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2011.05.19|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(5月19日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年5月19日(木)16時33分~17時09分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110519okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言
○復興基本法案、内閣法改正案の審議入りについて
○GDP速報値について

■質疑
○復興基本法案の審議入りについて
○GDP速報値について
○西岡参議院議長の首相批判について
○二次補正予算と内閣不信任案について
○今週末の全国幹事長会議について
○新人議員との懇談会での意見について
○青森県知事選挙と原子力政策について
○平田オリザ内閣官房参与の発言について
○阪神・淡路大震災を経験した議員への期待について
○2次補正予算と会期延長について
○ハーグ条約について
○特例公債法案について
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■冒頭発言

○復興基本法案、内閣法改正案の審議入りについて

【幹事長】今日、衆議院本会議において復興基本法案、そして内閣法改正案、自民党
提案の法案も含めて議論がスタートいたしました。同時に東日本大震災復興特別委員
会の設置も決まったわけで、ぜひいい議論を行って、与党・野党、こういう震災の時
期でありますので、「小異を捨てて大同につく」といいますか、お互い合意を見出し
て、早い時期での法律の成立を期待したいと考えております。黄川田徹委員長のもと
で、幹事長代理の藤村修さんを筆頭理事にお願いし、藤村さんがそちらにエネルギー
を注がざるを得なくなって、幹事長部局としては人手が足らなくなってしまいます
が、これは非常に重要なテーマですので、しっかりとやっていただきたいと思ってお
ります。

○GDP速報値について

【幹事長】今日、1~3月のGDPの速報値が出て、かなりの落ち込みが見られるわ
けであります。予想されたこととはいえ、非常に厳しい数字だと思います。
 1つには、これは今までとは違って、需要不足ではなくて供給のボトルネックによ
る部分がかなり大きいということでありますので、今、自動車はじめ様々なところ
で、部品の供給がなされずに生産レベルを落としている、そういった産業の早期の立
ち直りを期待したいと思いますし、そのために政府としてもしっかりと後押しをして
いかなければいけないと思っております。
 同時に、被災地も含めて消費の落ち込みもあります。もちろん、自動車などの「タ
マ」不足でその分の消費が落ち込んでいるという部分もありますが、全体に自制ムー
ドといいますか、気持ちも含めてシュリンクしているところがありますので、そう
いったところはしっかりと乗り越えていかなければいけないと考えております。
 これから秋にかけてマクロの経済、日本全体の経済の問題についても、政権政党と
して、あるいは政府として、しっかりと十分な対応をしていかなければいけないと
思っております。

■質疑

○復興基本法案の審議入りについて

【毎日新聞・野口記者】復興基本法案について、これから自民党・公明党との修正協
議が焦点になってくるが、復興庁のあり方についていまだに民主党と溝があると思
う。この辺の見通しについて伺いたい。

【幹事長】溝があるというか、公明党がお考えのことは民主党とかなり近いわけで、
自民党は実施も含めて新たな復興組織でやるということですが、公明党は必ずしもそ
ういう考えではありません。むしろ、われわれに近いと思います。実施は既存の各省
庁の出先にやらせるということ、それにかなり近いのではないかと私は思っておりま
す。
 いずれにしてもこれは復興のためにどういう形が一番いいかという議論ですので、
胸襟を開いて各党が話し合っていけばいいと。私も別に民主党の案でなければいけな
いとは思っておりません。大事なことは、復興を迅速に円滑に行っていくためにはど
ういう行政組織が望ましいのか、そういう視点で議論を行っていけば、おのずと答え
ははっきりとまとまってくると考えております。

○GDP速報値について

【朝日新聞・南記者】野党は、GDPの落ち込みにかかわらず、今国会中の新たな補
正予算を求めている。この経済情勢の落ち込みを踏まえたうえで、政府・与党として
新たな予算編成、経済対策を打つお考えはあるか。

【幹事長】経済対策としての2次補正、あるいは3次補正でもいいですが、野党もそ
ういうことでは必ずしもないと思うんです。先ほど言いましたように、今回の日本経
済が直面しているのはボトルネックによる経済活動の停滞であって、需要不足による
ものではありませんので、従来型の景気対策では効かないし、基本的にはそれは間
違った考え方だと思います。
 補正が間違っていると言っているわけではありませんよ。景気対策としての補正で
はなくて、被災地支援のための補正というのは、これは必要に応じてやっていけばい
いということであります。誤解なきように。

