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2011.02.28|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(2月28日)

■岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年2月28日(月)16時03分~16時38分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110228okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言
○国会情勢について
○第83回アカデミー賞について
○宮崎県視察について

■質疑
○国会情勢について
○第83回アカデミー賞について
○子ども手当法案について
○「減税日本」の推薦を受ける候補者について
○世論調査の結果について
○党内議員の発言に関する報道について
○社会保障と税の一体改革について
○北海道知事選挙について
○小沢元代表の処分について
○党内ガバナンスについて
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■冒頭発言

○国会情勢について

【幹事長】今日は予算案の採決が行われるということであります。時々刻々変わって
おりますので、細かい具体的なことは国対委員長、現場に一任しているところであり
ます。いずれにしても予算案を採決して、早い機会に参議院に送りたい、そういう方
針のもとで今までもやってまいりました。しっかり対応したいと思っております。

○第83回アカデミー賞について

【幹事長】そういう緊迫した中で申し上げることかどうかは別にして、アカデミー賞
で「The King’s Speech」(「英国王のスピーチ」)が、作品賞をはじめ4部門で受
賞したということであります。私も先般この映画を見たばかりでありますが、主演男
優賞もとったコリン・ファースの迫真の演技をはじめ、非常にすばらしい映画だと、
改めて感じました。少し前に見た「ソーシャル・ネットワーク」もいい映画だとは思
いましたが、何か感ずるところがあるという意味では、私は「英国王のスピーチ」に
軍配を上げたいと思っております。

○宮崎県視察について

【幹事長】土曜日に宮崎に参りまして、現場を見ました。やはり現場に行くことの重
要さを改めて感じたところであります。鳥インフルエンザ、口蹄疫、そして火山(新
燃岳)、それぞれ現場を見させていただき、関係者の皆さんとの意見交換をさせてい
ただきました。いずれも人災ではなくて、天災といいますか事故に近いものでありま
して、それぞれしっかりとした対応が国にも求められていることを改めて感じたとこ
ろであります。
 (河野宮崎県)知事にもお目にかかって意見交換をしてまいりました。ちょっと感
じましたのは、知事も何度か党のほうにもお見えいただいていると思いますが、もう
少し私自身も知事やあるいは市長、一般的な陳情という形ではなくて、具体的な案件
を抱えて党本部に来られる方には、時間を割いてお会いしたほうがいいということを
改めて感じた次第であります。その辺は、ある意味機械的に誰が会うかが決められて
いるということでありますが、もう少し弾力的に、時間の許す限り私自身が対応した
ほうがいいかなと、改めて感じた次第であります。

■質疑

○国会情勢について

【産経新聞・宮下記者】会派離脱届を提出した16人について、今日、国会(衆議院
本会議)に出ないのではないかとも伝えられるが、役員会等で対応を含めてお話しに
なったか。

【幹事長】役員会でも議論をいたしました。そもそも先週、「会派離脱届についての
扱いはどういうことなのですか」ということで、また私の留守中に紙を置いていかれ
ました。したがって今日、藤村幹事長代理が、代表者である渡辺浩一郎さんの事務所
にも行って、ぜひ執行部として話がしたいと申し上げておりますが、連絡はありませ
ん。改めて私の名前で代表者に幹事長室に来るように申し入れをしております。お見
えになればしっかり話をしたいと思いますが、結論から言えば、もちろん、同じ党に
属しながら会派離脱届、そういったものは受理するつもりはありません。それは何度
も申し上げているとおりであります。

