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2011.01.24|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(1月24日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年1月24日(月)16時01分~16時48分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=19650
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110124okada.asx

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■冒頭発言
○公設秘書の永年勤続表彰
○菅総理の施政方針演説、各大臣演説について
■質疑
○施政方針演説について
○今国会の諸課題ついて
○小沢元代表の国会招致について
○会見のオープン化・議員が担うべき広報の役割について
○地方選挙について
○党改革検討本部のスケジュール
○所感
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■冒頭発言

○公設秘書の永年勤続表彰

【幹事長】ちょっと時間に遅れまして申しわけありません。本会議が遅れたことと、
私の秘書を20年間やってくれている金指良樹秘書の永年勤続表彰、十数名の衆議院
の秘書が受けましたので、その一人として金指君も表彰されたということで、そこに
同席しておりました。考えてみれば、20年という長きにわたって私を支えてくれた
わけで、そのことに改めて感謝したいと考えております。あっという間に20年たっ
たなと、そう受け止めております。

○菅総理の施政方針演説、各大臣演説について

【幹事長】さて、今日国会が始まったということで、総理はじめ各大臣の演説があり
ました。総理の演説は極めて明快なものだったと。「何をやらなければいけないの
か」「何をやろうとしているのか」がきちっと伝わる演説であったと思っておりま
す。新年1月4日の記者会見と同じでありますが、それをさらに深め、具体化した非
常にいい演説だったと考えております。あわせて、来年度予算に盛り込まれた政策、
あるいはこれまでに民主党が取り組んできた政策についても触れられておりますの
で、今回の総理の施政方針演説をお読みいただくと、今まで1年半の民主党政権の全
体を振り返っての総決算といいますか、全体を説明していることにもなっているとい
うことで、ぜひ多くの方に読んでいただきたいな、あるいは聞いていただきたいと
思っております。

あと前原大臣、野田大臣とありまして、最後、与謝野大臣の演説がありました。もう
少しヤジが多いのではないかと思っておりましたが、野党の皆さんも比較的静かに聞
いていただきました。振り絞るような声で演説されて、与謝野大臣の政治生命をかけ
ての取り組みが伝わってきたのではないかと思っております。これから予算委員会の
審議が、もちろんその前に代表質問があるのですが、厳しい予算委員会の審議も予想
されますが、そういった与謝野大臣の思いがしっかりと国民の皆さんに伝われば、私
は多くの国民の皆さんにご理解いただけるのではないかと思っております。

私からは以上であります。

■質疑

○施政方針演説について

【記者】今日の菅総理の施政方針演説では「東アジア共同体」という言葉が抜けたと
思うが、これは外務大臣を経験された岡田幹事長から見てどのように評価できるもの
か。民主党の公約自体が変更したことにつながるのかどうか、お聞かせいただきた
い。

【幹事長】一つは言葉の問題だと思います。アジア太平洋という視点でとらえて総理
は演説されたと思います。東アジア共同体もその範囲はどうかと。まあ、私はそうい
う議論は不毛だからあまりしたくないのですが、アメリカやインドもその範囲に含め
るという意見が多いと思います。そうであれば、それをどう呼ぶかという問題であっ
て、基本的には考え方は変わっていないと思っています。

○今国会の諸課題について

【記者】今日から通常国会が始まったが、今後の予算案の審議においては、民主党政
権がつくった予算案の修正が一つの焦点だと思う。まず修正する場は、幹事長として
はそれぞれの委員会の場を想定しているのか、あるいは幹部間の与野党協議の場を想
定しているのか。

【幹事長】ちょっとまだ気が早いと思いますね。まだ議論も始まっていないので、代
表質問、そして総括質疑とやっていく中で、何が問題なのか。われわれとしてはこれ
はベストの予算案であるということで出しておりますが、もちろん衆参ねじれの中
で、「われわれのものがベストである」と言って胸を張っていれば済む話ではありま
せんので、野党のご主張に謙虚に耳を傾けたいと思っています。絶対反対だと言われ
てしまうとそういう余地はなくなってしまうわけですけれども、審議の中でこういう
ところが特に問題だというご指摘をいただければ、それについてどう対応するかをこ
ちらも考えられますし、当然、協議もできることになると思います。どこでどういう
形で協議するかは、そのうえで最善のものを考えていけばいいと考えています。