○西岡参議院議長の首相批判について

【産経新聞・宮下記者】西岡武夫参議院議長が最近、弊社も含めた一部メディアとの
インタビューや寄稿で、総理の早期退陣や早期の内閣不信任案提出をかなり厳しい口
調で求めている。党内から、さらに議長という重い立場の方から、こういった意見が
出ることについて、幹事長としてのお考えをお聞かせください。

【幹事長】「党内」というか、議長ですから、もちろん民主党員ではあっても一応中
立な立場から議長になっておられるわけで、「党内から」ということと「議長」とい
うのは必ずしも同じ視点ではないと思います。
 参議院の議長がいろいろおっしゃること、もちろんそれは基本的に自由であるとは
いえ、やはりそれぞれの立場がありますので、国会で選ばれた行政府の長に対して、
参議院の議長がそれを否定するかのようなご発言は、私は残念だと思っています。

【読売新聞・石川記者】西岡議長は先ほどの会見で、「政治家としての発言ではなく
参議院議長として言っている」とおっしゃっている。総理が辞めないのであれば、サ
ミット前に野党が不信任案を提出するべきだと。参議院の議長が衆議院での不信任案
に言及するのは越権行為というか、どうとらえておいでか。

【幹事長】もちろん、政治家ですからいろいろな発言はできるのですが、議長という
立場からすると、そういうことは議長の権限ではありませんので、権限に基づいて
言っておられることではないわけです。そこはきちんと踏まえる必要があると思って
います。
 ただ、西岡議長も私の尊敬する先輩の1人でありますので、時々ご意見もお伺いし
ておりますし、あまり議長に対して批判的なことを与党の幹事長が言うべきではない
と私も思っておりますので、「残念だ」と申し上げておきたいと思います。

【産経新聞・宮下記者】これまで若い議員や小沢元代表に近い議員から現体制に対す
る批判等もあったが、幹事長は「みんなで選んだ総理のもとで一致団結を」と呼びか
けてこられた。こうした中で、西岡議長の発言が党内の団結に与える影響をどのよう
にお考えか。

【幹事長】それはわかりませんが、私は、そう大きな影響があるとは考えておりませ
ん。

○二次補正予算と内閣不信任案について

【NHK・広内記者】自民党の谷垣総裁や公明党の山口代表は、「この国会に2次補
正を提出しないのであれば、不信任案提出の理由の一つになる」という言い方で、2
次補正と絡めての話が出てきているが、こうした野党側の対応についてどのように思
われるか。

【幹事長】不信任案を出すときにはいろいろな理由が語られるわけで、それは一つの
考え方だと思います。ただ、じゃあ2次補正を出せば不信任案を出さないのかという
と、そんなことにはならないわけで、それは石破さんも言っておられるとおり、「逆
は必ずしも真ならず」ですから、谷垣さんがそう言っておられるということは静かに
お伺いしておけばいいのではないかと思っています。

○今週末の全国幹事長会議について

【西日本新聞・伊藤記者】統一地方選挙に続いて足立区議選でも厳しい結果が出てい
るが、こういった状況を変えるために、週末の全国幹事長会議では、幹事長としては
どういったことが具体的に必要と思うか。

【幹事長】そういうことをしっかりと議論するために全国幹事長会議を行うもので
す。

【日経新聞・恩地記者】全国幹事長会議には県連からの総括が上がってくると思う
が、党としての統一地方選の総括という意味で、来週以降に両院議員総会あるいは両
院議員懇談会を開くお考えはあるか。

【幹事長】各都道府県連から、われわれが出したアンケートに対するかなり詳細なお
答えをいただいております。私はほとんど目を通しました。厳しいけれども、しか
し、なかなか的を射たご意見をいただいているなと、読ませていただいて思っており
ます。
 そういうものを踏まえて、各都道府県連の幹事長が集まってやるわけですから、こ
れは党としての集約になるわけで、全国幹事長会議の議論を踏まえつつ、党としての
考え方、総括を行い、今後、役員会や常任幹事会の場などで議論していくことになる
と思います。それ以降のことは、そういう場でご相談していきたいと思っています。

○新人議員との懇談会での意見について

【フリーランス・安積記者】今週行われた当選回数が浅い議員との懇談会で、議員か
ら「幹事長はお辞めになったほうがいい」という意見が出たということだが、これに
ついてどうお考えか。