【フジテレビ・橋本記者】幹事長の名前で「幹事長室に来てほしい」と言ったという
ことだが、それは今日中にという、日付を切ってのことか。

【幹事長】「迅速に」ということで、別に日付を切るということではなくて、もっと
早く、という意味ですね。

【朝日新聞・南記者】16人の方が本会議に欠席された場合、党としての対応はどの
ような形になるのか。処分・措置との絡みでお聞かせいただきたい。

【幹事長】そういうことが仮にあれば、それは役員会・常任幹事会で議論し決定しな
ければならない問題です。いずれにせよ厳正に対処する必要があると考えています。

○第83回アカデミー賞について

【フリーランス・金田記者】「英国王のスピーチ」とほとんど一騎打ちだったと思う
が、「ソーシャル・ネットワーク」が残念ながら受賞できなかった。今や、題材たる
フェイスブックがエジプトの暴動や、「ジャスミン革命」など起こしている事実もあ
り、非常に社会性の高い映画だという評価もあるが、そのあたりはどのようにお考え
か。

【幹事長】フェイスブックがいかなるプロセスを経て、経緯を経て、仕組みとしてで
き上がっていったのかという意味では非常に興味深いものがありました。それから1
人の若者が大学で事業を立ち上げて、そしてそれが成功をおさめる、1つのビジネス
の物語としても非常に興味深い。日本ではなかなかこういうことは起こりにくいのか
なと思いながら、非常に興味深いものがありました。そういう意味で社会性はあっ
て、映画としてもすぐれていると思いますが、若干、主役があまりよく描かれていな
いこともあったのかもしれませんが、見た後の受け止め方としては、私は「英国王の
スピーチ」のほうに軍配を上げたいと考えました。

【フジテレビ・橋本記者】「英国王のスピーチ」について感じるところがあったと
おっしゃったが、どういったことを感じたのか教えていただきたい。

【幹事長】そうですね、1つは、他国の国の仕組み、特に英王室の状況が描かれてい
て、そこが非常に興味深いということがあります。これは前、「エリザベス」でした
か、映画を見たときにも、やはり英王室の状況が出てまいりまして、日本ではあまり
ないことなので、興味深く思いました。
 それと同時に、やはり主役、国王が困難を乗り越えて、そして戦争を始めるという
重要な時期にすばらしいスピーチをしたと。口で言ってしまえば非常に簡単な話であ
りますが、その間の葛藤とか、家族の支えとか、友情とか、そういったことが非常に
よく描かれている映画だと思いました。

【日刊スポーツ・中山記者】あの映画は、国王が吃音を克服してメッセージを国民に
伝えるということが描かれていたと思うが、国のリーダーたる者のメッセージの伝え
方の重要さについて思われることはおありだったか。

【幹事長】率直に言って、あの映画を見て私が考えたのは、ラジオの時代はよかった
な、ということですよね(笑)。ラジオに、マイクに向かってしゃべっていればいい
わけで、テレビになるとこれは、そうじゃありませんよね。その映像が出るわけです
から、難しさはそれだけある。ましてや生(放送)になるとよけいですから。いい時
代だったんだなぁというのが私の率直な感じですね。

○子ども手当法案について

【読売新聞・中島記者】幹事長は昨日のNHK「日曜討論」で、子ども手当の修正の
論点として、支給額とか支給範囲、それから地方負担のあり方を挙げられていたが、
所得制限の導入も検討対象になるとお考えか。

【幹事長】それは当然そうですね。ただ、すぐにというとなかなか大変な部分もあり
ますので、地方の対応という、タイミングの問題はありますが、当然議論になり得る
と思っています。

【日経新聞・恩地記者】所得制限も議論になり得るということだが、幹事長は昨日の
テレビで、児童手当法の改正も検討していい、と言及されたと思う。こうなると、
「社会全体で子どもを支える」という、そもそもの子ども手当の民主党の理念が薄れ
ていくのではないか。最後、その理念はどこで支えていくつもりか。

【幹事長】これは法律を読んでいただければわかるのですが、児童手当は確かに、
困っている家計を助けるという部分と社会全体で(子育てを)支える、両方書かれて
いると思うんですね。子ども手当は、その前者のほうはないということで、そこは書
きぶりが違います。しかし、そういう書き方の問題というのは、これからの法形式と
して児童手当法を修正しても、あるいは新しく法律をつくっても、その児童手当法の
修正の中身にもよるわけですから、既存法を修正するか新法をつくるかというのは技
術的な問題なので、私はむしろ中身の問題だと思います。