【記者】安住国対委員長が今日自民党に、与野党の幹事長会談を27日にやると回答
したが、これまで幹事長は「幹事長会談については、何を議論するか中身が大事だ」
とおっしゃっていた。27日は予算委員会が始まる前だと思うが、どういう議論をこ
の会談でしたいとお考えか。

【幹事長】27日、金曜日でしたっけ。木曜ですか。ちょっと木か金か、私まだ聞い
ていないんですけれども、いずれにしても野党のほうから求めがありましたので、そ
れに対して「お受けする用意あり」とお返事をしたところです。

 聞くところによると、小沢元代表の問題について聞きたいということも言われてい
るようですが、私からは、先般お示しした両院協議会やあるいは問責決議の取り扱い
などについても議論したいと考えております。いずれにしても、何を議題にするかと
いうことは国対委員長間で整理・調整していただく話ですので、今の段階ではそれ以
上のことは申し上げません。最終的にはその調整にお任せしたいと思っています。

 それから、当然のことですけれども、幹事長同士が会いますので、この国会の審議
にご協力いただきたいと。国民の立場に立ってしっかりといい議論を、政策論をお願
いしたいと思っております。

【記者】予算案の修正に関して幹事長は以前、子ども手当と高校の無償化に関しては
予算の修正はしないとテレビ番組でおっしゃっていたと思う。修正しないというのは
理念の問題なのか、あるいは額とか地方負担の問題とかの点も含めて修正しないとい
う意味なのか。

【幹事長】私の記憶は定かではありませんが、「修正しない」と私、言ったでしょう
か。たしかあのときに自民党のほうから全面取り消しというお話があって、それに対
して反論した、それを受けることはできない、と申し上げた記憶はありますが、修正
そのものをしないと、私の記憶ではそうは言っていないと思いますし、現時点で問わ
れれば、この2つ、子ども手当と高校授業料無償化について全く議論する余地なし
と、そう言うつもりはありません。

【記者】子ども手当法案の提出法案の中での位置づけだが、新しい法律を通さなけれ
ば子ども手当法案は今年度限り。早急に通す必要があると思うが、予算の審議などと
並行して早く審議入りするという考えはおありか。

【幹事長】これは予算委員会での議論を見ながらの話でありますので、今「こうだ」
と決めつけるつもりはありません。ただ、子ども手当法案、これが通りませんと4月
から児童手当に戻ってしまう。しかし、急に、そんな変わったとして実際に窓口にな
る自治体の対応ができるわけではありません。したがって、相当混乱するし、必要と
されるところに手当が行かないことになりかねませんので、そういう意味でしっかり
とご議論いただき、そして支給することに支障のないタイミングでご議論いただくこ
とが必要かと思っています。

【記者】予算案の修正となるとマニフェストの見直しとも若干かかわってくるところ
があると思う。この議論は並行して行っていくかと思うが、マニフェスト議論の協議
の場、準備中だと思うが、今の時点でどういう状況になっているか。

【幹事長】これは予算の総括質疑が終わらないと、なかなか閣僚も忙しいものですか
ら、まだ玄葉大臣ともよく相談できておりません。しかし、まあ1月というか、2月
ですね、総括質疑が終わったぐらいでご相談して、なるべく早く立ち上げたいと思っ
ています。夏ごろまでには、つまり概算要求を行うまでには方向性が出ていないとい
けませんので、そういう意味でそんなにゆっくりはできない問題だと考えておりま
す。

 (マニフェストの)見直しというか、「検証」と言っていただいたほうがいいと思
います。検証した結果、必要があれば見直すということですね。

○小沢元代表の国会招致について

【記者】小沢元代表の政倫審の問題だが、今日これから役員会があるが、どのように
経緯を説明するのか。また、今週中か来週中かわからないが強制起訴されるが、その
場合、処分や措置についても今日の役員会で議論しようという提案をされるのか。

【幹事長】あまり先取りした議論を私は好みません。今日(役員会で)行うのは、今
までの経緯をきちっとご報告すると。特に政倫審会長と小沢元代表、小沢元代表とい
うより実際には川内(博史)幹事とのやり取りなどをきちんとご報告し、そういう中
で私として決議を行わないという判断をしたわけですが、その考え方についてご報告
しなければならないと思っております。