【幹事長】お1人、そういう意見が出ましたね。そうではないという意見も出まし
た。いろいろな意見があるのはいいことだと思います。率直に言っていただいたこと
には感謝したいと思います。

○青森県知事選挙と原子力政策について

【毎日新聞・野口記者】青森県知事選挙で民主党推薦候補の山内たかしさんが、新設
の原発は凍結するという政策を掲げている。幹事長もこれから応援に入ると思うが、
民主党としてどういった原子力政策を訴えて、これまで原子力行政を推進してきた現
職とどういった違いを出していくお考えか。

【幹事長】民主党の原子力政策に対する取り組みは総理も述べられ、私も前回青森で
明確に述べておりますので、そういうご質問が出ることは、ちょっと私は違和感があ
るわけです。そして、山内たかし候補との間にも一貫したものがあるわけです。メ
ディアによっては、原子力政策について民主党がはっきりしないという声があります
が、私は明確に申し上げているつもりであります。

【中日新聞・関口記者】現職の三村候補と山内候補との違いはどこにあるのか。

【幹事長】三村さんがどう言われているか、私はそれを説明する立場にありません。
ただ、現職として今まで(原発政策を)お進めになってこられたのだろうと思いま
す。
 山内たかしさんは「新規については凍結する」と言っておられるわけです。それは
私が述べてきたことと総理が述べてきたことの共通した、基本的に同じ考え方である
と思っています。
 「凍結」という意味は、総理は、新たな原子力計画、むしろエネルギー計画につい
て白紙で検討するとおっしゃったわけです。つまり原発が50%を超えるような、そ
ういうものについて白紙で考え直すと。「やめる」とは言っていないですね。白紙で
考え直すと言っているわけで、ということは他方で既存のものについては、これはや
るんだとおっしゃっております。浜岡についても、防潮堤ができればまた動かすこと
も含めて、既存のものについては基本的にはやると。ただし、もちろん基準をより厳
しくするとか、そういうことはあるかもしれません。したがって、既存のものについ
ては、浜岡のような例外を除いては、基本的には動かしていくと。そして新規のもの
はもう一度議論し直すということですから。総理もそういう趣旨のことをおっしゃ
り、私も言い、そしてそれは山内たかしさんの方針と変わらない、そこに齟齬はない
ことをはっきり申し上げておきたいと思います。

【北海道新聞・森記者】今後原発とどう向き合っていくかについて、幹事長はしっか
り党内論議をしていかなければならないとおっしゃっているが、それはどういう形
で、いつごろからという見通しはおありか。

【幹事長】これはエネルギー計画の見直しの議論の中で行われることになると、私は
思っております。

【朝日新聞・南記者】昨日、総理は再生可能エネルギーを推進していくために、固定
価格買取制度の法案について今国会中の成立を目指すと発言された。これを受けて、
民主党として固定価格買取制度にどのように取り組むのか。また、税法の改正で出て
いる地球温暖化税についてどのように取り組むのかという2点について伺いたい。

【幹事長】今日の朝日新聞の記事は、趣旨があまり明確でなかったと私は思います。
新エネルギーを進めている人たちがいる、それに対して一方で原子力と、そういう趣
旨の記事だったと思いますが、これは二者択一の問題ではありません。当然、新エネ
ルギーは推進していかなければならない、そういう前提で議論しているわけでありま
す。
 私も、最も新エネルギーを進めてきた議員の1人でありますので、今の経済産業委
員会における固定価格買取制度を含む新エネルギー法案の審議状況に対しては、非常
に危機感を持っておりますし、税についても、これは与野党の話し合いですが、ぜひ
早く成立させたいと考えております。総理にも随時そういうことは申し上げてまいり
ましたし、関係者にもそういったことを申し上げてまいりました。

【毎日新聞・野口記者】統一地方選が終わってから最初の大型の地方選挙で、民主党
と自民党が対決する構図になっている。青森でも民主党の県議は数を減らしている。
今回の知事選の結果が党勢回復の指標になるか、今後の政権運営にどう影響するか、
位置づけをお願いしたい。

【幹事長】私は個々の地方選挙で、そのことに一喜一憂するつもりはありません。た
だ、山内たかしさんは立派な候補者だし、ぜひ応援に来てくれということですから、
私はしっかり応援に行きたいと考えております。

