です。


2.質疑応答
(問)【歳入庁関係】
 朝日新聞の河口です。
 まず、今回こういった工程表をお作りになった意図というか、中間報告からなぜこういったものをお作りになったのかと、この辺りの理由についてお願いいたします。
(答)工程表は、ないよりあったほうがいいと思います。しっかりと前回3類型をお示ししたわけですが、その3類型について何かどれを取るということは言ってないにも関わらず、最終的には歳入庁はできないのではないかというふうに報じられたメディアもあるわけです。なるべく誤解を招かないように、しっかりとした工程表を示したということであります。

(問)共同通信の蒔田ですが、委員会の質問を見ていると、自民党は歳入庁に反対しているようでして、今、修正協議も進んでいますが、消費税法案とかにも書かれたこの歳入庁について、自民党が反対しているということについて、どうお考えでしょうか。
(答)これも協議のテーマにはなるというふうに思います。我々の姿勢をしっかりと今回まとめましたので、その上で自民党や公明党の意見も聞いてみたいというふうに考えています。

(問)月刊誌のFACTAの宮嶋ですけれども、いろいろ事情はあると思うのですけれども、当面やることはいわゆる国保の徴収率をアップするために、厚労省と日本年金機構でアイデアを考えるという、何か歳入庁という最終目的からすると、非常に迂遠なところから始まっていると思うのですけれども、副総理としては今の現状でうまくやっていない厚労省及び日本年金機構でどういうアイデアで、15年ぐらいまでにどれぐらいの国保の目標、徴収率アップ、その辺を目標を課していくようなお考えはないのでしょうか。このままですと、歳入庁ができるのが18年以降で、殆ど明後日の話のように思うのですけれども、いろいろ事情はあると思うのですけれども、厚労省、日本年金機構にはどういう義務を課していこうというお考えはございますか。
(答)これは厚労省、年金機構にお任せをしている話ではございません。今の制度上もできるわけですが、強制徴収業務、これは将来的には統合するということを工程表の中でお示ししているわけですが、強制徴収そのものは今の法律上できますので、それをしっかりやっていくというところからスタートすると思っています。そのことは、即効性はあるというふうに考えています。

(問)【行政改革に関する懇談会関係】
 共同通信の関です。
 副総理は先程おっしゃった三つのテーマ、検討課題のうち、総合調整機能の見直しというのが一つあったと思うのですけれども、例えばで例示されていた中で、内閣府、内閣官房の役割分担みたいな話もあったのですが、これがそのテーマになった問題意識というのは、こちらの推測ですが、いわゆる縦割りとか、かぶっているところの整理をどういうふうにしていくかというのは、そういう問題意識というふうに理解すればいいのでしょうか。
(答)まず、内閣官房と内閣府の役割分担というのはできているわけですけれども、必ずしも必然性はないと思われるものもあるということがあります。そこをもう一回どういうふうに整理するかということが一つ。
 それから、もう一つは内閣府が大臣も沢山おられて、かなり肥大化しているわけですが、少し大きくなり過ぎているのではないかと、各省でできることは各省に任せるということも必要だし、内閣府がいろいろ機能するために、いろいろな改革も要ると。
 例えば、私のもとの副大臣や政務官というのは、直列になってないわけですね、今。そのことによって、いろいろな支障も現実には出かねない。それぞれ優秀な人ですから、いろいろカバーしていただいていますけれども、本来であれば直列で、大臣がいて、副大臣がいて、政務官ということは望ましいわけですし、仕組みとしてなかなかそれがやり難いという仕組みになっております。
 それから、あえて言えば、この内閣府全体の総合調整というか、このテーマごとには総合調整できるのですが、そういう機能も必ずしもはっきりしないということで、もう少しその辺はいろいろな工夫が要るのではないのかなというふうに考えております。

(問)(朝日新聞・河口記者)今の関連ですけれども、そうすると行革懇の中でのお話の中では、そういった省庁の再編ですとか、そういったところまで踏み込むわけではなくて、内閣府の機能ということでしょうか、今のお話。
(答)行政監視機能というか、そういうものは少し議論したいという気持ちはあります。更に進んで、全体の省庁の再編とか、そういうことになりますと、これはかなり大きな話になりますので、今、直ぐにそういったことを念頭に置くというよりは、議論がいろいろな意味で軌道に乗ってくれば、そういうところまで幅を広げるかもしれません。現時点ではそこまでは考えてない。何せ我々の任期はあと1年ちょっとしかありませんので、この懇談会そのものは2年というふうに考えてますが、まずは私も含めて任期が切れてしまいますので、その間にどれだけのことができるかという、そういう感じで整理しています。

(問)朝日新聞、伊藤です。
 今の関連なのですが、総合調整機能で言うと、国家戦略室というのも似たような機能を果たしているかと思いますが、民主党は元々戦略局を作って、そこで一体的にやるというところで、かなり組織を整理するというお考えもあったと思うのですけれども、そこのもとのお考えについて、もう少し岡田さん御自身で整理されるということはないのでしょうか。
(答)多分、総合調整ということの意味が違うのだと思います。国家戦略が全部各省庁を調整するというふうには我々は考えておりません。もう少し中長期の問題について、国家戦略でしっかりとビジョンをかき、そしてそれを実施していくと、そういうイメージで、内閣府全体の総合調整とは別物というふうにお考えいただきたいと思います。