 今後のことは、実際にそういった事態になった上で役員会でまず議論し、必要があ
れば常任幹事会などでも広げて議論していく必要があると思っています。

【記者】一部の新聞・テレビの報道によると、小沢元代表が政倫審への出席を拒んだ
場合とか強制的な起訴があった場合は除名あるいは離党勧告をすべきであると岡田幹
事長がおっしゃったと。金曜日に岡田幹事長と面談した川内議員によれば、岡田幹事
長はそんなことおっしゃっていないと言っている。新聞・テレビに載っていることと
川内議員が言っていることが話が違うが、事実はどうなのか。

【幹事長】新聞もごらんいただくとそれぞれ違います。かなり前のめりになっている
新聞もあれば、私の述べたことを正確に伝えている新聞もあるということで、なるべ
くいくつかの新聞を読み比べるべきだということを、まず申し上げておきたいと思い
ます。

 私は結論を先取りして申し上げることはしておりません。ただ今回、私あるいは代
表・総理の政倫審出席要請に対して、そのことについてゼロ回答。もちろん予算が通
れば出るという趣旨のことは読み取れないわけではありませんが、基本的に当面出る
予定はないと、そう受け取らざるを得ないような回答があったことも事実で、そのこ
とについて党としてどう考えるのかという問題はあります。

 そして強制起訴の話などが言われておりますけれども、そういうことが現実のもの
になれば、そこをどうとらえるのかも、これは議論しなければならなくなります。ど
ういう方向で議論するかについて、私があらかじめ申し上げることはありません。ま
ずは役員会で皆さんのご意見もお聞きしてみたいと考えています。

【記者】では、議論すべきであるというところまでおっしゃったわけで、踏み込んだ
わけではないということか。

【幹事長】私は方向性をなるべく出さないようにしております。私が最終的にまとめ
る立場でありますので。

【記者】小沢元代表の政倫審(出席)がほぼ難しくなり、幹事長が先日、残る国会で
の説明のあり方としては証人喚問しか残らなくなってしまうという趣旨のお話をされ
ていた。野党は証人喚問を求めているが、証人喚問の前に例えば参考人招致といった
形もあるかと思うが、その辺はいかがお考えか。

【幹事長】あまりこちらからそういうことは言わないほうがいいと思うんですね。証
人喚問も、前回お話ししたかと思いますが、これは偽証罪の適用がある非常に厳しい
制度で、多くの野党が要求していることは承知しておりますが、そのことについて公
的なことを私は申し上げたことはありません。いろいろなことについてまさしく党の
中で議論するということですから、今の段階でこれがいい、あれがいいということは
言うべきではないと思います。ただ言えることは、きちんと国会の場で説明していた
だきたいということは一貫して申し上げております。

【記者】岡田幹事長はこれまで会見などで、「自ら政倫審に出てこない場合は議決す
る」と強調されていたと思うが、先週の愛知県のぶら下がりで、「小沢さんが出てこ
られないのだったら議決しても意味がない」と、議決をしない理由を述べられた。議
決しても小沢さんが出てこないというのはある程度予想はできたかとは思うが、国民
は、なぜ議決しない結論に至ったかというのがいまひとつわからない。改めてその理
由をお願いしたい。

【幹事長】それは皆さんよくわかっておられることだと思うんですが、もちろん私は
出てこられる可能性はあると思っておりましたので、ぜひ出てきていただきたいと。
そして出てこられなければ、決議してでもと。これは役員会でも確認されたことであ
ります。しかし、かなり明確な形で、少なくとも「すぐに出るつもりはない」と、こ
ういう趣旨のことを、これも人づてですから本当のところはどう述べられたのかわか
らないのですが、まあ、そういう趣旨のことを言われたわけであります。そうする
と、決議しても出てこられない。それでも党の姿勢を示すために決議すべきだと。そ
ういう考え方は当然私も持っておりました。

 しかし、野党がみんな決議することに反対する中で、決議を民主党だけで行うと、
3党しかないわけですから、民主党だけで行うことになりますと、それはせっかく
セットした本会議や予算委員会の日程に影響を及ぼす可能性がある。現にそういった
ことをかなりはっきり言われた野党の幹部もおられたということであります。

 この国会、とにかく予算をしっかり通すことが極めて重要でありますので、せっか
くいろいろ苦労して入り口のところは波静かに入っていける、そういう見通しがつき
つつある中で、そういうリスクをとるべきではないと。そこは幹事長として総合的に
判断させていただきました。大変残念なことでした。