【産経新聞・宮下記者】中身が大事ということであれば、「子ども手当」の名称が残
らなくてもと。そこは幹事長は固執するものではないのか。

【幹事長】そういう具体的なことについて私の意見を言うべきではないと思うんです
ね。それはまさしく、これから(子ども手当法案を審議する)委員会も始まります
し、それぞれのつかさ、つかさで議論していただければいいので、私が「これはこう
すべきだ」ということは言わないほうがいい。論点だけは昨日触れさせていただきま
した。そういったことはまさしく現場に任せたいと。最終的に決めるのは、それは私
の仕事かもしれません。たぶんそうだと思っていますが、まずしっかり深い議論を現
場でやっていただきたいと思っております。

【フリーランス・安積記者】幹事長は2006年1月31日付のブログで、総選挙の
マニフェストで1万6000円を提唱されたことについて、「将来的には財源を確保
して、月4万円ぐらいを支給したい」とおっしゃっていた。これぐらいの金額をご想
定なのか。

【幹事長】当時の「月4万円」というのは、フランスとかそういった上限を申し上げ
たと思います。しかし、もちろん財源との見合いでこれ、考えなければならないわけ
で、今4万円と言われて、私は「そうです」と言うつもりはありません。

【世界日報・山本記者】理念の問題について、午前中の国会でも小泉議員と首相との
間でやりとりがあったと思うが、ご説明によると、児童手当のほうは福祉的な内容が
ある、子ども手当はそういった部分はないということで、「新しい公共」という民主
党の柱との関係もあるのではないかと思っているが、そのあたりは柔軟に対応すると
いうことで、「新しい公共」との関係があれば、その辺は大丈夫なのか。

【幹事長】「新しい公共」とか次々にいろいろな概念を持ち出すと、話はますますわ
からなくなってまいりますので。ただ、やはり子育てについて、個人・家族の問題だ
けではなくて、やはり社会全体でそれを支えるという考え方は重要だと思っていま
す。そういう考え方が今の児童手当の中にないわけではありませんが、やはりもう少
し狭い見方もあり得る。
 この前、だいぶ前ですが、「新報道2001」(フジテレビ系)で石原(伸晃)さ
んと議論したときに、石原さんは子ども手当について、「これはヨーロッパの社民主
義である」あるいは「ポル・ポトだ」と、そこまでおっしゃったわけですね。「ポ
ル・ポトだ」というのは、それは口が滑ったにしても、「ヨーロッパの社民主義」。
しかしヨーロッパでは、これは社民党だけではなくて保守系の政党も含めて、こう
いった手当を出すことについては必要であるという、多くの政党がそういうふうに考
えているわけで、「社民主義」ということの定義にもよりますが、私は「これは社民
主義だ」というふうに限定してしまうのは言い過ぎだと思います。
 ましてや日本において、少子化が続く、子どもを産み育てにくい環境が非常にある
ことは、これは私、紛れもない事実だと思いますので、そのために子ども手当、ある
いは現物給付も含めて、しっかりとした対策をとっていく必要があると考えておりま
す。

【朝日新聞・南記者】06年の「4万円」のブログの記述の関係でお伺いしたいのだ
が……。

【幹事長】詳しいことは忘れちゃったのですが、どういう言い方をしていますか。

【朝日新聞・南記者】では、ちょっと読み上げてよろしいですか。「総選挙マニフェ
ストでは、1万6000円という金額を設定しましたが、医療費や教育費などを考え
ると、まだ不十分です。将来的には、新たな財源を手当したうえで、月4万円程度に
まで引き上げるべきだと私は考えています」と書かれている。その段階から、幹事長
は先日の会見で、09年のマニフェストで2万6000円となったときに、菅総理も
びっくりされたと言ったけれども、私も当時びっくりしました、という形でおっ
しゃったと思うが、そこの認識が変わった理由をお聞かせいただきたい。