(問)【その他】
 毎日新聞の野口ですが、一体改革の関係で、閣議決定した大綱についてなのですけれども、昨日、金子一義議員の答弁で、副総理は閣議決定をその後各党間で話し合って議員修正することはあると、元の閣議決定に戻って取り消すことにはならないと答弁していたのですけれども、これは要は自民党の社会保障の基本法をたとえ民主党が受け入れたとしても、今の閣議決定を取り消さなくていいと、それで自民党と民主党の両方の案を国民会議で並べて、議論していきましょうと、そういうことでよろしいのでしょうか。
(答)全く違います。何か誤解されていると思いますけれども。まず議員修正と私は言った覚えはないのですね。あの場での議論というのは、いろいろ閣議決定したものがあると、しかしそれについて、各党で協議していると、協議して何らかの合意ができる。それが法案になるのか、あるいはその他の形になるのかは別にして、そういうものができて、例えば我々の法案が変わるとか、その他のものが変わるということになれば、それは閣議決定したものがその範囲においては、新たに決めたものが優先するということであります。
 分かりやすく言うと、例えば法案そのものも閣議決定するわけです。議員修正をその後します。元に戻って閣議決定を取り消すとか、修正するなどということはしません。そういう当然のことを申し上げたわけです。

(問)フリーランス記者の上出です。
 国会でも取り上げられていたことなのですが、消費税の増税が実施された後のいわゆる低所得者層への現金の給付、これについてお聞きします。
 いかにもちょっと現金給付までやるということは、逆進性がいろいろ際立つことにもなるのですね。それで、やり方によってはちょっとプライバシーの問題とか、モラルハザードとか、そういうことも想定できなくはないのですが、その辺のことを岡田副総理はどのようにイメージしていられますでしょうか、実際に実施された段階での問題点とか。
(答)まず、簡易な給付措置の中身は、今、各党間でいろいろな問題の一環として議論していることで、今、私が具体的中身を申し上げることはございません。
 もう一つだけ付け加えさせていただくと、消費税導入時、それから5%への引き上げ時、それぞれ限られた範囲ですけれども、現金1万円を配布したという実績はございます。

(問)テレビ朝日、平元です。
 先程、毎日の野口さんの質問に関連するのですけれども、岡田副総理は、今、会見でも法案が変わるとすれば、閣議決定したものよりも新たなものが優先するという、我々の法案が変わるとすれば、閣議決定したものよりも新たなものが優先するとおっしゃいましたけれども、大綱を閣議決定されたその大綱というのは、年度末にかなり党内でも議論された上でまとめたものだと思うのですけれども、その大綱から新しい法案が優先された場合、それで党内というのはまとまると思いますか。
(答)ですから、各党協議して合意するプロセスで、どういう党内手続を取るべきかと、こういう議論だと思います。

(問)読売新聞社の有光です。
 ちょっと話題が変わってしまって恐縮なのですけれども、東京都の尖閣諸島購入計画の丹羽大使の発言に関連してなのですけれども、丹羽さんの起用が決まったのが2010年6月で、副総理が当時外務大臣を務められていた時代の人事なのですけれども、この起用に問題がなかったかというのは、改めて今の時点でお考えをお聞かせください。
(答)今回のことは、丹羽大使のミスといいますか、間違えで、そのことは御本人も認められているわけです。それは非常に残念なことだと思います。
 ただ、そのことだけをもって、丹羽大使を全体評価するということではないと、いろいろな民間大使としての実績も上げられた方だというふうに思っています。

(問)日本経済新聞の中島と申します。
 またちょっと話題が変わるのですが、IMFの日本経済への審査というもので、少子高齢化を見据えると、消費税を最低15%に引き上げるのが望ましいという記述がありました。中長期的なことも含めてという記述だと思うのですけれども、一体改革の担当相として、この報告をどのように御覧になっているか、ちょっと御感想をお聞かせいただければと思います。
(答)IMF、一つの国際機関の提言について、担当大臣である私が一々コメントする必要はないというふうに思っています。それは一つの提言として受け止めておきたいと思います。

(問)テレビ朝日、平元です。
 修正協議が現在行われていますけれども、その中で最低保障年金と後期高齢者医療制度の廃止、これは民主党として大きく今までマニフェストでも掲げていたものだと思うのですけれども、この2点というのは民主党として絶対に譲れないものなのか、またはその修正協議の中で妥協もあり得るものなのか、どのようにお考えでしょうか。
(答)これはまさしく、今、修正協議をしているわけですから、それは当事者が一生懸命に苦労しながら協議しておられるときに、私が今の立場で何かコメントすべきではないと、信頼してお任せしているということです。

(問)(朝日新聞・河口記者)修正協議の件で確認ですが、先程おっしゃったように、法案で提出された法案の修正であれば、国会の権能としてもそれでも結構かと思うのですが、法案に書かれていない、例えば年金の抜本改革の話ですとか、大綱に基づいた、閣議決定に基づいた考え方について、野党側から修正を求めた場合というのは、ある程度閣議決定をもう一度やり直すとか、そういうことの手続というのは必要になるのでしょうか。
(答)いや、それは必ずしもそういうことにならないというふうに思います。どういう、与野党協議の結果をどういう形で結実させるかということにもよるというふうに思いますので、一概には言えないと思います。

(以上)




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