【記者】強制起訴が月内にはたぶんあると思うが、この処分・措置の問題に関して、
結論先取りはしないと幹事長はさっきおっしゃったが、4月には統一地方選も控えて
いるし、先日の全国幹事長会議では「仲たがいをやめてほしい」という声がかなり
あったと思う。時間的に、この政倫審の問題は足かけ3ヵ月かかったと思うが、処
分・措置の問題はじっくり党内での結論が出るまでやるのか、それともある程度期間
を切って結論を出すのか、どちらの考えか。

【幹事長】これはやってみないとわからないですね。ただ、まあ、元代表に関する処
分ないし措置ということですので非常に重いことは間違いありません。あまり拙速で
やるべきではなくて、やはり多くの皆さんの意見を聞きながら判断していかなくては
ならない、そういう問題であると思っております。

 他方で、全国幹事長会議の話もされましたが、いろいろな選挙もありますので、そ
こは非常にジレンマではありますが、といってあまり乱暴なこともすべきではないと
考えております。

【記者】今日予算委員会の筆頭理事間の協議があり、自民党側の武部筆頭理事が、小
沢さんの問題と鳩山さんの問題、この2つをうやむやにしたままでは予算の審議に入
れないとおっしゃっているが、その点について幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】与野党でいろいろ議論してきた話ではあります。ただ、現場でそういう議
論が出ているということであれば、それは現場でよく話し合っていただく必要がある
と思っております。

【記者】おそらく今週行われる幹事長会談で、その2つの問題についての回答を求め
られると思うが。

【幹事長】今までの議論の中で、予算の入り口についてそういった条件がついていた
とは理解しておりません。ただ、現場の筆頭の意見は重いですから、そこはよく現場
で話し合っていただく必要があると思います。あまり物事を言い過ぎますと、刺激を
してかえって議論が混乱いたしますので、ここは基本的に現場でお話し合いをいただ
く、そう申し上げておきたいと思います。

【記者】小沢さんの処分・措置の件だが、今日の両院議員総会の中で「事実無根の可
能性もあり、裁判の結果を待ってからの議論でもいいのではないか」という意見が
あった。それについてのお考えをお聞かせいただきたい。

【幹事長】私の考えは申し上げるべきではないと思います。ただ、もちろん今回の検
察審査会に基づく起訴と、そして検察の起訴が、同列に扱われるべきなのかどうかと
いうところもこれまた議論があるところであります。したがって一概には申し上げら
れませんが、今まで起訴された場合の扱い、起訴された場合に裁判の結果が出るまで
待つということは今まではありません。

【記者】先週、小沢氏側が示した回答によると、2011年度予算案の成立を優先さ
せ、国会の状況を見ながら判断したい、という回答で、政倫審には出ない、とはおっ
しゃっていない。この時点で政倫審を断念する理由は何か。また、小沢氏側が政倫審
に出席する意向を今後示せば、その選択肢はまだ残っているということでよろしいの
か。

【幹事長】まず、今おっしゃったのは川内さんの名前の文書であって、カギ括弧がつ
いておりましたので、おそらく小沢さんがそう言われたのだと想像はいたしますが、
小沢さんの署名入りのものではありません。したがって、それを前提に議論するべき
なのかどうかは私には確信が持てないということであります。

 そして、「予算が通れば」ということですが、役員会で議論してきたのはもっと早
いタイミング。いつということは実は言っておりませんでしたが、決議は国会が始ま
る前にと決めておりました。ということは、なるべく予算に影響ないように、予算の
前には済ませる、そういう思いで少なくとも私は考えておりました。予算が終わるま
でということであれば、別に国会が始まるまでに決議する必要はないわけでありま
す。

 一部に、国会が始まる前に政倫審で述べていただく必要があるという議論もありま
したが、私は、そこまでは役員会で決めておりませんし、多少余裕を持たせる意味
で、予算が通るまでということで、提案も少しゆとりを持たせて、間接的には小沢元
代表の側に提案させていただきました。何とか早く政倫審で自ら述べていただくこと
が、これは党にとってだけではなくてご本人にとっても望ましいことではないかと考
えたからであります。そういった気持ちが通じなかったことは非常に残念でありま
す。