【フリーランス・安積記者】前回の衆議院選挙などで民主党を支援していた団体が、
今回の青森県知事選では自民党支援にシフトしている。この状況について幹事長とし
ていかがお考えか。

【幹事長】これはいろいろな背景があることで、特に知事選ですとやはり現職が強い
というのはあります。ですから、総選挙や地方選挙とは異なる状況もあると思いま
す。なるべく多くの人々にご支持をいただきたいと思いますが、連合加盟の産別の中
にも今回はちょっと見合わせたいという産別(労組)もあるわけで、それぞれの事情が
あると考えております。連合全体としては、今まで知事選では大体現職だったのが、
今回は基本的に中立ということになったことは、今までとは違う状況だとは思ってお
ります。

○平田オリザ内閣官房参与の発言について

【朝日新聞・南記者】内閣官房参与の平田オリザ氏がソウル市内での講演で、福島第
1原発の事故に絡んで、アメリカの要請で汚染水を放出したと発言して、後に謝罪し
た。内閣参与を巡っては、いろいろな発言で陳謝したり、政権の足を引っ張っている
場面が散見される。菅総理の任命責任も踏まえたうえで、幹事長としてどのように認
識しておられるか。

【幹事長】参与の皆さんには、十分気をつけてもらいたいと思います。そもそも平田
さんはこういう原子力のことについて知り得る立場にはないはずで、なぜああいう発
言が出たのか、非常に不思議に思っておりますし、軽率であったと思います。
やはり情報に対する考え方とか、突然参与になられて中枢に入られると、十分にそこ
が認識されないまま、安易にどこかから聞いた話をそのまましゃべってしまうことが
あるのかなと思っています。そういうことは十分気をつけていただきたいと思いま
す。
 だからといって、平田さんは鳩山さんの(総理)時代から内閣に入っておられる方
ですが、いちいち任命責任を言うのはいかがなものかと私は思います。

○阪神・淡路大震災を経験した議員への期待について

【神戸新聞・佐藤記者】3月11日以降、各委員会で、特に阪神・淡路大震災の当時
を知る兵庫県の議員から、実体験などを踏まえた提言や発言が相次いでいる。そう
いった方々の国会審議における強みというか、あるいは期待感に関して幹事長の考え
を伺いたい。

【幹事長】わが党にも阪神・淡路大震災のときにボランティアとして積極的に活動し
た、それがきっかけで政治家を志したという方は何人もいらっしゃいます。もちろん
自民党にも阪神・淡路のときにさまざまな立場でかかわった方がいらっしゃって、先
般、20回でいったん休止となりました各党・政府合同会議の実務者会合などでも、
そういった経験者の方もおられて、私は非常にいい議論あるいは提言がなされたと
思っております。
 もちろん、」阪神・淡路と今回の東日本大震災では、都市部における地震と、広範
囲にわたる地震・津波・原子力という、状況はかなり違うわけですが、しかし共通す
る部分も相当ありますので、そのときの経験はぜひ活かすべきだと考えております。

○2次補正と会期延長について

【共同通信・中久木記者】政府・与党内に今国会中に復旧に向けた追加補正をすべき
だという意見があるかと思う。その必要性についてどのようにお考えか。

【幹事長】今、政府・与党の中で具体的に次なる補正という議論は出ておりません。
いろいろメディアは報じられておりますが、少なくとも幹部間ではそういう認識は
持っておりません。
だから拒むということではもちろんなくて、必要があれば考えればいい、具体的な
ニーズが出てくれば、その時点で考えていけばいいということで、拒否するつもりは
もちろんありませんが、しかし、現実を言えば、現時点ではとにかくこの4兆円の大
きな補正予算をしっかりと実施していかなければいけません。立法府は予算をつくれ
ばそれで終わりと思いがちですが、そうではなくて、つくったこの予算をいかに早
く、効果的に実施していくかということこそが大事なのであって、そのために全力を
挙げなければいけないと思っております。

【NHK・広内記者】先日、民主党と自民党の中堅議員が勉強会を開き、2次補正な
どを行っていくためにも会期を延長すべきだという認識で一致し、近く申し入れも検
討しているようだ。民主党議員の中から会期延長論が出てきていることについて、ど
のようにお考えか。