【幹事長】はい、認識は変わっておりません。当然、「将来的に4万」ということを
申し上げたのは、財源ということが念頭にあったからです。民主党の当初のマニフェ
スト、私が代表のときのマニフェストでは、配偶者控除をはじめとする諸控除の廃止
ということで財源の具体的な目途がついておりました。もうこれでぎりぎりだなと
思っていたわけであります。当面は、ですね。それが2万6000円となって、驚い
たのは事実。しかし、そのための財源をどうするのかという中で、いろいろな行政改
革をはじめとする、政府の中のムダをなくすことで上積みをする、そういう考え方に
対して私は納得したわけです。

【読売新聞・中島記者】子ども手当を修正するとなると、09年のマニフェストの検
証に先駆けてそのマニフェストの柱を変えていくことになると思うが、その理由とし
て、やはり家計への影響があるからと考えればよろしいのか。

【幹事長】いろいろ先取りして私は言うつもりはないんです。ただ、現実に4月まで
に法律がどうなるかということを決めないと、児童手当に戻って1人5000円、そ
れから中学生はゼロとなるということです。そういった事態に対して、なるべくそう
いう事態を招かないように全力で議論していかなければいけないということを申し上
げているわけです。

【NHK・広内記者】単純な額で比較すると、児童手当に戻るとだいぶ下がるが、民
主党として、子ども手当としてこだわるところ、譲れない部分はあるのか。

【幹事長】その中身を申し上げるつもりはありません。1つ1つ取り上げるのではな
くて、全体としての判断であります。そして合意ができないということになると、完
全にもとに戻ってしまいますので、そことの兼ね合いも含めて考えていかなければい
けない。白紙で議論するならわれわれは今の案が一番いいと当然思っているわけです
が、それができないからこそ話し合いが必要であるということです。中身はこれから
です。

○「減税日本」の推薦を受ける候補者について

【毎日新聞・野口記者】名古屋市長の河村さんが、「減税日本」から東京都内で推
薦・公認候補を昨日発表した。その中で、民主党の公認を受けたまま「減税日本」の
推薦を受ける候補者が7人ほどいたが、そうした候補者を党の執行部として容認され
るのか。

【幹事長】これは私が承知している限りは、区議候補7名の方だと受け止めておりま
す。区議については党本部は関与しておりませんので、基本的に都連で、一義的には
お考えいただくことだと思っております。
 ただ、前から申し上げておりますように、名古屋市議会ではまさしく今「減税日
本」の候補者と民主党の候補者が厳しい選挙を行っているところですので、そういう
ことも十分に考えて、対応を都連のほうで考えていただきたいと思っております。そ
れ以上のことは、私は申し上げるべきではないと思います。

○世論調査の結果について

【フジテレビ・橋本記者】先週末にフジテレビと産経新聞で世論調査を行い、その結
果が出たが、菅政権の不支持率が鳩山内閣退陣時のポイントを上回る66.7%に
なった。こちらについて一言お願いしたい。

【幹事長】特に個々の調査結果についてはコメントいたしません。前から申し上げて
おりますように、一喜一憂せずに、しっかりとやるべきことをやっていくことだと思
います。

【産経新聞・宮下記者】「予算と関連法案が年度内に成立しない場合は解散すべき
だ」という意見が45%ありまして、一方で「できるだけ早く解散すべき」という意
見を含めて、夏ごろまでに解散を求める声が57%ある。比較的、国民のほうからは
早い段階での解散を求める声が上がってきているが、こういう声に対して幹事長とし
てはどうお答えになられるか。