 予算が終わってからという話は、これは野党の今の厳しい物言いを見ております
と、そこまでというのはなかなか困難なことでありまして、少なくともわれわれが望
んだ問いに対しては「ノー」の答えが返ってきたと受け止めざるを得ないと思いま
す。

【記者】菅総理や、仙谷さんが官房長官だったときには、「強制起訴された場合は自
ら出処進退を判断してもらいたい」とおっしゃっていた。自らのご判断を待たずに、
役員会としては、強制起訴されればすぐに議論を始めることになるのか。

【幹事長】基本は、それはご本人の判断です。それを踏まえて役員会で、それがどう
なのかということは議論する必要があると思います。ご本人の判断といってもいろい
ろあるかと思います。しかし、これだけの大政治家ですから、強制起訴が仮に行われ
た際に出処進退についてどうすべきか。出処進退という意味は、総理がそう言われた
ら、「議員辞職か、離党か」と新聞は書きましたが、そういう意味で申し上げている
のではなくて、自らの身の処し方について明確にされたほうがいいと。それが基本だ
と思います。

【記者】検察審査会による強制的な起訴の件ですが、検察による捜査のほうの、大久
保(隆規)元秘書に対する供述調書が取り下げられ、それから石川(知裕)議員のほ
うの録音も証拠採用された。無罪となる可能性が極めて高くなっているが、それでも
検察審査会が、はっきり言って34歳の人たちが、社会的経験も未熟な人たちが決め
たことでもって、一人の政治家を離党すべきだと言うのは、世間の納得をなかなか得
られないのじゃないかという気がするが、いかがか。

【幹事長】離党すべきだと言っているわけではありません。先ほど申し上げたとお
り、私は今、方向性を出してはおりません。そして検察審査会でどういう理由で起訴
するかということは、よく見てみないとこれは判断できないと思います。そういうも
のもまだ示されていない、基本的には、ですね。

 平均年齢が若いとか、あるいは専門家でないという批判はよく聞くわけですが、し
かし、これはやはり日本の一つの制度として、検察だけに任せているべきではない、
きちんと国民の立場からのチェック、市民の側からのチェックが必要であるという考
え方に基づいて、われわれも賛成してできた制度です。しかも、つい最近できたもの
です。それを否定するような物言いは、私は国会議員である限りすべきではないと、
そう考えております。

【記者】小沢さんの周辺は、「小沢さんは、出ないとは言っていない」と言ってい
て、今後もそういうことを言ってくると思う。党の執行部としては国会が今日開会し
たこともあって、もう小沢さんが政倫審に出る意思はないと判断するのかどうか。今
後の役員会などの議論で、党の方針に小沢さんが反した行為があったのだという前提
で議論していくのかどうか。

【幹事長】少なくとも今出る意思はないことは明らかだと思います。まあ予算の進展
状況に応じて途中で出る意思があるのか、あるいは予算が上がらないと出ないと言っ
ておられるのか、そこはちょっと実ははっきりしないんですね。いずれにしてもご本
人の文書ではありませんので、こちらで勝手に想像するわけにもいかないということ
で、非常にあいまいであります。しかし、今出る気はないことははっきりしていると
思っております。これだけ誠意を尽くしてやって、そしてああいう答えが返ってきた
わけですから。それ以上のことは申し上げるつもりはありません。

【記者】今日の両院議員総会で、党人事・閣僚人事についていろいろ意見が出たが、
その中で北神圭朗衆議院議員からも党人事・閣僚人事についての異論が出た。北神さ
んはいわゆる小沢さんのグループとは別の方であり、そのように党内からも広く異論
が出てきていること自体への受け止めをお聞かせいただきたい。

【幹事長】いろいろな方がいろいろな意見を言うのは歓迎すべきことだと思います。
いつも決まった人が決まった物言いをするのではなくて。

 北神さんには、その真意は、間接的ですがお聞きをいたしました。ご本人の気持
ち、あまり外には言いませんけれども、やはり参議院選挙で負けたことに対してきち
んと責任を果たされていないのではないかということで言われたと、私は間接的にお
伺いをしております。今回の人事のやり方の問題ではなくてですね。まあ、誰かとい
うことは申し上げませんが、参議院選挙に責任を負うべき人が、また党や内閣の中で
重要なポストに就いていることについて異論を述べられたと聞いております。