【幹事長】いろいろな議論は本来、党の中でやっていただければいいのですね。具体
的にどういうところが1次補正で欠けていて、今すぐ求められているのかも言ってい
ただかないと、単純に「補正予算をもう1回つくれ」とか「会期延長しろ」と。そち
らが先走るのは、私は被災された皆さんの立場に立っていないと思います。ですか
ら、どういうところが不足していて足らないのかを明確にして、そして、それを今す
ぐ手当てする必要があれば、すればいいわけですから。
 自民党の一部からは、被災者生活再建支援法に基づく上限300万円のうちの10
0万円しか予算化されていないというご指摘があります。それは1つのいいご指摘だ
と思いますが、しかし、じゃあ全員がここ半年ぐらいで直ちに満額を求めるような事
態が想定されるのかどうなのか、仮にそうなったときに予備費では対応できないの
か、そういうことをきちんと踏まえながら議論しないと、本来、実施のためにエネル
ギーを注がなければいけないところを、形をつくることに重点が行くことになっても
いけないと。大事なことは、やはり被災者の立場に立って何が最善かを判断すること
であると思っています。

【時事通信・近藤記者】民主党はマニフェストの中でも、国会審議の活性化のために
も通年国会を目指すと書いてあったと思う。実際に会期延長を求める声が上がってい
る今、そういうことを前向きに検討すべきだと思われないか。

【幹事長】先ほどの答えで尽きていると思いますが、必要があるかどうかということ
です。必要がないのに国会を開いても、それこそまさしく税金のむだ遣いになるわけ
で、それは議論するに足る中身があるかどうか。そしてそれは、閉会中審査などで対
応できないような事態があるのかどうか、見きわめの問題だと思います。それはやは
り、もう少し時間がたって、会期末が近くなってきて判断することで、まだ1ヵ月あ
る今の段階で何か議論されるという問題ではないのではないか。
本来であれば、与党が会期延長などと言ったら、国会はそれだけで止まっていますよ
ね。そういう意味では、事態が事態ですからわかるのですが、「中身」の話ではなく
て、そういった「形」の話が先行しているのは、今まで真剣に予算をつくってきた1
人として、ちょっと違和感を、感じているところです。

【朝日新聞・南記者】野党側が内閣不信任案に言及するなど与野党対立のムードが高
まっている厳しい国会情勢だが、その中で、子ども手当の見直しを含めてどのように
この成立を図っていくお考えか。

【幹事長】いろいろな努力を行っているところです。

○ハーグ条約について

【ジャパンタイムズ・伊藤記者】日本政府はハーグ条約に加盟する方針を決めた。幹
事長は外務大臣時代からこの問題に取り組んでいて、また当時、クリントン米国務長
官から何度も言われたと思うが、国内には根強く反対意見もある。今回の政府の方針
の受け止めをお願いしたい。

【幹事長】外務大臣当時も、法務大臣と直接協議をいたしました。法務大臣はいいの
ですが、法務省の中にもいろいろなご意見があり、あるいは当事者の皆さんの中にも
根強い反対、あるいは不安ですね、そういったものがあって、様々なご意見がありま
した。そういう中で政府として意思統一できたことは非常に評価できると思います。
 新しい仕組みを入れるわけで、日本の既存の制度とはだいぶ異なる考え方ですの
で、特に子どもさんを連れて日本にお帰りになった、女性の方が多いわけですが、お
母さんですね、そういった方々が不安に思わなくて済むような仕組みづくりを、しっ
かり説明しながら進めていく必要があると思います。
 一番大事なことは、やはり子どもでありますので、本来子どもは、それが父親であ
れ母親であれ、両親にいつでもアクセスできることが基本にあるべきで、片方しか会
えないのは、いろいろな事情があるにしろ、子どもにとってあまりハッピーなことで
はないと思います。

○特例公債法案について

【時事通信・近藤記者】月内の成立を目指すと以前おっしゃったが、3党合意の前提
として、まず民主党が歳出の見直しなどをきちんと示すことが書いてあったと思う
が、これはいつまでにまとめて、どういう形で野党側に示すのか。

【幹事長】いろいろ努力を行っているところです。

【司会】それでは、きょうはこの辺で終わりにしたいと思います。次回は、復興基本
法をより勉強して、また質問していただけると思います。よろしくお願いします。

【幹事長】月曜日は衆議院の特別委員会で審議がありますからね。たぶん各党党首ク
ラスが出てきて質問するわけでしょうから、それを踏まえて月曜日の会見ではご質問
いただければと思います。




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