【幹事長】それは聞き方にもよるんですね。ですから、解散・総選挙をやっても、ど
ちらが勝っても、つまり民主が勝っても自民が勝っても、ねじれは変わらない。そう
いうことをきちんと伝えたうえで聞かれたのかどうかということにもかかってくると
思います。いろいろな報道によって左右されることですので、いちいち私はコメント
いたしません。

【フジテレビ・橋本記者】今回の世論調査の中で、「今の政治を信頼しているか」と
いう質問に対して、「信頼していない」と答えた人が8割を超えた。明らかに政治不
信を国民が起こしている結果がまた出たが、これに対してお考えはあおりか。

【幹事長】それはわれわれも真摯にやっていかなければいけないと受け止めておりま
す。ただ、どれだけ真摯にやってもそれが伝わっていないということだとすれば、そ
れは残念なことだと思います。
 苦情を言うわけではありませんが、先般、愛知県の国会議員が集まったときに、総
理の辞任を求めるようなことが決まったかのような報道が一部報道機関によってなさ
れました。そういう事実は全くありませんでした。むしろ「それはおかしい」という
のが愛知県所属の国会議員の圧倒的な声だったにもかかわらず、そういう記事が出
る。それを追随する、日刊紙ですが、そういうのも出る。そういう中で正しい情報が
伝わっていない。そういったことについて私は、メディアの側も正しく伝える、これ
はメディアの根本のところですから、そこはぜひ気をつけていただきたいと思ってお
ります。

○党内議員の発言に関する報道について

【ニコニコ動画・七尾記者】26日の渡部恒三最高顧問のご発言や、生方幸夫選対委
員長代理の発言など、党内議員からの発言に対して、「予算関連法案を通すためには
首相退陣もやむを得ない、との認識を示唆したものである」という報道が多い。こう
いった報道が日に日に目につくようになっている。こうした退陣に関する報道は、党
内議員の実態とか雰囲気をある程度伝えているものなのか、それとも実態とはかけ離
れた報道なのか。

【幹事長】まず生方さんの発言は、私は承知しておりません。聞いておりません。渡
部恒三先生の発言は、私、直接は聞いておりませんが、詳しく伝えた報道によると、
全体のトーンは「いや、菅さんに責任を負わせるような話ではない。菅さんをしっか
り支えていかなければいけない」というのが結論だったと思います。ただ、前段の部
分でおっしゃったことだけが切り取られて、一部報道機関で報道されているというこ
とです。
 われわれ政治家ですから、こういう時期、そういう一部切り取りがされないように
十分気をつけた発言も必要ですが、やはりメディアのほうも趣旨を正しく伝えること
は、メディアにとって最低限必要なことだと思いますので、そういうことがなされる
ことを期待したいと思っております。

〇社会保障と税の一体改革について

【ブルームバーグ・廣川記者】社会保障と税の一体改革について自民党の谷垣総裁な
どの言動を聞いていると、解散して選挙をやった後、勝ったほうがやればいいじゃな
いか、そのときはお互い協力してやろうじゃないか、というメッセージを出してい
る。菅政権の選択肢として、税と社会保障の一体改革を進めるために解散をするとい
う選択肢はあり得るのか。

【幹事長】解散すればどうして議論ができて、解散前はできないかというのは意味不
明であります。したがって、そういう考え方には私は全く賛同できません。
 この前の党首討論を見ても、結論はすべて「解散しろ」。いろんな理屈はつくけれ
ども、結論は「解散しろ」と、そう言っているように受け取れまして、谷垣さんらし
くないと。もう少しきちんとした論理立てがあっていいのではないかと思って私は聞
いておりました。

【世界日報・山本記者】社会保障と税の一体改革の議論の中で、桜井充財務副大臣
が、この公約については数人の人が考えたので、その方々に来てもらって説明しても
らえればいいという発言が、国会の答弁のやりとりでも出てきているが。

【幹事長】それはマニフェストについて言われたところではないの?