 しかし、それは考え方の問題ですから、例えば枝野さんについていえば、幹事長を
やられた枝野さんが降格して幹事長代理を務められたということですから、私は、参
議院選挙で負けたときの幹事長という責めを十分に負ったと、そう考えております。
「責めを負った」というのはおかしいのかな。とにかくそれで一定のけじめはついた
と考えております。

【記者】幹事長は、「小沢さんは今出る意思がないのは明らかだ」とおっしゃって、
政倫審を事実上断念されたのかなと思うが、それでも小沢さん自身にコミュニケー
ションをとっていくお考えは今おありか。

【幹事長】政倫審に関してはありません。もともと政倫審というのはかなり狭い道
で、それで野党が納得するかどうかというと、必ずしもそれははっきりしていなかっ
たわけであります。もちろん社民党は別ですが、他の党はやはり証人喚問が必要であ
ると言っておりました。しかし私は、自ら政倫審に出てこられて、そしてオープン
に、いつか申し上げたと思いますが、メディアの皆さんからもアクセスできる状態で
お話しになれば、世論も変わるかもしれないし、したがって野党の厳しい要求も、つ
まり証人喚問という声も変わるかもしれないと。そういう思いで政倫審ということ
を、非常に狭い道だと思いながら、粘り強くやってきたということです。しかし、ご
本人がその気はないということであればそれは全くの徒労に終わるわけで、これ以
上、私はやるつもりはありません。

【記者】政倫審以外の、今後、野党が証人喚問を求めてきたり強制起訴が起こってき
た場合、その都度、小沢さん本人の意見を聞いていこうという考えはおありか。野党
が証人喚問を求めてきたり場面が変わってくると思うが、場面が変わってくれば、ま
た小沢さん本人の意見を聞く考えはおありか。

【幹事長】そういう機会はあるかと思いますが、なかなかコミュニケーションをとり
にくい状態であることは事実です。いずれにしても、まず証人喚問という話を野党は
出しておりますが、それは予算の現場でよく話し合っていただきたいと思っておりま
す。

○会見のオープン化・議員が担うべき広報の役割について

【記者】視聴者の質問を代読させていただく。枝野官房長官が14日の記者会見で、身
近に政治を感じてもらう観点から記者会見のオープン化を進めたいとの考えを示し
た。その後、表面上は特に動きはないようだが、幹事長としては実現可能性、あるい
は根本的な必要性についてどう考えていらっしゃるか。

【幹事長】これは外務大臣のときにも申し上げたと思うんですが、私自身はオープン
化が必要であると考えて、外務大臣のときにそれを実現いたしました。ただ、それぞ
れの役所、特に官房長官というお立場もあります。ですから、それはご自身が、つま
り枝野官房長官がご判断になることで、私が、こうあるべきだということは言わない
ほうがいいと思っております。

【記者】視聴者からの2問目。本日の両院議員総会で杉本かずみ衆議院議員から「政
府の実績をアピールしてほしい。メディアの報道は政局ばかりだ」という意見があっ
た。これに対して幹事長は、「総支部長が地元に帰って政府が何をやっているか語っ
ていただきたい」とおっしゃったかと思う。ただ、有権者はテレビや新聞報道を中心
に見ざるを得ない現状にあると思うし、議員のほうも情報入手という観点からは、い
かに民主党であってもそんなに変わりない状況かもしれない。少なくとも大臣が何を
考え何を行っていくか知ることのできる会見が週に2回あるわけだから、有権者がま
んべんなく見られる仕組みをつくる方法もあるかと思う。これから統一地方選がある
わけで、この点いかがお考えか、という質問である。

【幹事長】それは政府の問題ですので、なかなか私の立場で言うのは難しいと思いま
す。ただ、私が外務大臣のときも全体をインターネットで放送していただいたり、あ
るいは外務省としても私の記者会見全体が画像で見られることにしておりました。ア
クセス数もかなりありまして、私は非常に有用であったと考えております。そういう
工夫もこれから必要になってくるのではないかと思います。

