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2012.03.22|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」12年3月21日号

 私が自民党幹部に対し、民主、自民両党の大連立を申し入れて、断られた-という報道が、先週末からメディアをにぎわせている。あたかも事実のように繰り返し報じられているが、私は17日の記者会見で明確に否定している。

 権力を持った閣僚として、メディア批判はできるだけ避けたいが、この状況は異例・異常というしかない。私は認めていないのに実名で報じられ、証言したという「自民党幹部」は匿名になっている。本来なら、証言した人物を実名にして、否定した私を匿名にすべきではないのか。

 私は、与党であれ野党であれ、政治家同士が会って、胸襟を開いて話し合うことは、どんどんすべきだと考えている。衆参ねじれのなか、国民の方々は既成政党がなかなか政策を実現できないことに憤りや不満を感じている。与野党で足を引っ張り合っている場合ではない。国家・国民のために、協力して政治を前に進めていくべきだ。
 
ただ、民主、自民両党がいま、大連立をできるような状況でないことは明らかだ。私は10日の日本記者クラブでの会見でも、「(大連立や話し合い解散は)非常に難しい。国民感情からすると談合と受け取られる。自民党にも民主党にもいい結果にならない」と述べた。

 それなのに、私が「自民党幹部」に大連立を打診するはずがない。「自民党幹部」の証言やそれをそのまま報じるメディアに何か背景があるのか。隠された意図があるのか。いずれにせよ、異例・異常な報道といわざるを得ない。

 最近の世論調査で、内閣支持率がやや上向きになっている。これは、野田佳彦首相が「社会保障と税の一体改革」を進めることに、一切ブレていないことが評価されつつあるのではないか。社会保障制度を持続可能なものとし、日本の財政を立て直すためには、一体改革を断行するほかない。

 さて、東日本大震災の発生から1年が過ぎた。11日には、私も東京の国立劇場で催された政府主催の追悼式に出席し、犠牲者のご冥福を改めてお祈りした。19日には、野田首相出席のもと、政府の第1回復興推進委員会があり、岩手、宮城、福島各県の知事や有識者らとともに、被災地の早期復興について話し合った。

 今年1月の副総理就任後、国民の方々に直接一体改革の必要性をご説明し、双方向で対話させていただく全国キャラバン「『明日(あした)の安心』対話集会」で週末は全国を回っている。その一方で、震災直後に民主党幹事長として訪れた各地の被災地がどうなっているのか、テレビや新聞を見るたびに、いつも気になっている。

 近く、被災地でも対話集会を開きたいと思っている。被災地の方々も、もし時間があれば、ぜひ集会に来ていただき、政府へのご要望やご意見を聴かせていただきたいと思う。




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