【世界日報・山本記者】でも「公約」という表現だったので。

【幹事長】ちょっと私、そういった発言は承知しておりません。

【朝日新聞・南記者】2004年に一度、年金の大きな改革が行われて、その際には
民主党は、これは不十分だという形で批判されていた。その2004年の改革と、今
回の2011年の抜本改革の大きな違いは、幹事長はどのように認識されているか。

【幹事長】2004年のどちらの改革?

【朝日新聞・南記者】2004年のときの年金改革と、今回、6月に向けて案をまと
めようとされている抜本改革の違いはどこにあるとお考えか。

【幹事長】それは今から中身を議論するわけですから、それがはっきりしていないの
に比較はできません。しっかり中身をまず議論すべきだと思います。

【朝日新聞・南記者】民主党政権になったからこそ、2004年にできなかった部分
について実現したいということが当然出てくるべきだと思うが、その点について幹事
長としてどのようにお考えか。

【幹事長】われわれの年金についての理想は当然あります。最低保障年金とか一元化
とか、そういったことをどこまで盛り込めるのか。それから、すぐにそういったこと
に踏み切るのか、少し時間がかかるのか。もともとわれわれ、全体を移行していくた
めには相当な時間がかかることは前提にしていたわけですが、そういったことについ
てもきちんと議論を整理しなければいけないと思っています。

○北海道知事選挙について

【フリーランス・安積記者】新党大地が、民主党推薦の木村俊昭候補の推薦を撤回し
た。これについて地元で、平成19年の参議院選以来の民主党との選挙協力の仕方に
ついての不満、それから民主党の現状について不満があると聞いているが、幹事長は
どう受け止めているか。

【幹事長】まだ私は確認しておりません。そういった推薦が取り消されたということ
についてですね。ですから、理由も聞いておりません。初めて聞く話です。

【フリーランス・安積記者】推薦の撤回を民主党に申し入れたのが24日と聞いてい
る。27日に民主党の荒井道連代表が道連幹事長に伝えたということだが、これは党
本部には上がっていないということか。

【幹事長】他党の推薦はそもそも党本部マターではありません。いずれにせよ、まず
道連で対応をご議論いただくことが基本だと思います。

○小沢元代表の処分について

【中日新聞・関口記者】先週火曜日に、党員資格停止の処分を決めているが、不服申
し立ての期間が1週間以内だと思うが、その締め切りは幹事長としてはどこに設定し
ているのか。明日、常任幹事会があるが、それをもって締め切りということか。

【幹事長】「1週間以内に」と書いてあったと思いますので、正確を期すれば、先週
常幹で決定した、そこから1週間以内にということだと思います。

○党内ガバナンスについて

【朝日新聞・南記者】先週の代議士会や横浜県連の決起集会の様子など……。

【幹事長】神奈川県連です。

【朝日新聞・南記者】あ、失礼しました。神奈川県連での統一選に向けた決起大会で
の様子などを踏まえて、党内外で民主党の中が“学級崩壊”状態ではないかという指
摘がなされている。個々の構成員の問題点ももちろんあると思うが、執行部側のガバ
ナンスの点で、今、問題を感じている点や、今後改善していきたい点があったら、お
聞かせいただきたい。

【幹事長】神奈川県連は数名の方が激しくヤジりました。それは残念ですが、どなた
でも、2万円ですか、パーティー券を買えば入れる会場ですので、いろいろなご意見
の方が来るということは、これはどうしようもない。それはガバナンスの問題ではあ
りません。株主総会でいろんなことを言う人が出てきたから、それはその会社の役員
のガバナンスの問題かというと、そんなことは全くないわけで、そういうふうに私は
受けとめておりません。
 党の中では、私は、仲間が説明しているときに後ろのほうで大きな声がするのは、
それはいかがなものかと考えて注意をしたということであります。ああいうことはも
う繰り返されないと思っております。




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