 それから、私が申し上げたのは、もちろんまず政府が、あるいは党がもっとちゃん
と広報しなければいけないことを申し上げたうえで、しかし、同時に、有権者が直接
接するのは議員ですから、総支部長、それぞれの衆参の国会議員ですね。地元に帰れ
ば有権者と接して、座談会とか集会とかいろいろなことをやっているはずです。そう
いうときに、しっかりと政府のやっていることについてPRしていただきたいという
ことです。ややもするとそこが切れてしまっていて、「政府は何もやっていない」と
か「けしからん」とか、そういうふうになってしまうと、これは野党時代の発想で、
やはりまず自らがしっかりと、例えば今日の菅総理の施政方針演説、この中にいろい
ろなことが詰まっておりますので、書いてありますので、そういうことをかみ砕い
て、自らの選挙区に合わせてより具体的にお話しいただく。そういうことを通じて、
やはり有権者・国民の皆さんに、政府が何やっているかということが伝わっていくの
だと。そこのところも非常に重要だと思っております。

○地方選挙について

【記者】昨日、岡田幹事長は岐阜で統一選の候補者擁立に関して、「現段階ではもう
選挙間近になったので、候補者を擁立するよりも、その候補がいかに勝てるようにす
るかという局面だ」と発言されたと思う。これは昨年秋に掲げられた空白区をなくす
とか過半数を擁立するといった岡田幹事長の3原則を、事実上撤回されたことになる
のか。

【幹事長】そういう質問が出ることは驚きですね。極めて曲解されていると思いま
す。候補者擁立について基本的に決めるのは都道府県連です。ですから、その都道府
県連に対して、党本部としての基本方針を示して、ぜひこの方針に沿ってお願いした
いということを言ってまいりました。したがって、撤回とかそういうものではないん
ですね。ずっと努力はいただいたと思いますし、私も全国かなり回ってお願いしまし
たが、もう選挙までわずかしかない中で、今無理して立てて、もちろんいい候補者な
ら立てたらいいと思いますが、無理して立てても、それは当選には普通は届かない。
都道府県会議員であれば、本来であれば何年間か足で歩いて有権者の支持を得るとい
う努力がなければ、いきなり当選することはまず普通はないんですね。

 そういうことも考えると、そろそろ、数を増やすことよりは、既に擁立を決めた人
たちをしっかり応援するほうに県連としても重点を移してもらいたいということを申
し上げたわけで、それが撤回とかそういうことでは全くありませんので、誤解なきよ
うにしていただきたいと思います。

 もちろん首長、知事とか市長はまだ候補者が決まっていないところがありますか
ら、これは急がなければいけません。三重県も含めて。

○党改革検討本部のスケジュール

【記者】党改革検討本部の設置時期について伺いたいのと、主メンバーとか、綱領や
代表選のあり方についてタイムスケジュール的なものが念頭にあったら、お教いただ
きたい。

【幹事長】本部長は私が務めるつもりであります。ただ、3つの委員会を置く予定で
すので、そこについては人選中です。長妻筆頭副幹事長にこの問題を政治改革と並ん
で基本的に担当してもらおうと思いまして、彼にはその旨指示を出して、今長妻さん
の基本的な考え方が上がってくるのを待っている状況です。決まり次第、またこの場
でもご報告できると思います。いつまでにというのは、いつか申し上げたと思います
が、私は夏ごろまでだろうと思っております。

○所感

【幹事長】あとは、ですから、代表質問、それから予算委員会ですね。予算委員会は
非常に大事だと思いますので、ぜひそれぞれの閣僚が適切なる答弁、そして私も外務
大臣のときにかなり挑発的な答弁もした記憶がありますが、それは議論はおもしろく
なければなりませんし、わかりやすくなければなりませんので、丁々発止のやりとり
があることは大切なことだと思いますが、同時にやはり丁寧に、そして質問に対して
ちゃんと答えることを閣僚の皆さんには要望したいと思います。

 先般、与謝野大臣をお訪ねした折に、まあ別件もあったのですが、「木鶏(モッケ
イ)になってください」と申し上げました。木鶏というのは、もうご存じの方が多い
と思いますが、双葉山が負けたときに、「われ木鶏にあらず」と言ったということ
で。いろいろな厳しい意見が飛んでくると思いますが、それに対して冷静に、しっか
りと対応していただき、与謝野さんの思い、なぜこの時期にわざわざ民主党政権の閣
僚を引き受けたのか。それはいろいろな批判が飛んでくることは当然予想できるわけ
だし、予想できたわけですけれども、そういう中で、なぜ大臣を受けてこの困難な問
題を担当されるのか、そういう思いが有権者の皆さんに伝われば、非常に困難なこの
国会審議も乗り切れるのではないかと、そう思っております。




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